カレントトランス
(Current Transformer)
オシロスコープで使うAC電流プローブの別名。トランス(磁気閉回路)に測定対象の導体を入れて1次巻線とし、複数回の巻数の線材を2次巻線にすると、測定対象の電流値に応じた交流電流が2次巻線(電流検出銅線)に流れる。トランスを使って交流電流を検出・測定しているので、AC電流プローブはCurrent Transformer(略記:CT)やカレントトランスとも呼称される。
テクトロニクスのAC電流プローブには、最大連続電流2000AppのCT4 高電流トランスフォーマ(生産中止)や周波数帯域2GHzのCT6 高周波電流プローブがある(2024年7月現在)。Current Transformerからとって型式(形名)をCTとしている(同社は任意波形発生器をAWG、リアルタイムスペクトラムアナライザをRSAなど、形名の頭の命名法則がシンプルなモデルが多い)。海外メーカではAC/DC電流プローブをカレントトランスと呼称している例がある(以下の計測器情報を参照)。
分類としてはAC専用の電流プローブはパッシブ型で、これに増幅器などのアクティブ素子を追加したのが交直両用のAC/DC電流プローブである(つまりAC/DC電流プローブはアクティブ型)。
一般にCT(Current Transformer)は日本語では「変流器」と翻訳される、電流の大きさを変える機器を指す。変圧器が電圧を大きくしたり小さくしたりするように、変流器も電流の大きさを変えるが、一般に大電流を小さくして電子回路で扱いやすくする機器をCTと呼称していることが多い。そのため、電流プローブは(形名をCTとする例はあるが)CTではなく「カレントトランス」と表現されることの方が多い。