オープンRAN
(Open RAN)
無線の送受信装置などの仕様を公開(オープンに)して、多くのベンダーの機器が相互接続できるようにした、標準化されたRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)。RANは、各端末(スマートフォンなどの携帯電話)からの通信データを整理し、基幹通信網(バックボーン、コアネットワーク)に渡す無線通信の部分を指す。具体的にはアンテナや基地局、回線制御装置などが相当する。
RF(Radio Frequency)を「無線周波数」というようにRANも無線アクセスネットワークと呼ばれているが、きちんと説明を聞かないと、「無線はワイヤレス」なのになぜラジオが無線なのか?と瞬時にはRANと無線アクセスネットワークが結びつかず、腑に落ちない。
オープンRANというワードは2021年頃からいわれるようになったと筆者は感じる。NTT技術ジャーナルでは「NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル」(Vol.30、No.1、2022年4月)で解説されている。2024年3月6日の朝のNHKニュースでは、トレンド情報として、以下のような放送があった。「携帯電話の基地局の機器は1つのメーカに仕様が統一されている。利点は運用の安定性が高いことだが、改良の自由度が低く、コストが下がらないことが課題。通信大手各社(キャリア)は異なるメーカの機器でも接続できるオープRAN方式の導入に力を入れる。NTTドコモはNECと新会社を設立すると今年2月に発表した。オープンRANを海外の携帯電話各社(キャリア)にも広げるとしている。」 オープンRANは、理系ではない一般のビジネスマンが知るような、お茶の間の技術用語といえる。
通信計測器は携帯電話などの移動体通信機器の開発から試験、修理まで深く関与しているので、オープンRANは計測関連用語である。世界的な無線計測器ベンダーのアンリツHPで、電子計測器の製品ページには「モバイル/ワイヤレス通信⽤測定器」として「Open RAN関連測定器」という項目があり、O-RAN Radio Unit Test Solution MX772000PC/MX773000PCなどのモデルが掲載されている(2024年8月現在)。
略記:O-RAN(読み方:オーラン)という表現が散見される。O-RAN ALLIANCE(オーラン アライアンス)という世界的な組織がドイツにある。2018年2月に、AT&T、China Mobile、Deutsche Telekom、NTT DOCOMO、Orangeによって設立された(つまり米国、中国、ドイツ、日本、フランスの移動体通信事業者が設立)。現在は他の会社もメンバーになっている。IT系の技術セミナで、「O-RANの基礎と、同期に関する試験手法」などのタイトルの講座が2024年には開催されている。「Open RAN」や「オープンRAN」ではなく「O-RAN」(オーラン)である。本稿のタイトルもオープンRANはもう古くて、O-RANが妥当(最新・現役の表現)かもしれない(2024年5月現在)。
NTTドコモ、au、ソフトバンクに次いで通信事業者(キャリア)になった楽天モバイルは、従来の高額な通信機器を使わずにコンピュータとソフトウェアでシステムを構築して、設備の低価格化を実現しているといわれている。従来のように基地局に機器を置かず、クラウド上で通信処理を行う仮想化技術の導入を推進している。楽天グループは「仮想化Open RANネットワーク構築の知見を活かして国内外でOpen RANを展開している」と自社技術をPRしている。筆者は2022年4月から楽天モバイルの電話アプリ「Link(リンク)」を携帯電話で使用している実ユーザだが、呼接続の安定性など、品質は他3社に比べて明らかに悪く、2024年4月現在もあまり改善されたと感じられない。通信機器(ハードウェア)の品質をコンピュータとソフトウェアで置き換えるのは並大抵ではないと想像する。
光伝送装置であるROADM(ローダム)の仕様公開(Open APN)など、最近の通信ネットワークはオープン化がはやりである。
2024年5月 ワイヤレスジャパンのキーサイト展示に「ORAN 評価機器」とある。


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