インパルス
(impulse)
心理学や物理学の用語で、「衝動」や「衝撃」、「出来心」の意味。電気の世界では「時間が無限小で大きさが無限大のパルス」のこと。無限小や無限大は理想的な定義で、現実の現象では「大変短い時間に大きな振幅の」特殊なパルスを指している。電気機器が動作している電圧(や電流など)と変化の速さ(時間)に比べて、大変に短い時間や、大きな電圧なので、そのシステムが扱っている電圧(や動作スピード)に比べて、たとえば100倍や1000倍(100分の1や1000分の1)ならば、その機器(システム)にとってインパルスといえる。100倍や1000分の1は十分に大きい(や短い)というたとえで、インパルスかどうかは具体的に数値が決まっている訳ではない(低周波や高周波が具体的に何ヘルツかは定義されておらず、個々の事例によって高低が決まるのと同じ)。短い時間に大きな値が与えられると「衝撃」である、というネーミングと思われる。
主に電力系統などの強電の世界で、許容範囲を超える異常に高い電圧が瞬間的に発生するとサージ(surge)と呼ばれる。サージはインパルスに似ているが、過渡的な高電圧ノイズとみなされる。インパルスは主に電子回路などの弱電の世界で使われ、インパルス応答などの解析手法(伝達関数)として扱われている。
障害試験器の1種で、電気機器の耐性を調べる計測器に、インパルスノイズシュミレータや雷サージ試験器がある。ここではインパルスはサージと同じくノイズ源として使われている。
pulse(パルス)は「脈拍」、「鼓動」のことだが、「勢い」、「活力」という意味で使われることがあり、in-pluseが「衝撃」の意味になったと思われる。電気信号で、波の上下の幅が同じ矩形波はhigh(1)とlow(0)の2つの値しかないので、デジタル通信に使われる。この四角形の波形をパルス信号と呼ぶ。値が変位する際はできるだけ短時間に変化することが望ましいので、電圧や電流が急激に変化する信号である。つまり電気の世界では、元々パルスは短時間に急峻に値が変化する信号を意味している。その変化の大きさが大変大きい(無限大)という理論上の波形(信号)をインパルス(衝撃的なパルス)と呼んでいる。

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