計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ダイオード(だいおーど)

(diode)電流を一方向にしか流さない電子部品。トランジスタなどと同じソリッドステートの能動素子。整流に使われる。ダイオードを4個使い、ブリッジにるすと、プラスとマイナスの方向がある交流をプラスだけの波形にできる。全波整流した波形は、コンデンサを使うと波形の変動が滑らかになり、より直流に近づく。このようにダイオードを使った整流器はAC-DCコンバータになる。

ダイヤモンド半導体(だいやもんどはんどうたい)

(diamond semiconductor) 人工ダイヤモンド(合成ダイヤモンド)を使った半導体。パワー半導体として普及し始めたSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)、UWBG(酸化ガリウム)に比べて、放熱性、耐電圧性が優れているため、次の世代のパワーデバイスとして実用化が進められている。ダイヤモンドは炭素原子が強固に結合しているため、放射線を浴びても現在主流の半導体(シリコン)のように損傷することがないので、人口衛星などへの採用も期待されている。宇宙空間では石(ソリッドステート)ではなくいまだに球(真空管)を使っているので、ダイヤモンド半導体によって小型化、省エネ化が実現する。小型で大電力を扱えることだけでなく、発熱量が少ないので処理速度を高速化できる。Beyond 5Gや6Gでのダイヤモンド半導体の導入も視野に入っている。 シリコンに代わる材料(元素)として人工ダイヤモンド(炭素)を使った半導体は米国と日本で研究されてきた。特に日本は1990年代からメーカや大学などで研究されてきた。ダイヤモンドはそのままでは絶縁体で、他の物質を混ぜないと半導体にはならないが、どんな分子を吸着させると良いかわからなかった。ダイヤモンドを空気中に晒しておくと電気が流れることが知られていた(特に朝と夕方に顕著だった)。その理由は自動車などの排気ガス(二酸化窒素)であることが近年、佐賀大学の研究で明らかになった。また、ダイヤモンドの基板は大変小さいサイズだったが、4mm角の基板作成に成功し、二酸化窒素を吸着させて半導体を作り、従来より大きな電流を流すことに成功した。成果は論文として世界中に知られ、ダイヤモンド半導体の実用化が前進した。まだ課題はあるが、数年後には実用化できる見込みも示されている。 ダイヤモンド半導体は従来のシリコンのものより、理論的には約20倍の電流が流せるといわれているため、SiCなどより性能が良い。(現在は)中国ではなく日本がリードしている半導体の分野である。別名:ダイヤ半導体とも呼称される。

タケダ理研工業(たけだりけんこうぎょう)

1954~1985年に存在した老舗計測器メーカ。1954年に武田郁夫(当時30歳)が「タケダ理研工業株式会社」を創業。通信省電気試験所に勤務していた武田氏は、大手電機メーカが出がけない計測の分野に着目し、研究開発型ベンチャー企業を設立した。1960年代までに周波数カウンタやデジタルマルチメータ(DMM)など、現在では基本測定器と呼ばれる製品を開発した。同社の企業ロゴはタケダのTと理研のRをデザインした「TR」で、計測器の形名の頭もTRだった。TR5211、TR5151などのカウンタの中古品はいまだにネットに出展されている(つまり市場に多く出回った売れたモデルである)。同社のDC~低周波のラインアップはブリッジなどを早くから手掛けたYEW(現横河計測)と競合している。汎用計測器(基本測定器)ではタケダ理研と横河電機はコンペチタだった。 1970年代にはRF分野のスペクトラムアナライザ(スペアナ)や、半導体製造装置のメモリ・テスト・システム、光通信測定器を開発した。日本のデバイスメーカがメモリ(DRAM)で世界シェアを独占するのに伴い、同社のメモリテスタは世界一になっていった。1976年に富士通の資本参加があり、1985年に社名をアドバンテストに変更。創業からのタケダの名前は消えた。 1990年代の携帯電話の普及期にはローデ&シュワルツの代理店としてCMUシリーズ無線機テスタなどを販売した。アンリツや安藤電気のような電電ファミリー(NTTに光通信計測器を納めるメーカ)ではないが、光ファイバの評価測定器を開発してOPMなどの光通信計測器に参入し、「光の3A(スリーエー、アンリツ、安藤電気、アドバンテストの頭文字がいずれもAのため)」と呼ばれた。2003年にはRF(高周波)以外の機種群を株式会社エーディーシーに移管し、後に高周波のモデル(スペアナやネットワークアナライザ)もやめて計測器から撤退した。 1970年頃から埼玉県行田に主力工場があり、東京都大田区蒲田に本社があるNEC系列の半導体テスタメーカの安藤電気とは、1980年頃には競合だった。1982年に安藤電気に入社した営業マンで、タケダ理研に入社希望で訪問したが、「文系の学生は応募していない(つまり営業職も全員、理工系で採用する)」と断られ、競合を聞いて安藤電気に入社した人がいる。アドバンテストはタケダ理研創業の計測器から撤退したが、2015年に無線式の温度ロガー(AirLogger)を発売するなど、新規事業としてあらたに計測関連製品を模索している。 タケダ理研は、戦後の1950年代に創業したベンチャー計測器メーカが、計測器を別会社に移管して成長した例である。横河電機もコアビジネスではなくなった計測器を別会社(横河計測株式会社)に分離している。アドバンテストは半導体テスタの、横河電機は計装(プロセス)の世界的なメーカである。 タケダ理研で使われる用語の例:デジボル、DVM、VIG

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