計測関連用語集

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超音波風速計(ちょうおんぱふうそくけい)

超音波を利用して、乱流度や気流速度ベクトルを測定する風速計。

超音波流量計(ちょうおんぱりゅうりょうけい)

超音波の伝播時間を利用して流量を測定する機器。ドップラ方式・時間差方式・反射方式などがある。

重畳(ちょうじょう)

(superimposed) 一般の意味では「幾重にもかさなる、または、この上もなく満足」だが、電気の世界では「2つの異なった信号を重ね合わせる」ことをいう。代表的な例では部品に交流を印加してインピーダンスを測定するLCRメータには、直流重畳の機能がある。ゼロより大きい(または小さい)正負の信号ではなく、あるレベルの直流の値の上で交流信号の変動があるようにして、測定を行うことを「直流を重畳する」と表現する。例えばエヌエフ回路設計ブロックホームページには「パワー部品のインピーダンス測定:インダクタは流れる直流電流の影響によりインピーダンスが変化することがある。LCRメータと直流電流重畳ユニットを組み合わせることで、実際の動作条件で特性を評価することができる。」とある。日置電機のLCRメータ IM3536にはDCバイアス電圧ユニット9268-10、DCバイアス電流ユニット9269-10がある。 このように交流信号に直流を加えて(DCをバイアスさせるという)、インピーダンス特性を評価するとにき「重畳」という表現が使用される。DC電流以外では、「交流磁界を重畳する」という表記が電気の論文などにある。 重畳は単に2つの信号を合わせるだけだが、DCをバイアスさせることに意味があるので重畳と呼んでいる。“畳”が使われる物理(数学)用語には「畳み込み(たたみこみ)積分」などがある。「畳を重ねる」とか、「たたみこむ」とか、電気や数学には現象を表現するのに独特の熟語がある。 重畳の読み方は難しい。初心者は「おもだたみ」などと読みがちである。

調芯(ちょうしん)

(alignment)光ファイバ、LD、PD、導波路などの光学部品の光軸を合わせること。英語をカタカナにした「アライメント」という表記も使われているので、日本語では別名:アライメントともいえる。 光ファイバを接続するときは軸ずれや角度のずれ、間隙や反射が起こると接続損失(ロス)が生じて、光信号は弱くなってしまう。そのため光ファイバ融着器を使う際は、光ファイバのコア部分を対向させ、正しい位置決めをする(光軸を合わせる)ことが重要になる。調芯によって光強度は最大になる。光ファイバ以外の光デバイスも調芯によって、光が進む進路にデバイスの入出力の軸を合わせることを行う。光部品に特有の作業である。 メーカとしては駿河精機やシグマ光機などが、光路を空間につくるための防振台や、調芯装置をつくっている。

超絶縁抵抗計(ちょうぜつえんていこうけい)

(super insulation resistance tester) 高抵抗や微小電流の測定器。略称:超絶縁計。「超絶縁(抵抗)計」は「絶縁抵抗計 」と1字違いでよく似た名前だが同じではない。絶縁抵抗計はメガー (保守用の絶縁測定器)、超絶縁計はエレクトロメータ(微小電流測定器)である。絶縁抵抗計(メガー)の外観はハンドヘルドだが、超絶縁抵抗計(エレクトロメータ)はベンチトップである。エーディーシー(旧アドバンテスト)はエレクトロメータをラインアップしているが、以前は「超絶縁抵抗計/微少電流計」という品名のモデルがあった。 日置電機のラインアップに「超絶縁計」があるが、これは旧東亜DKK製品を移管した流れの製品群で、最近は日置で開発されたモデルもある。モデル番号のSM(E)-xxxxは東亜DKK時代からの名残で、日置電機の形名(古くは数字4桁、最近はアルファベット2文字に数字4桁、たとえば「絶縁抵抗計IR4051」など)とは背景が異なる。日置電機ホームページの製品ページでも、「超絶縁計」は「LCRメータ・抵抗計」(カテゴリー:回路素子測定器)に、「絶縁抵抗計」は「DMM・テスタ・現場測定器」(カテゴリー:電圧・電流・電力測定器)に掲載されている(カテゴリーが異なる)。

調歩同期方式(ちょうほどうきほうしき)

(start-stop synchronous communication)シリアル通信における同期方式の1種。一文字分の文字情報を送るときに、データの先頭にデータ送信開始の情報(スタートビット)、データ末尾にデータ送信終了の信号(ストップビット)を付け加えて送受信を行う方式のこと。データ伝送では専用の同期用信号線を使い、送信側と受信側で同期をとる方式もあるが、調歩同期は、データそのものに同期用信号を追加して同期を取っている。調歩同期は、同期用信号の分だけ通信効率が劣るが、同期用の信号線が不要で、自由なタイミングで情報を送信することができるというメリットがある。 調歩同期方式は、受信側がスタートビットによって送信側に関係なく一方的に同期をとるので、非同期方式(asynchronous communication)とも呼ばれる。シリアル通信の代表であるRS-232Cはこの方式で通信している。

チョーク・コイル(ちょーくこいる)

(choke coil)インダクタとして使用される電子部品であるコイルをチョーク・コイルと呼称することがある。chokeは「むせさせる」「ふさぐ」「窒息させる」という意味があり、この場合は「交流を阻止する(通さない)」という目的でコイルを使用するので、「チョーク・コイル」と呼んでいる(表記は「チュークコイル」もある)。コイルとチョーク・コイルは違う部品ではなく、使い方によって呼び方を変えている。 電源回路に使われるインダクタの俗称ともいえる。略称:チョーク。インダクタンス値を大きくしたトランスは、直流と低周波には影響せず高周波を遮断するので、ノイズを抑制するフィルタのような役割をする。チョークコイルをこのように定義することもできる。コイル(インダクタ)のことをチョークと呼んでいるエンジニアもいる。 インダクタンスは用途に応じてトロイダルコイル、ソレノイド、フィルタなど様々な呼び方をされる。そんな一例といえる。

直線補間(ちょくせんほかん)

デジタルオシロスコープはサンプリングされた値だけを表示するのではなく、補間表示の機能がある。補間方法には直線補間とサイン補間があり、直線補間とは、サンプリングされた2点間を直線で補間する。信号を正確に再現するためには、最高周波数成分の少なくとも10倍のサンプルレートが必要といわれている。

直動式記録計(ちょくどうしききろくけい)

指示計器(メータ)と同じ原理で、構造は可動コイルにペン機構を組込んでいる。過去には実験用や工業用の記録計として活躍していたが、今では温湿度記録計くらいになってしまった。佐藤計量器製作所やいすゞ製作所などがつくっている。電池で長時間駆動できる小型で安価なデータロガーの普及によって、直動式記録計の需要は限られたものとなった。他の種類の製品も含めて次の記事に解説がある。技術情報・レポート/原理・基礎の「記録計・データロガーの基礎と概要」https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/

直流(ちょくりゅう)

(direct current) 常に一定の向きに流れる電流のこと。電流の向きだけでなく、正確には電圧などの大きさが一定値で変動しない電気のこと。電流の方向が一定でも電流や電圧の値が、(一定ではなく)変動すると脈流(pulsating current)と呼ばれる(変動する幅が狭いと一定とみなして直流とする場合もある)。電話局やデータセンターの機器は直流48Vの電源電圧で駆動されるものが多い。 略記のDCはいまや日本語として使われている。「DC電圧」や「電流(DC)」、「DC電源」のような表記が計測器のカタログにある。 直流と対になるのが交流で、英語alternating currentは「交互の電流」で、電流の流れる向きが時間と共に交互に変化することを意味している(略記:AC)。直流(direct current)のdirectは「直接」であるが、「~に向かわせる、移動させる」という意味があり、「一定の方向に向かっている」電流、とでもいう意味でdirect currentと呼んだか、またはone direction current(一定方向の電流)を略してdirect currentになったのかもしれない(命名の由来は不明)。 日本語訳はdirect currentが直接の電流→直流、alternating currentが交互の電流→交流、という熟語にしたと想像できる。直流は一定方向の電流なので、日本語では「定流」や「一向流」が正確な命名であると思われるが、英語のdirectの意味は「直接」なので、直流と翻訳したことは適切である。

直流安定化電源(ちょくりゅうあんていかでんげん)

安定化電源とはAVR機能を備えた電源を指す。計測用電源は安定化電源と呼ばれる。菊水電子工業や高砂製作所などの計測器メーカの直流電源の名称は「直流安定化電源」である。計測器の機種群(カテゴリー)としては「直流電源」と表記されるので、計測用の直流電源と安定化電源は同義である。

直流送電(ちょくりゅうそうでん)

世界的に電力の送電は交流で行われている(家庭や事業所、工場などの需要家はACコンセントから交流00/200Vを供給されている)。ただし交流での送電より直流での送電の方が電力損失(ロス)が少ない。近年、直流送電が注目されている。

直流増幅器(ちょくりゅうぞうふくき)

低い周波数の信号を増幅する増幅器。(=DCアンプ)

直流電圧計(ちょくりゅうでんあつけい)

直流の電圧を測定する機器。測定値をデジタル表示するデジタルマルチメータやアナログ表示するDC電圧計などがある。

直流電圧電流発生器(ちょくりゅうでんあつでんりゅうはっせいき)

(DC voltage current generator) 直流の電圧電流発生器というと、電圧源・電流源だけでなく高精度の測定機能(いわゆるデジタルマルチメータ)を備えたSMUがまず思い浮かぶ。アドバンテスト(現エーディーシー)や横河電機(現横河計測)がラインアップしている。エーディーシーの直流電圧・電流源/モニタ624xシリーズ、6253、横河計測の直流電圧/電流源GS200、ソースメジャーユニットGS610などがある。GS200は発生機能だけだが、その他のモデルはすべてSMUである。SMUの世界のトップブランドは半導体パラメータアナライザをラインアップするキーサイト・テクノロジーとケースレーである(詳しくは以下の参考記事を参照)。精度の良い直流電圧電流発生器は標準器として使用され、エーディーシーの標準直流電圧/電流発生器6166や、横河計測のプレシジョンDCキャリブレータ2553A/2560Aなどがある。校正用の標準器の雄、フルーク(正確にはフルーク・キャリブレーション)にも直流電圧標準器732Bなどがあった(現在は生産中止)。当サイトではこれらの製品群をカテゴリー「直流電圧電流発生器・校正装置」という名称にしている。 横河計測などがラインアップするプロセスキャリブレータも直流電圧電流発生器の1種である。 電源(power supply/source)と電圧電流発生器(generator)の違いは用途による。直流電源は各種の電気機器を駆動する電源として色々なレンジの製品が使われている。直流電圧電流発生器は「電圧・電流・電力の標準器」としての電圧源・電流源である。そのためデジタルパワーメータやデジタルマルチメータ(DMM)などの「電圧・電流・電力測定器」のカテゴリーに分類される。別名:直流発生器、直流電圧発生器、直流電流発生器。 参考用語:交流電圧電流発生器、直流電源

直流電圧発生器(ちょくりゅうでんあつはっせいき)

直流の電圧を発生する測定器。(=直流電圧電流発生器)

直流電圧変動試験器(ちょくりゅうでんあつへんどうしけんき)

直流電圧の瞬断・瞬低(停)を試験する機器。

直流電源(ちょくりゅうでんげん)

(DC power source) 直流の電圧・電流を発生する測定器。計測用電源はAVRを装備した安定化電源である。直流電源は別名:DC電源とも表記される。また、CV/CC電源とも呼ばれる(直流電源の多くがCV/CC電源で、ほかにバイポーラ電源などがある)。 直流電源(DC source)と直流電圧電流発生器(DC voltage current generator)との違いは難しい。電源と電圧電流発生器はほとんど同じ機能だが、校正や点検などの用途で標準器として使う場合は電圧電流発生器と呼ばれている。 また電源はパワーサプライ(power supply)と呼ばれることがある。「電力(power)を提供(supply)するもの」という意味である。停電時に電子機器を守るのが無停電電源(通称UPS:Uninterruptible Power Supply)である。出力がDCのUPSは特殊な直流電源の1種(または蓄電池)といえる。

直流電流計(ちょくりゅうでんりゅうけい)

直流の電流を測定する機器。測定値をデジタル表示するデジタルマルチメータやアナログ表示するDC電流計などがある。

直流電流発生器(ちょくりゅうでんりゅうはっせいき)

直流の電流を発生する測定器。(=直流電圧電流発生器)