計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

72

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

DrDAQ(どくたーだっく)

英国のPC制御型計測器の老舗、Pico Technologyの多機能データロガーの名称(通称)。DAQはData AcQuisition(データ・アクイシジョン)の略記でデータ集録機器のこと。

トグルスイッチ(とぐるすいっち)

人が操作するスイッチの代表的な1つ。操作部分は野球のバットを指で押せるくらい小型にしたような形状で、通常は上下に動かしてON・OFFを切り替える。工業機器全般に使用される。以前は計測器の電源スイッチや切換ボタンに多く使われていたが、最近の計測器ではあまり見かけなくなった(切換操作ボタンは点灯するLEDを内蔵したソフトタイプのキースイッチが多くなった)。トグルスイッチの代表的なメーカにNKKスイッチズ株式会社がある。

突入電流(とつにゅうでんりゅう)

別名:ラッシュカレント(Rush current)。規定された時間間隔で入力電圧の投入遮断を行ったとき、入力電流が定常状態に達するまでに流れる最大瞬時電流(0 to peak)。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

突入電流測定器(とつにゅうでんりゅうそくていき)

機器の電源を投入した際に流れる、定常よりも遥かに大きい電流を測定する機器。

ドップラ流量計(どっぷらりゅうりょうけい)

超音波ドップラ方式を利用した流量計。

ドライウェル(どらいうぇる)

温度校正装置の方式の1つ。金属のブロックで仕切りをつくり、ヒーターで温度を冷やしたり上げたりして温度制御を行う、安定度の高い均熱ブロックを、通称“ドライウェル”と呼ぶ。従来のオイルバスによる温度校正よりも簡便で短時間であるため、現在の温度校正器の主流の方式。メーカはFluke Calibration、JOFRA(現AMETEK DENMARK)、WIKA(ビカ)などの海外製品のほか、国産では温度の計測・制御に優れたチノーがラインアップしている。

ドライバ(どらいば)

(driver)いくつかの意味がある。主に2つをここでは説明する。 1.ねじを回して締めたり、外したりする工具。トルクドライバなど、計測器の周辺機器や付属品でドライバがある場合がある。オシロスコープには通常はチャンネル数分のパッシブプローブ(受動プローブ)が付属しているが、プローブの調整用に小さなマイナスドライバが標準付属品になっている場合がある。 2.デバイスドライバの略。IT関連の用語。PCに接続されている周辺装置(device)をOSによって制御するために用意されたプログラム。たとえば特定のプリンタを使うには、そのプリンタ専用のデバイスドライバが無いと(通常はPCにインストールされていないと)、そのPCから印刷はできない。

トラ技(とらぎ)

CQ出版が刊行する電子工学の専門月刊誌「トランジスタ技術」の略称。1964年10月創刊。毎月10日発売。趣味の電子工作をする人向けの記事を満載している。電子工作には計測器が欠かせないので、個人で購入できるような計測器の広告が掲載されている。たとえばハンドヘルドのデジタルマルチメータ(DMM)や、USB計測器のようなPC接続型のモデルなど。同様に安価・小型・可搬型として、オンラインモニタやオンチップデバッグツール(ICE中でフルICEでないJTAGなど)も製品紹介ページに掲載されていることが多い。 計測器に特化した別冊を定期的に発行している。トラ技は電子工学専門誌で唯一、計測器に関する情報が多い雑誌である。同じく電子工学専門の日経エレクトロニクスは電子デバイス(マイクロプロセッサやパワー半導体など)の記事が多く、計測器についての記事は新製品紹介程度で少ない。 ホビー(アマチュア)の電子工作向けではあるが、プロ(メーカで電気・電子設計をする技術者)も愛読者が多い。CQ出版はアマチュア無線の月刊誌も刊行している、趣味のエレクトロニクスに特化した出版社である。

トラッキング誤差(とらっきんぐごさ)

(tracking error) ネットワークアナライザによる測定において生じる測定誤差の1つで、「周波数レスポンス誤差」とも呼ばれ、反射トラッキング誤差と伝送トラッキング誤差の2種類がある。これらは、ネットワークアナライザを構成する回路要素(方向性結合器、ミキサ、局部発振器、検波器などのハードウェア)の周波数レスポンス(周波数応答特性: 振幅と位相の両方の特性を含む)の差異により生じる。 「反射トラッキング誤差」は、反射測定において送信側ポートからの反射信号と基準信号を受信する回路要素の周波数応答の違いに起因する誤差。「伝送トラッキング誤差」は、伝送測定において受信側ポートの伝送信号と基準信号を受信する回路要素の周波数応答の違いに起因する誤差である。

トラッキングジェネレータ(とらっきんぐじぇねれーた)

(tracking generator) スペクトラムアナライザ(スペアナ)の周辺機器の1つ。スペアナとトラッキングジェネレータを併用すると電子部品の振幅周波数特性などを測定できる。トラッキングジェネレータが内蔵されたポータブルタイプのスペアナは、無線設備などの保守点検作業でフィルタの特性を確認するときに使われる。

Druck(どらっく)

圧力計の老舗計測器メーカ。マノメータや圧力キャリブレータなどをラインアップしている。原子力発電所の設備として、圧力校正器や圧力発生器ではトップシェア。定検などで大量に使われる。Druckは1972年に英国で創業し、圧力センサから圧力計測器までをラインアップした。PACE(ペース)社の圧力校正器も吸収した。日本には1990年代にドラック・ジャパン株式会社があったが、2002年にDruckがGEに買収され、現在のDruckはBaker Hughes社(日本ベーカー・ヒューズ株式会社)になっている。ただし現在でもDruckは圧力測定器のブランドとして健在である。Baker Hughesは流量計のPanametricsや、工業用内視鏡などのWaygate Technologiesなどの複数の製品群をもつ、OIL&GASの世界的な会社である。 計測器としての圧力計である マノメータは横河計測や長野計器もつくっている。海外製ではMichell(ミッシェル)やMARTEL(マーテル)、大手技研が取り扱っているFluke(フルーク)の圧力校正器などがある。 参考記事:【展示会レポート】IIFES(アイアイフェス)2019・・Druck製品を取材。

トラフィック(とらふぃっく)

(traffic) 直訳すると「交通」だが、ネットワーク・通信の用語としては「ネットワークを流れる情報、または情報量」を指す。「トラフックが増大し、スループット(処理能力)が悪化する」などの表現がされる。東陽テクニカが販売しているネットワーク負荷試験機、SPIRENT(スパイレント)社のTestCenter(テストセンター)は「トラフィックジェネレータ」と呼ばれている。負荷をかけることを「大きな情報量を発生させる」という意味で、トラフィックということばを使っている。

トランシーバ(とらんしーば)

1. 有線・無線通信で送信機や送信部品のこと。 2. 無線で通信する携帯機器のこと。以前は片側通信の機器が多く、自分が話すときはボタンを押し、相手が話すときはボタンを離す、という操作をして会話した。携帯電話が普及する以前は離れた2つの場所で会話できる無線通信機器として活躍した。たとえば、工事現場や、遠足の引率で先頭と最後尾など。1980年頃はまだ携帯電話は無く、2台に分乗して高速道路を走るとき、どこのサービスエリアで待ち合わせるかを相談するなど、トランシーバがあると便利だった。現在も工事現場などで使われるが、携帯電話の小型化、普及により、工事現場での使用例は減っている。

トランジェント(とらんじぇんと)

オシロスコープにより1度だけ観測される信号で、単発現象とも呼ばれる。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

トランジスタ(とらんじすた)

(transistor)電子回路で増幅やスイッチに使われる半導体素子。現在の電子機器には必須の基本的な電子部品である。3つの端子があり、それぞれエミッタ、コレクタ、ベース(ゲート)と呼ばれる。エミッタ、コレクタを入出力として増幅やスイッチの機能がある。たとえばベースに印加する電圧によって出力をON/OFFすることができる、応用例であるインバータは、トランジスタを複数組み合わせた回路によって信号を複雑にON/OFFして動作する。1940年代にアメリカのベル研究所で開発され、「transfer(転送)するresistor(抵抗)」から作った造語といわれる。

トランジスタ技術(とらんじすたぎじゅつ)

ホビー(趣味)の電子工作に特化したエレクトロニクスの月刊誌。アマチュア無線の書籍で始まったCQ出版が刊行。趣味といっても、多くのメーカの電気技術者が愛読している。計測器に関する記事や書籍も多く、同様のエレキの月刊誌である日経エレクトロニクスが半導体デバイスを主力にしているので、ほとんど唯一の計測器情報が掲載される技術誌といえる。「トラ技」と呼称されている。 1964年に半導体専門誌として創刊(表紙のサブタイトルは「Semiconductor Technique」)、1966年からはサブタイトルが「Audio&Electronics」になり、現在は「役に立つエレクトロニクスの総合誌」。2022年12月10発売の700号(巻)には1964年9月5日発売の創刊号が、復刻版で付属している。創刊号にはSANWA(三和電気計器)の広告や三栄測器の新製品が掲載されている。岩崎通信機がシンクロスコープについて解説している。トランジスタを使った、当時の最新機器の代表はオーディオ機器で、名門のトリオ(後のケンウッド)のアンプが創刊号の裏表紙の広告である(当時のトリオはすでにアナログオシロスコープもつくっている計測器メーカでもあった)。

トランス(とらんす)

交流電圧を変換させる機器。別名:変圧器。最も簡単な構造で説明する。鉄心に2つのコイルを巻き、1次側と2次側とする。1次側に電流を流すと、2つの巻き線の巻き数に比例した電圧が2次側に現れる。電子機器の電源電圧(ACの駆動電圧)を変換するスライダックや、電柱の上に置かれた6600Vを家庭用の100Vに変換する柱上トランスなど、身近にトランスはたくさん使われている。

トランスデューサ(とらんすでゅーさ)

(transducer) 広義には、ある入力エネルギー信号を、異なった出力エネルギー信号に変換する素子または装置。狭義には計装 で使われる機器の1つ。たとえば熱電対などの温度センサの出力は微小な電圧(0~10mV)なので、PLCには直接の入力はできない。トランスデューサを介してPLCに信号が伝わり、温度制御がなされる。

トランスバースプローブ(とらんすばーすぷろーぶ)

ガウスメータと一緒に使用する平型のセンサー。(=平型プローブ)

トランスポンダ(とらんすぽんだ)

(transponder)transmitter(送信機)とresponder(応答機)の合成語。無線通信の中継機を指すことば。信号を増幅したり、周波数を変えたりする機能を持っている場合もある。人工衛星に搭載されている応答装置の通称でもある。人工衛星は、地球局から送信された電波が減衰して微弱になったのを検知・受信し、信号を増幅して送出することで伝送距離を延長させている。トランスポンダは人工衛星の最も重要な機器といえる。