シグナルアナライザ
スペクトラムアナライザ(スペアナ)の1種。変調信号の解析を主眼にしたスペアナの名称。移動体通信向けのスペアナはキーサイト・テクノロジー、アンリツ、ローデ&シュワルツなどの通信計測器各社がシグナルアナライザと命名している。スペアナとシグナルアナライザは通常、区別なく使われているのでほぼ同義だが、厳密には機能に違いがある。スペアナは周波数ごとにパワーを測定・表示するため周波数ドメイン(横軸が周波数)といわれる。ところが今日主流のスペアナは変調ドメインでのより包括的な信号解析が可能なため、各社がシグナルアナライザという品名で呼んでいる。スペアナの主機能である周波数分析に信号解析の機能をもった機種が、現在の主力のスペアナ(シグナルアナライザ)である。機種群名はスペアナで、新しくシグナルアナライザというカテゴリ(区分)ができたわけではない。
キーサイト・テクノロジーには30年以上前から時間軸と周波数軸の両方の表示・解析ができるVSA(ベクトルシグナルアナライザ)という製品群がある。そのため従来はシグナルアナライザというともっぱらVSAを指したが、オシロスコープにスペアナ機能が付く時代となり(MDO)、VSAは古い機種群になった。現在はシグナルアナライザといえば変調解析ができるスペアナのことである。