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- レスキューリンク(れすきゅーりんく)
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(rescue link) 災害で通信インフラが切断したときや、山岳地帯で全く電波が届かない地域でも、通信可能にするAI緊急通信網機能の名称。コグニティブリサーチラボ(CRL)(※1)は、iOSアプリケーション「コグニティブ・フォートトーク」内に、AIを活用したメッシュ緊急通信機能「レスキューリンク」の無償提供を2024年3月25日に開始した。このアプリを使うと、スマホ端末間でWi-FiやBluetoothによる端末間通信(ピアツーピア)ができる。Wi-Fiルータ、UWB(Ultra Wide Band)を活用してAIが自動的にメッシュネットワークを構築するため、大規模災害で携帯電話網やインターネット網が使えなくなっても、救助隊と被災者間などで互いに連絡を取り合える。原野や山岳地帯などの電波が届かない地域でも、トランシーバとしてアプリ利用者は連絡を取り合うことができる。CRLはより多くの人々の安心と安全を実現するために、「コグニティブ・フォートトーク」の無償提供を行った。 (※1) コグニティブリサーチラボ株式会社(Cognitive Research Labs, Inc.)、設立:2000年3月15日、代表者:苫米地 英人(とまべち ひでと)。 海の安全装備品として、遭難救助用発振器のARTEX C ResQLink 400(レスキューリンク400)日本仕様が、2022年にACR社(※2)から発売された。PLB(Personal Locator Beacon)と呼称される、個人で使う遭難信号発信機である。遭難信号を人工衛星で受信するため、空が見える場所なら24時間常に全地球をカバーする。「レスキューリンク400 日本語版PLB」は手のひらに乗る小型サイズながら、船舶で使う遭難信号発信機「イーパブ」と同じ5Wの高出力。本体にはGPSが内蔵され、遭難信号といっしょに遭難者の緯度経度と遭難者が誰だかわかる識別番号が送信される。PLB使用には、無線局免許の申請(別途4,250円)が必要だが、無線従事者等の資格は必要ない。PLBは、人工衛星を使った全世界的な救助システム「コスパス・サーサット」の一環として運用されている。携帯電話や船舶無線が通じないような海域でも人工衛星に向けて遭難信号を発信することができ、生還の可能性を飛躍的に高めている。 (※2) 会社名はACR Electronics, Inc.で、ブランド名がARTEX。そのため「ACR / PLB」(AVR社のPLB)や、A RTEX レスキューリンク400」(ARTEXブランドのモデル レスキューリンク400)などの表記が、様々な販売サイトで行われている。そのため、何が会社名で、何がブランドで、何が形名で、何が品名なのか、サイトによって表記が色々あり良くわからない。海外製品やコンシューマ(個人向け)商品には良くあることである。計測器のような企業向けの商品は、形名や品名がきっちりと決まっているものが多い(一部の、販売店を通じて不特定多数に売りさばく量販品には、キャッチ―な通称が形名や品名より前面に出る計測器もある)。
- レゾルバ(れぞるば)
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(resolver) 回転体の速度を検知するために使われるセンサ。実際は回転角を検出して電気信号を出力する角度変位センサがレゾルバで、角度変位から回転体の速度を算出する。速度制御が必要なモータなどは、回転している速度を知ることが必須なため、ロータリーエンコーダやレゾルバが必ず使われている。 レゾルバの原理は電磁誘導で、励磁コイルと検出コイルの間に生じる磁界変化から回転角度を検出する。モータと同様にステータ(固定子)とロータ(回転子)で構成され、ロータの角度に応じた起電力が発生するようにつくられている。出力するのはアナログ信号である(ロータリーエンコーダの出力はデジタル信号)。 レゾルバは堅牢性や耐久性に優れ、過酷な環境下でも長期間使えるため、自動車の電動化(xEV)で脚光を浴びている。レゾルバの特許を科学技術情報サイト J-GLOBAL(科学技術振興機構)で探すと、2007年にモータメーカである日本電産(現ニデック)が「レゾルバの製造方法」を出願している。
- RedCap(れっどきゃっぷ)
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(Reduced Capability) IoT機器向けに能力を抑えた、「緩和した仕様」という意味。5G時代の新たなセルラーIoT技術といわれる。レッドキャップと呼称。疑似基地局(シグナリングテスタ)もRedCapに対応したモデル(キーサイト・テクノロジーのE7515Rなど)が発売された。 2023年現在、なかなか普及が進まない5G(第5世代移動通信)だが、活用できる技術の1つにセルラーIoTがある。2022年に規格策定が完了した「3GPPのリリース17」は、ウェアラブル機器やセンサ、監視装置などのIoT機器で、RedCapに対応した(機能を削減した)デバイスが5Gネットワークで動作可能になる拡張機能が盛り込まれた。RedCapデバイスは、5Gでつながるスマートフォンなどの高度な機器のような機能・性能を完全には備えていない。5Gのスループット、帯域幅、遅延機能に対応していなくて、消費電力やコスト面で制約がある。RedCapは5Gのメリットを享受しながら、少ない5G機能を活用して、機能、コスト、消費電力の最適なバランスを実現する技術である。利用が想定される事例は以下のKeysight Worldの記事が詳しい。
- レベル計(れべるけい)
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(level meter) 2つの意味がある。 1.通信回線内の信号の電圧レベルを測定する測定器。1980年頃まで電電ファミリーの アンリツや安藤電気 がラインアップしていた。アナログの伝送路の評価に使われる。選択レベル計は、現在の「広い変調帯域幅をもつデジタル通信」で活躍するスペクトラムアナライザ(スペアナ)のように、アナログ通信時代には使われた測定器なので、スペアナの1種と解説している文献もある(以下の参考記事)。アンリツの選択レベル計ではセレモなどがあったが、すべて生産中止である。通信工事用途の計測器をラインアップしている大井電気はレベル計をつくっている。 2.液体の高さ(液面のレベル)を測定する、計装の機器(工業計器、プロセス用途の計器類)である レベルセンサには静電容量式レベル計などがある。いくつかの方式によって名称が違うので、一括りにして「レベル計」と表記(呼称)している。 レベル計というと、(アナログの)通信測定器と、工場やプラントで使われる工業計器の2つがある。以前なら通信測定器のレベル計の方が圧倒的に市場規模が大きかったので、「レベル計といえば通信だ」と断言できたが、今は生産額が激減している。そのため現在では工業計器のレベル計のことを指しているという説明もできる。
- レベルジェネレータ(れべるじぇねれーた)
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出力レベルを任意に設定できる信号発生器。
- レベルセンサ(れべるせんさ)
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液体タンクやポンプなど、液体の入ったものの液体の高さ(液面のレベル)を測定する機器のこと。別名レベル計とも呼ばれる(※)。方式により、静電容量式レベル計 などがある。広義には気体と液体、気体と粉粒体、など状態の違う2つの境界面をレベルと呼び、その位置を測定するものをレベルセンサやレベル計と呼んでいる。 (※)一般に計測器でレベル計というと、通信計測器の内、アナログ伝送路の信号レベル(信号の大きさ、dB)を測定する計測器を指していて、液面をレベルと呼んで高さ測定をする機器のことを指すことは無い。そのため当用語集では「レベル計」をカテゴリー「伝送/交換装置用測定器」に分類している。
- レベルテストセット(れべるてすとせっと)
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(level test set) 安藤電気の電話機用測定器、形名AE-9310の品名(現在は生産終了)。前面パネルには2系統の入力端子(コネクタはバインディングポストで、バナナプラグを勘合)があり、INPUTとLOOPを選択できる。BON(擬似線路回路網)の選択や、SUPPLYのON/OFF、TERMINALのINT/EXTができる。帯域幅(band width)は4kHz~50kHzの範囲で4段階に、リターンロスは0.3kHz~3.4kHzを4段階に切替えるボタンがある。1秒、5秒、10秒の3つの平均化(アベレージング)を選択して結果を表示できる。測定結果は7セグメントLEDに「-65.6dBm」などの表示がされる(桁数は多くない)。背面にはGP-IBとプリンタ(セントロニクス)のコネクタがある。 AE-9310はテレホンユニットテスタ AE-9302/9303と併用されることもあった。AE-9302とAE-9310は安藤技報(1987年6月発行)で紹介されているので、1980年中頃の開発品と思われる。1980年代は家電・通信機器メーカの多くがボタン電話機に参入したので、安藤電気の電話機用測定器は多くのメーカに販売され、固定電話機の開発・検査で使われた。 安藤電気は有線通信計測器を長らく日本電電公社(現NTT)に納めた(電電ファミリー)。プロトコルアナライザと光測定器ではシェアが高いが、電話機やFAX(ファクシミリ)、モデムなどの通信回線につながる端末機器の試験器も多くラインアップした。高周波(無線、RF)の技術はあまりなく、伝送速度がそれほど速くないデータ通信の測定器が得意だった。PCM関連の有線の測定器もアンリツと同等品をつくったが、高速のBERTS(ビット誤り率測定器、バーツ)やコールシミュレータはラインアップにない。2000年頃に横河電機に吸収され、光測定器は横河計測に現役で残っているが、電気の通信測定器はすべて生産終了している。現在ではモデムの試験器や、アナログ通信回線のレベル計などは、大井電気が継続している。
- レベルレコーダ(れべるれこーだ)
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騒音測定に使用する専用のレコーダ。騒音計や振動レベル計などを接続して、レベルの時間変動を記録する。環境計測のメーカであるリオンの記録計の品名でもある。現在はモデルLR-07が現役機種(2022年12月)。LR-07は記録紙と専用ペンで各種信号の時間変動を記録する。メーカの製品説明には「騒音、振動レベル記録のほか、各種音響機器の特性試験や電圧のリニア記録まで幅広く使用できる」とあるが、自動平衡式記録計、つまりペンレコーダである。なので、振動・騒音用途以外にも使える、一般的なペンレコーダである。 ペンレコーダは特殊用途以外にはほとんど見かけなくなったが、同社がいまだにレベルレコーダを1モデルつくっているのは、それなりに需要と売上があるからだと推測される。 計測器情報:レベルレコーダの製品例
- 連続モード(れんぞくもーど)
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信号発生器の動作モード。出力は、波形やシーケンスの先頭から即座に開始し、電源がオフになるか動作を意図的に停止するまで繰り返し出力される。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)