計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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PCオシロ(ぴーしーおしろ)

PC(パソコン)につないで使うオシロスコープの略称。USBの普及で最近はUSB接続型が計測器の1カテゴリになりつつある。

PC研磨(ぴーしーけんま)

(polishing of optical fiber end face) 2本の光ファイバケーブルをコネクタを使って接続する際は、光ファイバ同士が隙間なく接続(接触)するように、先端(フェルール端面)を研磨している。これは隙間による反射(空気という屈折率が違う媒体があることで、境界面で起こるフレネル反射)を防止する目的で、(融着ではなく)光コネクタで行われる。 研磨の種類は、端面形状が凸球面のPC(Physical Contact)、SPC(Super PC、スーパーPC)、UPC(Ultra PC)と、斜め凸球面のAPC(Angled PC)の4つがある。4つの違いは反射減衰量で、PC(25dB以上)、SPC(40dB以上)、UPC(50dB以上)、APC(60dB以上)と規定されている。求められる仕様(反射減衰量)によってPC~APCのどれかの記述がされる。 代表的な光コネクタのFCコネクタやSCコネクタなどは、「FC-PC」(PC研磨のFCコネクタ)や「SC-APC」(APC研磨のSCコネクタ)のような表記で、「コネクタの種類及び研磨の種類(による反射減衰量の仕様)」を表現する。ただしメーカによって記述が不統一で、FC(PC)やFC・PC、FC/PCのような表記も多い。PCがコネクタの名称ではなく研磨の種類であるという基礎知識がないと、前述の3種類の表現は「FCまたはPC」、もしくは「FCとPC」というコネクタであると誤解される。計測器を含む機器の仕様覧では「光コネクタ」の項目にFC-PCやSC-APCという記述がなされる。 光ファイバのフェルールの研磨のことを総称してPC研磨と呼称するので、本稿のタイトルをPC研磨としている(英語は「光ファイバ端面の研磨」を英訳している)。 光コネクタのPC研磨表記は1980年代にはほとんどなく、1990年代から現れた。アンリツ のプログラマブル光減衰器MN9610A/MN9611A(製造中止品)の1991年発行カタログでは、入出力コネクタ覧に「FC・スーパーPC形」と記載されている。これは「SPC研磨のFCコネクタ」を意味するが、1990年代には各社の例としてこのような表記があった。現在は前述のようにFC(SPC)やFC・SPC、FC/SPCなどの表記があるが、FC-SPCがベストな表記と筆者は思っている。

PC接続型(ぴーしーせつぞくがた)

計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。単体で動作するものをスタンドアロンというが、PCなどに接続して使用する前提のものをPC接続型という。PCのインタフェースとしてUSBが普及したため、最近はUSBで接続するタイプが増えた。従来からオシロスコープは、箱型でPCに接続する機種が多くあったが、最近はRFの高額な測定器(スペクトラムアナライザやネットワークアナライザ)もUSB型が各社から発売されている。

PC接続型簡易測定器(ぴーしーせつぞくがたかんいそくていき)

スタンドアロンではなくPCにつないで操作するタイプの測定器(PC制御型)は以前からあった。外観は箱で、表示部や操作部はほとんどない。小型のものはPCのI/Fコネクタに直接、箱(計測器本体)を接続してまるで計測器の一部のような製品もあった。特にオンラインモニタ(プロトコルアナライザ)はデジタル通信をするコンピュータとの親和性が高いので、PCにつなぐ小型の簡易製品があった。日本データシステムはポケオシ、ポケロジの名称でオシロスコープやロジックアナライザ製品を販売した(現在はハギワラソリューションズが事業を継承)。ロジアナが時代を感じさせるが、以前はPCのI/Fの性能もあり、これらのPC接続型小型計測器は本格的な計測器とは認知されていなかった。海外では英国のPico Technology(ピコテクノロジー)が1991年設立のPC型オシロスコープメーカとして老舗。 USBが広く普及したことによって、現在はUSBインタフェースを使ったPC接続型のモデルが大手計測器メーカからも発売されている。そのため、従来の(I/FがUSB以前の)PC接続型簡易測定器はほとんど見かけなくなった。現在はUSB接続型PC制御測定器が計測器の1カテゴリーとして確立しつつある。

PC直結型記録計(ぴーしーちょっけつがたきろくけい)

高速CPUや大容量DRAMなどの半導体の進歩と、通信技術の発達による高速・大容量の実現により、各種の分野でPCと直結したデータアクイジション機器への要求が高まり、2000年代に入ると、新しい技術を使ったPC直結型やペーパーレスの記録計が多く発売された。1950年代に国産初の自動平衡式記録計を製品化して、記録計のリーディングカンパニーを自負していた横河電機は、ペーパーレス化とともに、“新技術を使用した最新記録計”として「PC直結型レコーダ」を200年代に強力にPRしていた。モデルとしては、最大1600チャンネルが可能な拡張型のモデルDA100や、高速タイプのMX100で、現在に続く横河電機のデータロガーの源流の製品群である。ただし「PC直結型」という名称は2022年現在は死語で、ほとんど聞かない。現在は横河電機以外のメーカも含めて、PC直結型が当たり前になったからである。

PCB(ぴーしーびー)

2つの意味を紹介する。 PCBはポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyl)の略記である。PCBはいままで電気機器や電子部品に使われてきたが、近年、使用しないようになった。ただしまだ使用した機器が多く残っている。廃棄時の処分方法について、法律で規定されている。近年、「計測器内部にPCBを含有したコンデンサなどの電子部品を使用していないか」、とユーザが廃棄時にメーカに確認することが増えている。特に古い計測器を長く使っている学校など教育機関の廃棄担当者は確認作業に苦労している様子が伺える。 もう1つ、Printed Circuit Boardのこと。日本語にすると「プリント回路基板」。「プリント基板」や「プリント板」と呼ばれることが多い。電気機器に電子回路を実現するために使われる機器である。プリント基板はパッケージと呼称され、PKGと略記されている例を見たことがある(大変例外的な例であるが)。

PCU(ぴーしーゆー)

(Power Control Unit) モータを利用して走る自動車の電力を適切に制御するための装置。自動車の電動化にモータ、バッテリと共に重要な機器。

PCリモートモード(ぴーしーりもーともーど)

計測器を単体で(完結して)使用する(スタンドアロン)のではなく、PCにつなぎ、PCから操作して使うモードのこと。従来は「自動計測」といわれてきた。USBインタフェースの普及などによって、多くの機種がこのモードを持つようになった(以前はGP-IBなどを使い、限られた高機能モデルだけが可能であった)。制御や測定以外に、測定後のデータ収集、解析など多様なソフトウェアが各計測器メーカから用意されている。機種によってはスタンドアロンではなく、PCにつないで使用することを前提にした機種群もある(USB接続型計測器がその代表)。そのようなモデルはPCリモートモードでしか使用できないので、あえて「PCリモートモード」などとは説明しない。操作ボタンや表示画面があるスタンドアロンの機種で、PCでリモート制御できる機能がある場合に「PCリモートモードもある」、と説明される。東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」には次にようにある。PCリモート(PCリモートコントロール)モードは、ROMプログラマとUSB接続したPCにてコントロールソフトを使用して、書込み等の制御や各種設定を行うことができる機能。データの書き換えが頻繁に発生する設計・開発部門でのデータ書込みに便利。PC制御の生産設備への組み込み、制御、管理にも応用できる。

PSIM(ぴーしむ)

パワーエレクトロニクス(パワエレ)に特化した回路シミュレータ(ソフトウェア)。パワエレの開発用では業界標準といえる。PSIMは北米で開発・製品化されたが、日本ではMywayプラス株式会社が有名。同社によれば「累計2000ライセンス以上を販売し、国内120以上の研究室で使用されている」と、高シェアである。 同社は以前からPSIMトレーニングセミナーを開催してきたが、毎年秋にPSIMユーザ会を催すようになった。またパワエレ技術者の育成などを目的に一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会(PWEL)を設立し、2017年のPSIMユーザ会は「パワエレ技術者育成フォーラム」(技術者セミナーなど)を併設した。2018年はPWEL主催のパワエレ技術者育成フォーラムがメインイベントとなり、併設展示会場にはテクトロニクス、岩崎通信機などパワエレ向け計測器をラインアップするメーカ10数社が並んだ(以下の参考記事にイベントレポートあり)。 2019年はPWEL主催の「パワエレフォーラム」となり、協賛:Mywayプラス、キーサイト・テクノロジーなど、後援:日刊工業新聞社、一般社団法人エレクトロニクス実装学会など、となった。パワエレ関連の大学教授が司会して、パワー半導体メーカ、自動車車体メーカ、インバータメーカなどが議論するセッションは、パワーデバイスの作り手、ユーザ、教育関係者、というパワエレ業界の民間企業・大学関係者が年に1回、集まる場となった。2020年はコロナ禍でリアル展示会は中止され、現在はオンライン開催でセッションが毎年続いている(2023年現在)。 Mywayプラスは早くから電力回生型双方向電源という(現在では自動車などのインバータ・モータ評価の標準となった)特殊なDC電源を発売した計測用電源メーカでもあるが、元はパワエレ機器の開発ベンチャーである(以下の展示会レポートに説明あり)。PSIMの販売から、パワエレユーザのトレーニング(セミナ)を定期開催するようになり、PSIMユーザ会を経て、PWELを設立してパワエレ業界に確固たるポジションを築いたといえる。いわばPWELはパワエレ業界の1つの極である。 PSIMはpower simulator(パワエレ シミュレータ)の略記という説があるが、真偽は定かではない。

PWEL(ぴーだぶりゅいーえる)

(Power Electronics Assosiatuion)一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会の略記。パワーエレクトロニクス技術者の育成や業界の発展に貢献する目的でPSIMを販売しているMywayプラス株式会社が2017年頃に設立した。

PWM(ぴーだぶりゅえむ)

(Pulse Width Modulation)パルス幅変調。スイッチング方式の、電源やDC/DCコンバータなどで使われている制御方式。パルス(電圧)の高さではなく幅(時間、デューテイ比)を可変することにより制御する。

PWMスイッチング方式(ぴーだぶりゅえむすいっちんぐほうしき)

PWMはPulse Width Modulation(パルス幅変調)の略記。直流電源の1種であるスイッチング電源の方式の1つ。入力信号の振幅を矩形波(くけいは)の長さに変換して、スイッチング電源を動作させる。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)参考用語:スイッチング電源、スイッチング方式、ドロッパ式直流電源、シリーズレギュレータ方式

PT(ぴーてぃー)

Potential Transformer の略。高電圧回路の電圧計測を行う場合に、絶縁した電圧を得るために使用する変圧器。

PD(ぴーでぃー)

フォトダイオード(photodiode)の略記。受けた光(入力)に比例した電流を出力する、光センサ。光ファイバ通信は送信装置にあるLD(レーザーダイオード)などで電気を光に変換し(Electrical signal / Optical signal conversion、E/O変換)、光信号を長距離伝送し、受信装置ではPDで光を電気に変換する。つまりPDはO/E変換器(O/Eコンバータ)である。 参考記事:「光スペクトラムアナライザの基礎と概要 (第1回)」・・光ファイバ通信システムの構成図がある。

PDLメータ(ぴーでぃーえるめーた)

PDL(Polarization Dependent Loss)は偏波依存性損失。光や電波などの電磁波は偏波といって、進行方向に垂直な面で電界と磁界が大きさを変えている。光の偏波状態によって光デバイスの損失も変わるのでPDLの測定が重要になる。つまりPDLメータは光デバイスの評価に使用される。 1990年代にはキーサイト・テクノロジーがラインアップしていたが2000年代の光海底ケーブルバブル以降の光製品の縮小で生産終了した。偏波関連測定器としては偏波消光比メータを(波長可変光源が世界トップの中部地区のメーカ)santec(サンテック)がつくっている。海外のOZ Optics社製品はオプトサイエンスが輸入販売している。 キーサイト・テクノロジーは光製品の内、光スペクトラムアナライザやOTDRなどは中止したが、光パワーメータと光源の2つの基本製品は継続した。従来、光コンポーネント評価に光測定器の力点を置いていたが、それを継続し816xシリーズ(OPM、可変波長光源、偏波コントローラなど)の後継機種としてN77xxシリーズを発売した。現在はN77xxCというCモデルが現役である(N7749C:OPMのメインフレーム、N7776C:波長可変レーザー光源など、2023年現在)。光コンポーネントテスト製品群として、N778xCシリーズのPolarization Test Productsがある。N7786C 偏波シンセサイザやN7788C 偏波コンポーネントアナライザなどがあり、従来のPDLメータや偏波コントローラを上回る、偏波関連の光製品をラインアップしている(2023年現在)。 PDLと文字が似ているが、PLD(Programmable Logic Device)だと、デジタル半導体のことである。 計測器情報:キーサイト・テクノロジーの偏波関連の光測定器の例

PDC(ぴーでぃーしー)

(Personal Digital Cellular) 日本で普及した第2世代携帯電話サービス方式(2G)の名称で、通信事業者(キャリア )各社の共通規格。 1993年3月に商用開始。1995年には小型の携帯電話mova(ムーバ)4機種が発売されている。

Pt100(ぴーてぃーひゃく)

RTD(測温抵抗体)のもっとも代表的なもの。材料は白金(Pt)で、温度が0℃の時の抵抗値が100Ωであることからこの名称がある。JIS で規定されている。JIS規格はIEC規格(国際電気標準規格)との整合を図るために1989年4月1日に改訂された。改訂前の旧JISのものをJPt100、改定後のものをPt100と呼んで区別している。Pt100とJPt100は、温度特性(抵抗値)が若干異なるので、使用時は注意が必要。

pp(ぴーぴー)

単にpp(またはPP)と記載すると各種の意味の略語として使われるが、電気工学の分野では正弦波のような交流の値(大きさ)を示す記載方法の1つで、ピークピーク値のこと。ピークツーピーク、ピーク値、ともいわれる。 交流は直流のように一定値でないため、その値を表すのに実効値、平均値、最大値(ピーク地、ピークピーク値などがある。電気信号は正弦波などの波のため、最大値と最小値がある。その差を「ピーク(最大値)ともう一方のピーク(最小値)の間の値」という意味でピークピーク値(peak-to-peak value)と呼んでいる。表記はpp、p-p、p.p.などがある。実効値(rms)や平均値、ppは用途によって使い分けられる。 オシロスコープのピーク間電圧の表記を各メーカの機種で調べたら、Vp-p (横河電機 、横河計測やテクトロニクス)、Vpp (アジレント・テクノロジー、現キーサイト・テクノロジー)だった。これはある範囲のモデルでの表記の例で、同一メーカでも同じ表記とは限らず、モデルによって違っている場合も多々ある。つまり、略記は同一メーカですら不統一である。 化学分野では、代表的なプラスチック樹脂であるポリプロピレン(polypropylene)をPPと略記し、PE(ポリエチレン)と区別している。ゲームやX(旧ツイッター)、YouTubeでは「P-P」という表記が多く使われている。一般的には電気や計測器のppはマイナーな存在(ニッチな用語)である。ただし、計測器の仕様覧では電圧にppやrmsなどの、ピークピーク値や実効値であることを示す記号が記載される。製品カタログを見る電気エンジニアはその記号の意味を理解している。ppは電気の基礎用語で、これを知らないと計測器の仕様を理解することはできない。

PPAモデル(ぴーぴーえーもでる)

(Power Purchase Agreement Model)初期費用0円で太陽光発電システムを導入できる方式。自社でシステムを購入し自社の土地に設置して発電した電力を使う、従来方式を自家消費型と呼ぶ。それに対してPPAモデルはPPA事業者がシステムを購入し設置する。電力はPPA事業者から購入する。2012年から始まったFIT制度による新設に代わり、2022年からはPPAモデルによる新設が増えている。

PBX(ぴーびーえっくす)

(Private Branch Exchange)企業内に設置される交換機。公衆電話回線がNTTやKDDなどキャリアの電話局内に設置された交換機によって回線がつながっていた時代に、1つの企業や、オフィスビル内にPBXが設置されることが多かった。企業内やビル内で内線のように短縮番号でダイヤルできた。外線につなぐときは「0」や「9」など特定の決まった数字を押すとダイヤルできた。IPネットワークが普及して交換機がなくなってくるとPBXも流行らなくなった。