計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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教材(きょうざい)

正確には計測器ではないが、計測器メーカがラインアップしているので解説する。計測器は理工系の電気の学生実験で良く使われる。先生が実験内容を考案する際、実験したい回路構成を1枚のパネルや機器に作りこんで、各端子にわかりやすく意味を印刷し、「A端子とB端子を〇〇でつなぐ」などの実験手順書が揃った教材があると、大変便利である。そこで計測器メーカに仕様を示し、そのような機器(教材)を作らせることがある。 学生実験で使う教材は計測器よりもローテクなので、その商品化は計測器メーカにとってはたやすいことだが、多くの学生が扱う器材はケーブル断線から始まり故障や破損が起きやすいので、堅牢な設計など、教材特融の商品化ノウハウが必要となる。ケーブル1本でも簡便に補充購入できるサービス体制も求められる。また先生によって好みがあり、標準化による売上増が難しかったり、計測器ほど単価も高くはならない。そのため、ほとんどの計測器メーカは特別な事情がないと、教材を標準品にはしない。 岩崎通信機の電子計測機器ページには教育用実習機器ITFシリーズがラインアップされている。ユニバーサルカウンタ、ファンクションジェネレータ(FG)、デジタルマルチメータ(DMM)などの比較的安価な基本測定器を教育市場(学校)向けに同社が長年提供してきたことを伺わせる。 計測器情報:岩崎通信機の教材製品の例

供試体(きょうしたい)

性能を調べるために実験や試験などに提供する物。たとえば自動車のバッテリーとつながるモータ、インバータ、減速機などを供試体として、回生直流電源をつないで試験を行う。

共振法(きょうしんほう)

交流インピーダンス測定のもっとも基本的な測定手法の1つ。別名:Qメータ法。Qメータは発振器、同調回路、電流計、電圧計から構成される測定器。リアクタンス(コンデンサやコイル)の値やインピーダンスを測定した。Qメータは操作に熟練が必要なため、LCRメータの普及により使われなくなった。参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・Qメータの回路図など説明がある。交流インピーダンス測定の各手法を概説。 計測器情報(会員専用):目黒電波測器やHP(キーサイト・テクノロジー)のQメータの製品カタログ

共同接地(きょうどうせっち)

接地すべきものを一つの接地極に共同に接続する接地方法。(共立電気計器株式会社の用語集より)

極座標(きょくざひょう)

(polar coordinates)X軸とY軸で表される直交座標は原点からの2軸の距離で平面の1点を定めるが、距離と確度で定める方法を極座標という。原点からの距離rとX軸との角度θで表す。ネットワークアナライザやSパラメータで使われるスミスチャートは極座標の1種といえる。

極性(きょくせい)

ゼロまたはグランド・レベルを基準にして電流が流れる方向。通常、波形開始方向の正または負を指す。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

局部発振器(きょくぶはっしんき)

(local oscillator) 周波数変換などの目的でミキサに加える信号の発振回路。「ローカル発振器」や「ローカルオシレータ」とも呼ばれる。発振周波数は、固定のものあるいは可変のものがある。スペクトラムアナライザ内部にも使われている。

許容印加電圧(きょよういんかでんあつ)

(Allowable Applied Voltage)機器に入力可能な最大電圧のこと。計測器の大変一般的な仕様を規定する用語であるが、たとえば過入力に注意が必要なスペクトラムアナライザでは「最大入力レベル」という表現が普通で、「許容印加電圧」といういいかたはあまりしていない。「許容印加電圧」はFA、センサ、ひずみ測定などの分野で良く使われている。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」には「許容印加電圧(Allowable Exciting Voltage):変換器に有害な永久変化を生じることなしに連続して加え得る最大の電圧(V)」とある。

許容温度範囲(きょようおんどはんい)

(Allowable Temperature Range)機器が動作できる環境温度の範囲のこと(つまり許容環境温度範囲)。「使用温度範囲」だと「仕様を満足して使用できる温度範囲」。日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」には「許容温度範囲:有害な永久変化が生じることなく使用できる温度範囲」とある。センサやロードセルでは別に「補償温度範囲」という用語もある。株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」には「許容温度範囲:仕様は満足しないが、変換器に有害な永久変化を生じることなしに使用出来る温度の範囲(℃)」とある。

許容過負荷(きょようかふか)

(Over Load/Safe Overload/Maximum Safe Overload)仕様を超える永久変化を生じることなしに連続して加え得る負荷で、容量に対するパーセンテージで表す(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)。特性上、仕様を越える永久変化が生じることのない負荷で、定格負荷の百分率で表わす(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)。

許容差(きょようさ)

基準とした値と、それに対して許容される限界値との差。基準とした値に対する比を表す。(共立電気計器株式会社の用語集より)

許容入力電圧(きょようにゅうりょくでんあつ)

入力端子間に加えても差し支えない電圧の最大値のこと。(共立電気計器株式会社の用語集より)

許容曲げモーメント(きょようまげもーめんと)

(Allowable Bending Moment)変換器に有害な永久変化を生じることなしに加え得る最大曲げモーメント(kN・m)。(株式会社東京測器研究所の「びずみ測定用の変換器の用語」より)

距離計(きょりけい)

距離を測定する機器。レーザで距離を測定するレーザー距離計が有名。可搬型で通販サイトで販売している。メーカとしてはライカ(Leica)が有名だが、現場用の測定器を多くラインアップしている計測器メーカ(日置電機やカスタムなど)も製品を販売している。ニコン製品の名称は「ゴルフ用レーザー距離計」である。

キラーアプリ(きらーあぷり)

(Killer Application)サービスが普及する目玉となるアプリケーション。新しいサービスが運用されるときには、新しいアプリケーションが提供されるが、従来にないアプリケーションがあるとサービス普及を推進する。移動体通信サービスが2G~4G、5Gと変遷する時にはキラーアプリがその普及に貢献した。通信計測器はキラーアプリに対応した試験オプションがある。集客力のある情報やサービスをキラーコンテンツという(マーケティング関連用語)ことと同様。

記録計(きろくけい)

(recorder) 電圧信号の変化を紙やメモリに記録する測定器。別名:レコーダ。記録計には大きく2種類ある。オシロスコープがデジタル化してメモリに記録できるデジタルオシロスコープになったように、記録計もデジタル化、メモリ化して、メモリレコーダになった。日置電機は1983年にメモリレコーダの初号機8801メモリハイコーダを発売している。三栄測器(現エー・アンド・デイの工業計測機器)もオムニエース の通称でRAシリーズを作っている(最新モデルRA3100は2020年に発売)。横河計測はDL750/850/950/350というスコープコーダシリーズがある。 これらメモリレコーダとは別に、IA(インダストリーオートメーション)メーカがつくる記録計がある。DCSやPLC などの計装機器のメーカである横河電機は、温度、流量、圧力などをセンシングして制御するために、センサからの信号を記録する各種の製品をラインアップしている。ペーパーレス、小型、遠隔操作・遠隔へのデータ送信などが特長である。工業用の記録計、チャートレコーダμR10000/μR20000やペーパレスレコーダ GX10/GX20、GP10/GP20、表示が無くユニットをスタックしてチャンネルを増やせるデータロガーのSMARTDAC+™データアクイジション システム GMなどがある。これらは計測器というより、計装用のセンサなので、操作部や表示部は極力無くし、印刷機能も無く、イーサネットなどでデータを中央に送る機能に優れている。 温度の計測・制御に特化したIAメーカであるチノーも、横河電機と同じような計装ユースの記録計をつくっている。日置電機、三栄測器、横河計測は、いわゆる電気計測器メーカだが、横河電機やチノーは計装(IA)メーカである(チノーは計測器である温度計もつくっている)。 計測器としてのメモリレコーダと、計装ユースの工業用記録計は用途やニーズ、仕様が違う。横河には2系統の記録計があり、知らない人は、そのモデルの記録計は(計装の会社である横河電機か、計測器メーカの横河計測の)どちらの会社がつくっているのかわかりにくい。

kHz(きろへるつ)

(kilo hertz) 周波数の単位で、1,000Hz(ヘルツ) に相当。k(キロ)は10の3乗の接頭辞。可聴周波数(人間の耳に聞こえる音の周波数)は、20Hz~20,000Hzといわれ、オーディオ機器は数100kHz程度までの周波数を扱っている。 数100kHz程度までを低周波と呼んでいることが多い。ただし、「高周波」や「低周波」は明確に何Hzという定義はなく、その時に説明する内容によって使われる用語である。 SGということばは信号発生器の略記だが、RF分野では「標準信号発生器」などの高周波の機器をSGと称している。オーディオ機器で使われる信号の発生器は通常はファンクションジェネレータなので、FGと記載すべきだが、(RFではなく)オーディオ分野の文献でSGという表記も良く見かける。文献の筆者は(FGも含む)信号発生器の意味でSGという用語を使っていると推測されるが、RF分野の技術者からすると「その周波数帯の話ならば、SGではなくFGではないのか」と違和感を覚えるかもしれない。計測器は同じことばが分野が異なると違う意味のことがある。低周波と高周波も(簡単そうな用語だが)要注意である。

近磁界プローブ(きんじかいぷろーぶ)

スペクトラムアナライザや妨害波測定器と一緒に使用する、磁界を検出するセンサー。 (=EMIプローブ)

近接拡大レンズ(きんせつかくだいれんず)

非接触温度計(サーモグラフィカメラ、サーモトレーサ、熱画像計測装置)の用語。微小物体の温度分布測定のため検出部に装着されるオプションレンズ。関連用語:広角レンズ。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

金属顕微鏡(きんぞくけんびきょう)

試料に対して接眼レンズ側より光を照射し、その反射光の明暗や色のコントラストにより、試料の物性を観察する顕微鏡。