シグナリング
(signaling)
電話で会話するときの、発信者と着信者間の通信路の確保や切断などの処理を行う、一連の処理(手順、プロトコル)のこと。別名、呼制御。特定の2台の電話機が会話をするためには、固定電話機(黒電話)で説明すると、受話器をあげる、ダイヤルする(電話番号を入力して発信する)、呼び出す、相手も受話器をあげる、というやり取りがある。シグナリングは、ダイヤルを発信(発呼、はっこ)してから着信(着呼、ちゃっこ)した相手が受話器を上げるまでのプロセスを指す(電話を切るときもシグナリングの処理がある)。
シグナリングによって、話したい相手の電話を特定して通信チャネルを確保して、通話が開始できる。シグナリングは手順や仕組みを決めた約束事のため、シグナリング・プロトコルとも呼ばれる。VoIP(Voice over IP、インターネットを使った音声通信技術)では、相手のIPアドレスを知るために、H.323やSIP、MGCPなどのシグナリング・プロトコルで情報のやり取りを行い、インターネット上で音声を交換するためのセッションを確立する。H.323はITU-T(国際電気通信連合)が標準化を行った(メーカ固有の拡張機能も認められている)。SIP(Session Initiation Protocol)はIETF(Internet Engineering Task Force)が標準化団体で、拡張機能もIETFが規格化している。
signalは「信号」や「合図」なので、signalingは「信号している」、「合図する」というような意味になる。電話で、呼を確立して通話ができる状態にすることを「信号(合図)を送る」という意味でシグナリングと呼んだと筆者は推測している。「signalingとは無線関係で使われる制御信号のこと」と解説している文献もあるが、元々は電話の用語で、現在の電話の主体が携帯電話になったため、無線関係でsignalingということばが良く出てくるようになった(たとえばシグナリングテスタ)。
上記は通信計測器を含む通信の用語である、電話のシグナリングについて説明したが、シグナリングはその他にも多くの分野で使われることばである。マーケティングでは、「商品の中身(実体)が外部からは明確には見えない状況で、外部に何らかのシグナル(サインやメッセージ)を発することで商品をイメージさせること」をシグナリング効果と呼んでいる。また、ミクロ経済学には「シグナリング理論」がある。
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