オーディオ・ビデオ測定器
オーディオ用の測定器(オーディオ信号発生器、オーディオアナライザなど)と映像の測定器(映像信号発生器、波形モニタ、デジタル放送関連などのTV放送用の測定器、DATやDVDなどの音響映像機器用の測定器)を総称して、オーディオ・ビデオ測定器と呼称する。電気計測器の統計を作成しているJEMIMA(日本電気計測器工業会)は2002年までは「オーディオ・ビジュアル測定器」といっていたが、2003年から「オーディオ・ビデオ測定器」に名称変更している(2022年現在、「オーディオ・映像機器用測定器&システム」と表記している)。当サイトでは「テレビ・オーディオ測定器」というカテゴリー名(機種群名)にしている。テクトロニクスは2019年までは映像関連測定器をラインアップしていたが、その開発部門をビデオ事業部と呼称していた。映像はTVだけでなくDVDなどの音響映像もあるので、「オーディオ・映像測定器」という呼称が適切かもしれない。「オーディオ・映像機器用測定器」という呼称の書籍(電子計測器のガイドブック)もある。
映像の伝送にはMPEGなどの圧縮技術が使われるため、MPEG関連測定器も含まれる。音響(オーディオ)と映像(TVやDVDなど)の計測器の総称であるが、現在はオーディオより映像に関するモデルが多く、映像信号発生器(アストロデザインのプログラマブルビデオ信号発生器など)と波形モニタ(リーダー電子のラスタライザなど)の2種類が主流となっている。4Kや8Kに対応した計測器がリーダー電子その他から2018~2020年にかけて発売されている。
この機種群の主力は何といってもテレビ放送用の測定器なので、名称は「TV・オーディオ測定器」が適切といえる。2000年代にはオーディオ用測定器として、DVDのジッタを測定するジッタメータやタイムインターバルアナライザがあった(2004年秋に電波新聞社が刊行した電子計測器&システム[ガイドブック]には、菊水電子工業がDVDなどの光ディスクの評価用測定器を解説している)が、それらはほぼ生産中止である(2022年現在)。オーディオアナライザもメーカが整理された。
地上デジタル放送へのNHKと民放の設備投資は2001~2003年にほとんどが終わり、2011年7月までに各ユーザの受信機器(TVなど)の普及も完了した。アナログ時代にはNTSCやPALなど、世界中に多くの規格があったが、現在の日本の規格はISDB-Tになっている。
参考記事
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~ 8Kで目覚める、新しい世界 ~ 映像機器の開発を支えるアストロデザインのビデオ信号発生器
新製品VG-879/VG-886を取材。
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会員専用【イベントレポート】リーダー電子 プライベートショー(東京会場)
8K/4K製品群や、リニューアルしたシグナルレベルメータなどの新製品を取材。(2019年7月)
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会員専用【イベントレポート】リーダー電子 新製品展示会(会場:フクラシア東京ステーション)
新製品発表会を兼ねた個展。映像関連の新製品とIP測定器を取材。専務取締役にインタビュー。(2018年7月)
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会員専用市場動向レポート 「テレビ放送の最前線と計測器」2014年9月号 TechEyes Vol.07
当時のTV放送の状況を解説。