計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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キャリア周波数(きゃりあしゅうはすう)

搬送波(キャリア)の正弦波周波数のこと。無線通信ではキャリアはある周波数の値をもっているので、「キャリアは〇〇MHz」というようにわざわざ周波数とはいわないことも多いが、正式には「キャリア周波数は〇〇MHz」である。

キャリブレーションキット(きゃりぶれーしょんきっと)

ネットワークアナライザで使用するアクセサリ。(=校正キット)

キャリブレータ(きゃりぶれーた)

(Calibrator) 3つの意味がある。 1.Calibration(校正)するもの、つまり計測器を校正する標準器、校正器。 2.工業計器、計装分野の校正器。「プロセスキャリブレータ」の略称。いわゆる電子計測器の校正器(企業の標準室に鎮座している高額な標準器)ではなく、ハンドヘルド(可搬型)のモデル。プラントに数多く設置してある圧力計の校正を行う圧力校正器(圧力キャリブレータ)が代表。「キャリブレータ」というと、一般の電気の校正器を想像する人と、プロセス用の校正器(圧力や温度)を想像する人に分かれる。後者の方が多いかもしれない。「キャリブレーション」というと前者の「校正」の意味である。 3.横河計測の「直流電圧電流発生器&DMM」機能のある製品の品名(電圧・電流の校正ができるため)。同社には「ハンディキャリブレータ」、「コンパクトキャル」などの品名の製品もある。同社が、工業計器・計装分野の日本を代表する会社である横河電機の計測器部門であったこと、現場用の可搬型の計測器を古くから手掛けていたこと、現在も(特定の)現場測定器でNo1であることが伺える。このキャリブレータを可搬型からベンチトップにすると、ほぼSMU(source measure unit)となる(基準となる電圧・電流を発生して、それに同期して電圧・電流を測定できるのがSMUである)。現在同社には1機種だけSMU製品がある(2021年1月現在)。 計測器情報:校正器(マルチキャリブレータ)の例、横河計測のキャリブレータの例

キャリングケース(きゃりんぐけーす)

(carrying case) 測定器を入れて運搬するためのケース。ソフトとハードがある。ソフトタイプは主に布のように柔らかい素材でできていて、ハンドキャリー(人が持って運ぶ)に適している。ハードタイプはジュラルミンのような堅い金属製で、アタッシュケースのような外観をしていることが多い。 計測器のサイズがポータブルのときはソフトタイプ、ベンチトップのときはハードタイプのキャリングケースが、各計測器のオプション(アクセサリ)で用意されている場合がある。

キャロちゃん(きゃろちゃん)

1998年に設立した株式会社キャロットシステムズのシリアル通信モニター(プロトコルアナライザ)の愛称(名称)。RS-232Cラインモニタ キャロちゃん64(型番CS3064)などの製品がある。ハンドヘルドのオンラインモニタではラインアイ社が有名だが、キャロちゃんシリーズは「シリアル通信見える化ツール」として月刊トランジスタ技術の2021年の号にも広告がある。 参考用語:ラインモニタ、みえちゃん

CAN(きゃん)

Controller Area Network の略。センサやアクチュエータをつなぐシリアルバス規格の一つ。自動車内の通信規格として広く普及している。日本や欧米で生産されている車両のほとんどに適用されているので、自動車では標準の規格といえる。

CAN XL(きゃんえっくすえる)

第三世代CANと言われる次世代のCAN規格。2018年頃から開発が開始されている。CANとはController Area Networkの略で、ドイツのBosch社(Robert Bosch GmbH)が2012年に開発した通信プロトコルで、現在は自動車内の通信の標準として導入されている。

CAN FD(きゃんえふでぃー)

(CAN Flexible Data rate)自動車の標準プロトコルであるCAN(Controller Area Network)の拡張仕様。従来よりも通信速度を速くし、送受信データを大容量にできる。自動車の電動化によるECUの増加などで、CANではスピードやデータ量が足りなくなり、より速速の規格として発表された。2012年にCANを開発したボッシュ社(Robert Bosch GmbH)が発表した。最大通信速度:5Mbps(CANは1Mbps)。既存のCAN 2.0プロトコルと互換性があり、同一ネットワーク上にCANと共存できる。

GANGプログラマ(ぎゃんぐぷろぐらま)

複数のデバイスに対して同時書込みを行うことができるROMプログラマのこと。生産現場での効率的な書込みに有効。「GANG」は集合体や集団を表す言葉。別名:GANGライタ。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

ギャングプログラマ(ぎゃんぐぷろぐらま)

複数個のROMを一度に書き込むことができるROMプログラマ。「GANGプログラマ」と表現しているメーカもある。GANGは集合体や集団の意味。

CANバスアナライザ(きゃんばすあならいざ)

CANバス上に流れる通信データを解析する測定器。CANアナライザとも呼ばれる。CANは自動車内の標準規格として普及した。VECTOR(ベクター、Vector Informatik GmbH、ドイツ)社のCanalyzer(キャナライザー)が業界標準。VECTOR社はCANの開発にかかわった人によって設立され、自動車の開発・設計関連の事業をしている。CANのプロトコルアナライザ=Canalyzerといっても過言ではない。現在のCANは開発・普及途上ではなく、広く普及しきったが、現在でもCANのシミュレーションなどにはCanalyzerが使われている。

QoS(きゅーおーえす)

(Quality of Service) 一般的には利用者に提供される「サービス品質」のことだが、特に通信(ネットワーク)の世界で使われることば。ネットワーク(通信回線網)で提供されるサービス品質として出てくることが多い。ルータや伝送装置などのネットワーク機器にはQoSが実装されている。ある特定の通信を優先して伝送させたり、帯域幅を確保するなど、そのネットワークの中で重要度(優先度)が高いパケットが確実に伝達される(届く)ようにサービス品質が規定されている。 QoSの良否を定量的に判定する尺度をQoSパラメータと呼ぶ。QoSとQoSパラメータには一定の関係があるが、その関係は単純ではない。たとえば野球選手の質(良い選手か悪い選手か)はQoSで、QoSパラメータには「打力:打率3割以上」、や「走力:6秒以内/50m」などがある。QoSパラメータのことをQoSと呼んでいる場合もある。 QoSは提供者側(プロダクト目線)のサービス品質だが、似たことばにQoE(Quality of Experience、ユーザ体感品質)がある。 テクトロニクスは、放送事業者が番組のQoS監視に使う、PQM3000型プログラムQoSモニタという計測器を2000年頃に販売していた(同社のビデオ事業部は2019年にTelestream社に売却され、PQM3000を含むテレビ・オーディオ測定器から撤退している)。

吸光光度計(きゅうこうこうどけい)

試料に光を当て吸収した光(吸光度)から分析する機器。水質測定にも利用され、測定したい溶液と試薬を混ぜて発色させるなどの化学反応でpHだけでなく多くの項目を測定する。吸光光度計は科学分析機器の代表的な1つ。世界的な水質計メーカのHACH社の製品が有名。日本では東亜ディーケーケー株式会社がHACHの総代理店として取り扱っている。参考記事(会員専用):【展示会レポート】IIFES(アイアイフェス)2022/3ページ目。東亜ディーケーケーのポータブル水質計を取材。

吸収(きゅうしゅう)

(absorption)[水分用語] 気体が液体や固体の中に(または液体が固体の中に)取込まれる現象。学術的な表現では「物質がある相から別の相へ移動する」と説明される。吸収と吸着を合わせて収着(sorption)と呼ぶ。固体や気体という相が違う界面で起きる現象。

Q値(きゅうち)

(Q factor) リアクタンス(インダクタやキャパシタ)の性能を表す指標。QはQualityの略。クオリティーファクタを記号「Q」で表すので「Q値」と呼ばれる。値が大きいほど性能が良い。Q値を測定するのがQメータである。 参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・Qメータの回路図など説明がある。 計測器情報(会員専用):Qメータの製品カタログ

吸着(きゅうちゃく)

(adsorption)[水分用語]吸収された物質が固体の表面にたまっている状態のこと。固体の内部まで移動した状態は収着(sorption)といわれる(または吸収と吸着を合わせて収着という)。水分に関する学術用語である。 

QPSK(きゅーぴーえすけー)

(Quadrature Phase Shift Keying)日本語では「四位相偏移変調」だが、QPSKという表記の方が良く使われている。デジタル変調の方式の1つ。搬送波の位相の変化に4つの値を持たせる変調方式。PSKの1種だが、位相が90度ずつ離れた4つの波を切り替えて送る。無線LAN(IEEE802.11)などで利用されている。

キュービクル(きゅーびくる)

(cubicle) 受変電・配電機器の分野の用語。受電設備の機器一式が金属製の筐体に収納されたもの。外観は大型のロッカーのようで、ガラス窓から中のメータ(指針)や切換スイッチ、表示灯(インジケータ)などが見えることもある。マンションの1階の片隅や、屋上に設置されている。cubicleは日本語では「仕切り」。なぜ受電設備の筐体を指すのか語源は不明。「メタルクラッド(通称:メタクラ)」とも呼ばれる。キュービクルとメタクラの違いは、キュービクルは一つの金属箱内に全ての機器を納めたもの、メタルクラッド はキュービクルで各機能別に金属箱が区切られたもの(ウィキペディア、Wikipediaより)。 電線に流れる6600Vの電気は電柱にあるトランス(柱上変圧器)で100/200Vに降圧して家庭に配られる。集合住宅や商業施設のように、一軒家よりも大きな電力消費をする場合は施設内にキュービクルを設置することが多い。キュービクル設置には費用がかかるが、柱上変圧器よりもキュービクルの方が電力単価が安価なため、設置費用がかかってもランニングコストが安くなる。「昔は電気室や変電室と呼ばれる部屋で6600Vから降圧していたが、安全性を保持して小型化し、変圧に必要な機器を1つの箱体(キュービック)に収めたのでキュービクルと呼ばれるようになった」ともいわれる。 キュービクルは重電メーカ(三菱重工、日立、東芝、富士電機、明電舎、日新電機など)と、電気機器(受電・配電機器、制御盤など)メーカがつくっている。電気工事会社の中には受電機器を得意とする会社も多い。 参考記事(会員専用):市場動向レポート 「受変電・配電設備の保全と計測器の活用」2016年3月号 TechEyes Vol.16 参考記事:【コラム】交流電源 - 三相と単相・・柱上変圧器について触れている。

Qメータ(きゅうめーた)

(Quality meter) リアクタンス(インダクタやキャパシタ)の性能を表す指標にQ値(Q Factor) があり、Q値を計測できるのがQメータ。たとえばキャパシタのQ値は、理論的に純粋なコンデンサとして動作する指標で、誘電正接(誘電体損)の逆数である。つまりQメータはtanδ(タンデルタ)の測定もできる。 測定項目は高機能なLCRメータに似ているが、用途が違う。すでに生産中止だが株式会社目黒電波測器(現株式会社計測技術研究所/電子計測器事業)のQメータ、型式MQ-1601の製品カタログには「高周波ケーブルのインダクタンス、キャパシタンス、特性インピーダンスなど広範囲に測定できる。測定周波数は15.5kHz~50MHzで、6桁の周波数カウンタを採用し正確な周波数設定と読み取りが可能。別売の誘電体損測定台でtanδを測定。」とある。つまり、高周波でケーブルのQ値やtanδを測定する目的で使われたと思われる。Qメータを「無線周波数の測定器(いわゆるRFの測定器)」と説明している文献もある。当サイトではキーサイト・テクノロジーの製品カテゴリがLCRメータなどの回路素子測定器のため、それに倣って分類しているが、目黒電波は無線測定器の会社である。 Qメータによる交流インピーダンス測定手法を共振法やQメータ法と呼ぶ。Qメータの操作は熟練が要することや、LCRメータが普及したことにより、現在ではQメータはほとんど生産中止になっている。 参考記事:LCRメータの基礎と概要 (第1回)の2ページ目・・Qメータの回路図など説明がある。 計測器情報(会員専用):目黒電波測器やHP(キーサイト・テクノロジー)のQメータの製品カタログ

凝結物(ぎょうこぶつ)

[水分用語]凝結した物質、例えば液体状態の水あるいは氷。(「気体中の水分管理」の会社、株式会社テクネ計測の「湿度で良く使われる用語」より)