計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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ベクトルネットワークアナライザ(べくとるねっとわーくあならいざ)

振幅・位相特性を測定する一般的なネットワークアナライザ。

ベクトルボルトメータ(べくとるぼるとめーた)

RF帯の電圧と位相を測定する機器。(=ベクトル電圧計)

ベクトル量(べくとるりょう)

(vector quantity)大きさだけでなく方向をもつ量。物理量にはベクトル量の物が多い。大きさだけの量をscalar(スカラー)という。インピーダンスや加速度などはベクトル量である。LCRメータが測定するインダクタンス(L)・静電容量(C)・抵抗(R)などの等価回路は複素インピーダンスといって、大きさと角度(方向)で表すことができる。参考用語:VNA

PECKER(ぺっかー)

株式会社アバールデータのROMプログラマ(ROMライタ)の通称(品名)。同社は1979年4月1日に「開発支援装置Pecker(デバイスプログラマー)シリーズ」として販売開始した。国産ROMライタのはしりである(アドバンテストや安藤電気の発売より早い)。当時は海外のデータI/O製品が主力で、東陽テクニカが取り扱っていた。PECKERは2001年11月にシリーズ全製品の製造・販売を終了し、製品メンテナンスも2007年8月末を持って終了している。マイクロプロセッサや開発支援装置(ICE)の普及にあわせて登場し、1980年~2000年にかけて、計測器メーカ以外が作ったROMライタとして開発技術者に広く愛用された。型名はPKW-xxx。表記はPeckerもある。現在のアバールデータは画像製品や高速アナログボードなどを主力製品としている。

ヘッドライトテスタ(へっどらいとてすた)

自動車のヘッドライトの検査をする機器。自動車関連の検査機器の1つ。自動車整備、車検などの自動車販売後(後工程)に使われる。メーカは株式会社バンザイや株式会社アルティアなどがラインアップしている。画像処理を使い、目視、手動から自動で検査する機器がある。

ペブロスカイト(ぺぶろすかいと)

(perovskite)ペブロスカイトとは灰チタン石のこと。灰チタン石と同じ結晶構造をペロブスカイト構造という。この結晶構造の材料を用いた新しいタイプの太陽電池が研究されていて、シリコン系や化合物系の太陽電池に劣らない高い変換効率が期待されている。どんな元素や素材からペブロスカイト構造を作るか、また量産方法など、各大学やメーカが研究し、成果を報告している。太陽光発電は再生可能エネルギーの筆頭として今後も新設が進むと考えられている。発電所の建設、保守には多くの計測器が使われる。

ヘリウムリークディテクタ(へりうむりーくでぃてくた)

ヘリウムガスを用いて漏れ(リーク)を測定する機器。

Verify(べりふぁい)

ROMライタの機能で、バッファメモリのデータとデバイスに書込まれているデータの照合。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

ヘルスケア(へるすけあ)

(health care) 和訳すると「健康管理」。医師や薬が関係するので、それらを含む、医療・医用分野の機器やサービスを広く「ヘルスケア」事業といわれる。IPS細胞や遺伝子解明などの医療の進化と、日本人の長寿命化によって、医療分野は有望な成長市場となっている。そのため、医療・医用機器分野の事業部門を「ヘルスケア」と称する企業が増えた。 家電や精密機器メーカは、従来の電気機器だけでなくヘルスケア分野に進出している。たとえば欧米の家電各社(フィリップス、シーメンス、GEヘルスケアなど)はヘルスケア事業部門がある。日本でもパナソニックや日立製作所、キヤノンなどのヘルスケア事業は柱の1つである。 ヘルスケア分野で使われる計測器としては、たとえば病院などで使われる医療機器の絶縁抵抗試験をする測定器などがある。計測用電源で有名な菊水電子工業は安全関連試験機器も主力製品群で、絶縁抵抗試験機、アース導通試験機、リンケージカレントテスタ(漏れ電流試験器)などのTOSシリーズをラインアップしている(※)。クランプやメモリハイコーダで有名な日置電機も電気安全規格に注力し、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、保護導通試験に対応するモデルを増やしている。2010年代から、電気安全規格(法令)が改訂されるタイミングでセミナーを開催し、改訂された規格に対応する測定器を発売している。 (※) 同社の品名は「試験機」だが、一般的に計測器は「試験器」(械ではなく器)が多い。 科学分析機器の代表である液クロ、ガスクロ(混合物を分離・検出して定量・定性分析を行うクロマトグラフィー装置)は広くヘルスケア(医療・製薬・食品など)の研究開発には必須の分析装置である。 一般財団法人日本ヘルスケア協会のホームページでは、ヘルスケアについて定義している。

ペルチェ素子(ぺるちぇそし)

電流によって温度を制御できる熱電素子の1種。

ヘルツ(へるつ)

(hertz) 周波数(frequency)の単位。電気の世界で電圧や電流、電力に次ぐ、最も基本的な物理量の1つ。記号[Hz]。ヘルツは時間の逆数。1H = 1/s(s:second、秒)。国際単位系のSI組み立て単位。 コンセントから供給される電源は交流50/60Hz。携帯電話に使われている無線通信の電波(キャリア)は数百MHz(メガヘルツ)~数GHz(ギガヘルツ)。もっと高い周波数のテラヘルツ波が、近未来の実用化に向けて研究されている。地震の長周期振動は周波数が低く1Hz以下の波である。橋梁などの構造物の振動もゆっくりで周波数(振動数)が低い。2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」では周期(固有振動数)1Hzの揺れが、古い木造家屋を多く倒壊したことが報じられている。このように電力や電波の周波数、地震波や音波の振動数など、周期的な波の度合いを表す単位である。「1周期の波の数」を日本語で「周波数」と命名したが、回転体の回転数も数/時間(単位時間当たりの回転数)なのでrps(rotaions/second)など、次元(単位)は周波数と同じ。周波数、振動数、回転数など、1/sの単位は複数の物理量で使われるが、ヘルツと呼ばれるのは主に周波数の事が多い。 ヘルツは、ドイツの物理学者で電磁気学で業績を残したハインリヒ・ルドルフ・ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz、1857~1894年)に由来する。 空気ばね式防振台のメーカで振動・音響測定業務も行う、ヘルツ株式会社の社名スペリングは(hertzではなく)HERZである。「ガス検知の遠隔監視システム」など、産業用ワイヤレス製品をつくるヘルツ電子株式会社の「HERUTU」も、周波数のヘルツとは無関係と思われる。

変圧器(へんあつき)

電圧を変換する機器。または交流電気の電圧を変える装置のこと。

偏位法(へんいほう)

測定量を原因として、その直接の結果として生じる指示から測定量を知る方法。たとえば測定量の電流によって電磁力を生じ指針を振らせる可動コイル形直流計などの一般のアナログ計器、及びデジタル計器も偏位法を使っている。(共立電気計器株式会社の用語集より)

変換アダプタ(へんかんあだぷた)

変換アダプタ(プログラムアダプタ)は、データ書込み時にROMプログラマに装着して使用するプログラマの必須装置。デバイスのパッケージやピン配置に合わせて設計され、アダプタソケット部のコンタクトピンとデバイスのリード端子を接触させて電気的にデータを書込むことができる。使用回数や環境によって端子接触面の汚れや半田転写などにより劣化が進み、書込み不良を発生させることがあるため、メーカは適切な清掃や交換を推奨している。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

偏光計(へんこうけい)

(polarimeter) 光通信などで使われる光信号は電磁波の1種なので偏波である。偏光計は光信号の偏波(偏光)状態の計測器。英語をカタカナにした「ポラリメータ」という表記も多く見かける。 直線偏光や楕円偏光などの偏光の状態(SOP:State Of Polarization)や、偏光している光と偏光していない光の割合である偏光度(DOP:Degree Of Polarization)を算出し、結果をポアンカレ球やストークスパラメータで表示する。偏光状態が未知の光を偏光フィルタ(偏光子、ポラライザ)によって任意の偏光成分に分離し、測定部で受けて、校正式を使って偏光状態や偏光度を計算している。 光コンポーネントの偏波依存性損失(PDL)などの評価に使われる偏波アナライザや偏波シンセサイザ、偏波スクランブラは偏光計を内蔵しているものが多い。 ここまで読んで、偏光と偏波の使い分けがあることに気がつかれただろうか。技術書籍では「電磁波の特性である偏波は、電波は偏波、光は偏光と呼ばれる」と解説されている。ところが光測定器では偏光と偏波の両方が製品名に使われる。偏光計は光測定器であることが初心者にもイメージしやすいが、偏波シンセサイザは光測定器で、偏波アンテナは無線(映像信号や高周波)の機器であることは、知識がないとわからない。

偏心測定器(へんしんそくていき)

レンズの偏心を測定する機器。

ベンチ(べんち)

(bench)作業台のこと。メーカが機器を作ったとき、その検査をする作業台には計測器が並ぶ。そのため、検査ベンチあたりどんなモデルが何台導入されるかは、計測器メーカが大変関心がある事である。以前は自動車の試作品は複数台あり、作業ベンチも同数あるため、1車種の開発には複数台の計測器が売れたが、最近は試作車は1台にして、事前のシミュレーションを活用するため、(日本の情報家電メーカが衰退した今では)活況な市場であるといわれる自動車でも従来のような計測器需要はなくなっているといわれる。

ベンチトップ(べんちとっぷ)

(benchtip) 実験室の机の上に置いて使う機器のこと。「据え置き型」とも表現される。直訳すると「 bench(作業台)の上」。「組込み」や「ラック式」と対比して使われる。ベンチトップ型 (benchtop type)/ラックマウント型(rackmount type)。また、サイズの違いで計測器を分類し、ベンチトップとハンドヘルド(片手で持って使える小型モデル)という表現もよくされる。 似た表現に「スタンドアロン」があり、ベンチトップで操作ボタンや表示画面があり、独立して1台で機能することを指し、PCなどを用意して制御しないと機能しないモデル(PC制御型)と区別するときに使われる。 参考用語:ポータブル、ハンディ、PC接続型簡易測定器、USB計測器

変調(へんちょう)

(Modulation) 伝達したい情報(映像、音声、データ等の電気信号・変調信号)に応じて、搬送波の振幅・周波数あるいは位相を変化させることを「変調」という。参照用語:復調

変調指数(へんちょうしすう)

(Modulation index) FM変調(周波数変調)において、変調信号の周波数と周波数偏移(搬送波の周波数が無変調時から変調信号によって変化した変化分)との比。変調信号の周波数が1kHzで周波数偏移が5kHzなら変調指数は5となる。