計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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メモリオシログラフ(めもりおしろぐらふ)

(memory oscillograph) データをメモリに記録し、感熱紙に印字するタイプのレコーダ。現在のレコーダの主流。メモリレコーダとも呼ばれ、こちらの表現が一般的。「オシログラフ」という名称は横河電機(現横河計測)が好んで使用していた(用語の「オシログラフィック・レコーダ」の項目を参照)。 印字機能が無い、ペーパーレス製品が増えている(たとえば日置電機のメモリハイコーダなど)。ただし鉄道分野に強いエー・アンド・デイ(旧三栄測器/NECアビオニクス)のオムニエースはA4、A3サイズの印字機能を特長にし続けている。電圧の時間変化を測定し、波形表示する機能はデジタルオシロスコープ(オシロ)と同じ。入力数はオシロより多く(8~32ch)、各入力部は絶縁されている。 サンプリング時間はオシロより遅い(100MS/s以下)が、オシロより長時間の記録ができる。測定器の原理はデジタルオシロと同じだが、アプリケーションは全く異なり、用途によって使い分けられている(以下の記事にメモリオシログラフとオシロスコープの違いを解説)。

メモリ長(めもりちょう)

(memory length) デジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)でサンプリングした波形を記録する長さをメモリ長(レコード長)という。メモリ長とサンプリング、測定時間(記録できる時間の長さ)の間には、次の関係がある。測定時間(s)=メモリ長(Word)/サンプリング(S/s)。高速サンプリング(密)で測定すると測定時間は短かくなり、低速サンプリング(粗)ならば長時間測定できる。従来、メモリは高価だったので、デジタルオシロスコープのメモリは標準では大きくない。今でも各メーカはメモリ増設をオプションにして、性能(と価格)を選択できるようにしている。メモリ長やレコード長という表現でなく「内蔵メモり」や単に「メモリ」と記述している場合もある。 元来、オシロスコープは高速の信号を精度良く捕まえることが主眼で、精度とデータ数(サンプリング)はトレードオフである。電子回路の信号をオシロで測定してもせいぜい数秒程度でメモリはいっぱいになる。長時間記録が目的ならばオシロスコープでなくレコーダ(記録計)が適している。 「オシロであったら良い機能」を当サイトでアンケートを実施したら(2023年1月)、「データロガーのように長時間モニタ(記録)したい」旨の回答があった。時々、このような意見が計測器ユーザからあるが、それはオシロではなく記録計(レコーダ)で実現する機能で、オシロの役目ではない。信号を常時記録(モニタ)していて、閾値(設定値)を超えたらアラームを出力することはレコーダの主要な機能だが、サンプリングは通常、0.1~1秒程度である。オシロスコープは電子回路のもっと速い信号の電圧変化を捕まえることが主眼である。オシロとレコーダは測定原理がほぼ同じなので、理解が不十分な初心者は両社を間違えていることがある。逆にメモリレコーダなどの記録計をつくる計測器メーカは新製品のレコーダをオシロと呼称して、従来のレコーダユーザでなくオシロユーザを取り込もうという、巧みなPRをしていることがあある(オシロとレコーダは似ている測定器ではある)。

メモリハイコーダ(めもりはいこーだ)

(memory hicorder) 日置電機のメモリレコーダの品名。現在、計測器としての記録計(レコーダ)の主流であるメモリレコーダのNo.1(トップブランド)が日置電機のメモリハイコーダ。略称の「メモハイ」は記録計(レコーダ)の代名詞。 日置電機はレコーダとしては後発で参入した(アナログ時代からのレコーダの主要メーカは横河電機、三栄測器、渡辺測器だった)。1983年発売のモデル8801以降に進化を続け、現在はMR88xxやMR6000など多くのラインアップがある。 参考用語:オムニエース、サーマルアレイレコーダ、スコープコーダ

メモリ容量(めもりようりょう)

信号レコードを作成するために使用される波形ワード数。アナログ/ミックスド信号発生器でストアできる最大の波形データ量(時間と等価)は、メモリ容量によって決定される。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

メモリレコーダ(めもりれこーだ)

(memory recorder) 測定値をデジタルデータにしてメモリに記録する、現在の計測用レコーダの主流の機種群の総称。「メモリオシログラフ」という呼び方をするメーカもある。オシロスコープのように、計測器がアナログからデジタルに進化し、技術革新によって半導体メモリが安価になったことで、レコーダ(記録計)もデジタルオシロスコープのように、メモリを備えたデジタル式になった。 従来、レコーダ(記録計)はその名の通り「紙に印字して残す(記録する)」もので、2000年代頃までは感熱紙に印字できるモデルが多かったが、現在はデジタルオシロスコープ同様にペーパーレス(印字機能が無い)モデルが主流。メモリレコーダのNo1機種であるメモリハイコーダ(日置電機)や、スコープコーダ(横河計測)などは印字機能が無い。オムニエース(エー・アンド・デイ)は印字機能があることを最大の特長としている。 現在の計測器としての記録計は、レコーダの主力機種群はメモリレコーダだが、データ集録機器としてはデータロガーがある。レコーダ(メモリレコーダ)とデータロガーやオシロスコープの違いは以下の記事に解説がある。

面粗度計(めんそどけい)

面の粗さを測定する機器。「表面粗さ計」のこと。測定器の品名でなく、学術的な記事で「面粗度計」の表現が使われている。