計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ガス流量計(がすりゅうりょうけい)

気体の流れる量を測定する機器。気体用の流量計のこと。「気体用流量計」の名称でラインアップを掲載しているメーカとしてオーバルがある。

画像センサ(がぞうせんさ)

(image sensor) デジタルカメラなどで写真撮影するときに画像を取り込むセンサ。最近は日本語でも「イメージセンサ」という表記が多くなった。「画像センサー」や「イメージセンサ―」という記述もある。 現在はCMOS (シーモス、Complementary Metal-Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)のことをさすことが多い。CMOSの市場シェアは日本のソニーグループが約45%でトップ。以下、サムスン電子(韓)約20%、オムニビジョン(米)12%、オン・セミコンダクター(米)約4%(テクノ・システム・リサーチ、2020年金額予想)。 ソニーは古くからデバイス事業をしていて、映像素子の事業は世界No1を堅持している。デバイスメーカであるソニーセミコンダクタソリューションズは毎年、新しい技術の発表をするなど、ソニーは半導体や映像の世界的な展示会で毎年、話題になる存在である。

カソード(かそーど)

(cathode) 電子部品で、外部回路へ電流が流れ出す電極のこと。反対の電極をアノードという。真空管、ダイオード、電池などにはアノードとカソードがある。CRT(Cathode Ray Tube)は日本語で「陰極線管」。つまり、真空管ではカソードは陰極と呼ばれる。正極・負極という表現もあり、カソードは、真空管では負極、電池の場合は正極。電力用のスイッチに使われる半導体素子のサイリスタにもアノードとカソードがある。

加速度(かそくど)

(acceleration) 物体が振動しているとき、1秒間に往復運動する回数を振動数(または周波数)という。振動の往復している距離(長さ)が変位で、変位の時間に対する変化率を速度という。速度の時間に対する変化率を加速度という。 通常、振動を表す物理量は加速度が使われる。そのため、振動と加速度はほぼ同じことばとして使用される。振動センサのことを加速度ピックアップや加速度トランスデューサと呼んでいる。

加速度計(かそくどけい)

振動の加速度を測定する機器。種類は接触式の圧電型加速度センサ(加速度ピックアップ)などがある。

加速度トランスデューサ(かそくどとらんすでゅーさ)

(acceleration transducer) 振動センサの1種。振動(物量では加速度)を検知して電気信号に変えるセンサ。トランスデューサは「変換するもの」という意味。別名:加速度ピックアップ(加速度を拾う=検出する、という意味)。 振動計、FFTアナライザなどの振動解析の計測器や、データレコーダなどのデータ集録機器と併用される。そのため、リオンやTEAC(ティアックなどが豊富にラインアップしている。各社で名称(品名)が異なる。リオンは加速度ピックアップ、TEACは加速度トランスデューサ。加速度ピックアップのほうが多い(加速度ピックアップと加速度トランスデューサの正確な違いは難しい)。 種類は、加速度を変換後の出力が電圧型(圧電素子を使用した「プリアンプ内蔵型」で、電圧信号を出力する、IEPEやICPと呼称される)と、電荷型(電荷で出力されるので、チャージアンプで受けて、電圧に変換して計測器に入力される)がある。また最近ではTEDS対応の製品が増えている。

加速度ピックアップ(かそくどぴっくあっぷ)

加速度を検出する振動センサ。別名:加速度センサ。圧電型・半導体型・半導体ひずみ型などがある。種類は接触式の圧電型加速度ピックアップなどがある。pick upは拾う、という意味で、「振動を拾う」振動センサはピックアップという表現が良くされる。振動計や振動レベル計などの振動計測器メーカのリオンには「加速度ピックアップ」という品名の製品が多くある。FFTアナライザや振動解析が得意な小野測器もラインアップしている。海外メーカではENDEVCO(エンデブコ、またはエーンデブコと呼称。丸文や昭和測器が取り扱っている)が有名。

加速度ピックアップ校正器(かそくどぴっくあっぷこうせいき)

加速度ピックアップを校正する機器。(=校正用加振器)

加速度変換器(かそくどへんかんき)

ひずみゲージ式センサーを利用して加速度を検出するセンサー。

画素ピッチ(がそぴっち)

非接触温度計のサーモグラフィカメラ(熱画像計測器)は、センサを構成している画素の表面積は受光面と電極で占められている。一般的に画素ピッチとは、隣り合った画素の受光面と受光面の間隔(電極の幅)のことをいう。画素ピッチが狭くなれば狭くなるほど、画素に占める受光面の割合が大きくなるので、高感度なセンサになる。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

形名(かためい)

(model number) メーカが商品を特定するための番号(文字列)。呼び方はメーカによって型名、型番、品番、型式など様々なので、「モデル番号」というのが無難かもしれない。PCで「かためい」を漢字変換すると型名になるので、「型名」の方が一般的と思われがちだが両者の頻度はほぼ拮抗している。たとえば代表的な計測器メーカの横河電機や安藤電気は「形名」。型を使うのは「型番」「型式」も多い。形名の命名方法は各メーカ独自だが、大体2通り。 1つは番号の羅列で、使う番号が無くなると桁数を増やすやり方。HP(現キーサイト・テクノロジー)が代表で、たとえばデジタルマルチメータの34461Aやネットワークアナライザの8753Dなど。形名の末尾には必ず「A」を付け、改良(大きな性能変更を伴うバージョンアップ)があるとB、C・・と形名を更新するのが同社のやり方(一部例外はある)。同社の旧モデルは機種群によって形名に法則性があり番号を見ただけで機種群や基本仕様がだいだい想像できたが、(番号の枯渇からか)近年は頭にアルファベット1文字を付けている。RF 製品はEやN、安価な基本測定器はUやBだが、その命名法則は不透明で形名から機種群を推測できなくなった(筆者は、同社の年配の営業マンに確認したことがあるが、社員でも法則はわからないらしい)。 2つめはアルファベット(英文字)2文字(か3文字)と数字4文字(4文字以外も時々ある)のケース(アルファベットと数字の間に「-」やブランクがある場合もある)。アルファベットは大文字の事が多く、アンリツのMS2690Aシグナルアナライザ、日置電機のIR4051絶縁抵抗計、リオンのUV-15振動計など。国産メーカは前述のキーサイト・テクノロジーのように数字だけの形名が多かったが、(数字だけだと何かわかりにくいので)頭2文字に機種群が想像しやすいようなアルファベット2文字を付ける形名に変更する傾向がある。たとえば日置電機のIRはInsulation Resistance(絶縁抵抗)の略、エヌエフ回路設計ブロックのWF1974ファンクションジェネレータ(FG)は同社のFGの通称(ニックネーム)であるWaveFactory(ウエーブファクトリー)を略したWFを頭に付けている。 形名のつけ方はメーカの自由だが例外として各メーカ共通の法則が、日本の電源と最近のオシロスコープ(オシロ)にある。たとえばテクトロニクスのオシロスコープMSO3054の05は500MHz、4は4chを表し、ほとんど世界中のオシロの形名の末尾3桁は周波数帯域と入力チャネルを示す。菊水電子工業のPMC18-3は18V/3A仕様で、数字が電圧/電流レンジを表すのは他の国内電源メーカもほぼ同様。キーサイト・テクノロジーの電源形名がこの法則に従えば日本での売上は増える、という笑い話がある。 アンリツの形名の頭は計測事業部門の製品はM、旧電話機事業部門の製品はE(例:EF111Aコールシミュレータ)。2文字目はカテゴリー(機種群)の略でスペアナはS、信号発生器はジェネレータのGである。パワーメータは2文字目がLだが、光通信製品という区分がないので、形名からは光パワーメータ(たとえばML9001A)とRFパワーメータ(たとえばML2437A )は判別できない。同じ電電ファミリーだった競合の通信計測器メーカである安藤電気(現横河計測)の形名はAXyyyyという書式で、Xは機種群を規定する英文字(大文字)で、yyyyは数字である。光通信製品は「AQ2140光マルチメータ」のように、2文字目がQなので、光であることが形名だけで(品名がなくても)一目瞭然である。

可聴周波数(かちょうしゅうはすう)

(audible frequency) 人間の耳で聴きとれる周波数領域(周波数範囲)のこと。聴くことが可能な(=可聴)周波数という意味。健康な若者で、約20Hzから(14kHz~)20kHzの音が聞こえるといわれる。20Hz~20kHzを可聴周波数と呼んでいる(別名:オーディオ周波数、AF:Audio Frequency)。普通の人の会話は100Hz~400Hz。20Hz以下の低周波音を人間は感知できないが、象は15Hzの音が聞こえるらしい。またコウモリは20kHz以上の高い周波数の超音波を発して話している。犬は15Hz~50kHz、猫は60Hz~65kHzと、人とは可聴周波数域が違っている。人の耳が最も敏感な音は2kHz~4kHzで、赤ちゃんの泣き声はこの帯域。加齢に伴って高音側から聴力が低下するため、高い音(モスキート音)を若者は聞きとるが、年配者には聞こえない。年齢とともに近くが見えなくなる(老眼)ように高い音も聞こえなくなるが、本人は聞こえていないことには無自覚なことが多い。 音響機器(オーディオ製品)は可聴周波数をカバーする性能を持っているが、可聴周波数に入らない外側(範囲外)の周波数も重要である。人は可聴周波数内の音を聞いているが、それより下の周波数の振動などを(音ではない感覚で)感じることが知られている。このことは映画などの音響信号の処理に応用されている。最近、音楽に超音波が含まれていると人の心を癒す作用があることや、可聴域より高い周波数の音があると聞こえている音が心地よく感じることがわかってきた。現在のCDはデジタルの規格を作る際に20kHz以上をカットしている(アナログのレコードには上限周波数はない)。

活線(かっせん)

(live wier) 電流が流れている状態の電線のこと。場合(使い方)によっては、反対語(対比)は「停電」になる。点検作業や故障修理などのため、電気がとめられている電線に対して、稼動しているという意味で使われる。 「活線」は英語ではlive wierやlive lineで、「生きている線」である。計測器で電気設備などを測定する場合は、通常は活線ではなく停電にして行う。そのため活線でも測定できる場合は特別にその旨が明記される。たとえば活線メガーは、(普通、絶縁抵抗計は活線では測定しないのに)活線で抵抗測定ができるので、そのような品名(名称)である。PV(太陽光発電)用のメガーは活線メガーといえる(PV絶縁)。 電力系統などの送配電線で、電気を止めずに(大電流、高電圧の状態で)点検・補修作業を行うことを活線作業(live-line working、hot‐line work)という。活線は「生きている、電流が通っている、ホットなライン」である。活線作業で感電する死亡事故がゼロにならないため、各種の団体が作業時の注意を喚起している(全国労働安全衛生センター、 厚生労働省 労働局長登録 教習機関の安全教育センター、経済産業省 産業保安監督部、など)。ビル新築現場において、照明用器具への配線変更工事で、天井内でケーブルを扱って作業をしていた工事員が、活線から停電に切り替えタイミングを誤り、死亡している。つまり送電線などの高圧でなく宅内の低圧でも死亡事故が起きる。 電源を通電状態でメモリなどを抜き差しできるホットスワップは活線挿抜と呼ばれる。 電流が流れている線材をセンサ部分で挟んで電流測定をするクランプ電流計やクランプセンサ(メモリレコーダのアクセサリに多い)やカレントプローブ(オシロスコープのアクセサリ)は、活線でなければ測定できないので(活線であることが大前提というか、当然なので)あえて「活線」などということは一言も説明はされない。計測器はその製品の使い方、つまりなぜその製品があるのかを知っていないと、関連用語を理解するのが難しい。 「活線」は主に、電気工事や電気機器の保守・点検に使われる現場測定器で使われる用語で、オシロスコープやスペクトラムアナライザのようなカテゴリーの計測器では使わない。

活線挿抜(かっせんそうばつ)

(hot swap) 装置の電源を入れたまま、その装置を脱着することのできる方式。通信機器やサーバ・ルータの電源などで電源装置を2重化(冗長構成)して、もし故障した場合は、運用中(通電中)のまま故障した電源装置を交換できる方式のこと。(株式会社高砂製作所の用語集より) IT(コンピュータ)用語で、ホットスワップとは、機器の電源を落とさずにメモリなどの内部機器を交換(抜き差し)できることをいう。活線とは「電流が流れている電線など」のことだが、「活線挿抜」は「機器が通電状態である」ことの意味で活線ということばが使われている。

活線メガー(かっせんめがー)

通電状態で使用できる絶縁抵抗計。通電状態を活線といい、メガーは絶縁抵抗計の別称。外観はクランプ電流計のような物が多い。以下に代表的なモデルを紹介する。 マルチ計測器の「クランプ式活線絶縁抵抗計 MLIT-1」のキャッチフレーズは「世界初、モータや機器・電路の絶縁抵抗(MΩ)を活線状態で高精度に測定」である。またAC 漏れ電流の測定器3モデル(IRVシリーズ)も活線状態で絶縁測定ができるので活線メガーの1種といえる。三和電気計器の「Ior※リーク・クランプメータ I0R500」は別名「活線メガー」と称している。日置電機の「Iorリークハイテスタ 3355」は概要(特長)として、「絶縁抵抗計で不可能だった活線メガー機能搭載」とある。株式会社イチネンTASCOの型番TA452MLは「クランプ式活線絶縁抵抗計」である(現在は生産中止)。 このように製品の品名は「活線絶縁抵抗計」はあるが、「活線メガー」は少ない。また「活線」が品名に無いモデルも多く(I0r測定器など)、活線で測定できる機能があるかどうかは仕様を確認しないとわからないことが多い。 ※ Iorは「有効漏洩(ろうえい)電流」で、アイゼロアール読む。表記はI0rやI0Rなどメーカによって不統一。現場測定器を豊富にラインアップする三和電気計器の製品形名はI0Rだが2文字目は数字のゼロ「0」と思われる。IorやI0rの2文字目はアルファベットのオー(「o」、「O」)と間違いやすい。

カップラ(かっぷら)

(coupler) マイクロ波で、信号と信号を結合させる機器。日本語では方向性結合器だが、マイクロ波の機器(部品)としては「カップラ」や「カプラ」という表現がされ、カップラはすでに日本語といえる。 キーサイト・テクノロジー、アンリツなどがつくっている。 高周波の通信の1種である光通信で、信号を結合させる機器を光カプラやフォトカプラ と呼称する。

過渡回復時間(かとかいふくじかん)

(transition recovery time)電源装置の負荷電流の急変に対する出力電圧の瞬間的な影響度を表わすもの。定電圧電源において急激な負荷電流変動時に、設定した定電圧状態に回復する時間。出力急変に対し定常状態に回復する時間の指標。「過渡回復」と略したり、「過渡応答時間」ともいう。応答速度が速いといくつかの利点がある。(株式会社高砂製作所の用語集より)

過渡現象(かとげんしょう)

(transient phenomena) ある定常状態から別の定常状態に移るまでの現象(電圧・電流などの時間的な変化)。電流や電圧が安定ではなく不安定な期間が過渡で、この時の現象(電圧や電流などの振る舞い)を過渡現象と呼ぶ。電気回路にコイル、コンデンサがあると起こる。過渡現象は過渡応答とも呼ばれる。 コンデンサ(静電容量)が充電や放電をするときは過渡期間である。回路のスイッチをONにして電圧を印加する(電流を流す)とコンデンサの両端の電圧が規定の電圧になるには、短時間ながら時間がかかる。CR回路(抵抗RとコンデンサCが直列接続した回路)に電池をつなぐと、コンデンサには瞬時に電圧が蓄えられるわけではなく、ある時間をかけて電圧が規定値に達する。この所要時間はRC(秒)で、これを時定数と呼ぶ。 電気工学の基礎理論で、「過渡現象」だけで1冊の解説書があり、工学系の学校では、電気・電子工学の科目に「過渡現象」がある。 「過渡現象:電源では、出力のON/OFFなどで状況が急変した場合に、一定期間LCR成分などの関係で独特の電圧と電流の乱れが生じる現象(計測用電源メーカ、高砂製作所の用語解説より)。 英語のtransientは「一時的な」という意味で、日本語では「単発」や「過渡」という熟語が使われる。計測器の名称にも「過渡」や「トランジェント」を使うモデルがある。障害試験器にはファストトランジェントバーストジェネレータという品名のモデルがある。

可変アッテネータ(かへんあってねーた)

(variable attenuator) 減衰量を可変できる抵抗器のこと。別名、可変抵抗減衰器やステップアッテネータとも呼ばれる。RFではアッテネータ、低周波では減衰器という品名が多い傾向があるが、明確な定義はない。

可変抵抗器(かへんていこうき)

(variable resistor) 抵抗の値を変えられる測定器。アナログ的に可変する摺動抵抗と桁ごとの値をダイヤルで決めてデジタルな設定をするダイヤル式可変抵抗器がある。可変せず、正確な精度の抵抗値を保つのが標準抵抗器で、標準器として使用される。 当サイトのカテゴリーでは可変抵抗器や標準抵抗器は「電圧・電流・電力測定器」の中の「抵抗器」に分類している。 計測器情報:可変抵抗器の製品例