計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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OPM(おーぴーえむ)

(Optical Power Meter) 光測定器の1つ、光パワーメータのこと。光通信の測定器と分かっている範疇ではOPMと略記されることが多い。日本の光通信網は1970年代から日本電信電話公社(現NTT)によって基幹ネットワークに導入されていった。そのときの光通信用測定器は電電ファミリーであるアンリツと安藤電気(現横河計測)が担った。光パワーメータ、各種光源(安定化光源、可変光源)、O/E変換器・光ATT・光切替器、光スペクトラムアナライザ、光波長計という光通信の基本測定器だけでなく、光ファイバの研究開発~敷設工事用の偏波測定器、波長分散測定器、OTDR、ロステスタ、心線対象器など、ほとんどを製品化した。2000年頃までは海外計測器メーカではHP(現キーサイト・テクノロジー)が最も品揃えの多いNo1光測定器メーカであった(現在も8163シリーズのOPMを販売)。 基幹網(コアネットワーク)に光の敷設が終わると、アクセス回りや家電製品などのインタフェースに光は拡大した、そのため、可搬型の現場測定器の計測器メーカも現在はOPMに参入している(たとえば三和電気計器や日置電機など)。また計測器メーカとしては名の知れないメーカのOPMもAmazonなどの通販サイトに数多く掲載されている。現在の電気(銅線、カッパーケーブル)による有線通信網がすべて光に置き換わったときには、電気工事会社の作業員はハンディOPMを電気のテスタやメガーのように使って工事・保守をすることになる。そのときにはOPMはさらに低価格になっていると推測されるが、光部品の低価格化が停滞しているため、そのような光景がいつ実現するかは不透明である。ともあれOPMは光通信測定器のもっとも基本の製品である。

OBD(おーびーでぃー)

(On-board diagnostics)自動車の自己診断機能。自動車各部に取り付けられたECU(Electrical Control Unit)にプログラミングされている機能のひとつ。運転席ダッシュボードのコンソールの下にあるOBDコネクタに接続すると、OBD情報を収集することができる。ODBコネクタを使ったデータロガーやプロトコルアナライザなどの計測器が発売されている。

OVP(おーぶいぴー)

(Over Voltage Protection)過電圧保護回路。出力電圧が何らかの原因で負荷の耐圧を超えないように保護する機能。使用する負荷の必要電圧よりもはるかに高い電圧を出力可能な電源を使う場合に有効。CV(定電圧設定)機能のある電源では、CV値の誤設定時の最終保護としても使用できる。常にOVP>CVの関係になるように設定する。過電圧保護が動作した場合は、ほとんどの電源が出力を停止する。その場合、電源再投入で復帰する。(株式会社高砂製作所の用語集より)

Open APN(おーぷんえーぴーえぬ)

APN(All Photonics Network)は従来の電子技術(エレクトロニクス)ではなく光技術(フォトニクス )を使い、通信網のすべてを光化(フォトニクスに)するというNTTの構想(IOWN )。Open APNは既存の光伝送装置であるROADM (Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を機能分離し、その一部をユーザ拠点の近くまで伸ばすという新しい提案で、2022年1月に「IOWN Global Forum」が発表した(機能が分離してマルチベンダーになると仕様がオープンになる必要がある)。これは2015年設立の団体Open ROADM MSMの方向とも一致していて、2022年はIOWN構想の進展する年となった。 通常APNというと「Access Point Name」(アクセスポイント名)の略。「アクセスポイント」とはスマホをインターネットに接続するための「中継地点」のこと。今後ROADMの機能分離やIOWNの進展が進むとAPNはフォトニクスネットワークの略記としてWeb検索上で地位を得るかもしれない。

Octal SPIフラッシュ(おくたるえすぴーあいふらっしゅ)

SPIフラッシュ(SPI:Serial Peripheral Interface)は、シリアルバスによる通信方式モードを採用したNOR型フラッシュメモリ。外部メモリとして使う場合でも、少ないピン数でマイコンと接続するので、パッケージサイズを小型化し大容量を通信できるのがメリット。通信方式として、single(バス幅:1bit)、Dual(2bit)、Quad(4bit)があったが、近年Octal(オクタル)モードが追加された。Octalモードはデータ線を8本使い、1クロックで8bit(1byte)を1度に送信するため、singleモードより8倍速い通信が可能。デバイスメーカ各社からはすでに商品化され、車載や産業機器を中心に拡がりを見せている。東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーでは対応したROMライタを順次進めている。(同社の「書込みやプログラマに関する用語集」より。SPIフラッシュの通信イメージが上記用語集には掲載されている。)

OPアンプ(おぺあんぷ)

(operational amplifier)電子回路で使われる増幅器(アンプ)の1種。「オペアンプ」や「OPアンプ」という表記がされる。現在では集積回路になった半導体(電子部品)である。日本語訳は「演算増幅器」だが、この表記はほとんど使われない。微積分や加減算などのアナログ演算を電子回路で行う目的で開発されたのが演算増幅器(オペアンプ)の語源といわれる。 つくっているデバイスメーカはAnalog Devices(アナログ・デバイセズ)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、略記:TI)など海外メーカが有名だが、東芝デバイス&ストレージや日清紡マイクロデバイスなどの国産もある。Liner Technology(リニアテクノロジー)やMaxim Japan(マキシム・ジャパン)はアナログ・デバイセズに買収された。 OPアンプは電子回路で最も多く使われる半導体なので、アナログ・デバイセズは電子回路のエンジニアなら誰でも知っている有名なデバイスメーカである。

OmniBER(おむにばー)

1990年代のHP(Hewlett-Packard、ヒューレット パッカード、現キーサイト・テクノロジー)のSDH/SONETアナライザの名称(形名や品名ではなく通称と思われる)。 Omniは「すべての」、「あらゆる」の意味。BERはBERT(バート)などと同じBit Error Rate(ビット誤り率)のこと。発売当時のSDH/SONETアナライザは大型で送信部と受信部の2筐体だったが、OmniBERはポータブル型の1筐体なので、「これ1台ですべてのエラーレート測定に対応」とでもいうネーミングと想像する(SDH/SONETとBERは厳密には違う測定器なのだが)。37718A OmniBER コミュニケーション・パフォーマンス・アナライザは可搬型の1筐体で2.5Gbps (OC-48/STM-16) まで対応していた。