計測関連用語集

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詳細説明

オフセット

読み方:

おふせっと

カテゴリー:

#オシロスコープ

(offset)
オシロスコープで、入力信号の直流成分をキャンセルする機能。DC成分が重畳した波形を測定する場合に、DC成分をキャンセルして波形を拡大する(V/divを上げる)ことができる。ただし、調整できる電圧範囲は限られていて、信号に比べてDC成分が非常に大きい場合はキャンセルしきれない。その場合は入力カップリングをACに設定すれば解決する。反対にACカップリングの弱点は低周波である。ACカップリングは微分回路 として働くため、低い周波数では波形が歪む(波形への影響が大きい)。また、位相もずれる(※)。DC成分のキャンセルにはオフセットとACカップリングの使い分けが必要だが、2つとも長短があり万能ではない。
(※) 電子部品のコンデンサコイル(リアクタンスキャパシタインダクタ)に交流信号を印加すると、電圧と電流には約90°の位相差がある。

offsetは日本語では「偏り」。DC電圧を加えて電圧値に下駄を履かせて高くするのが重畳で、下駄のことをバイアス(bisa、これも意味は「偏り」)という。バイアスをなくすことを(同じ「偏り」である)offsetと呼んでいる。日本語にすると同じ「偏り」だが、オフセットとバイアスは対になっている逆のことばといえる。
オシロスコープ以外でも、周波数オフセットや低オフセット、などのことばが計測器の品名に使われている(以下の計測器情報を参照)。

おなじく「偏り」を示す英語に、deviation(偏差、逸脱、偏斜)とpolarization(分極、偏光)がある。「FM変調のデビエーション」というと、音声を入力した時の周波数の変動範囲のことで、deviationは無線通信の用語。frequency deviationは「周波数偏移」と訳され、周波数変調における周波数変化の幅を示す。FM変調は、変調信号に対応して搬送周波数が変化している。
polarization(分極)は、電界や磁界内に置かれた物質に正・負の電荷が現れたり(電気分極)、磁極を生じたりする(磁化)現象。光は電磁波の1種なので偏波である。これを偏光と呼ぶが、英語はpolarizationである。光通信に使われる光信号を特定の偏光状態にするフィルタであるpolarizer(ポラライザ)は偏光子と呼ばれる。光デバイスの評価指標であるPDL(polarization dependent loss、偏波依存性損失)を測定する偏波コントローラ偏波スクランブラなどの光測定器がある。
このように、英語の「偏り」を意味することばは、複数の英単語が計測器に関係している。

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