計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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リバースエンジニアリング(りばーすえんじにありんぐ)

(Reverse Engineering)機械の分解や製品の構造分析によって、製造方法などを調査すること。

リフタードエンベロープ(りふたーどえんべろーぷ)

(Liftered Envelope)ケプストラムの、短ケフレンシー部分を逆フーリエ変換することにより、対数パワースペクトルのエンベロープ(包絡線)が求まる。これをリフタードエンベロープといい、そのエンベロープは系特有のもので、入力信号のスペクトルには依存しない。応用として、音声波、生体波などからの基本周波数およびスペクトルエンベロープの抽出などがある。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

リフレッシュサイクル(りふれっしゅさいくる)

(refresh cycle)DRAMメモリは、キャパシタとトランジスタでメモリセルを構成している関係で、ある一定時間内に内蔵のキャパシタに電荷を補充してあげなければならない。この処理をリフレッシュサイクルと呼ぶ。1つの行アドレスにつき15.6μ~62.4μsecの間隔でリフレッシュを繰り返す必要がある。この期間はメモリアクセスができないので、CPUや周辺回路でメモリアクセスしないような処理を実施する必要がある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

リフローチェッカ(りふろーちぇっか)

プリント基板に部品を半田付けするリフロー炉の、内部温度を測定する機器。リフロー炉の温度設定をできる機種もある。

リモート・コントロール(りもーとこんとろーる)

計測用電源の出力電圧あるいは出力電流を電源本体より離れた場所から任意にコントロールすること。外部基準電圧または外部抵抗により、出力電圧や出力電流をリモート・コントロール可能にできる。(株式会社高砂製作所の用語集より)

リモートセンシング(りもーとせんしんぐ)

(remote sensing) 一般には、遠隔地にいて離れた場所の状態をセンサを使って検知(センシング)すること。計測器の用語としては電圧の正確な検知機能という説明がされている。計測器メーカ2社の例を示す。 菊水電子工業の製品総合カタログには、計測用電源で「出力端子から電圧検出される点までの出力線による電圧降下分を補償する機能」とある。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には「ケーブルが長くなる場合に出力電圧がケーブル長に影響されないようにする手段」とある。 リモートセンシングは分野によって様々な意味で使われる。たとえば日本リモートセンシング学会のHPでは「人工衛星で地球表面を観測する技術や科学」である旨が書かれている。「衛星画像販売・ソリューション提供」の一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)のHPにもリモートセンシングとは何か、が解説されている。これら2つの事実は、この用語は第一には(一般的には)衛星関連のことばということになる。ただし、計測用電源メーカの高砂製作所の用語集には長文の解説があるので、以下に抜粋を紹介する。 電源の出力端子において出力電圧安定度が良好でも、負荷までの距離が長くなると、負荷の変動により出力ラインに電圧降下が生じ、負荷端での電圧安定度が悪化する。これを防止するため、出力電圧検出点を任意に移動できるようにしておき、実際の負荷端で出力電圧を検出するようにして、電源と負荷をつないだリード線(配線)の線間電圧降下を補償する。安定化電源の良し悪しの指標の一つにラインレギュレーション(商用電源側からの入力電圧の変動に対する出力安定度)やロードレギュレーション(出力に接続した負荷の変動に対する出力の安定度)などがある。高安定の電源装置の機能の1つが、電源装置から出力された高安定の電力をできるだけ良い状態で負荷装置まで伝えること。リモートセンシング機能は高砂製作所のほとんどの電源装置に標準装備され、背面などの出力端子やその近くなどでショートバーやジャンパー線などで+S,-Sなど刻印されている。出力配線以外にもセンシングの配線が別途必要なため、工場出荷時は封印された状態で出荷される。そのまま封印された状態で使っていたら、大変もったいない機能である。

硫化水素測定器(りゅうかすいそそくていき)

大気中の硫化水素の濃度を測定する機器。

流向流速計(りゅうこうりゅうそくけい)

液体の流れる向きと速さを測定する機器。機器の品名は「流速計」のほうが「流向流速計」より多い。流速計との違いは不明瞭。品名「流向流速計」で「深度センサーと水温センサーにより測定水深が確認できる」旨が記載さている製品があるため、流向流速計は海洋を一番の対象にしていると理解される。

粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ)

自動車などから排出されるばいじん、粉じんなどの粒子状物質(Particulate Matter)をPMと略記する。NOxとともに大気汚染物質として規制されている。

流速計(りゅうそくけい)

液体の流れる速さを測定する機器。液体(または気体)の流速を測定する計器の総称。風速計、熱線流速計、カレント・メータ、ピトー管などがある。風速計は計測器といえる。似ているものに流量計がある。これは流体の流量を測定する計器で、電磁流量計、超音波流量計、ドップラ流量計があり、計測器に分類される。ほかには水量計、ガスメータ、フロート・メータも流量計だが、これらは計測器というより、設置型の機器である。

粒度分布測定装置(りゅうどぶんぷそくていそうち)

別名、「粒子径分布測定装置」といい、試料(サンプル)中の粒度分布(微粒子の大きさとその割合)を測定する装置。原理は動的光散乱法、レーザー回折・散乱法、コールター・カウンタ、画像イメージング法などがある。製品は大きく高価格帯と低価格帯に分けられる。センサの数を増やし高分解能にすると高額になるが、その価格が1/3程度の安価なモデル(低価格帯)もある。海外のBeckman Coulter(ベックマン・コールターは高分解能な製品ではトップシェア(同じダナハー傘下のHACH社からパーティクルカウンタを移管し、ベックマン・コールターは微粒子測定器のラインアップが充実した)。分析機器メーカのAnton Paar(アントンパール)社も有名。国産では堀場製作所、島津製作所、大塚電子などがつくっている。粒度分布計測は塗装の評価にも使われる。

流量計(りゅうりょうけい)

(flowmeter) 気体・液体・蒸気が流れる量を測定する機器。メーカによってはフローメータと呼んでいることもある。超音波式・電磁式・渦式などがある。 計測器メーカとしてはPanametrics(パナメトリクス)が有名(現在は会社名はBaker Hughesで、Panametricsはブランド名)。国産ではFA(ファクトリーオートメーション)の会社である富士電機や横河電機がつくっている。富士電機は「計測機器」として、ガス分析計や流量計、温度調節器などをラインアップしている。計装の会社である横河電機も「フィールド機器」のタイトルで「プラントの運転に不可欠な圧力、流量、温度、レベルを測定する製品群」をつくっている。つまり、工場などのプラントの機器を手掛けている重電メーカや計装のメーカが流量計をつくっている。東京計器も超音波流量計では有名である。ココリサーチは容量式流量計のラインアップが多い。

量子技術(りょうしぎじゅつ)

ニュートンの万有引力の法則など、自然界の物理現象を支配する原理を古典力学とすれば、それでは説明がつかない電子や光子などのミクロな世界のふるまいを説明する物理学を「量子力学」とよび、近年のコンピュータや半導体の進歩に貢献している。量子力学をコンピュータの高速演算や通信の暗号化などに応用することを量子技術と総称している。2021年4月の米バイデン大統領と菅総理の首脳会談でも、安全保障や中国への対応で日米が連携する分野の1つに取り上げられている。政府はNEC、トヨタ自動車、東芝など50社と量子技術の協議会を立ち上げる(2021年5月発表)。計測器は主に電子を扱っているが、量子コンピュータが実現する時は、その開発・試験用のツール(計測機材)が必須である。

リレー(りれー)

(relay)一般には物を順々に次の人に渡すこと(運動会のリレー競争など)だが、物理の世界では電気回路を開閉するスイッチを指す。電圧、電流などの物理量の大きさ、周波数、ある値の継続時間などによって電気回路の開閉を制御する。別名、継電器とも呼ばれる。電力系統に使われる保護継電器(保護リレー)は代表例。リレーは開閉器なので、回路図ではスイッチとして表記される。スイッチは1回路に1つのスイッチがある単極単投(1回路1接点)のSPST:Single Pole Single Throwや、接点が2つあり2回路の2極双投(2回路2接点)DPDT:Double Pole Double Throwなど多種ある。リレーのメーカとしてはオムロンやパナソニックが有名。電力用の保護継電器は受変電機器を作っている重電各社(東芝、日立製作所、三菱電機、富士電機など)がラインアップしている。リレーは日本語で継電器とも呼ばれ、電流や電圧の急激な変化から電気回路を保護する役割をするリレーを保護継電器という。保護継電器を評価する総合試験器が、保護継電器試験器(保護リレー試験器)で、リレーがアナログの時代は京濱電測器株式会社がつくっていた(同社の技術資産を継承したデンソクテクノ株式会社が2000年に設立されている)。現在は株式会社エヌエフ回路設計ブロック、株式会社双興電機製作所、株式会社 ムサシインテックの3社が保護継電器試験器やリレーテスタをつくっている。

リレー試験器(りれーしけんき)

保護リレー試験器の略称。正式名称の保護リレー試験器(や保護継電器試験器)よりも「リレー試験器」が大変良く呼称される。電力機器のリレー(継電器)を試験する測定器。株式会社エヌエフ回路設計ブロックのモデルは品名がほとんど「保護リレー試験器」である。株式会社ムサシインテック(ムサシ)は「リレー(継電器)試験器」という分類で、各種のモデルがある(モデルの品名は対象のリレーの名称をつけて「GR・DGRリレーテスタ」などで、「リレー試験器」という品名のモデルは無い)。株式会社双興電機製作所(双興)は「保護継電器試験装置」という名称で、具体的な品名はムサシインテック同様に測定対象のリレーの名前をつけて「過電流・地絡継電器試験装置」などである。双興とムサシの品名は一見してもリレー試験器とはわからない場合も多い(たとえば「多機能型試験装置」や「OVGR試験器」、「GR・ELBテスタ」など)。参考用語:リレー

リレーテスタ(りれーてすた)

(relay tester)保護継電器試験器(保護リレー試験器)の1種。株式会社エヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)には、三相の電圧・電流を出力できるAs-288リレーテスタがある。各種発電機のAVRリレー試験、各種計器・トランスデューサの試験のほか、平衡三相電力量計試験の信号源にもなる。同社HPでは「保護リレー試験器」の1つとして掲載されている。余談だが、同社の形名でAs-xxx(xxxは3桁の数字)とは特定顧客向けのカスタム製品につけるもので、それが標準カタログ品として認定される(特定顧客ではなく広く複数の顧客に需要が出る)とそのままAs-xxxの形名のまま同社HPや総合カタログに掲載される。 エヌエフ同様、保護リレー試験器を多くラインアップする株式会社ムサシインテックには、マルチリレーテスタIP-Rシリーズ(IP-R2000/IP-R3000/P-R5000)がある。OCR、GR、OVR、UVR、DGRなどの多くのリレー(継電器)に対応し、トランスを併用すると耐圧試験器になる。リレー試験器&耐圧試験器なので、ユニークな製品である。 このように、保護リレー試験器の一部のモデルに「リレーテスタ」という品名が使われている。ほとんどムサシインテックと同じラインアップがある保護継電器試験器メーカの株式会社双興電機製作所にはリレーテスタという品名のモデルは無い(2022年5月現在)。

LIN(りん)

(Local Interconnect Network )自動車のボディ制御、アクチュエータ制御で使われる、CANより低速だが安価な規格。最大通信速度は20kbps(CANは1Mbps)。

リンギング(りんぎんぐ)

(ringing)電気回路で、信号の反射やリアクタンス成分の共振により、波形が振動する(ひずむ)現象。Wikipediaには「(設計では意図していない)望まない電圧(または電流)の振動」と説明されている。菊水電子工業の製品総合カタログ(電源・電子負荷に関する用語)には「リンギング:機器内配線によるインダクタンスや静電容量により、電流急変時に発生する共振」とある。

リング型(りんぐがた)

ネットワークトポロジー(ネットワークの構成形態、配線の構造)の1つ。1つのノードから別のノードへの経路が必ず2つある形態。ノードが1つの経路でバスにつながるのがバス型なので、2つあるリング型の方が信頼性が高い。他のトポロジーにスター型やデイジーチェイン型がある。コストと信頼性はトレードオフで、一般にデイジーチェイン型、バス型、リング型の順に安価である。参考記事:車載ネットワークの歴史と規格概要~CANからLIN、FlexRay、CAN FDまでネットワークトポロジーの図解が図4にある。