計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

249

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

JTAG ICE(じぇいたぐあいす)

JTAGとは、元々はJoint Test Action Groupの団体名の略称である。近年はこの団体で規定された機能をJTAG機能と呼んでいる。一般的なJTAG機能とは、ボードテスト用に用意された機能を示す。ICEメーカで呼んでいるJTAGエミュレータとは、この機能を拡張し、デバッグができるように機能拡張されたものを使ったエミュレータを、JTAG-ICEまたはJTAGインサーキットエミュレータ、JTAGエミュレータと呼ぶ。各メーカでは、HUDI(日立)、BDM(フリースケール・セミコンダクタ)、DSU(富士通)、SDI2(三菱)など様々な名称で、JTAG拡張部分のデバッグ機能を呼んでいる。JTAGエミュレータは、簡易エミュレータであり、実行、ブレーク、ステップ、メモリ/レジスタ変更機能をベースにしている。外部バストレースやエミュレーションメモリ機能が無いため、ある程度ファームウェアが完成した後のアプリケーションソフトウェアのデバッグに向いている。JTAGには、更に進化した簡易トレース機能を内蔵したものがある。 AUD、DSU、SDI2、ETMなどがそうであるが、メーカーによって能力に差異がある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

JPt100(じぇいぴーてぃーひゃく)

RTD(測温抵抗体)の代表であるPt100で、1989年のJIS改訂前のものをJPt100と呼んで、改訂後(現在)のPt100と区別している。

J-PHONE(じぇいふぉん)

2000年頃にあった携帯電話の通信事業者(キャリア)のブランド名で、当時はNTTドコモ、auに次ぐ第3の携帯電話キャリアだった。JRの路線沿いに敷設した光ファイバで全国ネットワークを構築していた日本テレコムは、傘下のデジタルホン、デジタルツーカーで1990年代に携帯電話に参入し、デジタル1.5GHz帯でサービスを行った。2000年頃にJ-PHONEと名乗ったが、紆余曲折の後、現在のソフトバンクの携帯電話事業になっている。 携帯電話(2G)サービスを展開していたデジタルホン3社とデジタルツーカー6社が、1999年10月に全国統一ブランドのJ-PHONEとなった(会社名もこの頃に変更している※)。携帯電話(端末)の表示部の上部には「J-PHONE」と大きく印刷されていた。1994年サービス開始以来、大きな加入者数獲得ができなかったが、2000年11月開始のカメラ付き端末「写メール」が大ヒットし2003年5月には1000万人を突破した。2002年11月に(当時の)世界最大の携帯電話会社Vodafone(ボーダフォン、英国)が資本参加し、国際ローミングサービスも開始した。2003年10月にブランドと会社名をVodafoneへ変更(つまり、J-PHONEは1999年から2003年の4年間にだけ存在した)。2006年3月に英ボーダフォンはボーダフォン日本法人をソフトバンクに譲渡すると発表。現在のNTTドコモ、auに並ぶ、ソフトバンクの携帯電話ブランド、SoftBankが誕生した。 (※)「東京デジタルホン」や「J-PHONE」は 1997年と1998年に商標登録されている。J-PHONEはJ-フォンやJフォンとも表記された。東京デジタルホンなどの会社名は1999年にJ-フォンになった(例えば東京デジタルホンはJ-フォン東京)。その後、会社名はVodafone、日本法人はボーダフォンになった。一般的にブランド名と会社名は同じ場合と違う場合がある(違っていても、時期によって同じだったケースもある)。1999年10月にデジタルツーカー各社は「J-フォン」を冠した商号(会社名)に変更した、といわれている。1993年に建設された神奈川県横浜市の鉄塔(基地局)の銘板には「株式会社東京デジタルホン」とある。鉄塔の他の箇所には「J-フォン東日本(株)」という表記もある。デジタルホンは1994年にサービス開始した携帯電話の通信事業者だが、1997年から呼称をJ-PHONEへ移行し、社名も1999年10月にJ-フォン〇〇になったと思われる。つまり会社名はJ-フォンでブランド名がJ-PHONEである。2000年10月にJ-フォン東京はJ-フォン北海道、J-フォン東北と合併してJ-フォン東日本になった、という記録もある。携帯電話端末にはJ-PHONEとあるので明確だが、会社はなくなっているので、J-フォンがどの期間にどんな会社名で存在したのか、よくわからない。Jフォンという(「-」がない)表記はJ-PHONEを日本語読み(カタカナ表記)しようとして、Jフォンと表現したと思われる。 今では当たり前の、携帯電話にカメラが標準装備している走りは、J-PHONE(Jフォン)の写メールである。同様にNTTドコモが1999年に始めたiモード(携帯電話でのネットワーク接続サービス、アイモード)も一時代をつくった。現在のスマホの第一の機能は(電話ではなく)ネット検索やSNS(Social Networking Service:Facebook、LINEなどのような、Web上でのネットワーク構築)である。 写メールとは、カメラ付き携帯電話で撮影した画像を携帯電話の電子メールに添付してやり取りすることができるサービスのことで、俗語の「写メ(しゃめ)」は流行語となった。2000年11月発売のJフォンのカメラ内蔵・カラー端末のモデル名は「J-SH04」。このSHはシャープ製を意味する。当時の携帯電話端末メーカはNTTドコモに納品するNEC、パナソニック(松下通信工業)など、mova(ムーバ)以来の、いわゆる電電ファミリーがトップメーカで、シャープは携帯電話では後塵を拝していた。キャリアの巨人、NTTドコモに採用されなかったシャープが、携帯電話に写真機能を付けることを思いつき、キャリアとしても後発で伸び悩んでいたJフォンでヒットさせる成功物語が、NHKの人気番組、プロジェクトXで紹介されている。 日本では1990年代に携帯電話サービス(アナログ方式)が始まり、1995年にはガラケーの初号機であるmovaが発売され、2001年にはデジタル化(W-CDMA)されている。1990年代から2000年代は日本の家電各社はこぞって携帯電話に参入し、市場を牽引する大きな規模になった。そんな2000年にシャープがJフォンでヒットするモデルをつくった話は、格好のサクセスストーリである。三洋電機もNTTドコモ以外でシェアを伸ばしている。ただし、2010年代には日本の携帯電話はiOSに駆逐され、現在は国産の純粋な携帯電話メーカはなくなった(アップルのiPhoneの台頭)。シャープも台湾企業に買収され、中華資本となった(国産メーカではなくなった)。三洋電機は会社自体が解体して、なくなってしまった。 携帯電話は最先端の技術を詰め込んだ、日進月歩の超小型の通信機器であり、コンピュータである。携帯電話とそれを運用するシステムの構築には、研究開発から設計、試験、修理、保守にわたり、多種類の高額な計測器が使われる(ほとんど百万円以上/台。1千万円以上のモデルも珍しくはない)。アンリツ、キーサイト・テクノロジーなどの移動体通信用計測器メーカと、その計測器(数百億円)を商材として保有する計測器レンタル会社は、日本市場で大きな売上増とその消失という激変を1990年代から2000年代に経験した。携帯電話用の特殊な高額計測器が不良資産となり、計測器レンタルのビジネスや、レンタル事業そのものから撤退する一因となったレンタル会社は1社だけではない(当時7社あった計測器を取り扱うレンタル会社は、現在は3社となった)。平家物語ではないが、栄華と没落は一体(栄枯盛衰)である。J-PHONEはなくなったが、NTTドコモ、KDDI(au)と競うSoftBankに引き継がれた。

JMAG(じぇいまぐ)

株式会社JSOL(ジェイソル)のJMAGビジネスカンパニーが作っている電磁界解析 ソフトウェアの名称。モータなどの、電磁界で動作する製品は自動車の電動化によって用途が拡大している。製品開発も活発なので、電磁界解析ソフトの需要は増している。電機製品の開発・設計・評価試験には、解析ソフトウェアによるシミュレーションは、計測器による実測と両輪である。 参考記事(会員専用): 【イベントレポート】Mywayプラス PSIMユーザ会 展示ブース取材 (Part2)の2ページ目 ・・・株式会社JSOL/JMAGビジネスカンパニーのCTOのインタビュー記事

JCSS(じぇーしーえすえす)

(Japan Calibration Service System) 計量法に基づく日本の校正事業者登録(認定)制度。直流、交流、温度など、細分化された項目があり、校正事業者は範囲を指定して認定を取得する。JCSS事業者は品質が高いことの証となる。自社資産の計測器をJCSS校正(JCSS事業者による校正)することも、品質が高いという評価を受けられる。校正を専業にしている会社以外にも、計測器メーカや計測器レンタル会社でもJCSS事業者になっている会社がある。 参考記事:トレーサブルな体表面温度測定~チノーThermoview赤外線サーモグラフィカメラ ・・温度計のJCSS事業者であるチノーについて記載がある。

JDSファイテル(じぇーでぃーえすふぁいてる)

(JDS Fitel)1980年代から1999年まであった、光ファイバなどの光測定器メーカ。事業の主力は光ファイバ関連の装置や部品だが、光ファイバの評価用測定器をラインアップしていたので、他社にはないユニークな光通信測定器のメーカだった。 1981年に光関連製品のメーカ、JDS Opticsがカナダで設立される(JDSは設立者4人の姓の頭文字)。後に光ファイバや光コネクタの会社Fitel(ファイテル)と提携し、JDS Fitel(JDSファイテル)に社名変更。1999年Uniphase(ユニフェーズ)と合弁しJDS Uniphase(JDSユニフェーズ、略記:JDSU)に社名変更。2005年に通信計測器のActerna(アクテルナ)を買収(Acternaはワンデル・ゴルターマンやウエーブテックという老舗計測器メーカの後継会社)。2015年、JDSUはViaviSolutionsとLumentumHoldingsIncに分かれる。JDSUのNetwork Enablement(NE)、Optical Security and Performance Products(OSP)事業などは、Viavi Solutions Incとなる。つまりJDSUは光部品やレーザー機器を計測器と分割し、計測器はViavi(ヴィアヴィ)ブランドになった。日本法人はViaviソリューションズ株式会社である(2022年現在)。 1990年代にはJDSファイテルというと、光通信測定器でもOPM(光パワーメータ)のような基本測定器ではなく、波長分散のような光ファイバの特性測定の高額な専門計測器が有名だった。日本の販売会社にはキーサイト・テクノロジー(当時は日本HPやアジレント・テクノロジー)から転職した人もいた。JDSユニフェーズという会社名になってからは、ウエーブテック、ワンデル・ゴルターマン、アクテルナなどの通信計測器メーカが合流し、日本では実態が良くわからない状態になった。 無線通信を開発したイタリアのMarconi(マルコーニ)を会社名にする無線通信器メーカ、マルコーニ・インスツルメンツ社は、社名がAeroflex(エアロフレックス)、IFRシステムズ、Cobham(コバム)と変遷し、現在はViavi Solutions LLC社になっている。以前から日本では菊水電子工業が代理店で、エアロフレックスブランドの無線機テスタなどを販売していた。現在のViaviソリューションズ株式会社はこれらの製品群をAvionics(アビオニクス)関連製品と呼び、菊水電子工業を継続して代理店としている。 ViaviのCST製品(PCI Expressなどのプロトコルアナライザ)は伯東が販売店をしている。このようにViaviは欧米の通信計測器の合体継承ブランドだが、日本では直販をしないため、ユーザには実態が良くわからない。商流について補足すると、たとえばテレダイン・レクロイのプロトコルアナライザ(プロアナ)も、日本法人(テレダイン・ジャパン)が販売していない機種群がある。特にプロアナは、メーカの日本法人とは別の会社が販売権を持っている例があり大変わかりにくい。通信計測器の中でもプロアナ、バスアナライザなどはM&Aによって所有会社が良く変わるが、メーカ名が変わっても商流(その地域の販売会社)は変わらないためである。 計測器情報:Viavi製品の例

JECA FAIR(じぇかふぇあ)

一般社団法人日本電設工業協会(JECA:Japan Electrical Construction Association、ジェカ)が毎年5~6月に開催している展示会。旧電設工業展の現在の展示会名。電気設備工事業に関係する企業が出展している。計測器は絶縁抵抗計(メガー)やケーブルテスタなどの、工事業者が屋外で使い、電気設備を保守するためのハンドヘルドのモデルが多く出展される。 現場用測定器のメーカはほとんどが出展してきた。日置電機や共立電気計器、電研精機研究所(ノイズカットトランス)、戸上電機製作所(PV用計測器)、長谷川電機工業(検電器)、光商工(OMICRON社製の保護リレー試験器)、マルチ計測器、ラインアイ(オンラインモニタ)、ユー・アール・ディー(クランプ)、双興電機製作所(保護継電器試験装置や耐電圧試験)、ムサシインテック(リレー試験器)、グッドマン(TDR)、ミドリ安全など。外資ではヴァイサラ(温湿度変換器)、FLIR(フリアー、サーモグラフィ)、フルーク・ネットワークス(ケーブル測定器、OTDR)など。 いつからJECA FAIRという名称になったかは不明(電設工業会ホームページには沿革がなく、JECA FAIRは別サイトで、そこのホームページにも記載はない)。正式な展示会名は「JECA FAIR~電設工業展」で、サブタイトルに旧名称がまだ残る。主催者側は「ジェカフェア」を普及させたいという意図があると思われるが、ほとんどの人は「じぇいいーしーえい・ふぇあ」と言いにくそうな発音をしている(電設工業協会の関係者でないとJECAをジェカとは読めない)。「電設工業展」では老齢化する業界従事者に対応しきれないということかもしれないが、「ジェカフェア」といってもほとんどだれもピンとこないので、筆者の回りの計測業界関係者は「電設工業展」といっている。サブタイトルに「電設工業展」と併記していることが状況を表していると筆者は思う。 東京ビッグサイトで開催する大きな展示会であるが、2017年頃から展示会場内での撮影が禁止となったため、ほとんど展示内容が報道されることがなくなってしまった(メディア各社は取材や報道をほとんどしなくなった)。2018年に当サイトが行った取材記事は大変貴重なものとなった(展示会場内での撮影ができないため、出展社から提供いただいた製品画像を掲載している)。

JET(じぇっと)

(Japan Electrical Safety&Environment Technology Laboratories) 正式な名称は「一般財団法人電気安全環境研究所」。電気用品安全法に基づく電気製品などの試験・検査・認証などを事業として1963年に設立。略記であるJET(ジェット)で呼称されることが多い。PV(太陽光発電)のパワコンの認証をしている機関でもある(PCSのJET認証と呼ばれている)。JETのパワーコンディショナ試験センターの設備には、エヌエフ回路設計ブロックの交流電源用信号源や日本カーネルシステム株式会社の双方向蓄電池模擬電源などがある。日本カーネルシステムとエヌエフ回路設計ブロックはPCSの評価機材を早期につくった2社である。 日本政府が実施する、外国人青年を対象とした日本語教育・文化交流プログラムはJET(Japan Exchange and Teaching)プログラムと呼ばれている。正式名称は「語学指導等を行う外国青年招致事業」で、地方自治体が総務省、外務省、文部科学省、一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)の協力の下に実施している。JETというとこちらが有名だが、計測関連用語としてのJETは「太陽光発電システムを評価する計測器を使い、パワコンの認証をする機関」である。

ジェネレータ(じぇねれーた)

(generator) 日本語では「発生器」と呼ばれ、多くの計測器がある。信号を発生する計測器を信号発生器と呼ぶ。ファンクションジェネレータからパルス発生器、標準信号発生器、雑音発生器、電圧電流発生器など多くの種類のジェネレータが、現在の現役計測器にはある。似た製品に発振器(oscillator)と発信器(transmitter)がある。 発生器のことを日本語でゼネレータと表記することもあるが、現在はゼネレータよりもジェネレータの方が圧倒的に多い(テクトロニクスは映像用の信号発生器をゼネレータと呼んでいたが、2019年にビデオ事業部をTelestream社に売却して、オーディオ・ビデオ測定器から撤退したので、今は同社にはゼネレータという製品はない)。 発電所などの発電機(power generator)のことを略してジェネレータと呼ぶ。ジェネレータは計測器では発生器だが、このようにほかの意味もある。

JEMIDA(じぇみだ)

(Japan Electric Measuring Instruments Distributor`s Association)計測機器販売店会(略称:計販会)の英語表記の略記。この団体は「計販会」と呼称されることが多く、JEMIDAという表現はあまり聞いたことがないが、計販会HPのトップとボトムにはこの表記がある。日本電気計測器工業会は、その略称であるJEMIMAから「ジェミマ」と呼称されることが多い。そのため、たぶんJEMIDAは「ジェミダ」と発音すると推測される。

JEMIMA(じぇみま)

(Japan Electric Measuring Instruments Manufacturers' Association)正式名称は「一般社団法人日本電気計測器工業会」だが、業界では略称であるJEMIMAが通称として良く使われている(正式名称は長いので言いにくい)。電気計測器業界を代表する唯一の法人団体として、国内のほとんどの計測器メーカが会員になっている。海外メーカとしては株式会社テクトロニクス&フルークは正会員だが、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツは賛助会員。輝度計のトップベンダーであるコニカミノルタは賛助会員だが、同業のトプコンテクノハウスは会員ではない。計測器をレンタルしている3社(オリックス・レンテック、SMFLレンタル、横河レンタ・リース)や、アナログ・デバイセズ、スタック電子といった部品メーカも賛助会員(2022年1月現在)。製品部会は、会員が取り扱う製品品目のうち7品目に関する委員会で構成されている(7つの委員会:指示計器、電力量計、電子測定器、温度計測、環境計測、放射線計測、産業計測機器・システム)。つまり、電気計測器メーカ以外に、指示計器(工場などにあるメータ類。制御、計装、IA、FAなどの分野の製品群である)や電力量計(家の入口に設置されている電力量を計測しているメータ、最近で言うとスマートメータ)のメーカも会員である。三菱電機や富士電機、ABB(スイスの重電メーカ)も会員になっている。JEMIMAは電気計測器に関する調査研究、普及啓発活動をしているが、規格策定や標準化などの業務はしていない。毎年秋に計測器メーカが出展する「計測展」を開催してきた(東京と大阪で1年おきに開催)。2017年の東京、2019年の東京、2022年の東京、の展示会を取材した記事と取材先は以下(2020年、2021年は新型コロナウイルス感染により中止)。

磁界(じかい)

磁石の周りや電流が流れているものの周りに発生するもの。単位はテスラで、記号[T]で表す。

紫外線(しがいせん)

(ultraviolet) 波長が10~400nm(可視光より短くX線より長く、人間の目には見えない)の電磁波(※)。可視光線の紫色の外側という意味で日本語では紫外線と呼ぶ。英語では「周波数が紫より高い(超える)」ということで、「ultra(超える)violet(紫)」からUVと略記される。 (※) X線の波長は0.01nm~1nmなので、紫外線は1nm以上(~400nm)とする文献もある。また100nm~280nmを深紫外線と呼び、短波長帯の紫外線として扱っているので、実質、紫外線は100nm~400nmを指している(この波長範囲が取り上げられることが多い)のかもしれない。 紫外線関連の測定器では、EPROMのデータ消去に使うROMイレーサがあるが、計測器メーカはつくっていない。UV計というと紫外線の計測器(メータ)なのだが、紫外線強度の測定器ではなく、紫外線を利用したCOD(Chemical Oxygen Demand、水中に含まれる有機物による汚濁)の分析器である。 紫外線は肌など、人間に損傷を与えるため、化粧品メーカが「UVケア」などの単語を使っているので、「UV=紫外線」は広く認知されている。そのため、紫外線の強さを測定する紫外線強度計が通販サイトで数多く掲載されている。UVメータやUV計というと、一般にはこちらが思い浮かぶ。紫外線測定器のタイトルで、紫外線モニタや紫外線チェッカなどの品名のハンドヘルドモデルが販売されている。 紫外線(特にUV-B)が肌に照射されると、体内物質からビタミンDが生成される。ビタミンDは食物からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つという重要な働きがあるが、食事からだけでは十分な量が摂取できない。そのため、適度な日光浴が必要になる。紫外線はシミの元になるが、手のひらを毎日、太陽光に数分程度当てることは、骨粗鬆症防止など、健康のために必須なことが最近、喧伝されている。 紫外線には波長別に次の分類がある。 100~280nm(UV-C、短波長紫外線)、280~315nm(UV-B、中波長紫外線)、315~400nm(UV-A、長波長紫外線)。波長の長い(周波数が低い)方から、A、B、Cと命名している。UV-CとUV-Bは地球のオゾン層に吸収され、地表に届く紫外線は約90%がUV-Aである。UV-Cは別名、深紫外線と呼ばれる。UV-Aは可視光に近いので近紫外線とも呼ばれる。 可視光で紫色と反対の赤色の外側の電磁波を紫外線と同じように赤外線と呼ぶ。IRと略記され、赤外線を使った温度計などがある。

紫外線測定器(しがいせんそくていき)

(UV measuring instrument) 紫外線 を測定する機器。UVメータやUVチェッカーと呼んでいるメーカも多い。ハンドヘルド(可搬型)の製品が多く、通販でも購入できる。電気計測器メーカはあまりつくっていない。照度計で測定できる場合もある。照度計、色彩輝度計、分光放射計などの測光計測器をR&D向けに開発・製造・販売しているトプコンテクノハウスには「紫外線強度計」という製品がある。

時間計(じかんけい)

保護リレーの動作時間や復帰時間を測定する機器。

時間軸(じかんじく)

オシロスコープの用語としては以下。掃引のタイミングをコントロールするオシロスコープの回路。時間軸はs/div(※)で設定。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)(※)divはディビジョンの略で、オシロスコープ画面のマス目(縦横の線)。

時間軸波形(じかんじくはけい)

(Time-Axis Waveform)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。パネルの入力コネクタから入力された信号の瞬時波形を表示する。1フレーム分が表示される。このときX軸はフレームの始点を0とする時間(秒)、Y軸は瞬時値で表示される。X軸のフルスケールは設定された周波数レンジに連動して設定される。

時間軸微積分(じかんじくびせきぶん)

(Time-Axis Differential/Integral)小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある。1階微分値、2階微分値の演算は、5次ラグランジェの内挿公式を利用し、その点の前後を含んだ5点の値から1点のデータを求める。1重積分値、2重積分値の演算は台形公式を使用し求める。(詳しい数式は小野測器HPを参照)

時間波形統計計算(じかんはけいとうけいけいさん)

(Time Waveform Statistical Calculation) 小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」には次のようにある(詳しい数式は小野測器HPを参照)。 (1)平均値(Mean value、MEAN)と(2)実効値(RMS value、RMS)以外に次の(3)〜(6)がある。 (3)標準偏差(S.D.):平均値のまわりの2次モーメントは分散といわれ、分散の平方根を標準偏差という。直流成分を除く信号の実効値と標準偏差は同一。(1)、(2)、(3)の関係式は、「標準偏差の二乗」と「平均値の二乗」の和は「実効値の二乗」に等しい。 (4)スキューネス(SKEWNESS):平均値のまわりの3次モーメントをσ3で正規化したもので、平均値のまわりの非対称性を示す指標として用いられている。 (5)クルトシス(KURTOSIS):平均値のまわりの4次モーメントをσ4で正規化したもので、波形の尖鋭度を表す指標。正規分布(ガウス分布)の時間信号でのクルトシスの値は3となるので、数式から3を引いた値をクルトシスとすることもある。 (6)クレストファクタ(CREST FACTOR):ピーク値(最大値)/実効値。

自記圧力計(じきあつりょくけい)

都市ガス・LPガスなどの供給設備の気密試験に使用される機器。自記記録計同様に、自記とは「自動で記録する(または機器が自分で記録する)の意味である。 ガスメータのメーカ、愛知時計電機株式会社には「機械式気体用自記圧力計」があり、圧力管理のために使われる。圧力計+記録計で、設置型の計測器といえる。旭計器工業株式会社の自記圧力計は、配管などからの漏れ確認を行うために、常設で圧力を記録する。外観は樹脂製の防滴形で、円形の記録紙にサインペンで描く。 「自記圧力計の表示値を読み取り、マノメータの測定値と比較検査をする」事例がある。