サーバ
(server)
コンピュータ・IT機器の関連用語。ネットワーク関連の通信計測器でもたびたび使われる用語。ネットワーク経由で計測器と通信する時や、テレビ・オーディオ測定器などで、「サーバ」が品名にあるモデルもある。
英語を和訳すると「提供する側(もの)」。利用者の要求に対して、それに応答したデータを提供するコンピュータやプログラムのことをサーバ(またはサーバー)と呼ぶ。「ネットワーク上のコンピュータの中で、他のコンピュータから要求や指示を受け、情報や処理結果を返す役割を持つコンピュータ」である。利用者や他のコンピュータは、クライアント(client、元々は広告代理店に広告をだす依頼主。customer顧客とほぼ同意)と呼ばれる。そのため「クライアント/サーバ」システムや「クライアント/サーバ」方式という用語がある。サーバはservice(サービス)と語源が同じで、「何かをサービスするもの」ということで命名されたことば。「クライアントにサービスを提供するコンピュータ」といえる。
serveは「仕える」なので、「クライアントの要求に応じてデータを与えるもの(仕えるもの)」という意味にserver(サーバ)はうけとれる。本来は供給者(supplier、サプライヤ)や提供者(provider、プロバイダ)に近い立場なのだが、「master(マスタ、主人)が使っているのがservant(サーバント、使用人)」なので、サーバは雇われて使われる側とも理解される。クライアントはコンピュータとは限らず、各端末(会社で各人が使っているOAパソコンなど)のことも多い。すると、「クライアント/サーバ」とは中央で制御しているコンピュータ(サーバ)よりも各端末の方が主人(マスタ)であるような命名である。中央のコンピュータが端末の要求に応じてデータを提供するしもべ(下僕)である、というのがクライアントに対するサーバの身分(立ち位置)に思えてくる(サーバという名称から想像が膨らむ、筆者のイメージ)。
もう1つ、コンピュータ用語には、マスタ/スレーブがある。制御機器をマスタ、各端末(デバイス)をスレーブという。slaveは日本語では「奴隷」である。この命名では、古代の王国で、主人が奴隷を使ったように、コンピュータと端末の関係を命名している。クライアント/サーバとは真逆の名称(イメージ)といえる。マスタとスレーブという関係はネットワークに繋がるノード(各端末、デバイス)の関係を示すことばとして使われている。クライアント/サーバとは違う定義である。
2000年代に企業内にLANが整備され、インターネットが普及すると、サーバやルータということばが使われ始めた。サーバはLANのコンピュータ、ルータはインターネットでデータを送る経路を決める(ルーティングする)機器(コンピュータ)、という解釈(イメージ)で広まった。なので、LANはクライアント/サーバシステムである(マスタ/スレーブ方式という説明も多くされる)。現在ではサーバとルータの区別(機能やサービス)は曖昧になっている。「サーバはユーザ(クライアント)が存在を意識する装置、ルータはユーザがその存在を意識する必要の無い装置」、という概念的な定義がある。元々サーバとはサービス提供者という意味の概念である。
サーバとは以下のような説明もできる。
・インターネットやLANなどのネットワーク上で、PCにさまざまな機能やサービスを提供するコンピュータ
・コンピュータネットワークでサービスや情報などをユーザ(サービスの要求者)に提供する役割を持つハードウェアやソフトウェア。
・端末(パソコンやスマホなど)からの要求に応じて処理を実行するプログラムやコンピュータ。ホームページを格納しているWebサーバ、メールを処理するメールサーバ、データを格納しているデータサーバ、映像関連のコンテンツを供給するビデオサーバなど。
つまり、サーバとはコンピュータ(ハードウェア)とは限らず、IT機器の機能の名称(概念)なのである。いまやIT機器の普及、通信ネットワークの発展で、「サーバ」は身近なことばになり、その意味は拡大しているように筆者は感じる。「ウイルス攻撃が海外のサーバを経由しているので、発信元が特定できない」という会話は、コンピュータシステムのセキュリティの現場では日常的なものである。
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