計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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スループット(するーぷうと)

(throughput) 機器が単位時間あたりに処理できるデータ量を指す(処理能力の指標)。コンピュータ、IT、ネットワーク、通信などの分野で使われる用語。たとえば通信回線のデータ転送能力や、コンピュータの処理能力など。計測器では有線の通信計測器(プロトコルアナライザ、ネットワーク関連測定器など)で使われる。 計測器情報:スループットが品名に付く製品の例 ・・通信計測器でスループットを品名にするものはほとんど見当たらない。振動解析や半導体試験で計測器の処理能力が高いモデルに「ハイスループット」、「高スループット」などの表記がある。

スルーレート(するーれーと)

(slew rate) 電気・電子工学の用語としては「アンプの最大応答速度を表す指標の1つ」であるが、計測用電源の用語解説としては、「電圧または電流の立ち上がり/立ち下がりの単位あたりの変化量を示す値。単位はV/μsやA/μsなどが用いられる。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)」

スルーレート可変機能(するーれーとかへんきのう)

負荷ON/OFF時の電流変化を(A/μs)で設定可能な機能。配線が長い場合や、コンデンサ、超伝導コイルなど瞬時ON/OFFするとダメージや逆起電力などで問題が発生する場合など、過渡的な電圧変動や負荷電流のオーバシュートなどの防止に効果がある。(株式会社高砂製作所の「電子負荷」用語解説より)

スロープ(すろーぷ)

(slope) オシロスコープで観測する立ち上がりや立ち下がりの波形は傾斜(勾配)なので、スロープと表現されることが多い。スロープはエッジとも呼ばれ、スロープが一定の電圧(トリガレベル)になったときにトリガを発動するのがエッジトリガである。エッジトリガはオシロスコープの最も基本の機能なので、「立ち上がりスロープでトリガをかける」や「トリガスロープ」などの表現が頻繁にされる。 スロープ:グラフやオシロスコープの画面上の斜線で、垂直軸と水平軸の比を表す。正のスロープは左から右へ上り、負のスロープは左から右へ下る(2017年発行 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」より)。 スロープ:グラフや画面上に表示される線で、垂直軸の距離と水平軸の距離の比率で表す(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」より)。

スレッショルド(すれっしょるど)

(threshold) 日本語では「しきい値」といわれ、表記は「閾値(いきち)」もある。その値を境に上下で意味(判定など)が異なる値(境界値)のこと。電子機器を動作させているデジタル回路は2進数の0と1で表現されるが、1をH(High、ハイ)、0をL(Low、ロー)と呼び、HとLを確定するレベルをスレッショルドレベル(やスレッショルド)と呼ぶ。通常、レベルは電圧の値で規定している。 スレッショルドレベルは0と1の境界電圧だが、規格によって電圧値が異なる。TTLとCMOSのH/Lが同じ5V/0Vだったとしても、TTLでは0.8V以下をLレベル、2.0V以上をHレベルと認識するが、CMOSのLレベルは約1.5V、Hレベルは約3.8Vのため、両者を同じように使うことはできない(CMOSは5Vより低電圧の省エネタイプも多い)。 thresholdの本来の意味は「戸口の敷居」。そこから、敷居の高さをこえることで2進数を表現する、電気回路の「しきい値」となった。 「物事の入り口、出発(開始)点」という意味もあるため、「発端」から派生して、ビジネス用語としては「商談の始まりや信用調査」などをスレッショルドといっていることもある。thresholdが物理的な空間の入り口や境界を示すため、「ことが始まる最低限の点や、変化が起こる限界点」という意味に使われるようになった例である。 計測ではデジタル回路が多く使われているので、計測器メーカの資料には、しきい値やレベル(境界の電圧値)などを「スレッショルド」と表現する記述が当たり前のように出てくる。計測器では常識(基礎用語)といえる。

水質計(すいしつけい)

(water quality meter) 読んで字のごとく「水質を測定する計測器」の総称。水質測定器とも呼称される。水質の具体的な測定項目はpH(ペーハー)やORP(Oxidation-Reduction Potential)、濁度など様々で、それぞれpH計(ぺーはーけい)やORP計(酸化還元電位差計)、濁度計(だくどけい)がある。それ以外にも測定項目はDO(溶存酸素)、電気伝導率、塩分、全溶存固形物量、海水比重、淡水EC、クロロフィル、光量子など多岐にわたる。メーカは堀場製作所や東亜ディーケーケーが有名だが、工業計器メーカ(富士電機や横河電機など)も自治体(上下水道)向けに水質計を販売している。水質センサのメーカも民間向けの水質計をつくっている。 用途はラボ(R&Dなどの実験室)から屋外(河川などのフィールド)まである。センサ式水分計の国産メーカでは東亜ディーケーケーがあり、ラボ用の水質測定に使う吸光光度計のトップブランドHACK(ハック)社の総代理店もしている。水の汚染具合を示すCOD(Chemical Oxygen Demand)を測定するUV計なども水質計の1種で、水環境計測が得意なJFEアドバンテックなどがラインアップしている。 柴田科学の「ハンディ水質計 アクアブ AQ-200シリーズ」のように、名称が「水質計」となっているとわかりやすいが、そうでない製品が多くあり、水質計の範疇は広範である。また水質計は科学分析器と計測器の両方に分類される。富士電機ホームページの製品ページの大見出しは「計測機器」で、その下にサブタイトル「水質計」がある。東亜ディーケーケーは「総合計測器メーカ」を自認し、IIFES(アイアイフェス、旧計測展)の常連出展社である。計測器と科学分析器の厳密な区分は難しい。