計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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SCPI(すきっぴー)

(Standard Commands for Programmable Instruments)自動計測に使用される計測器のコマンドを統一して1990年に制定された。1999 年改訂のIEEE488.2-1999 規格に含まれている。計測器メーカが集まり策定された、測定器を制御するコマンド言語である。

Streamline(すとりーむらいん)

キーサイト・テクノロジーの「コンパクトUSB計測器」と称されるPCとUSB接続して使用する測定器群の通称(愛称)。2010年代後半に発売され、IQ信号任意波形発生器、オシロスコープ、ベクトル・ネットワーク・アナライザなどのラインアップがある(2021年4月現在)。特に2018年以降ネットワークアナライザの機種数が増えた。「Windows 7 または 10(64ビット)の PCとUSB3.0で接続するだけで、ベンチトップ型の計測器相当の高性能を省スペースで実現できる」ことが売りである(同社製品カタログ5992-2994JAJP 0000-08cSより) 。

sniffer(すにふぁー)

1990年頃に使われていたLANプロトコルアナライザの通称。当時はLANの導入・普及期で、各種のLAN機器が多くのメーカから発売され、LANのプロアナは重宝された。米国のNetwork General社が1986年にSnifferをリリース。1987年には東陽テクニカが国内の代理店権を獲得しSnifferの国内販売を開始。1989年に東陽テクニカは日本語化したラップトップモデルの販売を開始し、ネットワークの基礎からトレーニングを行う「Sniffer University(1996年から)」も好評で、国内で多くの販売実績を残した。LANのプロアナは国内の通信計測器メーカである安藤電気やアンリツもつくったがほとんど売れずに、LANプロアナといえばSnifferというくらい普及した。当時のSnifferはその時代の最先端のPCにソフトウェアを内蔵した構成で、外観はまったく可搬型のパソコンだった。そのためPCの変遷に合わせてモデルが毎年のように変わった。とうとう最後はハードウェアは無くなり、CDなどのメデイア媒体でソフトウェアを提供し、ユーザの保有するPCがLANプロアナになるという形態になった。その後、LANの普及が進むとオンラインモニタができるフリーソフトが出てきて(LANも円熟したのでプロトコル解析の需要は減少して少なくなり)、LANプロアナは計測器としては終焉した。 Network General社は現在はClearSight Networks社として100ギガビットイーサネットに対応するSynesisなど、「より高速のネットワークに対応するパケットキャプチャ装置」に注力している(プロアナの2極化、低速のラインモニタと高速のプロトコル解析機器の例といえる)。販売は引き続き東陽テクニカがしている。 ネットワーク機器の仕事を経験した年配の技術者は、いまでもLANプロアナのことを「スニファー」という。逆にスニファーと聞いて「1980年後半から1990年代に活躍したLANプロアナ」だと、瞬時に理解できないと、この年配技術者との会話は成立しない。このように計測器の通称を知っていることが、計測器業界(村社会)で粛々と仕事をこなすための基礎知識・スキルである。 参考用語:ギガビットLAN 参考記事:東陽テクニカ自社開発の大容量パケットキャプチャ/解析システム「Synesis」100GbE回線対応モデル・・ClearSight Networks社の100ギガビットイーサネット製品を取材。

SPICEシミュレータ(すぱいすしみゅれーた)

SPICEは1970年頃に米国カリフォルニア大学バークレー校で、ICの設計検証を目的として開発された回路シミュレーション・プログラム(電子回路シミュレータ)。Simulation Program with Integrated Circuit Emphasisの略で、「集積回路に重点をおいたシミュレーション・プログラム」という意味。SPICEはソースコードが公開されているため、1980年代後半には各種の改良が加えられた商用SPICEが複数のベンダから発売され始めた(Spiceシミュレータと呼ばれる)。パソコン用に商用化されたのがPSpice(ピースパイス)で、米国の半導体開発用ソフトウェア(EDA)企業であるケイデンス社などがつくっている。LTspice(エルティースパイス)はAnalog Devices(アナログ・デバイセズ)社が開発したSpiceシミュレータで、スイッチング・レギュレータのシミュレーションでは通常のSpiceシミュレータより高速といわれている。リニアテクノロジー社にはLTspiceⅣ(エルティースパイス4)というモデルがある。アナログ・デバイセズやリニアテクノロジーというアナログ半導体メーカがつくっているということは、「SPICE(Spice)は、電子回路のアナログ動作をシミュレーションするソフトウェア」といえる。 趣味の電子工作の月刊誌「トランジスタ技術」の2021年10月号の見出しは「無償PSpice・LTspice回路動作フル解析ツール」である。

Spectrum Master(すぺくとらむますた)

通信計測器の専業メーカであるアンリツは、特に無線通信用測定器のラインアップが多く、日本の無線通信インフラの進歩・発展を支え、通信インフラと共に歩んできた。同社のハンドヘルドのスペクトラムアナライザの通称がSpectrum Master。モデル(形名/品名)はMS27xx/スペクトラムマスタである(2022年7月現在)。品名はスペクトラムアナラザではなく「スペクトラムマスタ」である。キーサイト・テクノロジーのハンドヘルドRF製品の通称はField Fox(フィールドフォックス)だが、こちらは品名ではないので、製品自体にはその名前の表記(印刷)はない。

spectrum(すぺくとる)

スペクトルとは、ある物理量の数値ごとの大きさのこと。たとえば周波数ごとの数値を示したグラフである「周波数スペクトル」はf特(周波数特性)のことである。 無線信号などの周波数スペクトルを表示する測定器は(スペクトルアナライザではなく)スペクトラムアナライザと呼ばれている。日本語のスペクトルもスペクトラムも英語は同じspectrumである。

SMARTDAC+(すまーとだっくぷらす)

計装、IA(インダストリー・オートメーション)メーカである横河電機のデータロガーの通称(愛称)。モジュールを選択して組み合わせてチャンネル数や測定項目をユーザが選択できるデータロガー(表示画面が無く、PCで制御)や、パソコンがなくても設定や記録結果の表示ができるタッチパネル式など各種のモデルがある。データロガーをData Acquisition(データ・アクイジション)の頭文字からDAQ(ダック)と表記することは多いが、この名称のネーミングは「SmartなDAC」とQではなくCを使っている(DACはD/Aコンバータの略記で使われることが多い)。以下の記事に構造が概説されている。技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-02/

SmartBits(すまーとびっと)

米国スパイレント(SPIRENT Communications Inc、スパイレントコミュニケーションズ)社の通信計測器 である負荷試験機 の名称。インターネットの普及、ルータやサーバなどのネットワーク機器の増加によって、IP通信網の負荷試験装置は2000年代に重宝された。スパイレントのスマートビット (略称:スマビ)とIXIA(イクシア)社のモデルが有名。安藤電気(現横河計測)などの国産メーカもラインアップがあったが、現在はその役目は終えてほとんど生産終了(アンリツにはネットワークパフォーマンステスタというモデルがまだある)。現在のスパイレントのラインアップにはSmartBitsは無い。同社は現在はサイバー攻撃などのセキュリティ関連製品に軸足を置いている。IXIAのラインアップも負荷試験(計測器)からネットワーク機器に移り、2017年にIXIAはキーサイト・テクノロジーに買収され、現在はキーサイトの社内カンパニーとして、セキュリティのソリューション提案に注力している。 スパイレントはまったく通信計測器から撤退したわけではなく、ギガビット Ethernetに対応した負荷試験装置(トラフィックジェネレータ)としては、次世代ネットワークパフォーマンステスター「Spirent TestCenter」という製品を販売している。需要のある分野では負荷試験の技術を使って計測器をつくっている。電動化、ネットワーク化が進む自動車では車載Ethernet(100G/1000Gなど)の導入が進んでいる。日本での販売は従来から東陽テクニカが取り扱っている。 計測器情報:スマートビットの製品例

SEM(せむ)

(Scanning Electron Microscope)読み方:セムまたはエスイーエム。走査型電子顕微鏡。電子線を観測対象に照射し、放出される二次電子などから像を作る。略して「電子顕微鏡」といわれることが多い。

SENT(せんと)

(Single Edge Nibble Transmission)自動車で使われているシリアルバスの1種。参考記事:技術情報・レポート/市場動向レポート/「自動車ECUのインタフェース」https://www.techeyesonline.com/tech-eyes/detail/TechnologyTrends-2106/

SAWデバイス(そうでばいす)

SAW(Surface Acoustic Wave)は、日本語では「表面弾性波」。弾性体の表面にエネルギーが集中して伝搬する波。この原理を使った電子部品をSAWデバイスと呼び、フィルタ、共振子、遅延線、発振器などがある。SAWデバイスではSAWフィルタが有名。SAWセンサの特殊な例としてボールSAWセンサがある(以下の参考記事で取材)。 SAWフィルタは、携帯電話、TVチューナ、無線LANなどの機器に搭載され、妨害波を抑圧し、信号波のみ通す高周波のフィルタとして使われている。SAWフィルタのメーカは日本電波工業株式会社(NDK)、日清紡マイクロデバイス株式会社、株式会社村田製作所、セイコーエプソン株式会社など、高周波(RF)部品のメーカである。 surface(表面)、acoustic wave(音波)なのでSAWは表面音波ととれるが、acoustic waveには弾性波という意味もある。「弾性表面波」という表記もある(なぜ英語のとおりに日本語にしないのか、理由は不明)。英語のsawは「のこぎり」なので、まったく違う意味になる。表面弾性波のSAWも、のこぎりのsawと同じ発音(そう)のため、発音からは区別はつかない。

Society 5.0(そさえてぃごーてんぜろ)

内閣府のホームページには以下の説明がある。 狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。 日本より先にドイツではインダストリー4.0が2011年に提唱され、製造業のデジタル化、コンピュータ化を目指している。日本のSociety 5.0は工場の変革だけでなく社会全体をIoTなどの進展によって変革していく、という意味を込めている。 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)はSociety 5.0の実現を推進している。毎年秋に開催される大きな展示会であるCEATEC(シーテック)2019のサブタイトルは 「Toward Society 5.0」だった。

SOC(そっく)

(Security Operation Center) 24時間ネットワークやデバイスの監視をして、サイバー攻撃の検出・分析と対策の提案を行う組織、またはそれを専業にした会社。 セキュリティ関連用語。 半導体でSystem-on-a-ChipをSoC(またはSOC)と略記する。SOCといえば以前は半導体のことだったが、最近はセキュリティーのことを指していることが多くなった。インターネットの普及と技術の進歩がサイバー攻撃を生み、それに対応することが重要になったことが背景にある。

SOCアナリスト(そっくあなりすと)

多くのアンチウィルスソフトは、マルウェアの検知と削除に関する簡易レポートを表示する。システム管理者は、得られたレポートからどのようなプロセスでマルウェアが侵入したのか分析して、今後の対策を検討している。このような業務を行っている人をSOC(Security Operation Center)アナリストという。セキュリティ関連用語。

SOP(そっぷ)

(Small Outline Package )多ピン半導体の形状の1つ。平たい長方形の2つの長辺に外部入出力用のL字型のピンを並べている。表面実装用のパッケージの1つ。

SOM(そむ)

(Self-Organizing Map)自己組織化マップ。ディープラーニング(深層学習)と同じように脳をモデルにしたAI(人工知能)の1種。ディープラーニングは教えないと学習できないが、SOMは自分で学習していく。