アデックスエール
LCRメータやCメータ、抵抗計などの計測器をラインアップする京都の国産メーカ。1980年代に発売されたアデックス製品を2010年代に継承したと思われる。
アデックス株式会社(本社:京都市伏見区、略記:ADEX)は1980年代に回路素子測定器を発売した。インピーダンス測定器の世界的なデファクト、ヒューレット・パッカード(hp、当時の日本ではYHP。現キーサイト・テクノロジー)などの海外メーカから遅れて、1970年代に国産計測器メーカはLCRメータをつくり始めた。カーブトレーサなどの電子部品測定器の國洋電機工業、FRA(周波数特性分析器)で電子部品評価の要素技術があるエヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)、tanδ(タンデルタ、誘電体損測定器)などで材料・回路素子の評価をしてきた安藤電気などである。
アデックスはこれら計測器メーカよりも安価なLCRメータをつくり、1980年代の月刊トランジスタ技術に頻繁に広告を掲載していた。高周波の製品は無く、2005年頃のラインアップはLCRメータ(1kHz)、Cメータ(静電容量計、キャパシタンスチェッカ)、抵抗計、ミリオームメータ、ハンディDMMなど。現在は「アデックスエール」社がベンチトップの製品群(LCRメータやCメータ、抵抗計など)、約45機種をHPに掲載している(2022年4月現在)。アデックスエール(株)は「1986年4月にエールシステム設立、2013年11月に事業統合によりアデックスエール(株)に社名変更」だが(同社HP、2026年現在)、1980年代~2000年代のアデックスとの関係は不明。アデックス社が現存していないので、三栄測器や日立電子、松下通信工業のように、消えてしまった会社の計測器の実態が全く記録が残らないのと同じく、アデックスの実態(なぜ、いつ、LCRメータを開発したかという経緯や背景)は謎である。
アデックスの計測器はアデックスエールで現在も現役だが、國洋電機工業や安藤電気は会社自体がもうない。エヌエフは、英国のLCRメータ老舗 Wayne Kerr
Electronics(ウエインカー)社と提携してLCRメータを継続しているが、自社製品ではFRA関連製品を充実している(最大15MHzで測定ができるZGA5920インピーダンス/ゲイン・フェーズ アナライザなど)。日置電機
は多くの電子部品メーカの生産ライン用LCRメータに採用され、2000年にはZハイテスタなどを発売し、MHz帯域モデルも揃えで国産LCRメータのトップメーカになった。LCRメータ/インピーダンスアナライザは、国内では日置とキーサイトが2強である。そんな中、アデックスエールは周波数1kHz固定のLCRメータ2機種を販売している。
ローデ・シュワルツは2010年に汎用オシロスコープ(500M~2GHz)に参入するなど、無線通信以外の機種群にラインアップを広げていて、2022年3月にはLCXシリーズ LCRメータ 「クラス最高確度で、最高10MHzをカバー」を発売し、高周波LCRメータに品揃えを広げた。同社のコンペチタはキーサイト・テクノロジーや日置電機で、アデックスエールでないことはいうまでもない。

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