計測関連用語集

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エミッタ(えみった)

(emitter)半導体素子であるトランジスタにある3つの端子の内の1つ。PNP型トランジスタでは入力端子となる。emitは日本語で放出。トランジスタの増幅機能は、エミッタ端子-ベース端子間の小さな電流が、エミッタ端子-コレクタ端子間に大きな電流となることを利用する。ベースに電流を放出するもの、という意味が語源と思われる。

エレクトロメータ(えれくとろめーた)

電荷や電流などの小さな電気量を精度良く測定できる測定器。ピコアンペア(pA)程度の微小電流を測定する機器(=ピコアンペアメータ、ピコアンメータ、pAメータ)とほぼ同じ測定器。電荷に注目したか、微小電流に注目したかで命名されている。海外メーカのケースレーがこの分野で有名。日本の老舗はエーディーシー(旧アドバンテスト)で、同社HPの「エレクトロメータ」製品ページに、「エレクトロメータ」「超高抵抗/微少電流計」という品名の製品が並ぶ。ケースレーには「6517B エレクトロメータ/絶縁抵抗計」という製品がある。エレクトロメータと絶縁抵抗計の主な仕様は似ている製品もあり、明確な違いの定義は難しい。微少電流=高抵抗(絶縁抵抗)。エーディーシーはエレクトロメータで、「絶縁抵抗計」と名の付く製品は無い。日置電機や共立電気計器は絶縁抵抗計で「エレクトロメータ」という品名は無い。可搬型の現場用の小型製品は絶縁抵抗計(メガー)で、エレクトロメータはベンチトップ。絶縁抵抗計は「絶縁を検査するために」高抵抗を測定するので、高抵抗計であるエレクトロメータと同じだがアプリが違うともいえる。日置電機HPの製品ページでは「DMM・テスタ・現場測定器」の分類に絶縁抵抗計を掲載し、「LCRメータ・抵抗計 」の中の「超絶縁計/高抵抗計/ピコアンメータ/エレクトロメータ」という表題にSM7xxx、SM-82xxなどの超絶縁計を掲載している。同社は現場測定器(テスタ)メーカとして有名だが、最近はLCRメータも注力して機種群を増やした(超絶縁抵抗計は東亜DKKから製品移管してラインアップに加わった)。エレクトロメータ、高抵抗測定器は「現場測定器の絶縁抵抗計ではなく、LCRメータのような部品評価用途のベンチトップ製品」という考え方がHPの掲載からうかがえる。部品メーカでは絶縁抵抗(Insulation Resistance)を測定する測定器を「IRメータ」と呼称している。エーディーシーは2019年1月にモデル4000、IRメータを発売した。日置電機の絶縁抵抗計の現役モデルの形名はIR4000シリーズである。今後は「IR」がエレクトロメータ、絶縁抵抗計の主流な呼称になる気配が感じられる。品名がエレクトロメータなのはケースレーやキーサイト・テクノロジー、エーデイーシーというSMUのメーカともいえる。

OPアンプ(おぺあんぷ)

(operational amplifier)電子回路で使われる増幅器(アンプ)の1種。「オペアンプ」や「OPアンプ」という表記がされる。現在では集積回路になった半導体(電子部品)である。日本語訳は「演算増幅器」だが、この表記はほとんど使われない。微積分や加減算などのアナログ演算を電子回路で行う目的で開発されたのが演算増幅器(オペアンプ)の語源といわれる。 つくっているデバイスメーカはAnalog Devices(アナログ・デバイセズ)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、略記:TI)など海外メーカが有名だが、東芝デバイス&ストレージや日清紡マイクロデバイスなどの国産もある。Liner Technology(リニアテクノロジー)やMaxim Japan(マキシム・ジャパン)はアナログ・デバイセズに買収された。 OPアンプは電子回路で最も多く使われる半導体なので、アナログ・デバイセズは電子回路のエンジニアなら誰でも知っている有名なデバイスメーカである。

オン抵抗(おんていこう)

(on-resistance)トランジスタの1種である MOSFET を動作(オン)させた時のドレイン・ソース間の抵抗値のこと。パワーMOSFETなど、パワー半導体の主要な性能指数である。パワー素子の動作時(通電状態)の抵抗値なので、値が小さいほうが高性能。オン抵抗が小さいと、電力の損失(ロス)が少なくて済む。半導体材料(元素)として従来のSi(シリコン)ではなくSiC(炭化珪素)やGaN(窒化ガリウム)を使った新しいパワー半導体が2010年代から製品化が始まっている。これらは電力変換効率だけでなく、高耐圧や低損失という性能も改善されている。

カーブトレーサ(かーぶとれーさ)

半導体デバイスの電流・電圧特性(I-V特性)を精密に測定する計測器。デバイスメーカでは研究開発~設計~検査のすべての行程で使用する基本測定器である。I-V特性のグラフ(カーブ)をトレースして表示することに由来する名前。半導体の受け入れ検査でも使われ、過去には菊水電子工業や國洋電機が作っていたが、すべて生産中止した。R&D向けには長らくテクトロニクスの370型と371型が業界標準だったが生産終了し、岩崎通信機が同等品のCS-3000シリーズを発売した。現在同社はCS-5000、CS-8000などのシリーズをラインアップしている太陽光パネルの発電量を測定するとき、(パネルは半導体なので)I-Vカーブを測定して評価する。英弘精機などの日射計を作っているメーカがPV(太陽光発電)用のI-Vカーブトレーサを発売している。参考用語:半導体パラメータアナライザ、I-Vチェッカ 参考記事:アナライザあれこれ 第4回「半導体パラメータアナライザ, カーブトレーサ」 計測器情報:カーブトレーサの製品例

カスコード接続(かすこーどせつぞく)

(cascode connection)FETなどを縦続接続すること(ソース接地回路とゲート接地回路が縦積みされた接続)。2個のトランジスタで、エミッタ接地回路とベース接地回路が縦積みになっていると、カスコード回路(cascode circuit)と呼ぶ(FETでも同じ)。別名:縦続接続。 真空管の時代に、縦続接続することをcascade connection triode(縦続接続真空管)と呼んでいたのが短縮されてcascodeやcascade connectionになった。ネットワークで使われるカスケード接続(多段接続)とは単語が似ているが全く違う。

カソード(かそーど)

(cathode) 電子部品で、外部回路へ電流が流れ出す電極のこと。反対の電極をアノードという。真空管、ダイオード、電池などにはアノードとカソードがある。CRT(Cathode Ray Tube)は日本語で「陰極線管」。つまり、真空管ではカソードは陰極と呼ばれる。正極・負極という表現もあり、カソードは、真空管では負極、電池の場合は正極。電力用のスイッチに使われる半導体素子のサイリスタにもアノードとカソードがある。

GaN(がん)

窒化ガリウム。Gallium Nitride(ガリウムナイトライド ) 。半導体の材料元素はシリコンが主流だが、パワー半導体ではSiCやGaNを使った製品が普及しつつある。

ケースレーインスツルメンツ(けーすれーいんすつるめんつ)

(Keithley Instruments,KK) 1946~2010年に存在した計測器メーカ。1946年に米国オハイオ州クリーブランドで、Joseph F. Keithleyが計測器メーカKeithley Instrumentsを設立。1964年にオハイオ州ソロンに移転し、以降はこの地を拠点に活動。半導体パラメータアナライザやSMU、ピコアンメータなどの半導体測定器で有名。データ集録機器やDMMもラインアップ。2010年にダナハー(現フォーティブ)の傘下に入り、テクトロニクスと合併。日本法人がケースレーインスツルメンツ株式会社(設立年は不詳、2012年には日本のテクトロニクスと合弁)。 テクトロニクスの日本法人は、2012年頃から会社名を「テクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社」に変更した(名刺がそうなった)。2021年には会社名を「株式会社テクトロニクス&フルーク」に変更(フルークもケースレー同様にダナハーの傘下)。旧ケースレーインスツルメンツの人員はテクトロニクスと組織が一体になっている(以下のイベントレポートを参照)。 すでにケースレーという会社は存続しないが、ブランドとしては健在(DruckやPanametricsと同じ)。製品はテクトロニクスのホームページでも1ページにまとめられ、ケースレーの従来の赤い企業ロゴもある(ただしA Textronix Campanyという注記がある)。URL:https://www.tek.com/ja/products/keithley(2023年11月現在) 2022年頃から定期イベントのKeithley Daysが開催されている。Keithley Days 2023(オンラインの無料Webセミナ)はタイトルが「革新を加速させる半導体デバイス最先端研究から、測定技術の入門基礎まで~Accelerating Innovations & Back to Basic~」で、2023/10/17(火)~18(水)に開催された。ケースレー製品の情報は、テクトロニクスのマーケティング・販売促進部署が「テクトロニクス/ケースレー」の名前でDM配信している(2023年10月現在)。 外資の計測器メーカの日本法人には他の計測器メーカからの転職者がいることが多い。特にケースレーインスツルメンツは半導体分野でキーサイト・テクノロジーと競合(同じような製品群をつくっていた)なので、2007年頃の社長は、キーサイト・テクノロジーの半導体テスタ部門の出身者だった。当時、元キーサイト・テクノロジーの営業マンが約10人いた。

光電融合(こうでんゆうごう)

(photoelectric fusion) 光回路と電気回路を融合させた技術や、光と電気が融合した複合デバイスの総称。電気でなく光で処理を行う光半導体の実用化を進めているNTTは、2019年に次世代ネットワーク構想、オール・フォトニクス・ネットワークのIOWN(アイオン)を発表した。NTT研究所の光電融合部門は2023年8月にNTTエレクトロニクスと統合され、NTTとは別会社のNTTイノベーティブデバイス株式会社となった。「研究所で基礎技術を培ってきた光電融合を事業として実用化するため」と発表されている。IOWNグローバルフォーラムには世界中の先端企業が参画している。インテルなど欧米の半導体メーカは、シリコンフォトニクスといって光半導体の開発に注力している。 光を使うことで、電気を使う部位が減ると省エネ、小型化が実現する。光半導体のような半導体チップだけでなく、プリント基板に光を通す技術開発も必要になるので、大手半導体メーカを筆頭に研究開発が進んでいる。 キーサイト・テクノロジーは、光部品の評価に注力して光測定器をラインアップしてきた。光電融合の関連製品としては、光ファイバの調芯ステージ(計測器の測定用の治具)を含めた、光測定ソリューションを提案している。

国際電気(こくさいでんき)

日立製作所系の通信機器・電子部品メーカ。1949年~2000年に存在した会社名。 簡単な沿革を述べる。 1940年、政府系の国際電気通信が東京・狛江市に自家用通信機工場を建設。1949年、民営化されて国際電気株式会社となる。1955年、日立製作所と技術提携。1960年代に半導体関連分野に進出(1980年代には半導体ウェーハをつくる、シリコン引き上げ装置などをラインアップ)。1973年に日本電信電話公社(現NTT)からポケットベル製造メーカの指定を受け、情報機器部門を拡大。2000年10月、日立電子、八木アンテナと合併し、日立国際電気となる。 つまり、1980年以降にインフラ設備が進む移動体通信の事業と、後の株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる半導体製造装置の2つを事業にしていた(2つの顔を持つ)のが国際電気である。青梅の羽村工場では1990年代から移動体通信用の計測器を使って設計・開発をしていた。携帯電話ではなく基地局などの無線装置メーカとして、計測器レンタル会社のターゲット顧客の1社だった。ただし、日立国際電気となった2011年の売上構成(%)は半導体製造システム43、通信情報システム31、放送映像システム25、その他1、海外売上比率42%、なので、半導体関連の会社になったといえる。 通信と半導体は計測器と関係が深い事業(市場)である。計測器関連の用語(基礎的な常識)として国際電気は有名な会社名であるが、日本電気や富士通のようには知られていない。ただし1980年頃には半導体や通信の関係者には日本電気や富士通と同様に良く知られていた会社(メインプレーヤ)である。 2017年7月に同社を紹介するネット記事では「主に無線通信システムに力を入れていて、過去には携帯電話やポケットベルの普及に大きな貢献をしてきた。現在の売上高は連結で1800億を超える大企業」と書かれている。2018年6月に日立国際電気は成膜プロセスソリューション事業を米国の投資会社KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)に売却し、この事業は株式会社KOKUSAI ELECTRICとなる。日立系半導体製造装置メーカとして2023年10月に東京証券取引所に上場し、高値をつけた。半導体製造プロセスの「成膜」技術が強く、バッチ成膜装置やトリートメント装置などをラインアップ。ウェ―ハに薄膜を形成する「成膜」に特化して、縦型と呼ばれるバッチ式成膜装置では世界シェア1位。半導体製造装置メーカとしては2022年売上高で国内メーカ4位。国際電気が1960年代に参入した半導体製造装置ビジネスが大きな成果を残したといえる。 現在の日立国際電気は売上構成を公表していないが、R&D部門に5G技術開発部があり、プロダクト本部には放送機器改革推進プロジェクトがある(2023年会社案内より)。

國洋電機工業(こくようでんきこうぎょう)

電子部品(トランジスタなどの半導体やL、C、Rなどの受動素子)の測定器をつくっていた計測器メーカ。現在は存在しない。会社名は國洋電機工業株式会社。略記はKDKで、製品には「KOKUYO ELECTRIC CO. LTD」と印刷されていた。カーブトレーサ(形名SCT-2FRなど)が有名で、コンデンサ、トランジスタなどの電子部品・半導体の受け入れ検査には、國洋電機か菊水電子工業(形名5802など)が使われていた。テクトロニクスのカーブトレーサは國洋電機や菊水より機能が高い上位モデルで、たとえばTYPE576は1970年代でも400万円くらいの高額製品で、半導体の開発・設計・検査に使われた。 1980年頃にはLCRメータもつくっていた。発売時期は不明だが、直流重畳試験装置、半導体テスタ、熱抵抗試験機、絶縁耐圧試験機などもラインアップしていた(ジェイテクトエレクトロニクスのHPより、2022年11月現在 ※)。 2014年に國洋電機工業の計測器事業は光洋電子工業に承継され、現在はコイルテスタとインダクタ試験機のみ販売されている(2022年11月現在)。修理対応は、LCRメータは不可の機種が多いが、カーブトレーサは比較的に対応可能機種が多い(2022年11月HPより)。2022年10月1日に光洋電子工業は株式会社ジェイテクトエレクトロニクスに社名を変更した。國洋電機工業はカーブトレーサで名を馳せたが、現存する資料がほとんどなく、設立年やラインアップ、いつ会社がなくなったのかなど、詳細が良くわからない。 余談だがカーブトレーサは菊水、國洋電機が生産中止後には、テクトロニクスの型式370、371が業界標準となったが、それも生産終了し、370/371の仕様を引き継いだ岩崎通信機がCS-3000シリーズカーブトレーサを2009年に発売している。その後も同社はCSシリーズを増やし、2020年にはCS-8000を発売するなど、パワーエレクトロニクス分野に注力している。 (※)ジェイテクトエレクトロニクスは國洋電機工業から引き継いだモデルを、2023年7月20日で受注終了、2023年12月20日でアフターサービス(修理・校正など)も終了とし、全ての製品が廃型・販売終了となった。理由は「大幅に需要が減少している中、型番維持が困難な状況となった」としている。

コプロセッサ(こぷろせっさ)

(co-processor)コアCPUを補助する機能を分担するプロセッサ。一般的には、浮動小数点装置(FPU:Floating Point Unit)を示す事が多い。会話では「コプロ」と呼称されることが多い。(株式会社Sohwa&Sophia Technologiesの用語集より)参考用語:マイクロプロセッサ

コレクタ(これくた)

(collector)半導体素子であるトランジスタにある3つの端子の内の1つ。PNP型トランジスタでは出力端子となる。collectは日本語で収集。トランジスタの増幅機能は、エミッタ端子-ベース端子間の小さな電流が、エミッタ端子-コレクタ端子間に大きな電流となることを利用する。電子を収集するもの、という意味が語源と思われる。

サードパーティ(さーどぱーてぃ)

(third party) 当事者ではない第三者という意味(third partyの和訳は第三者)。企業、期間、団体などで使われる。オリジナルメーカが開発した半導体やパソコン、ソフトウェアなどに対して、それと同等の製品や、それを製造・販売するメーカを指している。たとえばインテルの半導体のサードパーティであるAMD(Advanced Micro Devices)はオリジナルであるインテル製品(純正品)と同等の製品をつくり、純正品同様に流通して、製品の中に使われている。サードパーティ製品は一般的に純正品より安価だがほぼ同性能である。電子機器に使用される半導体メモリも純正品より安価なサードパーティ製品が販売されている。

サイリスタ(さいりすた)

(thyristor)電力用の開閉器などに使われている半導体素子。ゲート (gate) 、カソード (cathode) 、アノード (anode) の3端子がある。SCR(Silicon Controlled Rectifier: シリコン制御整流子)とも呼ばれる。カソードは陰極、アノードは陽極。電子管をソリッドステート(トランジスタなどの固体状態の素子)にしたものともいえる。

GPU(じーぴーゆー)

(Graphics Processing Unit) 画像処理を主に担うプロセッサのこと。3Dグラフィックスなどの画像描写を行うための計算処理を行う。「画像処理半導体」とも表現される。CPUとGPUを両方手掛ける米国の半導体デバイスメーカのAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)は、同じく米国の大手FPGAメーカ、Xilinx(ザイリンクス)を買収することを発表した(2020年10月)。2015年にはIntel(インテル)がAltera(アルテラ)を買収しているので、FPGAの大手2社がCPUメーカに吸収されることになった。米国NVIDIA(エヌビディア)も、2020年12月にイスラエルMellanox Technologies(ネットワーク分野で強いFPGAメーカ)を傘下に収めた。NVIDIAはGPUのNo.1半導体メーカである。 つまり、CPU、GPU、FPGAは現在の半導体デバイスの主力3製品群で、GPUに強いNVIDIAはFPGAやCPU(2020年にソフトバンクからARM社を買収することを表明したが、欧州での規制をクリアできず2022年に断念)を強化しようとしている。CPUに強いIntelやAMDはFPGAに参入して半導体市場でNo.1になろうとしている。

CVD(しーぶいでぃー)

(Chemical Vapor Deposition )化学気相蒸着。半導体などをガスにして、加熱した基板上に堆積させて薄膜を形成する技術。 現在のICなどの半導体の製造にはほとんどこの手法が使われている。CVDとホトレジストによって各種の材料を何階層も重ねて複雑な回路を形成する。

System-on-a-Chip(しすてむおんちっぷ)

1つの半導体チップ上に、CPU、メモリ、I/Oその他が実装され、コンピュータシステムの動作に必要な機能がすべて組み込まれたLSI。マイクロコントローラ(MPU/CPU)に周辺のICの機能も集積したチップ、またはそのような設計手法を指している。 略記SoCの読み方は「えすおーしー」(または「しすてむおんちっぷ」)だが、「そっく」と解説している文献もある。今では「そっく」だとセキュリティー用語のSOC(Security Operation Center )を指していることが多い。

シリコンサイクル(しりこんさいくる)

半導体業界の市況が、活況と不況を数年ごとに繰り返してきたことからこう呼ばれる。BBレシオ(出荷額Billingに対する受注額Bookingの割合で、市況の需給関係を表す指標)がまるで正弦波のように変動した。在庫の品不足と過多が繰り返したが、各デバイスメーカもユーザである装置メーカも、このサイクルを正確に読むことが半導体市場では大変難しい。コロナ禍で巣ごもり需要が増加し、ルネサスの工場の火災事故なども重なり、2020年から2021年には半導体の世界的な不足が起こっている。スマートフォンだけでなく自動車(EVなどの電動化)需要も半導体不足を招いている。半導体は計測と大変関係深い業界の為、シリコンサイクルと計測器の販売額も無関係ではない。