計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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定電流源(ていでんりゅうげん)

(constant current source)電源には、電圧源と電流源がある。負荷の大きさに関係なく出力電流が一定なものを定電流源(または定電流電源)、出力電圧が一定のものを定電圧源という。一般の計測用電源にはCV(Constant Voltage、定電圧)動作モードとCC(Constant Current、定電流)動作モードがあり、定電圧源と定電流源のどちらかを選択できる。ただし通常、電源は定電圧源として使用される場合が多い。定電流源は、出力電流を常に一定に制御する電源回路(またはその回路を持った電源)、という説明もできる。 定電流源は、LED照明の電源や、二次電池(最近のスマホなどに使われているリチウムイオン2次電池など)の充電に使われる。LEDの輝度は電流値で決まるため、電流値が変動すると明るさが変化して安定しないので都合が悪い。二次電池は電圧と電流が比例しないという特性を持つ。そのため電池に印加する電圧の値に関わらず一定の電流が供給されるように、定電流源を使って充電する。バッテリの内部抵抗などを測定するバッテリ試験器には、定電流源の機能がある充放電バッテリテスタがある。 参考記事(会員専用): 【展示会レポート】TECHNO-FRONTIER2021(東京ビッグサイト青海展示棟) ・・定電圧源と定電流源についての記述がある。 計測器情報:定電流が品名に付く製品例

定電流動作(ていでんりゅうどうさ)

計測用電源で、入力電圧・負荷電流・温度などの変化に対して、負荷に供給する出力電流が一定に保たれている状態を定電流(CC)動作という。同様に定電圧(CV)動作もある。定電圧・定電流方式の場合、定電流設定値より負荷電流が少ない場合は、定電圧動作で定電圧設定値の電圧になり、定電流設定値より負荷電流が多く流れようとすると定電流設定値に負荷電流が制限され定電圧設定した電圧より出力電圧が低下する。(株式会社高砂製作所の用語集より)

定電流モード(ていでんりゅうもーど)

電子負荷で、供給電圧源が変動しても常に一定電流を流す動作をするモードのこと。(株式会社高砂製作所の用語集より)

定電力モード(ていでんりょくもーど)

電子負荷で、供給電圧源が変動しても常に一定電力を消費する動作をするモードのこと。(株式会社高砂製作所の用語集より)

ディビジョン(でぃびじょん)

(division) オシロスコープの表示画面にある約1cmの大きな目盛り(線)を1ディビジョンという。1ディビジョンはさらに5つの小さな目盛りが付けられている。一般的なベンチトップ型では水平軸(時間軸)は10ディビジョン、垂直軸(電圧)は8(または10)ディビジョンの機種が多い(100万円以下の安価なモデルも1億円の広帯域オシロも、ベンチトップでは同じ)。小型の可搬型(ハンドヘルド)の画面は小さいので、もっと少ない。軸の表示範囲は操作部のつまみを回して、1ディビジョンあたりで設定する。たとえば10ms/div(divはディビジョンの略で、このような表記をする)では、画面の左端から右端までの10ディビジョンで100msの表示となる。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には「ディビジョン:オシロスコープ上に表示される測定用のマーキングで、大きな目盛と小さな目盛が付いている」とある。 divisionは「分割」の意味だが、「事業部」を指していることも多い。事業部を英語に翻訳するとbusiness departmentだが、ディビジョンと呼称される例が散見される。

div(でぃびじょん)

オシロスコープ (オシロ)の表示画面にある約1cmの大きな目盛り(線)を1ディビジョン(division)という。一般的なベンチトップのオシロの表示画面は横軸(時間軸)は10分割(10div)、縦軸(電圧軸)は8分割(8div)が多い。広く普及している周波数がMHz帯域のモデル(10万円程度)も、1億円の110GHzの広帯域モデル(高速オシロ)も表示画面のサイズやdivは同じである。 たとえば時間軸の設定を100ns/divにすると、 横軸1目盛りが100nsになるように表示される。このように1目盛りをdiv(またはDIV)と表記する。時間軸と電圧軸の設定は「10mV/div」のようにオシロの画面のどこかに表示される。divisionは「分割」の意味。 ポータブルやハンドヘルドは画面の大きさは小さくなり、ベンチトップの10div-8divよりは少ない。

ディファレンシャルモードノイズ(でぃふぁれんしゃるもーどのいず)

(differential mode noise) ノーマルモードノイズの別名。ノイズの種類を伝搬モードで分類すると、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズがある。 参考記事:デジタルマルチメータの基礎と概要 (第2回) ・・DMMとノイズに影響の説明でノーマルモードノイズの図解がある。

定量分析(ていりょうぶんせき)

標準試料を用いて測定したX線強度との相関から、未知試料を構成する成分物質の量を明らかにする目的で行う分析法。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

ディレイライン(でぃれいらいん)

(delay line)電気信号の伝搬を遅くする電子部品で、コイル(インダクタンス)とコンデンサ(キャパシタンス)で作られている場合が多い。別名:遅延線。伝搬経路によって遅延は異なるため、複数の信号のタイミングを合わせるなどの目的で使われる。早い(遅延が少ない)信号をディレイラインで遅くして、遅い(遅延が多い)信号にタイミングを合わせる。

DIN EN ISO(でぃんえんあいえすおー)

欧州規格、国際標準化機構の規格として制定されたものを、内容を変えずにそのままDINとして採用したもので、ドイツ規格協会が制定する、ドイツの国家規格。DIN(Deutsches Institut fur Normung:ドイツ規格協会)、EN(European Norm:欧州規格)、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

DCシグナルソース(でーしーすぐなるそーす)

日置電機の7011の品名。計装システムのメンテナンス向けの可搬型の直流信号発生器(現在は生産中止)。フィールドユースの電流電圧発生器の1種。似た機種としては横河計測のコンパクトキャルが現役モデルとしては有名。

デジタルリンクアナライザ(でーじたるりんくあならいざ)

安藤電気の低速のエラーレート(ビット誤り率)測定器AE-1421の品名。2Mb/sまで対応し、アンリツの同等品(MD6420Aデータトランスミッションアナライザ、10Mb/sまで対応)とほぼ同時期の2001年に発売されている。現在は製造中止。AE-1404モデムテスタの後継機種として高速モデムにも対応できる仕様で発売された、可搬型の1筐体の誤り率測定器。

データアクイジション(でーたあくいじしょん)

(data acquisition)計測器では、「データ集録」のこと。具体的にはデータロガーやスイッチコントロールユニット(切替器、スイッチ)など。離れた場所の状態を計測して長時間記録をする遠隔監視システムもデータ集録なので、広義にはテレメータも含まれる。acquisitionは「取得」、「獲得」の意味。またData AQquisitionを略記したDAQ(ダックと呼称)という表現も良く使われる。「データ・アクイジション」という表記もある。参考用語:アクイジション

データクオリティアナライザ(でーたくおりてぃあならいざ)

世界的な通信計測器 メーカであるアンリツ のネットワーク関連製品(IP負荷試験装置)MD1230シリーズの品名。現役モデルはMD1230B7(2023年1月現在)。

データコミュニケーションアナライザ(でーたこにゅにけーしょんあならいざ)

(data communication analyzer) 有線通信測定器の1種であるプロトコルアナライザ(プロアナ)で、日本のトップシェアだった安藤電気の品名。形名AE-5104、AE-5105などの機種は販売数が多く、1990年頃の日本市場をYHP(現キーサイト・テクノロジー)と2分していた。安藤電気は日本の情報機器・精密機器メーカの需要に応えて次々とラインアップを進化させた。AE-5104からはポータブル型となり、前面パネルの蓋(の裏側)がプリンタになるオプションは、先発のYHPより先に発売している。安藤電気はNTTに早くから通信回線モニタ装置(データ回線診断器/試験器)を納品していた電電ファミリーである。 銀行のオンライン取引や、JRの窓口でのオンライン予約など、遠隔地のコンピュータ同士のデータ通信が広がると、プロアナ(回線モニタ、オンラインモニタ)の需要は拡大し、安藤電気のデータ通信測定器であるプロアナは看板製品となった。ISDN時代にはISDNの通信速度に対応したプロアナを発売したが、高速大容量になると、東陽テクニカなどが取り扱う海外製品が台頭し、安藤電気はシェアを取れなかった。LANプロトコルアナライザが計測器というハードウェアではなく、高性能な可搬型PCにソフトウェアを搭載し、ハード(計測器)からソフト(シミュレータ)に移行したように、プロアナは計測器の主要な1カテゴリーではなくなり、安藤電気のデータコミュニケーションアナライザもすべて製造中止になった。 現在のプロアナは株式会社ラインアイなどのハンドヘルド型の低速(RS-232Cなど)のラインモニタ(安価)か、海外メーカのバスアナライザ(高額)の2種類である。過去に4951Bなどでプロアナの代表メーカだったキーサイト・テクノロジーも撤退している。「〇〇コミュニケーションアナライザ」という名称は通信計測器には多い名称なので、安藤電気以外にも同じ品名の製品があるかもしれない。

データジェネレータ(でーたじぇねれーた)

(data generator) パターンジェネレータの別名。テクトロニクスの品名に多く、以前はDG2020などのモデルがあった(現在は生産中止)。データジェネレータの明確な定義は難しく、データジェネレータの例として、キーサイト・テクノロジーのパルスジェネレータやテクトロニクスのAFG(任意波形/ファンクションジェネレータ)が紹介されているケースがある。 テクトロニクスのデータジェネレータの現役モデルがなくなって以来、この品名のモデルはほとんど見当たらない(2022年3月)。キーサイト・テクノロジーのパルスジェネレータ(PG)のごく一部に「パルス・データ・ジェネレータ」という品名のモデルがある。またすでに生産中止だが、Keysight 80000データジェネレータシステムはメインフレームにE29xxA発生器モジュールを組み合わせる製品だった。この製品の概説には「デバイスを試験するために複数のデータ入力ラインが必要なとき、所望のエッジ配置が1 GHzまでできる高速データ発生器プラットフォーム。Keysight 80000のPRBS機能とKeysight 54120 シリーズオシロスコープのアイパターン評価、またはKeysight 71600シリーズBERTにより、迅速な性能検証が可能。」とあるので、デバイス評価用の特殊なパターンジェネレータをデータジェネレータと呼称していたのかもしれない(現在は2社ともに現役モデルがないので不詳)。余談だがテクトロニクスにはデータ・タイミング・ジェネレータDTG5000というモデルもあった(現在は生産中止)。 岩崎通信機にはDG-8000パターン・ジェネレータなるモデルがある。形名がDGだが、同社はパターンジェネレータと称していて、データジェネレータとは表記していない(形名がTG-8000でなくDG-8000なのは、きっとTGは別の機種群で使ってしまったためと思われるが、テクトロニクスのDGとまぎらわしい形名である)。

データ集録機器(でーたしゅうろくきき)

データロガーなどのデータアクイジション関連機器のこと。データロガーやスイッチ/コントロールユニットなどがある。DAQ(ダック)と略記されることも多い。「データ収集システム」のように、集録ではなく収集と表記する場合もある。 当サイトの機種分類では、中カテゴリーとして「データ集録機器」を設けている。記録計の範疇だが、レコーダ(メモリレコーダやデータレコーダ、ハイブリッド記録計など)とデータ集録機器の厳密な違いは、説明が難しい。ロガー(ログを取るもの)とレコーダ(記録するもの)の違いは何か?という問いの正確な解説は難しい。メーカによってはロガー製品の品名が「○○レコーダ」であることは珍しくない。データロガーとメモリレコーダは現在の計測器としての記録計の代表なので、以下のように解説記事がある。

データ・タイミング・ジェネレータ(でーたたいみんぐじぇねれーた)

テクトロニクスのDTG5000シリーズの品名。同社はパターンジェネレータの品名をデータジェネレータとしているが、データ・タイミング・ジェネレータ(DTG)について以下の説明がある。「任意波形ジェネレータ(AWG)のA/Dコンバータ以降をパルス信号用のドライバ回路に置き換えた構造をしている。そのため、データ・パターン・メモリのコントロールがAWGと同じように可能で、メモリを分割して繰り返し、また順序付けて使用できる。出力レベル以外に遅延時間、立ち上がり(下がり)時間などが任意に設定できる。機種によっては任意のデューティを持ったRZ信号などにも対応している。」。またテクトロニクスHPにはDTGの特長として「優れたパルス出力機能があり、複雑なテスト手順の作成時間を短縮し、複数のチャンネルにおけるジッタ生成、高精度クロック、シリアル・データ信号が簡単に出力できる。」とある。DTG5000は液晶などの発光素子を駆動するICの開発・試験で使用された。DTG5000はメインフレームとモジュールの構成で、本体は8スロットのDTG5078と、4スロットのDTG5274、DTG5334があり、モジュールはDTGM21/30/31/32の4種類があり、組み合わせで出力ch数などの仕様が変った。2022年3月現在、DTG5000は生産中止で、現在テクトロニクスにはDTGの現役モデルはない。また、同社以外にDTG製品は見当たらない。任意波形発生器やロジックアナライザ用の多chのパターン発生器をラインアップしてきた同社ならではのユニークな製品であった。同社はロジックアナライザでも、データジェネレータは現在ラインアップはない。つまりパターンジェネレータの現役モデルはない(2022年3月)。

データトランスミッションアナライザ(でーたとらんすみっしょんあならいざ)

(data transmission analyzer) アンリツの低速(~10Mbpsまで)のエラーレート(ビット誤り率)測定器。可搬型の1筐体の誤り率測定だが、測定ユニットを選んで装着する構成になっている(本体だけでは測定できない)。安藤電気のAE-1421デジタルリンクアナライザはやや通信速度が遅い(2Mb/sまで対応)が同等品といえる。こちらも可搬型のポータブルタイプで測定ユニットを選択する必要はなく、本体だけで使える。 data transmission analyzerを翻訳するとデータ伝送アナライザである。アンリツやキーサイト・テクノロジーはこの品名だが、安藤電気は高速のモデムテスタとしてAE-1421をつくった。 安藤電気にはPCM関連装置用の測定器としてデジタルトランスミッションアナライザ(AP-9850など)がある。品名は良く似ているが全く違う測定器である。計測器の名称(品名)からは他社の計測器との関係は全く推測できないことが良くある。計測器の品名はメーカの自由(勝手に命名できる)からである。計測器の素人にはわかりにくい。計測はニッチな業界である。

データバス(でーたばす)

(data bus)CPUが命令語をフェッチする際や、データをアクセスする際に使う一塊の信号線を示す。データバスのビット数は、一度に転送できるデータの量を表すものである。CPUのデータバスのビット数が多いほど性能が高いCPUだと言える。近年、マルチメディア系のデータ処理用CPUは128ビットか、それ以上のデータバス幅を持ち、高性能化を図っている。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)参考用語:バス