計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ピコアンペアメータ(ぴこあんぺあめーた)

ピコアンペア程度の微少電流を測定する機器。略称:ピコアンメータ。略記:pAメータ。参考用語:微少電流計、フェムト・ピコアンメータ、エレクトロメータ、IRメータ 計測器情報:ピコアンペアメータの製品例

ピコアンメータ(ぴこあんめーた)

ピコアンペアメータの略記。pA(ピコアンペア)オーダの微少電流を測定する電流計(特殊なデジタルマルチメータ)。最近はpAよりもっと小さい電流測定になり、キーサイト・テクノロジーには「フェムト・ピコアンメータ」なる品名の製品もある。ピコアンペアメータは計測器メーカによってはエレクトロメータやIRメータとも呼ばれる。微少電流の測定と高い抵抗(絶縁抵抗)の測定は同じ原理である。ピコアンメータやエレクトロメータを電流計、デジタルマルチメータと同じ「電圧・電流・電力測定器」のカテゴリーに分類している計測器の解説書もあるが、用途は半導体の開発・検査なので当サイトでは「半導体測定器」の「微少電流測定器」に分類している。絶縁抵抗計の、高抵抗を測定する機能はエレクトロメータと同じだが、用途が違うため「回路素子測定器」に分類している(詳しくは用語のエレクトロメータを参照)。参考用語:微少電流計 計測器情報:ピコアンメータの製品例

微少電流計(びしょうでんりゅうけい)

(minutet ammeter、micro current meter) ピコアンメータ(pAメータ)などの、小さな電流を測定するもの。半導体の分野で使われる。キーサイト・テクノロジーのB2980Aシリーズの品名は「フェムト・ピコアンメータ」、「エレクトロメータ/ハイレジスタンスメータ」である。エレクトロメータの老舗である国産のエーディーシー(旧アドバンテスト)には「超高抵抗/微少電流計」という品名の製品がある。微少電流計とエレクトロメータ(高い抵抗の測定器)はほぼ同じ原理のため、小さな電流と高抵抗の測定を1台で行うことができる。 余談だが、電圧・電流・電力などの物理量はその大きさ(量)を「大小」で表現し、「多い、少ない」では表現しない(たとえば「大電流」「小電力」など)。そのため小さい電流は「微少」ではなく「微小電流」である。ただし、一般的な単語の意味としては「微小はサイズが小さいこと」で、「微少は量が少ないこと」である。そのため「微小電流」だとサイズが小さい電流、となるので「微少電流」のほうが正しいという考え方もある。「微小電流」と「微少電流」のどちらが正しいとはいえない状態である。計測器メーカの命名も両方があり、統一されていないので間違いやすい。大変面倒であるが各社が「微少」と「微小」のどちらを使っているかを確認しないと正式な品名を表記できない。たとえば、ケースレーは「微小信号」、エヌエフ回路設計ブロックは「微少信号」、小野測器は「微小容量トルク検出器」、エーディーシーは「微少電流計」である。当サイトはカテゴリー「半導体測定器」の中に「微少電流測定器」という項目をつくっている。 計測器の名称は、疑似呼(コールシミュレータ)の疑似と擬似交換機の擬似の2つがあり、メーカによって異なり、統一されていない。 minutet ammeterは「精緻な電流計」、micro current meterは「小さな電流のメータ」だが、微少電流計の英語訳なので、微少電流計が英語でどう表記されるかは不明。

ファームウェア(ふぁーむうえあ)

(firmware) 一般にハードウェアとソフトウェアを比較すると、ハードウェアは(ソフトウェアに比べて)処理が速いが変更はしずらく、ソフトウェアはハードウェアほど速くないが変更が容易である。設計時に、ある機能をどう作りこむか(ハードウェアとソフトウェアのどちらで実現するか)ということは両者の長短を勘案して決定される。本来ハードウェアで実現するような機能をソフトウェアでつくりこんでいるものをファームウェアと呼ぶ。 電気機器の設計部門の技術者に「担当は何ですか?」と聞いて「ファームです」と答えたら、この技術者はソフトウェアの開発をしているのでICE(マイコン開発支援装置)を使う可能性があるが、ハードウェアにも関係しているのでオシロスコープやプロトコルアナライザのようなハードウェア設計者が使う測定器も使う可能性がある。技術者はファームウェアを略して、ファームと呼称している。 株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集では次のように解説している。「ファームウェア:ハードウェアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウェア。機器に固定的に搭載されほとんど変更されないことから、ハードウェアとソフトウェアの中間的な存在としてファームウェアと呼ばれている。機器に内蔵されたROMやフラッシュに記憶されている。パソコンのBIOSもファームウェアの一種である。機能の追加や不具合の修正のため、後から変更できるようになっているものもある。」

ファウンドリ(ふぁうんどり)

(foundry)開発や設計は行わず、生産に特化するメーカのこと。半導体の委託生産をするTSMCは世界で最も企業価値の高い半導体専門ファウンドリである。逆に生産を外部委託して開発・設計に特化するメーカを「ファブレス」という。foundryの翻訳は「鋳造所、鋳物工場」。

ファブレス(ふぁぶれす)

(fabless)生産を外部委託して開発・設計に特化するメーカのこと。生産工場を持たない開発・設計企業。半導体の分野では製造のための最先端の設備投資が莫大な金額になり、このような水平分業が進んだ。逆に開発は行わず、生産に特化するメーカをファウンドリと呼ぶ。台湾のTSMCは半導体の委託生産をする世界最大の企業として有名。fablessとはfab(fabrication facility、工場)を持たないという意味。

フェムト・ピコアンメータ(ふぇむとぴこあんぺあめーた)

キーサイト・テクノロジーの形名B2981A、B2983Aの品名(2016年5月)。カテゴリー「半導体測定器」の、微少電流測定器であるピコアンメータは、その名の通りpA(ピコアンペア)という小さな電流を測定できるが、測定精度が向上してフェムトアンペア(ピコのさらに千分の一)までできる、というネーミング。同社の製品カタログ「B2980Aシリーズ」の表紙のキャッチコピーは「最小0.01 f(フェムト)A/最大10 P(ペタ)Ωを高い信頼性で測定できる業界唯一のグラフィカルピコアンメータ/エレクトロメータ」とある。B2980Aシリーズにはフェムト・ピコアンメータともう1つ、形名B2985AとB2987A、品名「エレクトロメータ/ハイレジスタンスメータ」がある。つまり、ピコアンメータ(微少電流計)とエレクトロメータ(絶縁抵抗計)はほぼ同じものである。微少電流の測定と絶縁抵抗(高抵抗)の測定は同じ原理で行われる。電気作業員が屋外で使用する可搬型の絶縁抵抗計はメガーと呼ばれるが、据え置き型の機種も含めて、絶縁抵抗計は回路素子(L・C・R)の値を測定する機器の1種類として、カテゴリー「回路素子測定器」に当サイトでは分類している(絶縁抵抗計や超絶縁抵抗計という品名の機種)。微少電流計は電流計であるが、デジタルマルチメータ(DMM)やアナログ電流計があるカテゴリー「電圧・電流・電力測定器」ではなく、カーブトレーサと同じカテゴリー「半導体測定器」に当サイトでは分類している。

フォーティブ(ふぉーてぃぶ)

(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器

フォトカプラ(ふぉとかぷら)

(photocoupler)電気-光変換によって、回路を電気的に絶縁したいときに使う電子部品。フォトカプラ内部では入力電気信号を発光素子で光信号に変え、その光信号を受光素子で再度電気信号に戻して出力する。FA、OA、家電など多くの電気機器では、動作上の安全を担保する目的でフォトカプラを使用している。optocoupler、opto-isolator、optical isolatorなどの表記もされる。「光で(photo/opto)、つなぐもの(coupler)」という意味。アイソレータは「アイソレーション(絶縁)する物」という意味。

フラッシュメモリ(ふらっしゅめもり)

(flash memory)半導体メモリの不揮発性メモリ(電源を切っても記録されたデータが消えずに保持される)の1種。構造がEEPROMと同じため「フラッシュROM」とも呼ばれるが、消去と再書き込みができるのでRAMである。種類はNAND型とNOR型の2つがある。NAND型フラッシュメモリのことを略して「NAND」と説明している例もある。具体的にはSSDはフラッシュメモリである。東芝の技術者が開発した際、写真のフラッシュのように一瞬で消去できることから命名したとされる。東芝のメモリ事業は分社化され、現在はKIOXIA(キオクシア)がNAND型フラッシュメモリの専業メーカとなっている(エルピーダメモリが2010年代に経営破綻して売却されたので、現存する唯一の国産・大手半導体メモリメーカである)。 1980~1990年代に多くのメーカがあったROMライタはアドバンテストや安藤電気が撤退し、現在の国産メーカはミナト・アドバンスト・テクノロジーズ(旧ミナトエレクトロニクス)と東亜エレクトロニクス株式会社(フラッシュサポートグループカンパニー)の2社になった。東亜エレクトロニクスのROMライタには「FLASHプログラマ」という名称がある。フラッシュとROMが関係している例といえる。

プロセッサ(ぷろせっさ)

(processor)マイクロプロセッサ(microprocessor)のことを略してプロセッサと呼ぶ。

前工程(まえこうてい)

半導体の製造工程には前工程と後工程がある。回路をつくるためのフォトマスクを積層される層ごとに製造した後から半導体ウェーハをつくるまでを前工程、ウエーハを切ってチップをつくるのを後工程という。ウェーハは直径5~30cm位の円柱状のシリコンを薄く切ったもの。ウェーハ表面には数10から数100の同一の半導体(LSI)が格子状に並んで生成される。半導体はトランジスタ層の上に配線回路層がある。それぞれの層で成膜、パターン転写、エッチングを繰り返して、つくり込む。 半導体製造装置としては単結晶のインゴット(円柱状のシリコン)をつくるシリコン引き上げ装置、成膜装置(CVD)、パターン転写をする露光装置、薄膜にパターンをつくるエッチング装置などがある。シリコン引き上げ装置はSUMCO(※)、露光装置(※※)はニコンとキヤノンなど、国産メーカが高い世界シェアを持っている。半導体デバイスでは韓国や台湾、米国メーカが強く、1980年代に日本にあったデバイスメーカはほとんど無くなったが、半導体の材料と製造装置では国産メーカは世界を相手に健闘している。日本から材料と機械を輸入しないと韓国のサムスンは半導体がつくれない。 前工程は印刷によるウエーハ作成、後工程は切り分けによるチップ作成で、2工程とも最後に半導体テスタによる試験・検査が行われる。前工程は多ピンの治具によってウエーハを試験する。 (※)住友と三菱のシリコンウエーハ事業が統合した会社。三菱住友シリコン株式会社が2005年に株式会社SUMCOに社名変更。SUMCOはSiicon United Manufacturing COraporationの略。シリコンウエーハの世界シェア約3割でトップといわれている。 (※※)線幅が小さい先端半導体は今後、従来の露光装置からEUV(極端紫外線)を使った装置に移行するといわれている。

三田無線研究所(みたむせんけんきゅうしょ)

茨木悟氏が1924年(大正14年)に設立した計測器メーカ(現在は無い)。デジタルICテスターLI-255、オペアンプテスター360、トランジスタテスター105、真空管試験器3001Dなどの品名・形名の計測器をつくっていた。同社HPには「茨木悟(J1FQ/J21H 1900-1994)が続けた電子機器製造業を終了した」旨の表示のみがあり、会社概要などは一切書かれていないので、いつ会社が無くなったかは不明。 1923年にラジオを中心とした電子機器製造業として茨木悟研究所を創立したのが始まり。DELICA(デリカ)の名称で親しまれた。住所が東京都港区の(麻布から白金にかけての)三田台地だったことが社名に関係すると推測される。有栖川宮記念公園に続く仙台坂にあった会社の住所をWeb地図で検索すると「デリカビル」と表示される(2022年12月)。「DELICAというのはDelicacyとかDelicateという言葉の頭6字だけを使った」と「電波科学」(1958年3月号)に載っている。トラ技の創刊号(1964年9月)に同社のトランジスタ試験器の広告が掲載されている。中古品Webサイトには「三田無線研究所(アマチュア無線関連)」などの表記で出品がある。同社の製品は、当時の最先端(ハイテク)電子機器として人気があったと思われる。 茨木悟氏は明治33年生まれで、米国の大学で研究していたが、日本でラジオ放送が始まる1941年頃に帰国し、三田無線研究所の所長を務めた。前述の会社HPにある「J1FQ/J21H」はアマチュア無線局のコールサイン(call sign、呼出符号。無線局の名称。つまり茨木悟の認識番号)である。「アマチュア無線家なら誰でも憧れた三田無線」といわれ、三田無線研究所について熱く語るコミュニティサイトが存在している。 昭和初期に真空管で始まったラジオ放送が半導体に置き換わる時代に、最先端の電子機器の1つが三田無線研究所の電気計測器だったといえる。ICを使った機器の研究、整備・調整、教育用として、ICを一個ずつ装着して手動で操作する計測器が使われた。FETなどのトランジスタや、ダイオードの諸定数を測定したり、真空管の各電極に任意のバイアス電圧を与えて各電極電流を測定し、Gm(相互コンダクタンス)を演算してデジタル表示する計測器は、真空管や半導体という電子部品を使って電子機器を設計する技術者に重宝された。 同社製品の銘板には会社名が「K.K.MITA MUSEN KENKYUSHO TOKYO JAPAN」と印字されているので、会社名の読みは「けんきゅうじょ」ではなく「けんきゅうしょ」である。

ミナトエレクトロニクス(みなとえれくとろにくす)

1972年から2015年に存在した、ROMライタ(計測器)やメモリテスタ(半導体テスタ)のメーカ。 1973年に国産初のデバイスプログラマ「ROMプログラマ1800型」を開発している。アバールデータ(PECKER)やタケダ理研工業(現アドバンテスト)、安藤電気などが1980年頃にROMライタに参入する以前の草分けである。当時は東陽テクニカが海外のデータI/O(Data I/O Corporation)製品を取り扱っていて、ミナトエレクトロニクスとの2社が老舗だった。 1980年頃にはICの量産時の検査に使うメモリテストシステム(半導体テスタ)を開発している。ミナトレクトロニクスは日本電気(NEC)の資本が入っている。NECの子会社である安藤電気もロジックテスタを主力に半導体テスタをつくっていたので、NEC傘下に半導体テスタメーカが2社あったことになる(NECが半導体デバイスから2000年頃に撤退し、ミナトエレクトロニクスも半導体テスタを販売終了している)。 簡単に沿革を書くと、1956年に東京都港区に港通信機製作所を設立し、電子計測器の設計製造を開始。2018年に持株会社体制に移行し、技術製造子会社のミナト・アドバンスト・テクノロジーズ株式会社がROMプログラマを継続。初号器の1800型に近い型名の「ユニバーサルプログラマModel1883」が現役であるが、次の1900シリーズは販売終了している。MODEL500シリーズなどのギャングプログラマをラインアップしている(2023年2月現在)。 東陽テクニカは2020年にデータI/Oの取り扱いを正式にやめている。マイコンの普及とともに活用されたインサーキットエミュレータやロジックアナライザと同じくROMライタの市場も減少した。安藤電気のROMライタを技術移管して継続しているフラッシュサポートグループ(東亜エレクトロニクス)とミナト・アドバンスト・テクノロジーズが現存する2社のROMライタメーカである。advice(ICE)で一世を風靡したDTSインサイトはフラッシュマイコンのオンボードブログラマに参入し、デバイス書きではない車載部品用に高シェアである(以下の記事に詳しい)。

MOSFET(もすえふいーてぃー)

(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor) MOS構造のあるFET 。ゲート電極の下に酸化物層(SiO2など)があるFET。「MOS型FET」や、「金属酸化膜電界効果トランジスタ」と呼ばれるが、FETの代表で大変良く使われるのでもはやMOSFETは日本語となっている。読み方は「もすふぇっと」もある。

モノリシック(ものりしっく)

(monolithic)半導体で、回路を構成するすべての素子が1個のチップ内にある(1個の半導体結晶上につくられている)こと。「モノリシック」は「一枚板」や「一つの結晶片でできている」という意味。半導体チップの一体化や集積化で使われる用語。計測器の内部にも使用されている。

UCIe(ゆーしーあいいー)

(Universal Chiplet Interconnect Express)複数の半導体チップレットを相互接続するための通信規格、およびその規格策定団体(コンソーシアム)。2022年3月に米国のIntel(インテル)、Google、Microsoft、AMD、Qualcomm、英国のArm、台湾のTSMC、韓国のSumsungなど10社が参画し、UCIe1.0をオープンな規格として公開した。CPUやメモリ、I/Oなどの小さな半導体チップをチップレットと呼び、それらを半導体パッケージ内に収めて相互接続し、PCやサーバのようなコンピュータを1つの半導体パッケージ内で実現する。これをSoP(System on Package)と呼ぶ。UCIeはIntelが開発したが、半導体メーカとクラウド事業者(IPプロバイダなど)が手を組み、SoC(System-on-a-Chip)の新しい手法として注目されている。半導体・コンピュータのゲームチェンジになりえるので、1980年代以降に衰退した日本の半導体関連企業の再興の機会、という識者の声もある。

UWBG(ゆーだぶりゅびーじー)

(Ultra Wide Band Gap) ウルトラワイドバンドギャップ半導体は、パワー半導体の1種である。材料として酸化ガリウム(Ga2 O2)を使った製品(SBD、ショットキーバリアダイオード)が2023年に出荷予定である。SiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガン)に次ぐ製品として軍事や宇宙での応用が期待されている。国産のFLOSFIA(フロスフィア)はα酸化ガリウム、ノベルクリスタルテクノロジーはβ酸化ガリウム製品をつくっている。

ラズパイ(らずぱい)

(Raspberry Pi)ラズベリーパイの略称。ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。英国ラズベリーパイ財団によって開発された。OSが搭載されているため、モニター、マウス、キーボードを接続すると、単体でPCとして使える。同じく趣味の電子工作で人気のあるArduinoはOSが搭載されていないが、ラズパイほどプログラムが難しくないので初心者向き。簡単な電子工作か、複雑な処理をしたいかでどちらを使うか選択できる。2010年代にはラズパイで計測器をつくったり、制御したりすることがはやり始めている。当サイトの編集部員もラズパイで電子工作をした経験がある。 参考記事: 【編集後記】AIoT勉強会体験記/Googleスピーカー 【編集後記】AIoT勉強会体験記/ラズパイで自動議事録作成

RAM(らむ)

(Random Access Memory)ランダムにアドレスを指定して読み書きすることが可能なメモリ。電源を切ってしまうとデータが消えてしまう揮発性記憶デバイス。DRAM、SDRAM、SRAMなどの種類がある。通常、書き換え等が必要な変数領域、スタック領域、データエリアなどに使用する。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)