計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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フラットネス(ふらっとねす)

正弦波を出力したときに、出力周波数によってレベルが変化する度合い。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

Blank(ぶらんく)

ROMライタの機能で、未書込み状態かどうかのチェック。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

ブランチ接続(ぶらんちせつぞく)

RS-485など機器と機器をほぼ並列接続(バス接続)につないでいく方式のこと。(株式会社高砂製作所の用語集より)

ブランド(ぶらんど)

(brand) ブランドとは銘柄や品種のことだが、計測器のブランドについてTEXIOとGW Instekを例に説明する。1はテクシオ・テクノロジー、2はGoodwillの説明である。 1.オシロスコープや直流電源の老舗計測器メーカであるケンウッド(旧トリオ)は1996年に計測器事業を分社化してケンウッドティー・エム・アイを設立した。紆余曲折を経て、同社は社名変更し、2012年に株式会社テクシオ・テクノロジーとなり、ブランド名はTEXIOである。TRIO(トリオ)やKENWOOD(ケンウッド)もオーディオ機器や計測器の老舗ブランドだったが、計測器の現在のブランド名はTEXIOである。 2.GW Instekは台湾のGood Will Instrument Co.,Ltd(通称、Goodwill、グッドウィル)の計測器ブランドである。日本では2006年に日本法人の株式会社インステック・ジャパンが設立されて販売をしてきたが、(Goodwillの資本が入り傘下となった)テクシオ・テクノロジーが2014年1月1日に日本法人のインステック ジャパンを吸収した。以降、日本での「GW Instekブランドのオシロスコープ、スペクトラムアナライザ、直流電源、マルチメータなどの販売・修理・校正の事業」はテクシオ・テクノロジーが継続している(同社ホームページより)。 旧ケンウッドの計測器を継承したTEXIOブランドのメーカ名(つまり会社名)はテクシオ・テクノロジーである。Goodwill(メーカ名・会社名)の計測器のブランドはGW Instekである。このようにメーカ名(会社名)とブランドは似ているが同じではない。このように計測器メーカが自社製品にブランド名を付けているケースがまれにある。 オーディオ製品にはパナソニック株式会社のテクニクス(Technics)、三菱電機株式会社のダイヤトーン(Diatone)など、会社名とは異なるブランド名がある。商品に付ける通称(形名や品名とは違う愛称)のように、商品群に会社名に似たブランド名をつける計測器メーカもあり、(会社名よりもブランド名が流通していて)会社名と混同されることもある。微差圧計で有名な山本電機製作所は製品名にマノスターと付けている(マノスターゲージWO81、マノスターデジタルセンサQDP33など)。マノスターは(愛称やシリーズ名ではなく)ブランドと自称している。 3.海外メーカがM&Aした場合の例を述べる。マノメータや圧力発生器のDruck(ドラック)社と、超音波流量計や膜厚計のPanametrics(パナメトリックス)社はGE(General Electric)に買収されて、会社名はGEセンシング(現Baker Hughes、ベーカーヒューズ)になった。会社名だったDruckやPanametricsは圧力や流量の測定器として名が通っていて、現在も知られているため、Baker Hughesの営業は名刺にDruckやPanametricsのロゴを印刷している。このケースは会社名が(会社は無くなったが)ブランドになって残った例といえる。 形名や品名と通称やシリーズ名が紛らわしいように、会社名とブランドも混同されやすい。山本電機製作所のケースは、微差圧計という機種群(製品カテゴリ―)に愛称をつけたので、横河計測のDLシリーズのような通称だと思うが、メーカはブランドと称している(計測器では同様の例はあまりない)。

プラント(ぷらんと)

(plant) 発電所や化学工場などを指すことば。プラントには水などを送る配管が多くあり、圧力計や伝送器、信号変換器などが設置されている。プラントの定期点検には圧力キャリブレータやDC電圧電流発生器(コンパクトキャル、DCシグナルソース)などの計装のハンドヘルド測定器が使われる。 plentを和訳すると「工場設備、生産設備」。 参考用語:原子力発電所、4-20mA、DCS、HART、PLC

プリアンプ(ぷりあんぷ)

(preamplifier) 一般には電気機器の前段(入力段)に置かれるアンプで、日本語にすると「前置増幅器」(プリアンプの方が日本語として良く使われている)。計測器でもプリアンプは各機種群にわたりあるが、RF(無線、高周波)の基本測定器であるスペクトラムアナライザ(スペアナ)や、電界強度測定器などの感度を向上させるために使用する増幅器を指していることが多い。スペアナ本体の感度では測定できないような微弱な信号を観測する場合は外部にプリアンプを接続して信号を増幅して観測することがある。つまり、スペアナのアクセサリ(周辺機器)である。 オーディオ機器で、コンポーネントの中心となるアンプには、プリアンプとパワーアンプの2種類がある。計測器としてはスペアナの周辺機器の1つだが、オーディオなどの計測器以外の物理分野でも使われる用語。

フリッカ雑音(ふりっかざつおん)

(flicker noise)低周波になるほど大きくなるノイズ。高周波になると小さくなる(パワーが周波数に反比例する)ので、1/f(えふぶんのいち)ノイズや、ピンクノイズと呼ばれる。半導体などの電子部品には必ず発生する雑音で、熱雑音などとともに重要。雑音にはその他に白色雑音(ホワイトノイズ)などがある。 参考用語:雑音指数測定器、雑音発生器、白色雑音発生器

ブリッジ(ぶりっじ)

(bridge) 電気工学ではブリッジ回路(bridge circuit)と呼ばれるもので、電気抵抗を測定する手法の1つ。四角形の各辺が回路素子(抵抗など)で構成され、対角線の1組の端子を入力に(電池などの直流電源をつなぐ)、他の1組を出力に(検流計などをつなぐ)している。可変抵抗器や検流計を併用して平衡状態を作り、未知の抵抗の測定を行う。ダブルブリッジ、ケルビンブリッジ、抵抗ブリッジ、ホイートストンブリッジなどがある。 ひずみゲージを使ったひずみ測定にも利用されている。対角線の一対の端子を入力と出力にする回路をブリッジと呼ぶならば、全波整流回路は四辺にダイオードがあるブリッジである。 回路図が橋(ブリッジ)の橋げたのように見えることが語源らしい。 計測器情報:ブリッジが品名に付く製品例

ブリッジ電源(ぶりっじでんげん)

(bridge excitation) ひずみ測定においてブリッジ回路に加える電源のこと。電圧(または電流)と、直流と交流の別を示す。ブリッジ電源をパルス状に加える測定器では、パルス幅を示してある。またブリッジ電源が交流の場合は、周波数を示してある。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より) 参考用語:平衡調整範囲

ブリッジ法(ぶりっじほう)

交流インピーダンス測定の手法の1つで、もっとも基本的で、古くから使われた。精密に直流抵抗を測定することに使われていたブリッジを交流に応用したもの。直流では浮遊容量や配線インダクタンスの影響はあまり考慮する必要はなかったが、交流ではこれらの影響が測定誤差となるため各種方式の交流ブリッジが考案された。

ブリッジボックス(ぶりっじぼっくす)

ひずみゲージ と一緒に使用するアクセサリ。ゲージの微弱な信号をアンプ(ひずみ測定のフロントエンド)に伝えるための仕組み。

フリップフロップ(ふりっぷふろっぷ)

(flip-flop) 1ビットの情報(0か1)を保持(記憶)することができる論理回路。論理回路の最も基本的なものの1つで、電子工学の論理回路の教科書にでてくる機能(回路)。フリップフロップはマルチバイブレータやラッチなどと同じく、単純な2状態を保持する電子回路として使われる。そのためCPUのレジスタやメモリのRAM、プログラムカウンタなど、広範に使われる。また、信号の遅延を制御するための遅延回路にもなる。 フリップフロップは2入力、2出力がある論理回路で、入力信号がなくなっても、出力状態を維持し続ける。このためラッチ(留め金、ドアのチェーンなどの意味)回路とも呼ばれる。正確には、ラッチ回路はクロックが1の間は入力の変化に応じて出力がいつでも遷移するが、フリップフロップはクロックの立ち上がりエッジ(または立ち下がりエッジ)でのみ状態が遷移する(クロックのどんな状態が遷移のタイミングになるかが異なる)。 flipもflopも多くの意味がある単語だが、ビーチサンダルで歩く時のパタパタと鳴る音もflip-flopと呼ばれる。つまり英語のオノマトペ(擬音)で、公園の遊具のシーソーが「ぎっこんばったん」している動作が、フリップフロップの原理に似ていることが語源といわれる。 デジタル回路のいたるところで使われているフリップフロップだが、動作状態によってラントパルスを発生させる原因になる。ラントパルスは機器の誤動作の要因のため、オシロスコープのラントトリガ機能で発生波形を捉え、発生に対する対策を施すなど、機器の品質を高める検証・改善作業が各メーカで行われている。

プリトリガ(ぷりとりが)

(pri trigger) トリガ点(トリガポイント)以前の信号(波形データ)のこと。 デジタルオシロスコープが測定中(開始ボタンが点滅している間)は、常に測定データをメモリに書き込んでいる。トリガがかかると書込みを中止し、トリガ点を中心に波形を表示する。トリガ以前のデータがメモリにあるので、プリトリガを容易に表示できる。 別のいい方をすると、プリトリガとはトリガ点からデータを指定された点数までさかのぼってサンプリングする機能。トリガ点より後のデータを指定された点数まで遅らせてサンプリングする機能をポストトリガという。 デジタルオシロスコープでトリガ・イベント以前の信号の状態を読み込むこと。トリガ以前の観測時間を設定することができる。(2017年発行 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」より) プリトリガは不具合解析に大変役立つ。間欠的に問題が発生するときは、問題(イベント)にトリガして波形を表示させ、レコード内をスクロールし(記録しているデータを端から確認していく)、イベントの原因を解析する。このとき、問題の原因がトリガより前で見つかることも良くある。 操作部の水平ポジション・ノブは、トリガ・イベントの表示位置を決めるために使われる。水平ポジションを変化させると、トリガ・イベント以前の状態(プリトリガ)を表示するので、プリトリガを観測できる。水平ポジションを変えると、トリガポイント前後の観測時間を調整することができる。

プリレギュレータ(ぷりれぎゅれーた)

シリーズレギュレータ方式の計測用電源などで、内部の初段の安定器のこと。高砂製作所の場合はサイリスタを使用した位相制御部である。(株式会社高砂製作所の用語集より)

プリンタバッファ(ぷりんたばっふぁ)

(printer buffer) パソコンとプリンタをつないで印刷を行う際、パソコンからプリンタへ送られるデータを一時的に蓄えるメモリ装置のこと。印刷するデータを一時的にバッファに蓄えてからプリンタに渡すため、パソコンはバッファにデータを送る(渡す)と処理を完了して、次の処理に進むことができるため、プリンタがデータを受け取って印刷を行うための待ち時間を短縮することができる。パソコンの処理時間に対してプリンタは足が遅い(処理時間がかかる)ために、このような機能(プリンタバッファ)が使われる。 企業内にLANなどのネットワークが、現在のように発達していなかった1990年頃は、プリンタはネットワークの共用ではなく、特定のパソコンに直接つながっていた。パソコンを、足の遅いプリンタから解放する用途で、パソコンとプリンタの間にプリンタバッファ装置を接続することが流行った。商品としてはマイコン工業の「でぶ」が有名。 1990年頃はインクジェットプリンタ(inkjet printer)やサーマルプリンタ(thermal printer)などがあり、企業や家庭で導入が進んだ。インクジェットは年賀状の印刷などに使われた。企業ではレーザープリンタも用途によって使い分けられた。2010年代以降は企業内では複合機の導入が進み、複写機がネットワークプリンタ(社内のLANにつながった共用プリンタ)となり、FAXやスキャナの機能も持つようになっている。

プリント基板(ぷりんときばん)

電子回路を実際に機器で実現するために、電子部品間の配線(導体)を印刷した板のこと。印刷された導体(配線)をパターンという。板には電子部品を実装する穴が開いている(部品の種類によっては穴でないときもある)。通常は表と裏の2面に配線を印刷してある。電子部品の小型化や高密度実装の進歩により、2面ではない多層基板もある。電子部品をプリント基板に実装するだけで、線材による配線や、部品の固定が不要なため、機械による自動化が容易で、ほとんどの電気・電子機器に採用されている。 パターンの形状や製造向け図面、の作成をアートワークという。アートワークをコンピュータで行うことをCAD(Computer Aided Design、キャド)、CADデータから製造することをCAM(Computer Aided Manufacturing、キャム)という。マイクロプロセッサ(MPU、CPU)の進歩によってバスの数が増え、チップ部品の普及で高密度実装が進み、人の手作業ではなくCADでないとアートワークは難しくなった。ただし、回路図を機械的に読んで、電子部品の端子間を単純につないでも、完成したプリント基板は正常に動作するとは限らない。パターンを不要に長く引き回すと誤動作の原因になったり、パターンの幅や形状が電磁的意味をもったり(たとえばノイズの発生源になるなど)、単に線でつなぐのではなく、絵画を描くような職人的な要素がある。アートワークは電子回路の設計者の後工程の、基板設計のスキルを持った電気技術者の仕事である。 正確にはプリント基板には2つある。絶縁体でできた板の上や内部に、導体の配線が施されたもので、電子部品が取り付けられる前の状態をプリント配線板(PWB :printed wiring board)という。プリント配線板に電子部品がはんだ付けされ、電子回路として動作するようになったものをプリント回路板といい、PCB (Printed Circuit Board)と略記されたりする。プリント基板のことを会話では略して「プリント板」と呼ばれることが多い。部品実装前の状態をブリント配線板と呼ぶことはあるが、実装後はプリント回路板とはあまり呼ばれず「プリント基板」や「プリント板」と呼称していることが多い。 参考用語:フレキシブル基板 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】JPCA Show 2018 大学展示コーナー(計測関連展示の2校)の2ページ目 ・・プリント基板の新しい検査手法であるバウンダリスキャンについて一般社団法人エレクトロニクス実装学会の亀山博士に解説いただいた。

プリント配線板(ぷりんとはいせんばん)

(printed wiring board) 電子機器の中で電子回路を実現するために、電子部品を実装した板をプリント基板というが、部品を実装する前のベアボード(裸の板)をプリント配線板という。 正確には、プリント配線板に電子部品が取り付けられて電子回路として動作する状態のものをプリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)というので、プリント基板とはプリント配線板とプリント回路板の総称なのだが、プリント回路板のことはPCB(またはプリント基板、プリント板)と呼称することが多く、プリント回路板といういい方はあまりされない。そのためPCB=プリント基板(またはプリント板)という認識が広くある。ベアボードであるプリント配線板をつくるメーカは多くあり、その現場では「プリント配線板」といういいかたは日常的にされているが、PCBをプリント回路板とは呼ばす、プリント板と呼称するのが普通である。 参考用語:ベアボードテスタ、フレキシブル基板 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】JPCA Show 2018 大学展示コーナー(計測関連展示の2校)の2ページ目 ・・プリント基板の新しい検査手法であるバウンダリスキャンについて一般社団法人エレクトロニクス実装学会の亀山博士に解説いただいた。

フルICE(ふるあいす)

(full ICE)オンチップエミュレータではないICE(In Circuit Emulator)のこと。別名:フルエミュレータ。ターゲットのプロセッサ(CPU)が実装される箇所からケーブルでICEに回路を引き込み(In Circuit)、ICEに実装したCPUと、メモリに格納したソフトウェアで、ターゲットのハードウェアを含めて動作が正常かを確認(Emulation)する。多くの機能があるのでフルの機能があるICE。その後JTAG(ジェイタグ)など、CPUの多くが内部にデバッグ機能を搭載するようになり、これを利用した簡易(フル機能ではない)ICE(JTAG ICEなど)をオンチップエミュレータと呼んだ。ターゲットにCPUを実装した状態(On Chip)でデバッグを行う。そして従来ICEはフルICEと呼ばれるようになった(オンチップエミュレータの出現まではICEはすべてフルICEなのでこの言葉は無かった)。初めてのCPUを採用時にはオンチップエミュレータでは機能不足で、フルICEが使われることも多いが、現在は主要なICEメーカはフルICEを作っていない(ICEの主流はオンチップエミュレータ)。ICEのトップベンダーだったソフィアシステムズ(現Sohwa&Sophia Technologies)の用語集には以下の説明がある。フルICEとは、一般的にエミュレーションメモリリアルタイムトレース機能がサポートされている高機能インサーキットエミュレータを言う。そもそもICEはフルICEを指す。ICEはCPUベンダーから供給されるICE専用エバチップを利用するものや実CPUの機能を使ったタイプがある。フルICEは、ユーザボード上のCPUを外してその代わりにプローブ(CPUが内蔵されたもの)を挿して実CPUが動作しているエミュレート環境を作り、それによりCPUのリアルタイムなエミュレートが可能となる。外部メモリ(ROM、RAM等)を代替するエミュレーションメモリ機能があり、プログラムのダウンロード変更等が容易にできる。特に外部バス情報をリアルタイムに検証するリアルタイムトレース機能は、プログラムデバッグに欠かせないもので、探すのが難しいバグを瞬時に発見することも可能で、フルICEの最も大きな長所と言える。開発初期段階の周辺デバイスとのインタフェースの整合性を調べたり、デバイスドライバー作成時の不具合発見などに有効。「フル・インサーキットエミュレータ(full In Circuit Emulator)」という呼び方もされる。

フルーク・キャリブレーション(ふるーくきゃりぶれーしょん)

(Fluke Calibration) 世界的な大手計測器メーカFluke(フルーク)の校正用計測器、標準器部門。日本では、現場測定器のハンドヘルドDMMなど、黄色の製品群で有名なフルークと、DMなどの広告・宣伝活動を一体で行っている。元々Flukeはデジタルマルチメータから校正用標準器までラインアップしていたが、校正関連の機器を分社化してFluke Calibrationをつくった。日本以外ではFlukeとFluke Calibrationは別会社だが、日本では同じ会社の別組織になっている。2社の米国本社ホームページを日本語に翻訳しているため、フルーク(fluke.com)とフルーク・キャリブレーション(flukecal.com)の2つの日本語サイトがある。Fluke Calibrationは世界的な校正機器ブランドで、「電気、RF、温度、圧力、流量、ソフトウェアの6つの分野の校正器を1つのブランドのもとに統合している(https://jp.flukecal.com/about/fluke-calibration-brandsより)」。 Flukeは以下の会社を吸収して校正機器の範囲を拡大した。 Hart Scientific(温度)、DH Instruments(圧力、流量)、Pressurements(圧力)、Ruska(圧力)。 これらの会社の製品はFlukeブランドになったが、圧力の日本での販売は株式会社大手技研が以前から行っていて、現在も総代理店をしている(つまり日本のフルーク・キャリブレーションは電気、RF、温度を担当し、圧力と流量は大手技研が取り扱う)。大手技研は圧力機器のScanivalve(スキャニーバルブ)社の販売店として有名な輸入商社だが、つくばの校正センターで受託校正を行う技術商社である。 Hart Scientific(ハート・サイエンティフィック)は温度の校正機器で有名だったが、会社名はFluke Calibrationに統一されて、聞かなくなった。DH InstrumentsはDHIと略記されるなど、まだブランド名として使われている。Ruska(ラスカ)は高精度なマノメータとしても使われ、いまでもブランドとして残っている(会社名とブランドの関係はDruckに似ている)。 フルーク製品は機種群によって、黄色い堅牢な筐体の現場測定器はFluke、校正関連機器はFluke Calibration、有線通信関連測定器はFluke Networks、産業向け温度測定機器(Raytek、Ircon、Datapaqブランド)はFluke Process Instrumentsなどの事業体がある。Flukeは1998年に米国ダナハー(現フォーティブ)の傘下になり、同じく傘下のテクトロニクスと連携が進んでいる。日本では2011年に株式会社テクトロニクス&フルーク フルーク社(会社名テクトロニクス&フルークの社内カンパニー)になった。フルーク社には、現場測定器のFluke(フルーク社 特約店営業部)と校正機器のFluke Calibration(フルーク社 校正器営業部)とネットワーク関連ツールのFluke Networks(フルーク社 フルーク・ネットワークス営業部)の3部門が所属している。

Bluetooth(ぶるーとぅーす)

近距離無線通信の規格のひとつ。 PCやスマートフォンなどの情報機器やオーディオ機器にインタフェースとして普及した。最近は可搬型の計測器にも機能が搭載されるようになった。大変普及したため、携帯機器で重要な低消費電力の規格、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy、BLE)が登場し、さらに普及が進んでいる。 無線規格は通信距離と伝送速度によっていくつかの規格があり、用途によって使い分けられる。Blutoothとほぼ通信距離が同じで伝送速度が遅い下位規格に ZigBee(ジグビー)がある。伝送速度がほぼ同じで通信距離が長い(上位)規格に、国産のWi-SUNがあり、Wi-SUN FANはIoTに活用されつつある。Blutoothとほぼ通信距離が同じで伝送速度を上げたのがUWB(超広帯域無線通信)である。UWBの伝送速度は480Mbpsで、無線LANの代名詞であるWi-Fi(600Mbps)より少し遅いが、使用周波数(キャリア)はWi-Fi(2.4GHz/5GHz)より高い4GHz帯と8~10GHz帯を使用する。 Bluetoothの名称は規格を開発したスウェーデンのエリクソン社の技術者がつけた。ノルウェーとデンマークを交渉により無血統合したデンマーク王の歯が青かったことに由来して「青い歯(blule tooth)」。「乱立する無線通信規格を統合したい」という願いを込めた。(Wikipediaより)