計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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X線検出器(えっくすせんけんしゅつき)

X線の強度、流束、空間分布、エネルギースペクトルなどを測定する光検出器。(フィッシャー・インストルメンツの膜厚測定、素材分析、材料試験、表面特性解析に関する用語集より)

XYモード(えっくすわいもーど)

ほとんどのアナログオシロスコープに備わっていた機能の1つ。デジタルオシロスコープでもマニュアルに「時間軸 Y-T モードをX-Y モードに変えると,リサジュー図形が表示される」などの記述がうかがえる。オシロスコープは通常は時間変化を観測するが、2つの信号の位相差を測定したい(波形表示させたい)ときに使われる。通常、水平軸にはオシロスコープ内部の信号を時間軸信号として使っているが、XYモードでは位相差を観測したい2つ目の信号を水平軸に入力できる。時間観測以外のオシロスコープの測定手法の1つである。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には「XYモード:1つの入力信号を垂直軸システムに、もう1つの入力信号を水平軸システムに入力し、2つの電圧をX軸、Y軸の両方に表示させる測定方法」とある。 参考用語:リサジュー、オービット 参考記事:デジタルオシロスコープの基礎と概要 (第1回)・・冒頭の歴史の箇所で、アナログオシロスコープがCRT(ブラウン管)に垂直偏向電圧と水平偏向電圧をかけることで描画する構造であることが示されている。

X-Yレコーダ(えっくすわいれこーだ)

X軸とY軸の2つに電圧信号を入力し、その相互関係の波形を記録するレコーダ。二次元で表現すると判りやすい現象を記録するのに適していて、1950年代に登場した。現在はレコーダをラインアップする主要な計測器メーカは生産していない。

エッジAI(えっじえーあい)

(edge AI)携帯電話などのエッジデバイスでAI処理を行い、クラウドとの通信を減らし、有限な無線リソースを最適に使うという発想(取組み)。AIは主にネットワークにつながったコンピュータに導入されているが、エッジデバイスから全ての情報をコンピュータに送るのではなく、エッジに搭載されたAIで必要な解析を行い、最低限の必要なデータをアップロードしてネットワークのトラフィックを軽減する、という仕組み。 5Gの普及に伴いNTTやauなどのキャリア各社は、単一のネットワークインフラを仮想的に分割し(スライシング)、多様なニーズや用途に応じたサービスを提供できるように、ネットワークスライシングを進めている。ソフトバンクはエッジAIを、最適な無線環境構築の有効な一手として検討している。たとえばエッジAIカメラの携帯電話への実装などである。「ソフトバンクとコニカミノルタ、AIやIoTを活用した映像・画像解析領域で戦略的協業に合意~ニーズや用途に応じて最適なAIモデルやデバイスを利用可能に~」(2022年4月7日、ソフトバンクHPのプレスリリースより)。

エッジトリガ(えっじとりが)

(edge trigger) オシロスコープ(オシロ)のトリガの種類(トリガタイプ)で最も基本的な(1番目の)トリガ。対象とする測定信号(トリガソース)の波形の傾き(信号が増減するスロープ)に着目して、電圧が何V(ボルト)になったら(トリガレベル)、トリガをかけるのか(画面に波形を表示するのか)、を条件にする。信号の値(電圧値)が増加しているときと、減少しているときの2通りの状態(波形が傾いているスロープ)で設定ができる。このスロープは信号がH(ハイ)やL(ロー)の一定な電圧値で安定している状態ではなく、HとLが遷移する信号波形(パルス)の端(はじ)の短時間の箇所なので、エッジ(edge)と呼ばれる。「エッジの電圧値(トリガレベル)を指定してトリガ点(トリガのタイミング)とする」ため、エッジトリガと呼ばれる。 1950年頃にオシロにトリガ機能が開発され、連続した信号以外の単発現象などを安定して表示して、波形観測ができるようになった。そのときからエッジトリガは使われている。つまりトリガといえばエッジトリガである(当時はエッジトリガ以外のトリガタイプがなかったのでこのことばは後に生まれたと推測される)。当時はアナログオシロスコープしかなかったので、電圧の値というアナログ的な特長を捉えて、水平掃引を同期して波形表示を開始した。現在のデジタルオシロスコープはトリガに無関係にメモリにデジタルデータを蓄積しているので、トリガはメモリのデータを画面に表示するきっかけで、トリガ以前の波形(プリトリガ)の表示も容易である。またロジックデータを比較してトリガをかけるなど多彩な種類のトリガを装備している。 電子機器の試作品が完成したときに、設計した仕様通りに電子回路が動作しているか確認する(デバッグ)さい、エッジトリガを使って検証することは、オシロの基本的な使い方の初歩である。

HEV(えっちいーぶい)

(Hybrid Electric Vehicle)ハイブリッド電気自動車。HVという表記もある。xEVと呼称される、電動車の1種。参考記事:電動化システムの主要技術と規制動向~進展するxEVの現状と今後・・・記事の後半で各種のxEVについて解説。 参考記事:電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向・・・テクノフロンティア2021で展示された中国の格安EV、「宏光EV mini」についてレポート。

HMD(えっちえむでぃー)

(Head Mounted Display)頭部装着ディスプレイ。両眼に覆いかぶせるように装着する、ゴーグルやヘルメットの形をしているものが多い。バーチャルリアリティ(仮想空間)やゲームなどで普及した。

HC計(えっちしーけい)

試料ガスに含まれる炭化水素(HC)の濃度を測定・分析する機器。(=炭化水素計)

HD(えっちでぃー)

(High Definition)直訳は「高精細度」。テレビの画面サイズの1つ。従来使われてきた映像方式は標準画質SD(Standard Definition)だが、アナログ地上波から地上波デジタル放送になるときにHDに変わった。

HDR(えっちでぃーあーる)

(High Dynamic Range)従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べてより広い幅の明るさを表現できる技術。

HDMI(えっちでぃーえむあい)

(High Definition Multimedia Interface) 家電やAV機器向けの映像・音声のデジタル・インタフェース規格。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を送受信する。PCとモニタとの接続にも採用が進んでいる。

HDD(えっちでぃーでぃー)

(Hard Disk Drive)パソコンやテレビの記憶媒体として普及した記憶装置。それまでのテープによる記録に対して、HDDはディスク(お皿)にヘッドを当てるので書込み・読出しが格段に速くなった。PCにつなぐ外部記憶装置として普及したが、現在はSSDに置き換わろうとしている。計測器にも内部メモリとして採用された。ただし衝撃による故障リスクがあり、データレコーダなどの一部の計測器には採用されなかった。屋外で使用することが多いデータレコーダは記憶媒体としてのテープが生産中止となったこともあり主要計測器2社(SONYの関連会社とTEAC)が生産中止した。ところが10年のブランクをおいてTEACはSSDなどの新しい記憶媒体の採用でデータレコーダの新製品を発売した。

HDTV(えっちでぃーてぃーぶい)

High Definition TeleVision の略(=高精細度テレビ)。走査線の数を多くして鮮明な映像を実現したテレビジョン放送。

HDU(えっちでぃーゆー)

(Head-Up Display)活用例の1つが自動車のフロントガラスに像を投影させること。戦闘機パイロットが前方を見たまま情報を得るために開発された技術。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とは別。

HP-IB(えっちぴーあいびー)

(Hewlett Packard Interface Bus)計測器の自動計測を目的として、HP(現キーサイト・テクノロジー)がコンピュータと計測器を接続するためのインタフェース仕様として開発した。後に正式な規格として認証され、現在のGP-IB(General Purpose Interface Bus)の元となった。今ではHP-IBという呼び方はほとんど聞かないが、HPが計測器の世界的No.1メーカであり、最先端の開発をしていたことを伺わせる。

HPF(えっちぴーえふ)

(High Pass Filter)特定の周波数以上の信号だけ通過させるハイパスフィルタ。HPFの略記で測定器や文献に記載される。フィルタにはほかにLPF(ローパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)、BEF(バンド阻止フィルタ)がある。用語「フィルタ」に図解があるので、参照されたい。

HV(えっちぶい)

(Hybrid Vehicle)「ハイブリッド自動車」という呼び方で普及している、モータ搭載のエンジン車。エンジンとモーターの2つの動力を効率的に使い分け、もしくは組み合わせることで低燃費を実現している。HEVという表記もある。xEVと呼称される、電動車の1種。参考記事・電動化システムの主要技術と規制動向~進展するxEVの現状と今後:記事の後半で各種のxEVについて解説。 ・電動化の進展~カーボンニュートラルに向けた動向:テクノフロンティア2021で展示された中国の格安EV、「宏光EV mini」についてレポート。

HVDC(えっちぶいでぃーしー)

(High Voltage Direct Current) 直訳すると「高電圧 直流」だが、「高圧直流送電」、「高電圧直流給電」のこと。通常、電力の送電は世界中で交流だが、近年、直流で送電したほうが効率が良いことから注目されている。電力を多く消費するデータセンターでは直流で駆動するコンピュータに(ACからDCに変換しないで)直接DCを供給するやり方が検討されている。

エナメル線(えなめるせん)

金属導体の上にワニス(絶縁皮膜)を焼き付けた線材。電気・電子部品等に使用される。半田付けが可能。主に磁力を発生させる目的で鉄芯に巻いて電磁石にする。コイルやトランスにもなるため、インダクタともいえる。

NICT(えぬあいしーてぃー)

(National Institute of Information and Communications Technology) 「国立研究開発法人 情報通信研究機構」。情報通信分野を専門とする日本で唯一の公的研究機関。JAXA(宇宙航空研究開発機構、ジャクサ)と同じく総務省が所管する、「研究開発の最大限の成果の確保」を目的とする「国立研究開発法人」である。 総務省が2020年から推進しているBeyond 5G(5Gの次、つまり6Gのこと)の研究などを行っているが、味覚センサ(バイオセンサ)の研究などもしている。 本部は東京都小金井市(JR中央線の武蔵小金井駅と国分寺駅の中間で線路より北側)だが、複数の事業所がある。たとえばワイヤレスネットワーク研究センターはNTT DoCoMoの研究部門がある横須賀リサーチパーク(YRP)内にあり、HAPS(携帯電話の基地局を高高度を飛ぶ無人飛行機に搭載し、従来より広範な移動体通信をする仕組み)などを研究している。 略語であるNICTの正式な読み方は「エヌ・アイ・シー・ティー」だが、世間では「ニクト」や「情報通信機構」と呼称されることも多い。