シンクロスコープ
電気信号の波形を映し出し、時間(周波数)や電圧を観測する測定器であるオシロスコープ(オシロ)のこと。アナログオシロスコープとほぼ同義。略称:シンクロ。
岩崎通信機が「同期(sync、シンク)がとりやすいオシロスコープ」の意味で製品名にしたとされる。以前は同社の「トリガ機能付きオシロスコープ」の品名だったが、現在のオシロはトリガが標準になったので、この呼び方はほとんど使われない。
現ではオシロといえばほぼデジタルオシロだが、1980年頃はアナログオシロが主流で、オシロのことを「シンクロ」と呼称している電気技術者が多くいた。岩崎通信機がアナログオシロ時代の国産トップブランドだったことを伺わせる。1964年創刊の月刊トランジスタ技術(略称:トラ技)は多くの計測器の記事や広告を現在も掲載しているが、創刊号には岩崎通信機がトランジスタを採用した当時の最新のシンクロスコープについて解説記事を書いている。
三菱電機のPLCの名称である「シーケンサ」がPLCの代名詞のように呼称されていたり、Canalyzer(キャナライザ)やsniffer(スニファー)ということば(メーカが命名した通称)がCANバスアナライザやLANプロトコルアナライザとして呼称されるのと似ている。
計測器情報:岩崎通信機のアナログオシロスコープ製品例・・同社の形名/品名はSS-6000シリーズやSS-7000シリーズのアナログオシロスコープと、TS-8000シリーズ、TS-80000シリーズのアナログストレージオシロスコープがあったが、現在はアナログオシロはすべて生産終了している。ラインアップはDS-5000シリーズ、DS-8000シリーズ(2023年1月現在の同社HPより)。