カーブトレーサ
(curve tracer)
半導体デバイスの電流・電圧特性(I-V特性)を精密に測定する計測器。デバイスメーカでは研究開発~設計~検査のすべての行程で使用する基本測定器である。名称は、I-V特性のグラフ(カーブ)をトレースして表示することに由来する。半導体の受け入れ検査でも使われ、過去には菊水電子工業や國洋電機が作っていたが、すべて生産中止した。R&D向けには長らくテクトロニクスの370型と371型が業界標準だったが2000年代に生産終了し、岩崎通信機が同等品のCS-3000シリーズを2013年に発売した。現在同社はラインアップを増やし、現在はCS-5000、CS-8000などのシリーズがある。国内の半導体デバイス(パワエレ半導体)メーカも設備は、テクトロニクスから岩崎通信機に入れ替えが進行している。
太陽光パネルの発電量を測定するとき、(パネルは半導体なので)I-Vカーブを測定して評価する。日射計で有名な英弘精機などがPV(太陽光発電)用のI-Vカーブトレーサを発売している。PVの普及が拡大する2010年頃にはPV評価用機材としてベンチャー企業がPV用のI-Vカーブトレーサを発売している。
菊水電子工業や國洋電機が生産中止した、受け入れ検査用のカーブトレーサは、現在では中国メーカのShanghai MCP Corp.(ブランド名:INSDAC)がつくっている(日本法人の日本INSADACは2020年に設立)。