計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

187

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

PG(ぴーじー)

2つ意味がある。 1.Pulse Generator の略記。信号発生器の代表的な1つで、日本語ではパルス発生器、パルス信号発生器、パルスジェネレータ、パルジェネなどと呼称される。方形波(矩形波)の発生器の1種で、デューティ を可変できる。ファンクションジェネレータは正弦波、三角波、方形波など多くの波形信号を出せるが、方形波に限定して、精度よく出力できる発振器をPGと呼ぶ。パルスの幅(時間)は特に規定が無い。高速有線通信の伝送評価用に誤り率試験機(パルス発生器と検出器のセット)があり、この場合のPGをPPGやパターンジェネレータと呼称している。 2.Power Groundの略。大電流が流れるパワーラインの、電源コモンへのリターン回路をパワーグランドという。プリント基板では、SG(シグナルグランド)とは別に設計される(アートワーク)。 当サイトでは「PGはパルス発生器」と解釈して、カテゴリー「信号発生器(汎用)」に登録しているが、厳密には通信の測定器でもある(PGには高周波のRF帯域まで出力できるモデルが多い)。 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・PG(パルス信号発生器)を含む、信号発生器のおおまかな種類の説明が冒頭にある。 計測器情報:品名に「パルスジェネレータ」が付く製品の例

PCRシリーズ(ぴーしーあーるしりーず)

(PCR series) 計測器でPCRといえば、計測用電源メーカ、菊水電子工業の交流安定化電源の形名である。計測用の交流電源はエヌエフ回路設計ブロックなど他社もあるし、近年は海外のクロマ(中華系)なども大型の大容量電源でシェアを伸ばしているが、PCRシリーズは形名を変えながら長年続いていて、ある意味、交流安定化電源のブランドといえる。 直流電源が内部の回路方式によって、スイッチング方式とシリーズレギュレータ方式があるように、交流電源には、回路方式によってPWMスイッチング方式とリニアアンプ方式(リニア電源)がある。PCRシリーズのPMWインバータ方式は、PCR-WEA/WEA2シリーズ(大容量、単相1kVA~三相36kVAの9モデル)とPCR-MAシリーズ(コンパクト、単相0.5kVA~4kVAの4モデル)がある。リニアアンプ方式はPCR-LE/LE2シリーズ(高機能、単相0.5kVA~9kVAの7モデル)になる。 「WEはスイッチング方式で大容量まで対応、4kVAまでなら小型・軽量のMAがあり、LEはリニア電源」、というわかりやすい形名の命名になっている。それらすべてがPCRシリーズとして統一され続いている。形名が合理的で美しく、覚えやすいので安心感がある。あたらしい形名のモデル(シリーズ)を発売(命名)するときは、従来モデルとの位置関係(下位か上位かなどの、従来モデルとの違い)を形名から想像できると、自然に製品の内容に入っていくことができる。形名を変に変えずに継続して、ブランド化することは商品として重要である。 電源は同社の主力製品で、形名の頭はすべてPで始まる。直流電源は回路方式以外に多出力電源、ワイドレンジ電源、高速プロブラマブル電源(バイポーラ電源)など多種類あり、PAN、PMX、PMP、PWR、PBZなどの多くのシリーズがある。直流電源ではPMCシリーズが長年親しまれたが、最近後継モデルが発売され生産終了した。 本多通信工業は、小型でシールドされた多ピンコネクタで、1.27mmピッチの物をPCRシリーズといっている(形名はPCR-E-〇〇・・)。品名は「インターフェースコネクタ」で、より小型の0.8mmピッチのシリーズは「D-subコネクタより小さく、筐体の小型化や基板への高密度実装に貢献する」とあるので、アンフェノールとの互換性はない。 2019年末から世界中に感染拡大した新型コロナウイルスで一般に使われるようになったPCR検査とは、「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction)を使い、ウイルスの遺伝子であるDNA(デオキシリボ核酸)を増幅させて検出する手法である。

PCI(ぴーしーあい)

(Peripheral Component Interconnect) パソコン内部の各パーツ間を結ぶバス(データ伝送路)の規格。現在はPCI Expressが規格として導入されている。インテルが規格作成を主導している。 計測器情報:PCIeバスアナライザ関連の製品例

PCIアナライザ(ぴーしーあいあならいざ)

PCIバスアナライザの略称。さらに略称:PCIバスアナ、PCIアナ。PCI(peripheral component interconnect)とはその名のとおり、PC内部の部品間をつないでいるバス規格のこと。従来のISA(イーサ)バスにかわり標準規格として普及した。規格の作成はインテルが主導するPCI SIG(Special Interest Group)によって策定される。PCIのプロトコルを確認・検証する解析器がPCIバスアナライザ。PCI規格は時代とともに次々と新しい規格が生まれ、いくつもの種類(規格名、バージョン)がある(「PCI Express 3.0」や「PCI Express Gen5」など)。 新しい規格に対応した、新しいPCIバスアナライザが次々と登場する。アナライザのハードウェア自体を新規購入していたらユーザはたまったものではないので、計測器メーカもソフトウェアのアップグレードで新しい規格になるべく対応し、対応しきれなくなると新しいモデル(ハードウェア)を発売している。そのため、PCIバスアナライザを購入したユーザは保守契約(ソフトウェアのアップグレード契約)をメーカから推奨される。CPUの王者インテルの戦略によって登場するPCの伝送規格に各半導体、部品、装置メーカは追従するために、最新のPCIバスアナライザが活用されている。 高速のプロトコルアナライザは現在はバスアナライザが主流だが、世界的に主要計測器メーカではなくバスアナ専業メーカがつくっている。日本のNo.1メーカだった安藤電気は撤退、キーサイト・テクノロジーは一時期ロジックアナライザでバスアナライザ機能をPRしていたが、今はしていない。バスアナライザは海外メーカが主力で、以前は老舗の東陽テクニカが多く取り扱っていたが現在は減ってしまった。PCIに限らずバスアナライザはM&Aなどによって、現在はテレダイン(旧レクロイ)が多くのラインアップを揃えている。ただし、海外メーカはM&Aが激しく、規格が普及しきるとアナライザの需要は激減するので、バスアナライザが現在の状態で続くかどうかはわからない。ソフトウェアシミュレーションなどによって測定器(ハードウェア)需要が激減することもある。 参考用語:バスアナライザ 計測器情報:PCIeバスアナライザ関連の製品例

PCI Express(ぴーしーあいえくすぷれす)

(Peripheral Component Interconnect Express) 従来のPCIバスに代わるパソコン向けシリアル通信規格。2005年からパソコンのビデオカード用I/Fとして普及が始まった。現在のIT機器のグラフィックス・カードやSSDに採用されている高帯域バスである。1伝送路(レーン)の伝送速度は片方向2.5Gbpsでレーンの数により×1~×32の製品がある。2000年代以降に発売された広帯域オシロスコープ(いわゆる高速オシロ)にはPCI Expressの評価用ソフトウェアオプションが各社から発売されていた。規格のアップグレードがあるため、PCIアナライザなどのバスアナライザ(プロトコルアナライザ)も活躍している。 PCIeやPCI-Eなどの略記をされる。 計測器情報:PCIeバスアナライザ関連の製品例

PCIバスアナライザ(ぴーしーあいばすあならいざ)

PCIバス上に流れる通信データを解析する測定器。略称:PCIアナライザ。現在の規格はPCI Express(PCIe)になっている。テレダイン・レクロイはOaKGate社の販売店として、PCIeのプロトコルアナライザ(バスアナライザ、テストツール)、PCIe Gen5に対応したSSDの「適合性テストソリューション」、3Uラックマウントテスト装置「OakGate R300」、デスクトップテスト装置「OakGate DE200」を2022年7月にニュースリリースした。PCIeの規格はマイクロプロセッサ(CPU)の進化とともに応用分野が広がり、このように新しいPCIバスアナライザが発表されている。 計測器情報:PCIeバスアナライザ関連の製品例

PCS(ぴーしーえす)

(Power Conditioning Subsystem) パワーコンディショナ(パワコン)の別名。

PCM(ぴーしーえむ)

(Pulse Code Modulation) パルス符号変調。アナログ信号をデジタル信号に変換するパルス変調の1種で、音楽を記録しているCDに採用されている。アナログ信号をデジタル化する手法として使われる。信号をサンプリング(標本化)して、振幅の大きさを量子化ビット数に対応するパルスに変換する。量子化ビット数(quantization bit rate、サンプリングビット数)とは「アナログ信号をデジタル信号に変換するときに、信号の振幅の大きさを何段階で表すかを示した値」。8ビットで256段階(2の8乗は256)、16ビットで65,536段階の精度になる。ビット数が大きいほど元のアナログ信号を忠実に再現する。PCMは大容量のデータを効率よく伝送でき、雑音も少ないので、電話網やインターネットなどの通信方式でも広く利用されている。 PCM方式の通信は、標本化→量子化→符号化の手順で行われる。量子化されたデータを符号化(coding)する。データの受信側では複合化によってデータを復元する。符号化と複合化をするデバイスをコーデック(CODEC:COder/DECorder)という。PCMコーデックのデバイスや装置を評価する測定器がPCMコーデックアナライザで、アンリツや安藤電気が1980年代につくっていた(現在は生産中止)。伝送交換の装置としてPCM方式の装置が導入されていた時代の話である。 富士通などの通信装置メーカは、1960年代に「PCM-24デジタル伝送装置」を電電公社(現NTT)に納品している。1950年代から音声(アナログ信号)を伝送装置でPCMによってデジタルに変換して伝送することが研究され、1960年代にPCM装置が導入されてアナログだった電話回線はデジタル化された。装置は年々改良され、通信網の長距離化、データ通信網の構築が進んだ。またこの技術が後にCD-ROMの信号処理など、コンシューマ製品に広く採用された。つまり、基幹通信網の伝送方式がCDの記録方式の元になっている。 PCM伝送装置の開発・評価用の計測器をアンリツと安藤電気はつくり、電電公社や通信装置メーカに販売した。1970~1980年代の安藤電気の計測器の技術部には電電公社向けの製品をつくる部隊があり、社内組織図では「PCM関連測定器を担当」と明記されていた。同社にはAP-9850 デジタルトランスミッションアナライザなど、形名の2文字目がPの製品があるが、PCM関連測定器が多い。

PCMCIA(ぴーしーえむしーあいえー)

(Personal Computer Memory Card International Association)1990年代のICE全盛期には、ICEとノートパソコンの接続に使われたインタフェース。PCMCIAカードにはフラッシュメモリカードやSCSIカードなどがあった。PCMCIA規格にはTypeI、TypeII、TypeIIIなどがあった。

PCオシロ(ぴーしーおしろ)

PC(パソコン)につないで使うオシロスコープの略称。USBの普及で最近はUSB接続型が計測器の1カテゴリになりつつある。

PC研磨(ぴーしーけんま)

(polishing of optical fiber end face) 2本の光ファイバケーブルをコネクタを使って接続する際は、光ファイバ同士が隙間なく接続(接触)するように、先端(フェルール端面)を研磨している。これは隙間による反射(空気という屈折率が違う媒体があることで、境界面で起こるフレネル反射)を防止する目的で、(融着ではなく)光コネクタで行われる。 研磨の種類は、端面形状が凸球面のPC(Physical Contact)、SPC(Super PC、スーパーPC)、UPC(Ultra PC)と、斜め凸球面のAPC(Angled PC)の4つがある。4つの違いは反射減衰量で、PC(25dB以上)、SPC(40dB以上)、UPC(50dB以上)、APC(60dB以上)と規定されている。求められる仕様(反射減衰量)によってPC~APCのどれかの記述がされる。 代表的な光コネクタのFCコネクタやSCコネクタなどは、「FC-PC」(PC研磨のFCコネクタ)や「SC-APC」(APC研磨のSCコネクタ)のような表記で、「コネクタの種類及び研磨の種類(による反射減衰量の仕様)」を表現する。ただしメーカによって記述が不統一で、FC(PC)やFC・PC、FC/PCのような表記も多い。PCがコネクタの名称ではなく研磨の種類であるという基礎知識がないと、前述の3種類の表現は「FCまたはPC」、もしくは「FCとPC」というコネクタであると誤解される。計測器を含む機器の仕様覧では「光コネクタ」の項目にFC-PCやSC-APCという記述がなされる。 光ファイバのフェルールの研磨のことを総称してPC研磨と呼称するので、本稿のタイトルをPC研磨としている(英語は「光ファイバ端面の研磨」を英訳している)。 光コネクタのPC研磨表記は1980年代にはほとんどなく、1990年代から現れた。アンリツ のプログラマブル光減衰器MN9610A/MN9611A(製造中止品)の1991年発行カタログでは、入出力コネクタ覧に「FC・スーパーPC形」と記載されている。これは「SPC研磨のFCコネクタ」を意味するが、1990年代には各社の例としてこのような表記があった。現在は前述のようにFC(SPC)やFC・SPC、FC/SPCなどの表記があるが、FC-SPCがベストな表記と筆者は思っている。

PC接続型(ぴーしーせつぞくがた)

計測器の分類の1つに、機器の動作の形態(他の機器との接続状態など)による表現がある。単体で動作するものをスタンドアロンというが、PCなどに接続して使用する前提のものをPC接続型という。PCのインタフェースとしてUSBが普及したため、最近はUSBで接続するタイプが増えた。従来からオシロスコープは、箱型でPCに接続する機種が多くあったが、最近はRFの高額な測定器(スペクトラムアナライザやネットワークアナライザ)もUSB型が各社から発売されている。

PC接続型簡易測定器(ぴーしーせつぞくがたかんいそくていき)

スタンドアロンではなくPCにつないで操作するタイプの測定器(PC制御型)は以前からあった。外観は箱で、表示部や操作部はほとんどない。小型のものはPCのI/Fコネクタに直接、箱(計測器本体)を接続してまるで計測器の一部のような製品もあった。特にオンラインモニタ(プロトコルアナライザ)はデジタル通信をするコンピュータとの親和性が高いので、PCにつなぐ小型の簡易製品があった。日本データシステムはポケオシ、ポケロジの名称でオシロスコープやロジックアナライザ製品を販売した(現在はハギワラソリューションズが事業を継承)。ロジアナが時代を感じさせるが、以前はPCのI/Fの性能もあり、これらのPC接続型小型計測器は本格的な計測器とは認知されていなかった。海外では英国のPico Technology(ピコテクノロジー)が1991年設立のPC型オシロスコープメーカとして老舗。 USBが広く普及したことによって、現在はUSBインタフェースを使ったPC接続型のモデルが大手計測器メーカからも発売されている。そのため、従来の(I/FがUSB以前の)PC接続型簡易測定器はほとんど見かけなくなった。現在はUSB接続型PC制御測定器が計測器の1カテゴリーとして確立しつつある。

PC直結型記録計(ぴーしーちょっけつがたきろくけい)

高速CPUや大容量DRAMなどの半導体の進歩と、通信技術の発達による高速・大容量の実現により、各種の分野でPCと直結したデータアクイジション機器への要求が高まり、2000年代に入ると、新しい技術を使ったPC直結型やペーパーレスの記録計が多く発売された。1950年代に国産初の自動平衡式記録計を製品化して、記録計のリーディングカンパニーを自負していた横河電機は、ペーパーレス化とともに、“新技術を使用した最新記録計”として「PC直結型レコーダ」を200年代に強力にPRしていた。モデルとしては、最大1600チャンネルが可能な拡張型のモデルDA100や、高速タイプのMX100で、現在に続く横河電機のデータロガーの源流の製品群である。ただし「PC直結型」という名称は2022年現在は死語で、ほとんど聞かない。現在は横河電機以外のメーカも含めて、PC直結型が当たり前になったからである。

PCB(ぴーしーびー)

2つの意味を紹介する。 PCBはポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyl)の略記である。PCBはいままで電気機器や電子部品に使われてきたが、近年、使用しないようになった。ただしまだ使用した機器が多く残っている。廃棄時の処分方法について、法律で規定されている。近年、「計測器内部にPCBを含有したコンデンサなどの電子部品を使用していないか」、とユーザが廃棄時にメーカに確認することが増えている。特に古い計測器を長く使っている学校など教育機関の廃棄担当者は確認作業に苦労している様子が伺える。 もう1つ、Printed Circuit Boardのこと。日本語にすると「プリント回路基板」。「プリント基板」や「プリント板」と呼ばれることが多い。電気機器に電子回路を実現するために使われる機器である。プリント基板はパッケージと呼称され、PKGと略記されている例を見たことがある(大変例外的な例であるが)。

PCU(ぴーしーゆー)

(Power Control Unit) モータを利用して走る自動車の電力を適切に制御するための装置。自動車の電動化にモータ、バッテリと共に重要な機器。

PCリモートモード(ぴーしーりもーともーど)

計測器を単体で(完結して)使用する(スタンドアロン)のではなく、PCにつなぎ、PCから操作して使うモードのこと。従来は「自動計測」といわれてきた。USBインタフェースの普及などによって、多くの機種がこのモードを持つようになった(以前はGP-IBなどを使い、限られた高機能モデルだけが可能であった)。制御や測定以外に、測定後のデータ収集、解析など多様なソフトウェアが各計測器メーカから用意されている。機種によってはスタンドアロンではなく、PCにつないで使用することを前提にした機種群もある(USB接続型計測器がその代表)。そのようなモデルはPCリモートモードでしか使用できないので、あえて「PCリモートモード」などとは説明しない。操作ボタンや表示画面があるスタンドアロンの機種で、PCでリモート制御できる機能がある場合に「PCリモートモードもある」、と説明される。東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」には次にようにある。PCリモート(PCリモートコントロール)モードは、ROMプログラマとUSB接続したPCにてコントロールソフトを使用して、書込み等の制御や各種設定を行うことができる機能。データの書き換えが頻繁に発生する設計・開発部門でのデータ書込みに便利。PC制御の生産設備への組み込み、制御、管理にも応用できる。

PSIM(ぴーしむ)

パワーエレクトロニクス(パワエレ)に特化した回路シミュレータ(ソフトウェア)。パワエレの開発用では業界標準といえる。PSIMは北米で開発・製品化されたが、日本ではMywayプラス株式会社が有名。同社によれば「累計2000ライセンス以上を販売し、国内120以上の研究室で使用されている」と、高シェアである。 同社は以前からPSIMトレーニングセミナーを開催してきたが、毎年秋にPSIMユーザ会を催すようになった。またパワエレ技術者の育成などを目的に一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会(PWEL)を設立し、2017年のPSIMユーザ会は「パワエレ技術者育成フォーラム」(技術者セミナーなど)を併設した。2018年はPWEL主催のパワエレ技術者育成フォーラムがメインイベントとなり、併設展示会場にはテクトロニクス、岩崎通信機などパワエレ向け計測器をラインアップするメーカ10数社が並んだ(以下の参考記事にイベントレポートあり)。 2019年はPWEL主催の「パワエレフォーラム」となり、協賛:Mywayプラス、キーサイト・テクノロジーなど、後援:日刊工業新聞社、一般社団法人エレクトロニクス実装学会など、となった。パワエレ関連の大学教授が司会して、パワー半導体メーカ、自動車車体メーカ、インバータメーカなどが議論するセッションは、パワーデバイスの作り手、ユーザ、教育関係者、というパワエレ業界の民間企業・大学関係者が年に1回、集まる場となった。2020年はコロナ禍でリアル展示会は中止され、現在はオンライン開催でセッションが毎年続いている(2023年現在)。 Mywayプラスは早くから電力回生型双方向電源という(現在では自動車などのインバータ・モータ評価の標準となった)特殊なDC電源を発売した計測用電源メーカでもあるが、元はパワエレ機器の開発ベンチャーである(以下の展示会レポートに説明あり)。PSIMの販売から、パワエレユーザのトレーニング(セミナ)を定期開催するようになり、PSIMユーザ会を経て、PWELを設立してパワエレ業界に確固たるポジションを築いたといえる。いわばPWELはパワエレ業界の1つの極である。 PSIMはpower simulator(パワエレ シミュレータ)の略記という説があるが、真偽は定かではない。

BW(びーだぶりゅ)

(Band Width)「帯域幅」の略記。スペクトラムアナライザの最も基本的な性能の1つ。「BW」という表記が大変良く使われる。一定の周波数範囲を指し、「周波数帯域幅」や、「帯域」、「バンド幅」、「バンド」などの表現もされる。詳しい説明や図解は当用語集の「帯域幅」を参照されたい。

PWEL(ぴーだぶりゅいーえる)

(Power Electronics Assosiatuion)一般社団法人日本パワーエレクトロニクス協会の略記。パワーエレクトロニクス技術者の育成や業界の発展に貢献する目的でPSIMを販売しているMywayプラス株式会社が2017年頃に設立した。