計測関連用語集

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直列運転(ちょくれつうんてん)

計測用電源などで、1つの負荷に2台以上の電源機器の出力電圧の和が印加されるように電源出力を接続して運転すること。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

直列接続(ちょくれつせつぞく)

(series connection)複数の物を縦につなぐこと。電気回路では抵抗やコンデンサなどの電子部品を直列につなぐことがある。回路の直列接続は電流は変わらず、つないで増やした分だけ電圧(両端の電位差)が大きくなる。物を横につなぐ並列接続は逆に、電圧は変わらず電流が増える。 計測用電源の安定化電源(CV/CC電源)は同じ機種を2台直列接続すると出力電圧が2倍に増える。ただし、どのモデルを何台までつなげられるかは、メーカに確認が必要で、不用意に多くの台数をつなぐと正常動作が保証されない。回生型直流電源を早くから手掛けていたMywayプラスは直列・並列接続が自由にできて容量をフレキシブルに変えられることを売りにしていた(2022年8月現在は他社でも普通にできるようになっている)。 直列運転、カスコード接続(縦続接続)やカスケード接続(多段接続)、またネットワークトポロジー(ネットワークの配線の形態)のデイジーチェイン(数珠繋ぎ)は、直列接続の1種という解説もある。 series(シリーズ)は「直列」、「系列」という意味。直列以外では、「○○シリーズ」といえば○○の系列ということ。 参考用語:シリーズ名 参考記事:電子負荷と直流電源が一体型の回生電源 Mywayプラス pCUBE・・直列接続の例。

直交変調(ちょっこうへんちょう)

(quadrature modulation) 変調の一種で、同相(I)波形と直交(Q)波形の2 つの搬送波(キャリア)が、1 つのチャンネルを通じて結合し(直交変調)、送信され、受信側で分離・復調される。この技術は現在の無線通信ネットワークで使用されている。(テクトロニクス の冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より) I:In-Phase(同相)、Q:Quadrature-Phase(直交位相)のため、直交変調はI/Q変調と呼ばれることが多い。現在、携帯電話などの移動体通信を筆頭に、無線通信はデジタル変調を使うので、直交変調(I/Q変調)は無線通信の基礎である。計測器としては「I/Q変調信号発生器」などの品名のI/Qジェネレータが、移動体通信向けの信号発生器の主力製品である(以下の参考記事でキーサイト・テクノロジーの新製品を取材)。

チョッパ(ちょっぱ)

(Chopper)電圧を上げたり、下げたりすること。昇圧チョッパと降圧チョッパがある。「チョッパ回路」や「チョッパ制御」というように使われる。Chopperの意味は「切り刻むもの」で、トランジスタやサイリスタなどの半導体素子で入力電圧をON/OFFして、ON/OFFの時間(デューティー)を制御して、任意の電圧値を作り出す。一般に直流から直流をつくるので、整流器やDC/DCコンバータ(DDコン)に使われる代表的な電子回路といえるが、広くは直流(または交流)から直流(または交流)をつくるもの全般をさす。「チョッパー」という表現もみかける。

チョッパーレス(ちょっぱーれす)

(chopperless)シャッター機構がない種類のサーモグラフィ。サーモグラフィカメラは周囲温度の変化によりセンサへの入射光条件が変化するため測定中に校正をしている。機械的にシャッターを閉じて行うので、その間の約1秒は測定できない。生産ラインの温度監視ではこれが許されず、チョッパーレスが使われる。「温度のチノー」をキャッチフレーズにしている株式会社チノーは産業向けのサーモグラフィでシェアが高く、チョッパーレス製品をラインアップしている。

地絡(ちらく)

(earth fault) 電線と大地が電気的につながり、大地へ電流が流れる事象。大地と短絡していること。漏電して大地に電気が流れている、電気が大地に接触した(電流が流れた、漏れた)状態のこと。電気設備が地絡状態になると、本来電流が流れない箇所に流れているため、人が接触すると感電事故になる危険がある。 地絡は事故につながるので、地絡を検知する保護継電器によって強電の電気機器は守られている。障害試験器である保護リレー試験器には、地絡試験の機能を持つモデルがある。DGR(地絡方向継電器)やOVGR(地絡過電圧継電器)を試験できる計測器が双興電機製作所やムサシインテック、エヌエフ回路設計ブロックから発売されている。 電気機器(装置やケーブルなど)を酷使すると漏電が起きる。地絡も漏電も、電気が流れない場所に漏れている状態だが、大地に完全につながった場合や、大変小さな抵抗を持ったものを通してつながった場合を地絡、とても大きな抵抗を持ったものを通してつながっている場合を漏電と呼称する。漏電より地絡は症状が重い。 似た症状に短絡がある。電気ケーブルの被膜が破れ、電気が流れる線材が剥き出しになった状態になると、電線が接触して短絡が起こる。short circuitの翻訳が短絡。回路が(負荷を通さずに)短く絡んだ、という意味。日本語でも「ショートした」などの表現が良く使われている。電気回路は電源(電気の発生源)と負荷(電気を消費するもの)によって構成される。負荷につながらない短絡状態では、回路の抵抗がほとんどゼロに近い(抵抗が大変小さい)ため、大電流が流れて、事故につながる。 2023年10月22日、午後5時頃から都営地下鉄大江戸線は全線で運転を見合わせ、23日午前4時頃に復旧作業が完了し、始発から平常通りの運行となった。東京都交通局によると、大江戸線の築地市場駅と勝どき駅の間で運転士から「線路内のケーブルから火花が出ている」と報告があり、保守係員が確認すると、出火はケーブルからではなく防水扉付近のゴム部分が発火した可能性があることが判明した。地絡による事故である。