計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ゼロ電圧スイッチング(ぜろでんあつすいっちんぐ)

ソフトスイッチングの方式で高周波共振現象を利用しスイッチング素子の印加電圧が0Vになってから、スイッチ素子のON/OFFを行うスイッチング方式のこと。ZVS(Zero Voltage Switching)とも表現される。(株式会社高砂製作所の用語集より)

零点温度特性(ぜろてんおんどとくせい)

(Zero Temperature Characteristics)零点の温度特性。周囲温度の変化による零点の変化の度合い。センサ、ロードセル、変換器などの仕様で使われることが多い用語。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」によれば「零点の温度特性(Temperature Effect on Zero):周囲温度の変化に起因する変換器の無負荷時の出力。周囲温度1℃当たりの変化を定格出力に対するパーセンテージで表す(%RO/℃)」とある。

ゼロ電流スイッチング(ぜろでんりゅうすいっちんぐ)

ソフトスイッチングの方式で高周波共振現象を利用しスイッチング素子の電流が0Aになってから、スイッチ素子のON/OFFを行うスイッチング方式のこと。ZCS( Zero Current Switching)とも表現される。(株式会社高砂製作所の用語集より)

ゼロ投入スイッチ(ぜろとうにゅうすいっち)

交流で耐電圧試験を行う際、試験電圧の出力を0V付近でONにするように制御されたスイッチ。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

零バランス(ぜろばらんす)

(Zero Balance)無負荷時における変換器の出力電圧で、通常定格出力の百分率で表わす(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。無負荷時の出力(×10-6ひずみ)(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)。

0V対応(ぜろぼるとたいおう)

株式会社高砂製作所の電子負荷が、燃料電池や各種蓄電池などの劣化試験や、太陽電池などの短絡試験などに活用できるようにした0V(~状態短絡まで)対応していること。同社のFK-L2Zシリーズの場合、低ノイズバイアス電源を内蔵することによりマイナス0.5Vからフル電流に対応した機種もある。(同社の「電子負荷」用語解説より)

線形応答(せんけいおうとう)

ある物理量の変化ともうひとつの物理量の変化が比例関係のとき、2つをグラフにすると直線になり、ある物理量からもうひとつの物理量を計算することができる。この関係を線形応答という。

線形回路網(せんけいかいろもう)

(Linear network) 入力信号の周波数成分と出力信号の周波数成分とが同じ回路網をいう。ただし、各周波数成分の振幅と位相は、回路網を構成する回路要素によって異なってくる。即ち、非直線性を示す回路要素を含まない回路網をいう。

全光束(ぜんこうそく)

全ての方向に発せられる光の総量。単位:ルーメン[lm]。参考用語:輝度計、照度計\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\t

全固体電池(ぜんこたいでんち)

一般に電池の電解質は液体だがこれを固体にしたもの。Li-Ion電池の次世代として期待されている。すでに実用化されているものと、今後実用化に向けて研究開発されているものがある。

センサ(せんさ)

(sensor) 各種の物理量を検知する素子(デバイス)の総称。たとえば温度を検知する熱電対は温度センサの代表だが、用途によって適切な熱電対を選ぶことは、測定精度に影響するなど、温度測定の重要な要素である(精度を決めているので、計測器本体よりも重要といえるかもしれない)。 センサの種類は、原理・時空間・用途による分類(ウィキペディア)や、検出対象別の分類(JEITAの出荷数量と金額の統計)などがある。 テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「センサ:音声、圧力、歪み、輝度などの特定の物理量を電気信号に変換するデバイス」とある。 計測器情報(センサの製品例): ・物理量測定器(速度センサ、熱電対など) ・電圧・電流・電力測定器(クランプなど) ・高周波電力計(RFパワーセンサなど) ・その他(酸素・CO・pH、濃度など)

センサエキスポジャパン(せんさえきすぽじゃぱん)

(sensor expo japan) 毎年秋に開催される、センサの専門展示会。センサとその応用機器が出展される。 展示会のホームページには次のようにある。名称:SENSOR EXPO JAPAN(センサエキスポジャパン)。開催趣旨:「センシング技術」と「見える化」をテーマとしたビジネス創出のための、人・技術・情報が一同に会する展示会を目指し、社会発展と各産業の課題解決を目的とする、次世代につながる「DX時代」の実現に貢献する。主催:産経新聞社。 計測・計量・試験・検査の展示会と併設。西暦で奇数年は測定計測展とTEST(総合試験機器展)が併設。偶数年はINTERMEASURE(インターメジャー)、総合検査機器展(非破壊検査機器の展示会)が併設。センサは様々な機器に使われるため、試験や検査の展示会が併設されている。

センサ式水質計(せんさしきすいしつけい)

電気化学センサを使った水質計。一般には可搬型のポータブルタイプ。水質の具体的な測定項目はセンサによって決まり、pH(potential Hydrogen、溶液の水素イオン濃度)、電気伝導率(電気の通りやすさ)や溶存酸素(水中に溶け込んでいる酸素)、ORP(Oxidation-Reduction Potential、酸化還元電位。溶液の酸化還元状態を表す値)などのセンサがある。水質計本体に各センサをつなぐ必要があるが、センサを溶液につければ、簡便にリアルタイムで測定できる。pH計で有名な東亜ディーケーケー株式会社は、2019年にセンサをデジタル式にして本体1台で複数のセンサが使えるマルチ式のポータブル水質計を発売している。ポータブル水質計よりも詳しく成分を分析するには吸光光度計のような別の手法(分析計)を使う必要がある。

センサモード(せんさもーど)

(sensor mode)ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の製品はセンサの種類などによってモード設定がある。センサモード:ひずみ測定時の測定法(1ゲージ法、4ゲージ法など)や、温度測定時の熱電対種類など、測定対象の区別や設定を示す(同社の「測定器の概要と主な用語」より)。

センシング(せんしんぐ)

(sensing) 対象物の状態を探り定量化すること。英語のsence(センス)は「感覚」、「感知」の意味。音、光、温度、振動、加速度などの物理量や、化学的・生物学的特性の量を検知するものをsenser(センスするもの、センサ)と呼ぶ。センシング技術とは、センサなどの感知機器を使い様々な情報を計測・数値化する技術の総称である。センシングやセンサはIoTに欠かせない重要な要素で、東京ビックサイトで秋にセンサの展示会、SENSOR EXPO JAPAN(センサエキスポジャパン)が開催されている(併設展の測定計測展や国際計量計測展が隔年開催なのに対してセンサエキスポは毎年開催している)。SENSOR EXPO JAPAN 2023のサブタイトルは「IoT社会とつながるセンシング技術の専門展示会」。 計測器のセンシングの例を3つ紹介する。 色彩計や照度計などの「色と光の計測器」をつくるコニカミノルタには、大きくヘルスケア事業とインダストリー事業がある。ヘルスケアでは画像診断システムやパルスオキシメータなどがあり、インダストリー事業の計測機器(色と光の計測器)を「センシング分野」と呼称している。計測器の会社名を「コニカミノルタセンシング」といっていた時期もある。色彩計や照度計は同社にとって「センシング」なのである。 米国の電機事業で創業したゼネラル・エレクトリック(General Electric Company、略称:GE)は2002年に圧力計(マノメータや圧力キャリブレータなど)のDruck(ドラック)社と流量計のPanametrics(パナメトリックス)社を傘下に収め、計測器の新しい子会社をつくった。会社名はGEセンシングである(2021年以降はBaker Hughes、ベーカー・ヒューズ社)。つまり圧力計や流量計はsensingということである。 上記2つの会社は計測器の専業ではない。そのような会社にとって色や光、圧力などを計測することは「センシング」事業と呼ばれる。計測器の専業メーカが使うセンシングの例を次に示す。 リモートセンシングとは、「離れた(remote)ところのセンシング」、または「対象物に触らずに調べる」技術の総称だが、菊水電子工業や高砂製作所 という計測用電源の大手メーカは「電源の出力から電力を供給している機器までが長いケーブルでつながっていると電圧が下がるので、設定した電圧が対象機器まで印加されるように、(ケーブルの先に離れた機器の入力端子の電圧値を検知して)出力電圧を補償する機能を、リモートセンシング」と説明している。一般に計測器の用語でリモートセンシングとは「ケーブルが長くなる場合に出力電圧がケーブル長に影響されないようにする手段」のことを指していることが多い。 センシングは広範に使われる用語だが、計測器でも使われる用語である。計測の事業自体をセンシングといったり、正確に対象物に電圧を供給することだったり、その使い方は計測器として独特である。

選択度(せんたくど)

(Selectivity) スペクトラムアナライザの性能を示す1つで、IFフィルタの”3dB帯域幅”と”60dB帯域幅”の比で示される。この比率が大きいほど測定する信号を分離する選択性能が優れていることになる。

選択レベル計(せんたくれべるけい)

(selective level meter) ある特定の周波数のみのレベルを測定する機器。アナログ通信の基幹網で多用されたが、現在はほとんど生産されていない。以前はアンリツ、安藤電気、大井電気などがつくっていたが、現在は大井電気にハンドヘルド型モデルがある程度で、そのほかのメーカはみあたらない。アンリツの選択レベル計でセレモ(英語Selective Level Meterのカタカナ略記)を品名にしている代表機種があった。

SENT(せんと)

(Single Edge Nibble Transmission)自動車で使われているシリアルバスの1種。参考記事:技術情報・レポート/市場動向レポート/「自動車ECUのインタフェース」https://www.techeyesonline.com/tech-eyes/detail/TechnologyTrends-2106/

セントロニクス(せんとろにくす)

(centronics)1970年代から最近まで使われていた、コンピュータ本体と周辺機器を接続するパラレル通信の規格。一回の伝送動作で8ビットのデータを伝送した。コネクタ形状は36ピンのアンフェノール(D-subコネクタ)で、シールドされていた。 1970年代にCentronics Data Computer社(セントロニクス社)によって開発されたので、「セントロニクス」と呼称される。1980年代にはパソコンとプリンタをつなぐ方式として広く普及し、1984年にはこの仕様をベースとして国際規格のIEEE 1284が策定されている。プリンタ用のデファクトとして普及したので別名:プリンタ用インタフェースとも呼ばれた。プリンタの接続ケーブルを「セントロ」と呼んでいた。現在はUSBに取って代わられたので、古いプリンタのインタフェースである。 参考用語:でぶ・・1980年代から1990年代に普及したプリンタ用のバッファ機器。

全二重(ぜんにじゅう)

(full duplex) 通信回線が双方向で確保されていること。双方向ではなく1回線を送信用と受信用に切り替えて使うやり方もある。たとえばトランシーバは2人の間で会話する時、片方が送信者でもう片方が受信者になり、自分が話したいときはボタンを押して送信者となる。それに対して、電話は双方向で会話ができる。duplexとは「重複」「二軒建て」「二連式」という意味で、フルにduplexを使う双方向通信を「全二重」、半分duplexの切り替え式を「半二重」と翻訳した。1980年代からPCの通信インタフェースに採用され、USBが普及するまで広く使われたRS-232Cは全二重である。 車載EthernetのPAM3 信号は全二重のため、一般には方向性結合器を使って送信と受信を分離して、オシロスコープ(オシロ)でアイパターンを測定する。テクトロニクスは独自技術によって、方向性結合器ではなく一般的なオシロのプローブで電流測定する手法が以下の参考記事で語られている。 全二重や半二重、平衡、不平衡、 調歩同期方式などは、データ通信の分野で良く使われる用語である。低速なデータ通信は計装でも使われるので、この分野のプロトコルアナライザであるラインモニタの技術解説では基礎用語である。