計測関連用語集

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交流インピーダンス測定(こうりゅういんぴーだんすそくてい)

(AC impedance measurement)インピーダンスは交流信号による抵抗(正確には周波数に無関係の抵抗成分と、周波数によって変化するリアクタンスの合計)なので、交流で測定することは自明の理だが、わざわざ「交流インピーダンス測定」と呼ばれるのは、各種の測定方法が古くからあるためである。測定方法(使用する計測器)をいくつか以下に列記する(詳しくは各用語の解説を参照)。 1.ブリッジ法(交流ブリッジ。主要計測器メーカは生産中止。通販で少し見かける。) 2.共振法・Qメータ法(Qメータ。同じくほぼ生産中止。) 3.I-V法(ロックインアンプ、FRA、電力計など)4.自動平衡ブリッジ法(LCRメータに採用されている方式) 5.RF I-V法(高帯域インピーダンスアナライザに採用されている方式) 電気化学の分野では「交流インピーダンス法」と呼ばれる手法があり、電池の評価(電極や電解液の抵抗成分の測定や解析など)に使われている。 参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・交流インピーダンス測定の各手法を概説。

交流インピーダンス法(こうりゅういんぴーだんすほう)

被試験物に既知の振幅・位相の交流電流または電圧を加え、電圧はたは電流応答を観測し、インピーダンスを測定する手法。再現性の良い測定が行いやすい。反面、測定に要する時間は電流遮断法より長くなる傾向がある。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

交流電圧計(こうりゅうでんあつけい)

交流の電圧を測定する機器。測定値をデジタル表示するデジタルマルチメータやアナログ表示するAC電圧計などがある。

交流電圧電流発生器(こうりゅうでんあつでんりゅうはっせいき)

(AC voltage current generator) 交流の電圧電流発生器は、精度の良いモデルは校正用の標準器として使われる。そのため、当サイトでは「交流電圧電流発生器・校正装置」というカテゴリー名にしている。電源(power supply/source)と電圧電流発生器(generator)の違いは用途による。交流電源は電機機器に供給されるACラインの変動や瞬停を作り出し機器の評価などに使われる。交流電圧電流発生器は「電圧・電流・電力の標準器」としての電圧源・電流源である。そのためデジタルパワーメータやデジタルマルチメータ(DMM)などの「電圧・電流・電力測定器」のカテゴリーに分類される。別名:交流発生器、交流電圧発生器、交流電流発生器。横河計測の交流標準電圧電流発生器2558Aは名機だったが部品の入手難などで2000年頃に生産中止になった。後継機種が無いので、計測器を使う全国の企業の標準室は困った。フルークが相当品を発売したが2558Aの仕様をカバーいていなかった。横河計測と関係がある計測関連メーカが2558A相当品を開発するなどの紆余曲折を経て、横河計測は2013年に2558Aを再発売した。受変電機器(メタクラやキュービクルなど)や保護継電器(保護リレー)などの電力関連機器向けには3相の測定器が使われる。たとえばエヌエフ回路設計ブロックのRX4763三相標準電力発生器、デンケンのMDAC-5A三相交流発生装置などがある。双興電機や戸上電機製作所にも単相の電源(電圧電流発生器)がある。 直流の電圧電流発生器では代表機種はSMU(ソース・メジャー・ユニット)がある。 参考用語:交流電源、保護継電器試験器、保護リレー試験器、直流電圧電流発生器

交流電圧トランスデューサ(こうりゅうでんあつとらんすでゅーさ)

PT(変圧器)の電圧を計装用信号に変換する機器。

交流電圧発生器(こうりゅうでんあつはっせいき)

交流の電圧を発生する測定器。(=交流電圧電流発生器)

交流電源(こうりゅうでんげん)

交流の電圧・電流を発生する測定器。(=AC電源)

交流電流計(こうりゅうでんりゅうけい)

交流の電流を測定する機器。測定値をデジタル表示するデジタルマルチメータやアナログ表示するAC電流計などがある。

交流電流トランスデューサ(こうりゅうでんりゅうとらんすでゅーさ)

CT(変流器)の電流を計装用信号に変換する機器。

交流電流発生器(こうりゅうでんりゅうはっせいき)

交流の電流を発生する測定器。(=交流電圧電流発生器)

交流電力校正器(こうりゅうでんりょくこうせいき)

横河計測の形名LS3300の品名。生産ラインなどで数多く使われる0.15~0.2%クラスの電力計(デジタルパワーメータ)や保守の現場で使われるクランプ電力計、装置に組込まれる電力モニタなどの校正は交流電力校正器を使用すれば利用者自身でも校正作業ができる。電力機器の開発用途で使われる高性能電力計(たとえば、一般のデジタルパワーメータの校正に使われる高精度の電力計である横河計測のWT3000/WT5000プレシジョンパワーアナライザなど)の校正には高度な技能と専用の校正環境が必要となるため、測定器メーカや信頼できる校正事業者で校正を行うことを推奨する。計測器情報:LS3300、フルークの三相電力校正器6003、WT3000、WT5000

コーデック(こーでっく)

(CODEC) COder/DECorder(コーダー/デコーダー)の略語。データのエンコード(符号化)とデコード(複号・復元)をする部品・装置。音声・動画を圧縮して伝送するときに使われる。アンリツや安藤電気という通信計測器メーカにコーデックアナライザなどの名称のコーデック評価用の測定器があったが、現在は生産中止である。モデム(変復調器)がモジュレーション(変調)とデモジュレーション(復調)の合成語なのに似たネーミング。参考用語:モデムテスタ

コーデックアナライザ(こーでっくあならいざ)

データの符号化・復元をするコーデックを評価する測定器として、アンリツの MS369B PCMコーデック アナライザがあった。同業の通信計測器メーカの安藤電気にも似た製品があったが、両社とも現在は生産中止。映像関連の製品として、株式会社ニコンシステムのHEVC/H.265コーデックアナライザー265CA1(HEVC/H.265の規格に準拠したデータを効率的に解析)が販売されている。

コードグラム(こーどぐらむ)

スペクトラムアナライザの表示画面の1つ。テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「コードグラム:CDMAコード・チャンネルがX軸、時間がY軸で表される、コード・チャンネル対時間対パワー表示のこと。パワー・レベルは色別で表示。」と解説されている。 CDMA:Code Division Multiple Access、符号分割多元接続。デジタル方式の無線通信である3G(第3世代)ではCDMAが使われている。

コールコールプロット(こーるこーるぷろっと)

(cole-cole plot) 複素平面にプロットしたインピーダンスの周波数による軌跡。別名:ナイキストプロット。Cole兄弟(兄 Kenneth S. Cole、弟Robert H. Cole)の共著論文の中で考案されたため、 Cole-Cole plotと呼ばれる。 燃料電池 の評価用インピーダンスアナライザをつくっている菊水電子工業の製品総合カタログ(燃料電池に関する用語)には次の説明がある。DUTの抵抗とリアクタンスを周波数を変えて測定し、横軸を抵抗、縦軸をリアクタンス(通常は容量性リアクタンスを正とする)にしてプロットしたグラフ。被試験物の内部インピーダンスの要因(接触抵抗や反応抵抗など)を分離できるため、電気化学関係で用いられることが多い。 コールコールプロットは直交座標だが、複素インピーダンスの振幅軸と位相軸を極座標にしたのがスミスチャートで、高周波の回路網のインピーダンスやDUTの特性などを測定するネットワークアナライザは、インピーダンスの周波数変化による変化(軌跡のグラフ)をスミスチャートで表示する。インピーダンスのf特は、化学・物性の分野ではコールコールプロットで、電気・高周波の分野ではスミスチャートで表示される。分野によって使われる表記が異なる。

コールサイン(こーるさいん)

(call sign) アマチュア無線局の名称。呼出符号ともいい、JA1ABCやJ1FQのような英数字の文字列。総務省が発行する免許状では識別信号と書いてある。アマチュア無線局を開局した個人を識別する番号である。「CQ、CQ、こちら○○(コールサイン)・・・」などと電波に乗せて発信(呼びかけ)して、電波を受信した未知のアマチュア無線家との出会いや会話を楽しむために使われる。

コールシミュレータ(こーるしみゅれーた)

(call simulator) アンリツの疑似呼 の品名。他社の擬似交換機でも同じ品名があるが、コールシミュレータといえば、アンリツの疑似呼のこと。交換機に多くの呼を与えて試験する測定器。 形名はEF104A、EF111A、EF202A、EF203A、EF204A、EF401Aなどがあったが、交換機の衰退とともにすべて製造中止となった。 同社には似た形名でEF201A、EF201B、EF211Aがあるが、これらはプロトコルアナライザでコールシミュレータではない。EF201AとEF202A/Bは1文字違いで大変間違いやすい。

コールドミラー(こーるどみらー)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)に使われている。可視光は反射して赤外線のみ透過するミラー。直視ファインダーを赤外光学系と同一光軸上に置く場合に使う。関連用語:熱線吸収ガラス 。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

コクアド線図(こくあどせんず)

(Co-quad plot)周波数応答関数の実数部と虚数部を周波数軸に対して別々にプロットし、これらを上下に並べて表示したもの。固有振動数の推定等に使用される。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より)

国際単位系(こくさいたんいけい)

(International System of Units)メートル法(メートル条約)の後継として定められ、世界中で広く使用されている国際的な単位の体系。別名、「SI単位系」や「SI単位」とも呼ばれる。1960年の第11回国際度量衡総会(CGPM)で規定が確立した。 物理量の単位は1つでなく複数あり、また各国で使っている単位も統一されていなかった。SI単位が規定され、各国が単位をSI単位に切り替えていった。たとえば日本では気圧の単位は1992年以前はmbar(ミリバール)だったが、以降hPa(ヘクトパスカル)に変わり、現在まで続いている。テレビの天気予報で台風の大きさを示す気圧の単位PaはSI単位系である。現在40歳以上(1992年以降の誕生日)の人は子供のころに見聞きした天気予報ではミリバールだった記憶があるはずだが、知らぬ間に気が付いたらヘクトパスカルに変わっていたということである。 磁気の単位も以前はG(ガウス)だったが、SI単位系のT(テスラ)に変わった。磁気の測定器を以前はガウスメータといったが、最近はテスラメータなどの品名のモデルもある。使い慣れた呼称はなかなか無くならず、いまでも磁気測定器のことはガウスメータと呼ばれることが多い(工業用内視鏡が光ファイバを使わなくなったいまでもファイバースコープと呼称されるのに似ている)。1bar=1Paだが、1T(テスラ)=10,000G(ガウス)なので、GからTに変えると数値は違ってしまう。