計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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基地局(きちきょく)

(base station) 携帯端末(電話機)と通信を行う通信装置。端末から基地局への送信は上り(アップリンク)、反対は下り(ダウンリンク)という。基地局はカバーするエリアの範囲が決まっていて、ある程度等間隔で設置される。従来は高層ビルの屋上などに設置されてきたが、携帯電話などの端末の普及・増加によって数が増えた。また小型化が進み、最近ではsmall cell(スモールセル)と呼ばれている。日本でもキャリアの増加などによって、電柱に取り付けられているケースもある。自動販売機に基地局機能をつけるという事例も報告されている。 日本電気、富士通、Ericsson(エリクソン、スエーデン)、Nokia(ノキア、フィンランド)などが基地局メーカとしては老舗。最近の5Gでは中国メーカのHuawei(ファーウェー)やZTEが高シェアであることが報じられている。 基地局用の計測器としては、開発・設計から検査、設置工事・保守用まで各種のモデルがある。特に基地局は設置場所によって電波の受信状態が異なるので、専用の計測器(フェージングシミュレータやエリアテスタ、マッピングのモデルなど)がある。基地局からの電波の強さを確認するメジャリングレシーバが過去には活躍した(現在はハンドヘルドのスペクトラムアナライザが後継モデル)。主要な計測器メーカは世界の3大無線通信計測器メーカである、アンリツ(日本)、キーサイト・テクノロジー(米国)、ローデ&シュワルツ(ドイツ)。アンリツは通信測定器に特化している(有線通信もあるが無線の比重が高い)。ローデ&シュワルツも無線機から出発した会社なので、映像用のモデルも含めてRF測定器が主力である(最近はオシロやSMUなどのRF以外もラインアップを増やしている)。キーサイト・テクノロジーは直流から低周波、RF、マイクロ波まで幅広いラインアップがあるが、同社の屋台骨であるRF事業部門は名門で、世界No1製品が多くある。 国内の4Gの人口カバー率は99%で、通信事業者各社の保有する基地局用の鉄塔は重要な設備資産だが、2022年3月にNTTドコモは「鉄塔6000本を売却し、設備を通信事業者で共有し(インフラシェアリング)、ネットワーク投資を効率化する」、所有から利用への転換を発表した。 参考用語:スマートポール 計測器情報:「フェージング」が品名につく製品の例、エリアテスタの製品例

技適(ぎてき)

技術基準適合証明。日本の電波法令で定められた特定無線設備に対する認証。技適マークの表記が義務付けられている。

起電力(きでんりょく)

(electro motive force) 【電子工学で使われる電気に関する量】 電流を発生させる電位の差のこと。単位は[V](ボルト)なので実態は電圧である。電圧は記号Vで表されることが多いが、起電力はEで略記される。表記はE(V)など。 Vは電圧(Voltage)の頭文字で、電圧、電圧降下、電位差などを表す。抵抗に電流が流れると両端に電圧が生じる。この電圧は記号「V」と書かれる。Eは起電力(Electro Motive Force、直訳すると「電子的な動かす力」)の頭文字。コイルの誘導起電力や電池の起電力などがあり、この場合の電圧は「E」と略記される。Eは電界(electric field)の略記など、その他の物理量でも使われるため、誤解がないように使う必要がある。 起電力は電圧なので、測定には電圧の計測器(指示計器の電圧計や、デジタル表示のマルチメータなど)が使われるが、電位差の測定器としては電位差計(ポテンショメータ)がある。 2種類の金属の両端を接触させて閉回路をつくり、2つの接点の温度が異なっていると起電力が生じて電流が流れる(これらを熱起電力と呼ぶ)。この現象を利用して、熱起電力によって温度を知る温度センサが熱電対である。

輝度グレーディング(きどぐれーでぃんぐ)

発生頻度を表す情報で、波形が実際にどのように変化しているかを知るために有効。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

輝度計(きどけい)

(luminance meter) 物体の表面から放射された光の量を測定する機器。輝度の単位はcd/m2(カンデラ/平方メートル)。光を測定する代表機種だが、人間の目の感度による光の波長に対する重みづけをしている測光量の測定器(心理物理量)。光パワーメータなどの光通信測定器のように光の電磁エネルギー量を放射量として測定する(物理量)のではなく、人の目が感じる明るさの量を測定している。 メーカはコニカミノルタとトプコンテクノハウスがラインアップが多い。大阪発祥のカメラメーカのミノルタには計測機器事業部があり、2003年に写真フィルムの「サクラカラー」で一世を風靡したコニカ(旧小西六)と合弁しコニカミノルタとなった。トプコンテクノハウスは元は東芝の計測器部門で、現在は別会社となり研究開発用途の輝度計などに注力している。 当サイトではカテゴリー「光測定器」に光パワーメータ、光スペクトラムアナライザなどの物理量の測定器(光通信測定器)を、「科学分析機器」に輝度計、照度計などの心理物理量の測定器(光と色)を掲載している。

気密測定器(きみつそくていき)

住宅性能診断に必要な気密を測定する機器。(=住宅気密測定器)

逆アセンブラ(ぎゃくあせんぶら)

(disassembly)マイクロコンピュータ(マイコン、CPU)を動かすソフトウェアに関連する用語。(マイクロコンピュータが実行している)機械語で書かれたプログラムをアセンブり言語表示に変換する機能のこと。ICE(インサーキットエミュレータ)に標準装備されていることが多い。一般に、高級言語(C言語など)で書かれたプログラムから生成したアセンブリ言語を、アセンブラが機械語に変換するが、その逆の機能のため、こう呼ばれる。逆アセンブラによって、機械語が正しいかを(人間が理解できる)アセンブリ言語で確認することができる。

逆Lの字保護(ぎゃくえるのじほご)

計測用電源が過電流状態になった時の復帰のタイプには「フの字保護」と「逆Lの字保護(自動垂下方式)」の2種類がある。逆Lの字保護タイプは、過電流状態になると出力電圧が低下して僅かな電流が流れ続け、障害復旧すると元の状態に戻る。(株式会社高砂製作所の用語集より)

逆フーリエ変換(ぎゃくふーりえへんかん)

(inverse fourier transform) 時間軸信号(時間関数)をフーリエ変換するとフーリエスペクトル(周波数関数)になる。反対にフーリエスペクトルを時間軸信号にすることを逆フーリエ変換という。時間軸信号の相関である自己相関関数と、フーリエスペクトルの自乗であるパワースペクトルの間も、同様にフーリエ変換と逆フーリエ変換の関係になっている。さらに、クロススペクトルの逆フーリエ変換は相互相関関数 、周波数応答関数の逆フーリエ変換はインパルス応答となる。(小野測器の「FFT解析に関する基礎用語集」より) 参考記事:FFTアナライザの基礎と概要 (第1回)

キャッシュメモリ(きゃっしゅめもり)

(cache memory)CPUを高速に実行するには、CPUがアクセスするメモリデバイスが高速であればあるほど良い。ただし高速なメモリは高価で容量も少ないものが多いので、それを補うためにキャッシングというシステムを使う。キャッシングには、キャッシュメモリという高速で小容量のメモリを補助的に使う。このキャッシュメモリに対して実際にプログラムなどが収められているメモリをメインメモリという。CPUがアクセスしようとしたプログラムがキャッシュメモリ上に無いと、メインメモリからそのプログラムをキャッシュメモリにDMA転送し、それを実行させる。キャッシュメモリは高速なメモリなので、CPUは高速な実行が可能となる。ただし、このキャッシュメモリは、容量が少ないので、キャッシュメモリ上に無いプログラムが度々発生する。このプログラムが無い状態を、ミスキャッシュしたという。この時、またメインメモリからDMAでミスキャッシュしたプログラムをキャッシュメモリに転送して実行させる。近年、キャッシュメモリはCPUに内蔵されているものもある。内蔵されていないものを外部キャッシュメモリという。CPUを高速に実行させ続けるにはミスキャッシュをなるべく少なくする事が重要である。そのために、どのようにミスキャッシュを防ぐかなどに各種アルゴリズムやキャッシング回路技術がある。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

Cat(きゃっと)

(category)カテゴリー。LANケーブルの種類の名称。対応する規格や通信速度を規定している。たとえばカテゴリー5は100BASE-T、100Mbpsなので社内LANに多く使われている。ケーブルテスタの仕様には対応するカテゴリーが記載されている。表記は「CAT」もある。読み方は「カテゴリ」もある。

CAP-T試験器(きゃっぷてぃーしけんき)

NTTのCAP NET(キャップネット)に対応した試験器。アンリツと安藤電気(現横河計測)がつくっていたが、現在は生産中止。アンリツのMD1302Aは前面パネルの表記は日本語で、一般民需品(標準のカタログ品)とNTT向け製品の中間のような位置づけである。安藤電気のモデルはAE-5104やAE-1420と同サイズの可搬型の筐体だった。

CAD(きゃど)

(Computer Aided Design) 直訳したら「コンピュータ支援設計」。1970年代にマイクロコンピュータの普及によって電子部品間の接続線がバス化し(複数本に増えた)、プリント基板上に配線(パターン)を設計する作業が人間では難しくなり、コンピュータによるアートワークが導入された。1980年代にはそれをCADと呼び、CADデータから製造することをCAM(Computer Aided Manufacturing、キャム)といった。 現在では電気系のCADやCAE(Computer Aided Engineering:製品開発の初期段階から、コンピュータを用いた仮想試作・仮想試験を行うこと)を総称して、 EDA(Electronic Design Automation)と呼んでいる。 電子計測器の世界No.1メーカであるキーサイト・テクノロジーは数多くの有料トレーニングのコースを以前から開催しているが、EDAツールのコースは最も力を入れている1つである。 参考記事:お客さまに使いこなしていただくために! サービスに注力するキーサイト・テクノロジーがトレーニングを語る ・・記事の4ページ目にEDAついて言及している。

Canalyzer(きゃならいざー)

VECTOR(ベクター、ドイツ本社)社のCANのプロトコルアナライザの通称。CANバスアナライザといえばCanalyzerというほど業界標準。1強のため独占的な販売戦略がとられた。販売は直販が原則で、VECTOR社がすべての販売先(顧客)を把握するという運用がされた。そのためベクター・ジャパンは日本の計測器レンタル会社にはレンタル商材として販売していない。プロトコルアナライザ(プロアナ)はレンタルされる頻度が高いカテゴリーの計測器であるが、顧客がレンタルを要望してもVECTER社は許可しなかった。プロアナはソフトウェアのアップグレードなど保守契約が必要なことも理由と想定される。顧客ごとの測定器のバージョンなどの状態をメーカが一元的に管理していると推測する。CANが普及した現在でもCanalyzerはCANのツールとして使用されている。OSやアプリケーションソフトウェアを頻繁にアップデートするなど、メーカがすべてのユーザを直接管理しないと運用ができない計測器の代表例といえる。そのような運営上の性格から、計測器レンタル会社には販売しないメーカやモデルが少数ではあるが、現在も存在する。キーエンス社のデータロガーもレンタルでの運用を目的としたレンタル会社への販売を一切行わない(リース、つまり特定の1社が使用する場合は除く)が、その理由は明らかにはされていない。レンタル会社に販売するとメーカの新品販売が阻害され売上が減少する、という話が計測器レンタルが普及する黎明期にはあったが、ほとんどの計測器メーカがそれはデマ(大いなる誤解)であると気が付き、現在はほとんどの計測器メーカがレンタル会社に販売することで、新品販売の売上増加を実現している。調達手段として購入だけでなくレンタルもできることが、そのモデルの総売上拡大につながっている。

キャパシタ(きゃぱした)

(英: capacitor、独: Kondensator) 抵抗(R)、インダクタ(L)と並ぶ受動素子で、電気回路理論の集中回路定数の1つ。回路記号は「C」。別名、静電容量(キャパシタンス)、単位:F(ファラッド)。一般には(会話などで)「コンデンサ」と呼ばれることが多い。たとえばケミコン(ケミカルコンデンサの略)やアルミ電解コンデンサ、MLCC、など。電子回路では電荷を蓄える素子(電子部品)。回路上のふるまいは、直流は通さず、交流は通しやすい。また、電流の位相が電圧に対して90°進む。この挙動はL(インダクタ)とは反対である。

キャパシタンス(きゃぱしたんす)

(capacitance) 【電子工学で使われる電気に関する量】 別名、静電容量とも呼ばれ、コンデンサの値、大きさ(蓄えられる電荷の量)を表す。

キャパシタンスメータ(きゃぱしたんすめーた)

(capacitance meter) 電子部品のキャパシタンス(静電容量)の計測器。物理量としての単位は[F](ファラッド)。ハンドヘルドのモデルは「キャパシタンステスタ」という品名もある。LCRメータは当然、キャパシタンスの測定ができるので、LCRメータの事を指している場合もある。「Cメータ」という品名でベンチトップモデルを日置電機とエヌエフ回路設計ブロックがつくっている(2022年7月現在)。 静電容量測定器というと、静電容量式レベル計のような、全く違う機種がネット検索で出てくるが、ハンドヘルド型のキャパシタンスメータは通販では「静電容量メータ」「静電容量テスタ」「静電容量計」などの名称で販売されている。 もう1つのリアクタンスであるコイル(インダクタ、inductor)の測定器には、インダクタンスメータなる製品は無くて、コイルテスタ、コイル試験器、巻線試験器など、コイルという名称が多い。キャパシタの電気部品であるコンデンサではなく、キャパシタや静電容量が計測器の品名になっているのと正反対である。計測器の品名(名称)は統一感がない。 リアクタンスの性能を示すQ値を測定するQメータという製品はキャパシタンスなどのインピーダンスが測定できた(現在はほぼ生産中止)。

キャプチャ(きゃぷちゃ)

(capture)記録、保存することをIT分野ではこのように表現する。直訳は「捕獲」、「占領」。

CAM(きゃむ)

(Computer Aided Manufacturing)部品の製造を行う際、CAD(Computer Aided Design)で作成した図面を基に、工作機械の加工に必要なプログラムなどを作成するツール。CADは部品の設計やプリント基板のアートワークなど、3次元の図面をコンピュータを使って作成するツール。CADやCAM、CAE(Computer Aided Engineering)などを、EDA(Electronic Design Automation)と総称している。 電子計測器の世界No.1メーカであるキーサイト・テクノロジーは数多くの有料トレーニングのコースを以前から開催しているが、EDAツールのコースは最も力を入れている1つである。 参考記事:お客さまに使いこなしていただくために! サービスに注力するキーサイト・テクノロジーがトレーニングを語る・・記事の4ページ目にEDAついて言及している。

キャリア(きゃりあ)

(carrier)和訳は「搬送波」。無線通信を行うときに、送りたい信号を変調してのせる周波数の信号のこと。たとえばラジオ局のFM東京は80.0MHzである。これは80.0MHzの電波(搬送波)にFM変調した信号(音声や音楽)をのせて送信している。キャリアは無線通信の最も基礎的な用語である。NTTドコモやauなどの通信事業者も「キャリア」と呼ばれる。