計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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SNR(えすえぬあーる)

Signal to Noise Ratioの略で、日本語では「信号対雑音比」。S/N、SN比、S/N比などの表記もある。S/NやSNRという表記は、信号対雑音比という記述よりも多く見かける。低周波から高周波まで、アナログ回路の一般的な性能指標として、計測器だけでなく音声、画像、通信など多くの分野で使われている。計測器はRFで良く出てくる。単位は無次元で、dBで示すことが多い。

SN比(えすえぬひ)

(Signal to Noise Ratio) 設定感度における規定出力とノイズとの比。デシベル(dB)で表す。デシベル=20log10((2x出力電圧)/雑音電圧)。log10:常用対数。(ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所の「測定器の概要と主な用語」より) S/NやSNRという表記も良く見かける。日本語では信号対雑音比だが、この表記の頻度は少ない。

SMA(えすえむえー)

(Sub Miniature Type A) 高周波で使われるコネクタ。和訳すると「超小型のタイプA」。RFなどの無線通信で使われるN型コネクタより上限周波数が高い(~22GHz)のでマイクロ波の機器に使われる。3.5mmコネクタと互換性があり安価なために有線通信の計測器でも良く使われる。SMAコネクタは同軸コネクタで、SMAケーブルはスペクトラムアナライザやネットワークアナライザなどでも接続用の同軸ケーブルとして使われている。 SMB(超小型のタイプB)もあり、こちらはプリント基板に実装されることが多い。SMAと同じく高周波の通信に使われる。

SMD(えすえむでぃー)

(Surface Mount Device)日本語では「表面実装部品」。DIPやSOPのように端子がピンのパッケージ形状ではなく、端子面を直に基板に実装するタイプの部品のこと。一般の電子部品は基板に空いた穴に部品の端子(ピン)を入れてはんだ付けするが、SMDはピンの端子が無い。チップ部品を指していることが多い。

SMPTE(えすえむぴーてぃーいー)

全米映画テレビジョン技術者協会(SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers)、またはSMPTEが制定した映像関連の規格。

SMU(えすえむゆー)

(source measure unit) ソース・メジャー・ユニット。電圧電流発生(ソース)機能と測定(メジャー)機能の両方がある計測器。電流と電圧を供給し、同時に高速・高確度で電流、電圧、抵抗を測定する。電子部品や半導体デバイスのI-V特性などの評価に使われる。 ISVM(電流を印加して電圧を測定)やVSIM(電圧印加電流測定)の機能がある。電源(電流源、電圧源)とデジタルマルチメータ(DMM)だけでなく、オプションでファンクションジェネレータ、オシロスコープ、電子負荷、パルスジェネレータなどが揃うモデルもある。キーサイト・テクノロジーやケースレーは半導体パラメータアナライザというSMUを装着して使える測定器があり、高精度の測定器群を同期して使える。SMUは電圧電流源&メータなので、カテゴリーはDMMと同じ「電圧・電流・電力測定器 」に区分されるが、アプリケーションは電子部品や半導体デバイス評価である。一般にSMUというと、外観は据え置き型のDMMで、筐体にSMUを装着して使うモデルと、分離できない一体型のモデルがある。一体型モデルは「直流電圧電流発生器(/モニタ)」の品名が多い(エーディーシーや横河計測)。ケースレーは「ソースメータ」や「ソース・メジャー・ユニット(SMU)」と表現している。キーサイト・テクノロジーは「ソース/メジャー・ユニット」や「ソース/メジャメント・ユニット」と品名を表記している。 参考記事:高精度な電子部品の評価に貢献するSMU〜エーディーシー6253直流電圧・電流源/モニタ

SG(えすじー)

2つ意味がある。 1.Signal Generator の略記。「標準信号発生器」や「信号発生器」など使われる場面によりSGが何を指しているかは様々。主にRF帯域の高周波の発生器を指していることが多いが、低周波でもSGと略記されることもある。FG(ファンクションジェネレータ)やPG(パルスジェネレータ)なども総称して「信号発生器」と呼ばれるので、FGのことをSGと略記していることもある。信号発生器は低周波からRFまで周波数に無関係に使われる単語なので、注意が必要。低周波では「信号発生器」より「発振器」と呼ぶこともある。たとえばRC発振器など。ただし電流電圧発生器は、高周波ではないが発振器(oscillator)でなく発生器(generator)である。 2.Signal Groundの略記。信号のグランド。信号線とペアになるグランドラインのこと。プリント基板ではSGとPG(パワーグランド)は使い分けて設計される。 「SGというとRFの信号発生器をさしている」という解釈で、本用語集ではカテゴリー「信号発生器(通信)」にしている。

SCコネクタ(えすしーこねくた)

光通信に使われる代表的な光コネクタ。単芯で、コネクタ外観は角形。青色をよく見かける。差し込んでクリック音とともに嵌合する。1980年にNTTが基幹通信網に光を導入した際の主流はFCコネクタだった(シングルモード、波長1310/1550 nmを中心に)。現在もそれは続いているが後に開発されたSCコネクタを標準にしている機器も現在は多い。たとえば光通信用の計測器も標準をSCコネクタにしている。

SWR(えすだぶりゅあーる)

(Standing Wave Ratio) 電圧定在波比の略記。文献などでは電圧定在波比よりもSWRと記載されることが多い。 参考用語:定在波

SWP(えすだぶりゅぴー)

掃引時間(掃引速度)の略記。オシロスコープやスペクトラムアナライザなどの表示にSWPと表記されることがある。「SWeeP time」か「SWeep Speed」の略記と思われる。

STamigo(えすたみーご)

米国の大手計測器メーカTektronixの日本法人であるソニー・テクトロニクスが、1990年代に行ったイベント(販売施策)の名称。「STamigo™ エスタミーゴ」と表示(印刷)されたデジタルオシロスコープTDS300/Pシリーズのカタログ(1998年8月発行)が残っている。鳥のキャラクターデザインを使っている。1990年代初頭まで同社は直販が主で、営業マンを「フィールド・エンジニア」(顧客に製品の説明を行う技術者)と位置づけていたが、間接販売に大きく転換し、1993年頃から始めた「販売チャネルの開拓」がSTamigoと思われる(30年前のため実態は不明)。 呼称はSTamigo(スタミーゴ)ではなく、「S(エス)Tamigo(タミーゴ)」。amigoはスペイン語で「友達」だがTamigoの意味は不明。「ST(ソニー・テクトロニクス)amigo(友達)」の略記かもしれない(あくまで推測)。 ハンドヘルドのデジタルマルチメータ、WaveMeter STA55(STA55G型、STA55H型)の製品カタログ(1994年発行)のトップページには、メーカ名の「ソニー・テクトロニクス」とSTamigoの表記があり、最後のページの一番下に小さな字で、次の但し書きがある。「STamigo(エスタミーゴ)は、記載されているソニー・テクトロニクス(株)製品の販売店の総称です。」 中古販売サイトに出品されたWaveMeter STA55Gの写真には、型名(※)の近くにSTamigoと印刷されている。製品には当時のソニー・テクトロニクスの企業ロゴである「SONY tektronix」の表示があり、表示部の下には「計測器ランド」とある。計測器ランドは秋葉原にある大手計測器販売会社の「東洋計測器」の店頭販売(ショップ)の名称である。 (※) ソニー・テクトロニクスは製品のモデル番号を形名ではなく型名と表記している。「MSO4104型」というような表現がホームページや資料にされていることがある。つまり、モデル番号を「○○型」(○○は形名)と表現する。この表記方法がソニー由来かは不明。たとえば横河電機はモデル番号を形名というので、横河関連会社は自然とそれに倣っている。たとえば横河電機が計測器を分社化した横河計測は、モデル番号を形名と表記している。形名と型名は、どちらが正しいということはない(以下の参考記事「計測器の形名」が詳しい)。 1990年代にテクトロニクスが発売したハンディDMMのSTA55シリーズを中心に、販売会社の名前を印刷したモデルをつくり、販売店が売るという、ソニー・テクトロニクスの「新規販売店募集キャンペーン」がSTamigoだったと推測される。STA55シリーズは販売店専用のモデルだったかは不明(型名がSTamigoと類似している)。2019年10月に当サイトに「STA55GとSTA55Hのカタログを探している」という問い合わせがあった。つまり、STA55シリーズはそれなりに販売実績があったと思われる。STamigoの対象モデルや、計測器ランド以外の販売実績などは不明。 上記の中古販売サイトとは別のECサイトには「製造元:SONY Tektronix、商品名:STA55G STamigo WaveMeter」と表記された商品がある。製品に印刷された表記を忠実に(余すところなく)転記して、メーカ名と形名を表記している。この商品には販売店の会社名が印刷されていない(つまり販売店経由でなく販売された物もあることを意味する)。計測器を収納するソフトケースには「STamigo」と書かれて、まるでSTA55Gの通称のようである。 また「TDS380P STamigo TWO CHANNEL DIGITAL REAL-TIME OSCILLOSCOPE 400MHz 2ch 2GS/s」と表記された商品もある。これも現品の表記を忠実に再現して、「メーカ名・形名・品名・仕様」の順番に並べたことが写真からわかる。つまり、TDS380PにはSTamigoの表記があるが、販売店名が印刷されていないモデルが流通している。TDS340APやTDS360PもSTamigoと表記された商品が中古計測器販売サイトにあるので、TDS300/PシリーズのSTamigoはそれなりに売れたモデルと思われる。中古サイトの製品写真を見る限りは、TDS300/Pシリーズには販売店名の表示はない。 「希少 STamigo STA36 DMM」という商品の情報がネットにある(オークション開始日2021年12月、落札価格2100円)。製品の写真から推測すると、STA55の下位モデルと思われる。製品にはSTamigoとSTA36はあるが、販売店の表記はない。 オークションサイトに「工具セット(ツールセット 電工)ソニーテクトロニクス レア 珍品」なる商品の公開履歴がある。アタッシュケース状の黒いソフトケースを開くと工具セットになっていて、ドライバーなどに「STamigo by SONY/TEKTRONIX」と印刷されている。STamigoの粗品(キャンペーンの賞品?)であろうか。 断片的ではあるがSTamigo商品(施策? イベント? キャンペーン?)の実態が、当時の製品カタログやネット商品の製品写真(2024年1月現在)から推測される。

SDI(えすでぃーあい)

(Serial Digital Interface)業務用映像機器で使われている高速シリアル・インタフェース規格。1本の同軸ケーブルでデジタル映像信号とデジタル音声信号を送る。BNCコネクタなど、アナログ映像信号の既存の伝送インフラを利用してデジタル化した。

SDH/SONETアナライザ(えすでぃーえっちそねっとあならいざ)

SDH(Synchronous Digital Hierarchy)は1988年にITU-Tが制定した国際標準のデジタル伝送規格。日本では1990年代に「新同期網」と称して基幹通信網に導入された。SDH装置を開発するメーカ(NEC、富士通、沖電気、日立製作所など)はアンリツか安藤電気のSDHアナライザで試験を行った(NTTは電電ファミリーの通信機器4社に装置を発注し、同じく電電ファミリーのアンリツと安藤電気に計測器をつくらせた)。 SONET(Synchronous Optical NETwork)規格はほぼSDHと同等。SDHアナライザはSONETにも対応できるモデルが多く、SDH/SONETアナライザと称した。2000年頃まではキーサイト・テクノロジー、Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、テクトロニクスなどの海外計測器メーカもつくっていたが、現在はほぼ生産中止。HP(現キーサイト・テクノロジー)の37718A OmniBER コミュニケーション・パフォーマンス・アナライザは可搬型の1筐体で2.5Gbps (OC-48/STM-16) まで対応していた。 SDH/SONETはデジタル信号を多重するための国際標準で、各国が共通規格になることで、海外との通信を効率化した。SONET で使用するフレーム形式STS(Synchronous Transport Signal、同期転送信号)は、STS-1(51.84 Mbps、OC-1)をベース信号としている。SDHのフレーム形式STM(Synchronous Transport Module、同期転送モジュール)はSTM-1(155.52Mbps、OC-3)がベース。OC-n(Optical Carrier)はANSI(米国規格協会)が標準化したデジタルハイアラーキ(SONET)の伝送レートで、51.84MbpsをOC-1と呼び、そのn倍をOC-nと表記。 1990年にNECや富士通などがNTTにSDH装置を納品する際、限られた試験期間に複数台のSDHアナライザを使用するには(計測器は高額だったので)レンタルしかなかった。計測器レンタル各社にNECなどからほぼ同時期に複数台のレンタル依頼があり、各社は大口引合に右往左往した。億円単位の投資をしたレンタル会社は、その後SDHアナライザの不良資産(一度だけ貸し出したが、その後倉庫に鎮座し不稼働品となり、投資額を回収せず売却や廃棄など、未回収で終わる)を抱えることとなった。レンタル会社の購買部門が目利きを誤り、赤字商材を買ってしまった例である。 キーサイト・テクノロジーはE1676B(マルチレートSONET/SDHアナライザ)、E1669B(SONET/SDH 1550 nm光インタフェースTX/RX)などのSDH/SONET製品があったが、今はほとんど生産終了していて、SDH/SONETアナライザはない(2023年現在)。アンリツのホームページにはトランスポート関連測定器のOTN/SDH/SONET関連測定器のページに掲載されている「ネットワークマスタ プロ(MT1000AやMT1040A)」が唯一、SDH/SONETが測定可能なモデルとして残っている(2023年現在)。つまり、SDH/SONETアナライザは1990年頃に登場し、大いに活躍した通信の花形製品(メーカ価格は約1千万円/台の高額製品)だったが、現在ではほとんどその名を聞くことはない。SDH/SONETは現在も通信網で運用されている規格(装置)だが、アナライザは過去のものとなった(NTTの通信回線の保守をする部署・会社ではアナライザを設備保有している)。

SDRAM(えすでぃーらむ)

(Synchronous DRAM)内部的には、従来のDRAMと同じだが、外部バスインタフェースとのアクセスが一定周期のクロック信号に同期してデータを出力するように改良されたDRAM。クロック同期することにより、高速アクセスが可能となった。66MHz、100MHz、133MHzなどがある。ICEのリアルタイムトレースでは、この同期アクセス方法を解析して、ニーモニック表示を実現している。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)

Sパラメータ(えすぱらめーた)

(Scattering parameter) 高周波回路では、低周波回路のように電圧や電流を測定することはほとんど不可能であるために、電圧や電流に代わる別な量として電力を取り扱う。そこで回路に入って行く電力と、回路から出てくる電力を関係付けることができれば、高周波でも回路網をブラックボックス(暗箱)として取り扱うことができる。回路網の各端子対(ポート)に対する入力電力および出力電力に関する、波の大きさと位相によって、回路の特性を規定したものがSマトリクス(散乱行列,Scattering matrix)で、Sマトリクスの各要素をSパラメータと呼ぶ。 ネットワークアナライザ(ネットアナ)の測定原理の基本である。ネットアナにはSパラメータテストセットなどのアクセサリがある。

Sパラメータテストセット(えすぱらめーたてすとせっと)

ネットワークアナライザ(ネットアナ)と併用するアクセサリ。Sパラメータはネットアナの測定原理の基本で、測定には必須のアクセサリ。対応する周波数や、2ポート用、4ポート用、メス/オスのコネクタ形状によっていくつものモデルがあり、DUTとの接続方法によってモデルを選んで使用する。 計測器情報:Sパラメータテストセットの製品例

SPI(えすぴーあい)

(Serial Peripheral Interface) コンピュータ内部で使われるデバイス同士の通信に使われる規格の1種。モトローラ社によって提唱されたコンピュータ内部で使われる低速シリアル通信で4本の信号線を使ってデータを伝送する。 参考記事:自動車ECUのインターフェイス・・ECU内部で使われるSPIやI2C、情報系のLVDSなどを概説。シリアル通信についてはCAN、LINから最近のPSI5まで解説。

SPIフラッシュ(えすぴーあいふらっしゅ)

SPI(Serial Peripheral Interface)フラッシュは、シリアルバスによる通信方式モードを採用したNOR型フラッシュメモリ。SPIモードは、モトローラ社が提唱した方式で、3本または4本の信号線で構成され、数十Mbpsの通信を行うことが可能。従来のパラレル通信では数十本必要だった信号線が、SPI通信では3本または4本で構成されるため、小型かつ低消費電力が可能で、また容量拡張する場合も基板の設計変更が必要ないため、現在では電子機器に広く採用されている。 近年登場したQuad SPIフラッシュは、Single/Dual/Quadモードをサポートし、Quadモードでは1クロックで4bitを1度に送信するため、通常のSPIフラッシュの4倍の高速通信が可能。対応するROMライタの例としては東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーのオンボードプログラマAF9201は、Quadモードの高速書込みを利用できる。(同社の「書込みやプログラマに関する用語集」より)

SVC(えすぶいしー)

(Static Var Compensator) 電気工学の電力分野の用語としては「無効電力補償装置」のこと。重電メーカが作っている受変電設備の1つ。変電所から需要家(工場や家庭などの電気のユーザ)までの配電線の電圧降下を補い、電圧を一定に保つ機能を担う。コンピュータのOSや、画像圧縮の分野でもSVCという用語がある。

SRAM(えすらむ)

(Static RAM)「スタティックラム」とも呼ばれる。ラムランダムにアドレスを指定して読み書きすることが可能なメモリ。電源を切ってしまうとデータが消えてしまう揮発性記憶デバイス。比較的に高速(最高数ns)にアクセスでき、DRAMのようなリフレッシュ機能がいらない分、ユーザボード上の回路が簡単に構成できる。構造上DRAMに比べてトランジスタが多く必要なため価格が高め。近年SDRAMなど、高速で低価格なデバイスが多く用いられるようになってきている。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)