計測関連用語集

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PMCシリーズ(ぴーえむしーしりーず)

(PMC series) 菊水電子工業のコンパクト直流安定化電源の形名。シリーズレギュレータ方式(別名:ドロッパ方式)で、小容量(35~100W出力程度)のモデル。企業の実験室などで使うベンチトップの小型DC電源として重宝された。同社では直流電源で300W以下を小型電源といい、その単出力モデル「71系」の流れをくみ、1980年代に発売され、2010年代にPMXシリーズ(現役モデルは2023年時点でPMX-Aシリーズ)になるまで約20年間販売されたベストセラー。PMCは「ドロッパ方式の小型電源」の代名詞だった。市場に大量にPMCシリーズがあり、20年間売れ続けた実績(品質)は、中古計測器市場でもPMCシリーズの人気(高値)につながっている。 形名PMC-18-3(またはPMC-18-3A)は18V/3Aモデルで、PMC18-5A(18V/5Aモデル)と合わせて、1990年代の日本の携帯電話メーカの生産ラインで山のように使われた。メーカによってはケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)のPW18-3AD(同じく18V/3A仕様)を使う場合もあった。NEC、富士通、松下電器、シャープ、三洋電機、ソニー、東芝、カシオ計算機、京セラなど、ガラケー時代には多くの家電・通信機器メーカが携帯電話をつくっていた。キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど)からの生産計画は毎月のように変動するので、生産設備は自社資産よりもレンタルが活用された(生産設備をリースでなくレンタルした特異な事例である)。計測器レンタル会社はPMC18-3Aという1モデルだけで1000台以上を保有し、各携帯電話メーカからのレンタル依頼に対応した。日本に携帯電話メーカが10社以上あり、国内で生産していた時代の話である。 2023年現在、国内キャリアにスマートフォンを提供している国産メーカ(製造国)は、ソニーモバイルコミュニケーションズ(タイ)、シャープ(中国)、富士通(日本)、京セラ(日本)の4社である。

PMV計(ぴーえむぶいけい)

「暑い」「寒い」といった温熱環境に対する感覚を、数値化した温熱的快適性の指標の1つであるPMVを簡便に測定する機器。 (=平均予想温冷感申告)(PMV=Predicted Mean Vote の略)

PM変調(ぴーえむへんちょう)

「位相変調(Phase Modulation)」の略記。搬送波に対して変調信号の変化に合わせて位相を変化させるアナログの変調方式。AM(振幅変調)やFM(周波数変調)ほどはPMは使われていないが、デジタルの位相変調であるPSKやQPSKはデジタル無線通信で良く使われている。PMだとp.m.(午後)の意味もあるので、本解説ではタイトルをPM変調にしている。

BLE(びーえるいー)

Bluetooth Low Energyの略記。「ブルートゥースローエナジー」と表記されることも多い。低電力のブルートゥース。ボタン電池程度の低電力で動作する無線通信規格として導入が始まっている。

PLL(ぴーえるえる)

(Phase Locked Loop) 日本語では「位相同相ループ」だが、PLLの方が良く使用される。入力と出力の位相を同相にする回路や機器のこと。RFなどの無線通信にはシンセサイザを使った高精度のPLLが使われる。アナログ回路の最も基本的な1つ。Analog Devices(アナログデバイス)社などの半導体デバイスメーカはPLLの電子部品をラインアップしている。 参考用語:VCO

PLC(ぴーえるしー)

(Programmable Logic Controller) FA(Factory Automation、工場の自動化)や計装分野の用語。プログラムに従って制御をしていく機器。工場の製造現場に導入されているコンピュータであるDCSと各装置の間にPLCは位置している。 メーカは三菱電機やオムロンが有名。富士電機やパナソニック、横河電機もつくっている。FAメーカだけでなく大手電機メーカもラインアップしているといえる。メーカによって「プログラマブルコントローラ」とも呼称される。三菱電機は「シーケンサ」と呼んでいる。各社の製品には通称もあり、横河電機はFA-M3、三菱電機はMELSEC。 横河電機の製品群は大きく「制御」と「計測」に分かれる。PLCは同社HPの製品/サービスページの「制御/制御デバイス/プログラマブルコントローラ(FA-M3V)」に掲載されている。同じく計装の機器として工場に導入されている伝送器(でんそうき)や流量計は「製品・サービス/計測/フィールド機器」のページに掲載されている。温調計はPLCと横並びで「制御」に分類されている。つまりPLC、DCS、温調計は制御の機器で、伝送器や流量計はDAQや横河計測の製品と横並びで「計測」のページに掲載されている。 横河電機と同業で「制御・計測・監視」を標榜する株式会社チノーのHPでは製品ページの下に、放射温度計(計測器)もPLCも温調計も同列に掲載されている。PLCメーカはPLC専業でない大手企業が多いので、メーカHPからPLCを探し出すには計装や制御機器の知識がないと難しい。 計測器情報:横河電機のPLCの製品例

PLD(ぴーえるでぃー)

(Programmable Logic Device)日本語で「プログラマブルロジックデバイス」と呼ばれることもある。購入後に使用者が内部の論理回路を作成できる半導体チップの総称。通常の半導体は製造後に内部の回路を変更することはできないが、PLDは書き換えることができる。そのためユーザ(論理回路の設計者)はその情報をPLDに書き込んで、自由な回路構成を作ることができる。小規模なPLDをSPLD(Simple PLD)といい、PAL(Programmable Array Logic)やGAL(Generic Array Logic)がある。大規模なものをCPLD(Complex PLD)、より大規模なものにFPGA(Field Programmable Gate Array)がある。いまやFPGAは大変普及して別格のロジックデバイスになったので、広義にはPLDの1種だが、独立して呼称されることが多くなった。

POI(ぴーおーあい)

(Probability Of Intercept)「捕捉確率」の略記。 (2009年9月発行のテクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて」より)

PoE(ぴーおーいー)

(Power Over Network)イーサネットを使って電力を供給する規格。3種類の標準規格(PoE、PoE+、PoE++)があり、PoE++はIEEE 802.3 bt Typeの大電流機の規格。機器によって扱える電力をクラスX(Xは数字1桁)で規定している。

POL電源(ぴーおーえるでんげん)

DC-DCコンバータなどの電源レギュレータを使用ポイントの近くに置いていること。POLはPoint Of Loadの略。低電圧,大電流で高速動作するLSIに効率良く電源を供給するためには、LSIの直近に個別のDC-DCコンバータを置いて、低電圧,大電流,高速応答の電源を生成する。これをPOL電源と呼称する。大きなピーク電流に対応したり、低ノイズマージンを実現するためにPoit Of Loadに置かれるDC-DCコンバータがPOL電源である。 POLは貿易用語では「最終的な配送先、配達場所」、Place of deliveryの略記。また、「.pol」は、Windowsで「システムポリシーが記載されたファイルに付く拡張子」。ただし、計測器の電子負荷装置や、電源ICのデバイスメーカ(※)ではPOLはPoint Of Loadのこと。 (※)アナログ・デバイセズ(Analog Devices)やインフィニオン・テクノロジーズ(Infineon Technologies)など

BOD計(びーおーでぃーけい)

水中の生物化学的酸素消費量(BOD)を測定する機器。

B型粘度計(びーがたねんどけい)

最も普及している粘度計。B型はこの測定器を開発したBlookfield(ブルックフィールド)社から命名されている。

PQA(ぴーきゅーえー)

(Power Quority Analyzer)直訳すると「電力品質アナライザ」だが、電源品質アナライザ(電源ラインの変動など品質を評価する計測器)の名称として使われている。日置電機の製品で主に使われている単語。電源ラインの品質を評価することは現場の機器の試験として重要で、クランプ式電力計でNo.1シェアの同社は長らくこの分野の計測手法について言及してきた。同社にはPQ3198、PW9005などの形名の製品群がある。日置電機の製品の通称ともいえる。

pCUBE(ぴーきゅーぶ)

Mywayプラス社のバッテリ評価用の回生直流電源の通称。同社はパワエレ機器の受託開発で蓄積した要素技術を応用して、回生DC電源をつくった老舗である。モデルAPL2はパワコン(太陽光発電用のインバータ)などの開発に大変重宝された。APL2の次のシリーズとしてpCUBEをリリースした。直列、並列に複数台をつなぐことでユーザが希望する容量(電流・電圧値)を実現できる。バッテリのソーラーパネル(太陽光発電のパネル)の模擬電源として動作するオプションもある。定電流型のDC電源として、APL2やpCUBEはパワコン開発が活況だった2010年頃にはクロマ社と競った。バッテリの充放電試験用途では、開発が始まった電気自動車用途で重宝された。従来、この分野は高砂製作所や菊水電子工業が得意な分野だが、Mywayプラスは先行していた。ただし、2020年代には高砂製作所が大容量・小型モデルを発売するなど、日進月歩である。

ピーク検出(ぴーくけんしゅつ)

デジタルオシロスコープの表示機能の1つ。エンベロープ表示とも呼ばれる。通常の表示では,時間軸設定で 1 div あたりの時間を長くすると、「観測したい範囲のデータ個数>画面表示の分解能」となるので、間引き表示になる。ピーク検出(エンベロープ表示)では、高速でサンプリングしたデータから最大値/最小値を求め,それらをペアにして表示する。高速のバルス(ノイズ波形など)の誤動作の原因になる現象をとらえるのに有効といえる。

ピーク値(ぴーくち)

(peak value) 大手計測器メーカ2社の解説を紹介する。 ピーク値:波形の最も振幅の大きい点の値で、別名、波高値(絶縁抵抗計などが有名な、共立電気計器 株式会社の用語集より)。 ピーク(略記:Vp):ゼロ基準点からの最大電圧レベル(テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」の用語解説より)。 電気信号は交流を扱うことが多く、直流のように一定の大きさではない信号の大きさを表現するのに、実効値、平均値、ピーク値などが、場合によって使い分けされる。 ピークの関連製品としては、RF分野の高周波パワーメータに「ピークパワーメータ」という品名のモデルがある。

ピークツーピーク(ぴーくつーぴーく)

(peak-to-peak) 正弦波のような交流の値を示す記載方法の1つ。直流のように大きさが一定でない交流は、その振幅の中でどの値を、その信号の大きさとするか、定義が複数ある。最大値と最小値の差を、ピーク(最大値)ともう一方のピーク(最小値)の間の値という意味でピークツーピークと呼んでいる。会話では「ピークツーピーク」と呼ばれることが多く、文献では「ピークピーク値」や「ピークツーピーク値」などの表記がされている。表記(略記)はpp、p-p、p.p.の3種類があり、統一されていない。 テクトロニクス の冊子「オシロスコープのすべて」(2017年発行)では「ピーク・トゥ・ピーク電圧(V p-p):信号の最小ポイントから最大ポイントまでの電圧」と説明されている。交流の値の定義にはピークツーピークのほかに、平均値や実効値 (rms)、最大値(ピーク値)などがあり、場合によって使い分けれる。

ピーク・ディテクト(ぴーくでぃてくと)

デジタル・オシロスコープのアクイジション・モードの1つで、見過ごしやすい信号の詳細を観測でき、特に幅が狭く間隔の長いパルスを捉えるのに有効。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

ピークピーク値(ぴーくぴーくち)

(peak-to-peak value) 正弦波(サイン波)のような交流の値を示す記載方法の1つ。最大値から最小値までの範囲のこと。会話では「ピークツーピーク」と呼ばれることも多い。表記はppやp-p、p.p.などがある。

ピークホールド(ぴーくほーるど)

電流の一定時間内のピーク値を記録する機能。ピークホールド機能の測定値はピーク電流波高値の1/√2で表示される。入力が正弦波の場合、実効値換算表示になる。(共立電気計器株式会社の用語集より)