計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
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イニシャル測定(いにしゃるそくてい)

ひずみ測定器メーカである株式会社東京測器研究所のデータロガーには、測定値の処理方法として3つの測定モード(ダイレクト測定、メジャー測定、イニシャル測定)がある。イニシャル測定:ひずみ測定では、無負荷の状態でも初期不平衡値(初期値またはイニシャル値とも言う)がある。この値を測定して記憶すること(同社の「測定器の概要と主な用語」より)。

イノベーション・ジャパン~大学見本市(いのべーしょんじゃぱんだいがくみほんいち)

(Innovation Japan) 大学や研究機関の展示会。主催:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(JST)。大学や公的研究機関、ベンチャー・中小企業等から創出された研究成果を展示し、技術移転の促進や、実用化に向けた産学連携のマッチング、ビジネスマッチングを促進するイベント。毎年8月末に東京ビッグサイトで開催され、2020~2022年はリアル展示は中止(コロナウイルス蔓延による)、2021/2022年はオンライン開催された。2023年の第20回は、「大学見本市2023~イノベーション・ジャパン」の名称で8月24日(木)、25日(金)に対面開催される(リアル展示会)。 大学の取材は2017年11月の計測展などでも行い、記事にしている。 参考記事: 【展示会レポート】SCF 2017 /計測展 2017 TOKYO 大学特集(Part1) ・・東京工業大学(SRモータ)、長岡技術科学大学(自動車用 急速充電器)、電気通信大学(ホワイトリスト式サイバー攻撃検知)、慶応義塾大学(ネットワーク学習支援ロボット) 【展示会レポート】SCF 2017 /計測展 2017 TOKYO 大学特集(Part2) ・・新潟大学(MEMS非接触型液体センサ)、神戸大学(サブサーフェスイメージング)、三重大学(巡回監視ロボット)、神奈川工科大学(計測器の新しい校正方法) 【展示会レポート】MWE 2017 マイクロウェーブ展(会場:パシフィコ横浜) ・・東京工科大学(電磁波伝搬解析・実測)、埼玉大学(フィルタとアンテナの一体化、フィルテナ)、国士舘大学(高周波電磁界可視化センサ)

イベント(いべんと)

(ivent) iventには出来事、行事、事象などの意味がある。 1. 行事 計測器メーカのホームページにはイベントのページがある。展示会への出展やセミナー開催情報が掲載されている。自社イベント(プライベート・ショー、個展)も含めた、展示会やフォーラム、カンファレンスなどの行事をイベントと称している。 2. 事象 計測器では、「信号の電圧が増加していき○○ボルトに達した」、「アドレス○○をアクセス(リードまたはライト、つまり読み書き)した」などの特定の事象をイベントという。オシロスコープの標準機能であるトリガは、使用者が補足したいイベントを設定して、対象とするイベントの信号波形を画面に表示させることである。「BイベントでBトリガをかける」などの表現がされる。ICEの機能であるイベント/ブレークポイントは、使用者がイベントを設定して、イベントが発生したプログラムの箇所(ポイント)でプログラムの実行を止める(ブレーク)ことである。信号発生器にはイベント入力という機能がある。このように計測器ではイベント関連の用語が頻繁に使われている。名称に「○○イベント」や「イベント△△」という表示がある計測器も少なからずある(以下の計測器情報を参照)。

イベント入力(いべんとにゅうりょく)

信号発生器のシーケンス機能との組合せで使用される機能。イベント入力信号(TTLロジック信号)を受け取ると、信号発生器は指定された波形またはパターンにジャンプする。イベント動作はトリガ動作に似ているが、サンプリング動作しているかが異なる。トリガ動作はサンプリングを停止してトリガ信号を待つのに対して、イベント動作はサンプリングを作動させながらイベント信号を待つ。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)参考用語: シーケンス・エディタ、 シーケンス・リピート・カウンタ、 グラフィック・エディタ、 統合エディタ

イベント/ブレークポイント(いべんとぶれーくぽいんと)

(event/break point)ICE(マイコン開発支援装置)の機能の1つ。トップベンダーだったソフィアシステムズ(現Sohwa&Sophia Technologies)の用語集には次の解説がある。イベント/ブレークポイント:CPUにこの機能が内蔵されている必要がある。イベントとは、「ある番地を通過した」、「あるアドレスをアクセス(リード/ライト)した」などの現象を言う。この現象(イベント)が発生した時にブレークする事が出来る。これをイベント/ブレークと呼んでいる。当社ICEではトレーストリガ機能があり、CPUに依存することなくアドレスに対する多様なトリガ設定を提供している。当サイトとして補足説明すると、「ブレーク」とはプログラムの実行(進行)を止めること。イベントが発生したプログラムの箇所(ポイント)でブレークして、このポイントでこのイベントが起きることがプログラムの正常な動作か、を確認できる機能がイベント/ブレークポイントである、ということ。そしてこの機能はデバッグのためには重要な、便利なICEの機能である。

イミュニティ(いみゅにてぃ)

(immunity) 使用している機器や装置が、外部からの妨害波(静電気放電、雷、無線局、各種機器、システムからの雑音など)によって、性能が劣化することなく耐えることができる能力のこと。 本来の意味は「免疫性」。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より) 別名、EMSとも呼ばれる。

イミュニティ試験(いみゅにてぃしけん)

その装置が、他の装置が発する電磁波妨害や電源環境の異常な状態に対し各種基準に適合するかの試験。(株式会社高砂製作所の「交流電源」用語解説より) イミュニティはEMSとも呼ばれる。 参考用語:EMS試験器

イメージセンサ(いめーじせんさ)

(image sensor) レンズから入った光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)です。デジタルカメラの性能(写真の画質)大大きく左右する重要な電子部品。別名:画像センサ。「イメージセンサ―」という表記も多い。 イメージセンサは複数の種類があるが、いまではCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補性金属酸化膜半導体、シーモスと呼称)が主流。安価で小型なことから、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラはほとんどCMOSを採用している。デジタル一眼レフカメラなどの高級機はCCD(Charge Coupled Device)が多く採用されてきたが、技術の進歩によりCMOSとの性能差が縮まり、CMOSの採用が進んでいる。そのためイメージセンサ(画像センサ)とCMOSはほぼ同義になっている。 イメージセンサとしてのCMOSの世界的なトップブランドは日本のソニー(2021年の世界シェア約45%はソニーグループと推定)。デバイスメーカであるソニーセミコンダクタソリューションズは毎年、新しい技術の発表をするなど、その動向は世界の映像業界で話題になる存在である。

医用内視鏡(いようないしきょう)

(medical endoscope) 医療用内視鏡。胃カメラ(※)と呼称されることが多い。先端に小型カメラ(CCDなどの映像素子)の付いた細いチューブ(スコープと呼称される)を口などから体内に挿入し、体内の映像を直接目で観察しながら、検査・治療・処置を行う医療機器。内視鏡治療は胃がんや大腸がんなどを早期で発見し、進行度合いによっては映像を見るのと同時に患部を切除することもある(つまり治療・処置まで行える)。 (※)胃カメラと内視鏡は、「胃の中の状態を観察するために、先端にカメラがついた管」という意味では違いはない。ただし正確には別の医療機器で、構造も異なる。患者は内視鏡と胃カメラは同義の技術として認識している(これは患者としては間違っていない)が、医療関係者側では「歴史をさかのぼると両者は明確に違う」、などの解説がある。また、医療現場でファイバースコープというと、カメラを使わない内視鏡を指し、レンズを覗き込んで肉眼で観察する、古いタイプの内視鏡の呼称のようである 。

Erase(いれーす)

ROMライタの機能で、デバイスのデータ消去。(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)

岩崎技研(いわさきぎけん)

1990年代にあったICEメーカ(計測器メーカではなく、ICE専業メーカ)。梱包箱などにIWASAKI ELECTRONICSと印刷されていたが、会社名は岩崎技研で、「岩技」と呼称されていた。製品にIWASAKIと印刷されているためか、中古業者のオークションサイトでは「メーカ名:岩崎」という表記が見うけられる。計測器の老舗、岩崎通信機とは無関ない(岩崎通信機からのスピンアウトでは、擬似交換機やISDNシミュレータで有名な「アドシステムズ」などがある)。製品の通称はPROICE(プロアイス)で、形名と品名は次のようだったと思われる。形名:PROICE Z80/PC、品名:Z80 IN-CIRCUIT EMULATOR(現在はほとんど資料が無いので製品コンセプトやラインアップは不明)。当時流行り始めた、PC制御タイプである(ICEの初期に計測器メーカが始めたスタンドアロン型ではなく、外観がただの箱でPCにつないで使うPC接続型)。同業のZAXより後発だが、大手通信機器メーカなど、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)を広範に使う企業に採用されていた。ICE専業メーカとして名を馳せたソフィアシステムズや、(adviceが通称の)横河デジタルコンピュータは、社名は変わったが存続しているが、岩崎技研やZAXはいつの間にか無くなっていた。アンリツも1980年代にICEをつくっていたくらい、1980年~2000年にかけてはICEやロジックアナライザは計測器の花形だった。1974年にインテルやモトローラが8ビットCPUを発売して以来、1980年代は多くの電気製品にCPUが普及し、組込みシステムの開発にICEは活用された。JTAGなどのオンチップエミュレータにとって代わられるまで、CPUの黎明期~普及期にかけてICEはモンキービジネスだったといえる。岩崎技研はITベンチャーがデジタルの計測器に参入して名を馳せ、消えていった例である。

岩通計測(いわつうけいそく)

正式名称:岩通計測株式会社。2002年に岩崎通信機(岩通)の計測事業部門を分社化(同年は超高輝度ストレージスコープTS-81000が発売された年である)。2010年代後半に親会社(岩通)に吸収された。横河電機は2010年に計測器部門(オシロスコープや電力計測器など)を子会社の横河メータ&インスツルメンツ株式会社(現横河計測株式会社)に統合している。つまり岩通とは反対に計測器部門を別会社として切り離している。横河電機はプロセス・オートメーション、計装分野に事業を集中する過程で、半導体テスタ、科学分析機器、フォトニクスデバイスなどを本体から分社化や、撤退させてきた。計測器の事業も横河電機の主力ではないので分社化された。岩通が事業再編の中で計測器を本体に戻したのは、計測器事業が単独で収益を出すことが難しい時代に、計測器が岩通にとって必要な技術・商材と認識しているためと理解される。 2018年発行の計測器総合カタログ「IWATSU 電子計測器ダイジェスト2018 Vol.2」には計測器の連絡先として「岩通計測・第二営業部・計測系業担当/アカウント営業担当/国際営業担当と営業推進部 西日本支店」が明記されている。同社の第二営業部が計測器を販売していたことがわかる。時期は1990年頃と記憶しているので岩通計測のできる前だが、岩通の計測器の営業部門から計測器のレンタル会社である昭和ハイテクレントに複数人が転職している。 岩通の開発部門からはアドシステムズ(ISDNの擬似交換機の草分け)などの計測器メーカがスピンアウトで生まれている。岩通は古くからNTTに電話機を納品してきた中堅の通信機メーカ(電電ファミリー)だし、岩通計測はアナログオシロスコープの国内トップブランドという計測器の老舗(名門)である。 現在の岩崎通信機は、2009年に半導体評価用のカーブトレーサを発売し、パワーエレクトロニクス関連の計測器に傾注している。海外製の特殊なプローブも積極的に取り扱い、デジタルパワーメータの輸入販売など、同社ホームページには転売品が多く掲載されている。 岩崎通信機(京王線久我山、杉並区)、横河電機(JR中央線三鷹、武蔵野市)、日本無線(JR中央線三鷹、三鷹市)と、東京都の23区西端には計測器メーカが3社もある(日本無線は2000年頃までは計測器部門があり、アナログの無線機テスタをラインアップしていた)。付近の地元住民には、電話機の岩通(がんつう)、無線のJRC(Japan Radio Co., Ltd.日本無線)、計測器のYEW(Yokogawa Electric Works、横河電機製作所)と呼ばれていた。

インサーキットエミュレータ(いんさーきっとえみゅれーた)

(In Circuit Emulator) マイクロプロセッサ(マイコン、MPU、CPU)を使った組込みシステムの開発・デバッグを行なう測定器。略して「ICE(アイス)」と記載される。別名「(マイコン)開発支援装置 」、「デバッガ」。 マイコンはプリント基板上に実装され、同様に基板上にあるメモリICに格納されたプログラムに従って、ハードウェアを制御して機器を動作させる。試作品の段階では、ハード(回路)、ソフト(プログラム)の両方とも不完全で、必ずバグ(間違い)がある。そこで、マイコンの代りになって疑似マイコンとして動作するのがインサーキットエミュレータ(ICE)である。試作品のプリント基板上のマイコンが実装される箇所からフレキシブルケーブルでICEに信号を取り出す。実際の動作時にはマイコンが高速で処理するプログラムを、特定の箇所だけ実行させて、設計通りに機器が動作するかを確認していく。動作しないときは、どこが悪いのか、プログラムに間違いがあるのか、ハードウェアに設計ミスがあるのか、具体的に確認して不具合原因を究明していく。 プログラムの間違いはパッチで修正し、ハードウェアの変更はプリント基板上にリード線(ジャンパ線)をはんだ付けして回路の変更を行う。こうして、仕様を満足する状態が完成したら、パッチとジャンパ線で仮の修正をしたプログラムとプリント基板をあらたに作り直して試作2号機をつくり、同じようにICEでデバッグを続ける。このようなデバッグ作業を通じてマイコンを搭載した電気機器は完成品となる。そのためデバッガー、(マイコン搭載機器の)開発支援装置、という名称がある。 プリント基板のマイコン実装箇所からハードウェア(回路)に入って、疑似マイコンとして試験するので、In Circuit Emulatorである。ただしIn Circuitには弱点もある。シールドされたフレキシブルケーブルで信号を取り出しているとはいえ、あまりケーブルが長いと、外部からの電磁的な影響を受けたり、回路そのものの設計能力を超えてしまい、動作が不安定になることがある。そのため、「ICEが上手く動かない」という問合せはユーザのデバッグ現場からメーカのCS(カスタマー・サポート)に頻繁にあった。原因究明、解決のために各ICEメーカはサービスマンをユーザに派遣することも多かった。 参考用語:フルICE、オンチップエミュレータ、JTAG

インサーキットテスタ(いんさーきっとてすた)

(In Circuit Tester) 電子部品が実装されたプリント基板に多ピンの治具(コンタクト、フィクスチャ)で接続して、電子部品とプリント基板の接続状態を評価する試験器。別名:ボードテスタ。略記のICTも、表記として良く使われる。 国産メーカでは日置電機や協立テストシステム、海外ではキーサイト・テクノロジーやTERADYNE(テラダイン)などがある。キーサイト・テクノロジーは半導体テスタは別会社に売却したが、インサーキットテタはラインアップに残っている(計測器という位置づけ)。テラダインは1970年代に世界初の半導体テスタをつくったが、ラインアップにはインサーキットテスタもある。

IN-CIRCUIT DEBUGGER(いんさーきっとでばっが)

1980年代~1990年代にあったICEメーカ、ZAX(ザックス)のフルICE製品の本体の名称。ターゲットのCPU(インテル80286やモトローラ68030など)に対応したオプション(ポッド、プローブ)はIN CIRCUIT EMULATOR PROBE ERX318Pなどの名称だった。ZAXは現存していないため製品のラインアップや、形名と品名が今では正確にはわからない。

インサーキットプログラマ(いんさーきっとぷろぐらま)

オンボードプログラマの別名。Flashメモリ、Flash内蔵マイコンを実装済みの基板にデータを書込むための書込みツール(東亜エレクトロニクス株式会社 フラッシュサポートグループカンパニーの「書込みやプログラマに関する用語集」より)。

InGaAs(いんじうむがりうむひそ)

化合物半導体のヒ化インジウムガリウム(インジウム・ガリウム・ヒ素)。「3元の素子」と呼ばれ、光電素子にInGaAs を用いたフォトダイオード は、900~1700nmの波長帯でフラットな特性があるため、光通信や近赤外波長のセンサなどに採用されている。光パワーメータのセンサ(通信の波長帯)で高感度モデルはInGaAsを使って約-130dBmの仕様を実現している(一般のセンサは-90dBmくらい)。高価なのが難点。 InGaAsの読み方は「インガス」もある。

インシデント(いんしでんと)

(incident)ネットワーク・セキュリティの用語。事故が発生するおそれのある事態を指す。事件が事故に至るとアクシデントだが、事故に至らなかった場合がインシデント。

インステック ジャパン(いんすてっくじゃぱん)

(Instek Japan) 2006年~2014年に存在した、台湾のGOODWILL INSTRUMENT CO.,LTD.(通称Goodwill、グッドウィル)が設立した日本法人(販売会社)。計測器のブランドはGW Instekである。正式会社名は「株式会社インステック ジャパン」。 GW Instek製品は日本に輸入されると、秋葉原の計測器ショップに陳列され、激安のオシロスコープは、アナログオシロスコープ時代からの老舗、日立電子(日立国際電気)や松下通信工業(パナソニックモバイルコミュニケーションズ)が計測器から撤退する遠因になった。それまで国内市場のミドルクラスのモデル(周波数帯域150MHz~500MHz)として売れていた、横河電機(現横河計測)のDLシリーズ(DL1600、DL1700など)も売上を落とした。GW InstekやRIGOL(リゴル)という中華系オシロスコープの上陸による価格破壊は、国産計測器メーカの退場にとどまらず、テクトロニクスやキーサイト・テクノロジーなどのオシロスコープのトップベンダーが安価なモデルをラインアップする契機となった。 インステック ジャパンは2007年に東京で開催された計測器の展示会、計測展に出展している。営業部にパワーサプライグループがあり、当時からオシロスコープだけでなく直流電源にも注力していたことが伺える。翌2008年の「計測展 2008 OSAKA」では日本電計ブースに出展している。当時の代表取締役 専務は鄧 宗輝氏(Tsung-Huei Teng)だが、社長は日立電子の出身だった。「周波数帯域25MHz~100MHzのモデルが全オシロスコープの販売台数の50%と推定している」(電子計測グループのマネージャー談)と、展示会場で筆者は聞いた。つまりオシロスコープのヴォリュームゾーンは350MHzや500MHzなどではなく100MHz以下であり、GW Instek製品はその周波数帯域でリーズナブルな価格のモデルを揃えている、ということであった。ちなみに当時の横河電機(現横河計測)の主力モデルはDL1600シリーズ(200MHz)、DL1700シリーズ(500MHz)で、1GHz帯域のDL9000シリーズが新製品だった。 2014年1月1日に(Goodwillの資本が入り傘下となった)テクシオ・テクノロジーがインステック ジャパンを吸収し、以降は日本での「GW Instekブランドのオシロスコープ、スペクトラムアナライザ、直流電源、マルチメータなどの販売・修理・校正の事業」はテクシオ・テクノロジーが継続した(同社ホームページより)。

インスペクション(いんすぺくしょん)

(inspection)視察、査察、検査、点検などの意味。海外の計測器・分析機器メーカでは検査のことをインスペクションと呼称している。たとえば生産ラインに配備される検査用の装置(計測器/分析機器)を「インスペクション用途」と呼び、R&D用途とは区分している場合がある。 参考記事(会員専用):【展示会レポート】SURTECH(表面技術要素展)& nano tech(国際ナノテクノロジー総合展)2020・・株式会社フィッシャー・インストルメンツの説明員が自社製品を「R&Dではなく、インスペクション用途」と発言している。