計測関連用語集

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ファンクションジェネレータ(ふぁんくしょんじぇねれーた)

(Function Generator)サイン波や方形波など様々な波形を発生する汎用的な信号発生器。FGと略記されることが多い。高周波の信号発生器である標準信号発生器(Signal Generator:SG)は原則サイン波しか出力しないが、FGは多くの機能(Function)があることが語源と思われる。国産No.1メーカのエヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)は「マルチファンクションジェネレータ」を品名にしている。その名の通り、excelで作成したデータをインポートして出力できるなど、任意波形発生器(AWG)に近い機能を備えている。テクトロニクスは高周波も出力できる機種群をラインアップするなどAWGのNo.1メーカだが、2000年代に同社はAFGシリーズという、表示画面に出力波形が表示され、従来よりサイズが小さいモデルのFGを発売した。以降、エヌエフやキーサイト・テクノロジーというFGの主力メーカも小型の波形表示タイプをこぞって発売した(たとえばエヌエフのWF1973/1974など、AFGの発売から1年後には発売されている)。デジタルマルチメータ(DMM)やFGは長年、デジタルの数値表示だったのが、今では波形が表示されるモデルが主流である。 岩崎通信機が2020年発売のSG-42xxシリーズの品名は「任意波形/ファンクション・ジェネレータ」で、FGとAWGは境界があいまいになる傾向である。FGがアナログ方式からDDS技術によって任意波形の作成ができるようになったため、FGとAWGの堺がなくなりつつある(以下の参考記事を参照)。 計測器メーカとしては世界的にはキーサイト・テクノロジーが有名だが、日本ではエヌエフがシェアが高い。テクトロニクスや岩崎通信機もラインアップがある。横河計測は2021年現在、現役モデルが無く撤退したと思われる。テクシオ・テクノロジーやリゴルなどの中華系メーカもラインアップを増やしている。FGは、オシロスコープやDMMと並ぶ、汎用測定器の代表カテゴリーである。 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・FGがDDS方式になりAWG機能をもったことが解説されている。 計測器情報:ファンクションジェネレータの製品例、任意波形発生器(AWG)の製品例

フォーティブ(ふぉーてぃぶ)

(Fortive) 大手計測器メーカのTektronix(テクトロニクス)とFluke(フルーク、グループ会社含む)の持ち株会社。経緯を書くと、両社は別々に米国の投資会社ダナハー・コーポレーションに売却され、その傘下となった。その後、ダナハー・コーポレーションは2つに分かれ(2016年に、ダナハーの25%を占めていた工業機械関連会社がフォーテイブとして独立し、ダナハーには化学・健康機器関連の企業が残った、という説明もできる)、その一方のフォーティブ・コーポレーションの傘下に株式会社フルークと株式会社テクトロニクスは入った。発足当初の日本の社名は「株式会社TFF」で、その下に両社があった。後にフルーク社とテクトロニクス社を内包した社内カンパニー制度をとる「株式会社テクトロニクス&フルーク」となった(2021年)。それ以前は「テクトロニクス社/ケースレー社」と名乗っていた時期もある(Tektronixは2012年に、同じくダナハー傘下のKEITHLEYを吸収している)。 TFFはあくまで日本での会社名で、日本以外ではTFFなる組織は存在しない。日本以外ではテクトロニクス、フルーク、フルーク・キャリブレーション、フルーク・ネットワークスはすべて別会社だが、日本だけTFFがあり、フルーク・キャリブレーションは「TFF社の校正器営業部」、フルーク・ネットワークスは「TFF社のフルーク・ネットワークス営業部」という組織となっている。現在はTFFとは言わないが、フルークグループの各社が、日本では営業部という組織であることは変わらない。全世界にフルークの現地法人があり、フルークジャパンのトップは「株式会社テクトロニクス&フルークの特約店営業部(あのオレンジ色のハンドヘルドの機種群を日本で販売する組織の名前は“特約店営業部”である。日本では直販をほぼしないで商社経由で売っている。)」の営業部長になる。フルークジャパンの社長ではなく、特約店営業部の部長である。 海外ではM&Aが盛んで、大手計測器メーカといえども、キーサイト・テクノロジーやローデ・シュワルツ以外はほとんどが買収・合併されている。テクトロニクとフルーク以外の主要な海外通信計測器メーカはEXFO(エクスフォ)とViavi Solutions(ヴィアヴィ)に集約されている。計測器に限らず、市場原理によって企業は整理統合される。それが当たりまえだが、日本では海外ほど淘汰が進まず、中規模以下の計測器メーカが健在である。これを日本的な風土と評価するか、産業の新陳代謝が進まず水が澱んでいるとするかは意見が分かれる。メーカは技術者が一攫千金を夢見て操業する(ソニーやホンダなど)が、計測器は市場規模が大きくないため、各計測器メーカは独自路線の中小企業になりがちで、同業他社との合弁がなかなか進まない(自社で独立する気概が高い、逆に言えば創業者の名前を大事にしていて、似た技術分野の競合と合弁する気はなくて、頑固に独立を維持する傾向が伺える)。そのため、海外のキーサイト・テクノロジーのような国産の総合計測器メーカが育っていない。 1960年頃までの横河電機はその有望株だったが、その後HP(現キーサイト・テクノロジー)とYHP(横河ヒューレットパッカード)をつくり、高周波の測定器は(YHPと競合するので)つくらない方針となった。ただし、3G(携帯電話のデジタル化)など無線測定器の市場拡大の中で、RF の測定器群に参入し、2000年頃には方針転換して計測の事業を拡大し、安藤電気を吸収した。ところが時すでに遅かったのか、10年やらずにほぼすべての計測関連事業から撤退してしまった。計測器の現在の後継会社である横河計測株式会社は、国内シェアは10%に届かず、光測定器以外は通信計測器がないので、総合計測器メーカではない。 過去に存在した国内外の計測器メーカの例: Wandel&Goltermann(ワンデル・ゴルターマン)、JDSファイテル、Acterna(アクテルナ)、安藤電気、三栄測器

複製(ふくせい)

信号発生器で発生する波形を生成する手法の一つ。オシロスコープで取りこんだ既存の信号を信号発生器に転送し出力する。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

フラットネス(ふらっとねす)

正弦波を出力したときに、出力周波数によってレベルが変化する度合い。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

フリッカ雑音(ふりっかざつおん)

(flicker noise)低周波になるほど大きくなるノイズ。高周波になると小さくなる(パワーが周波数に反比例する)ので、1/f(えふぶんのいち)ノイズや、ピンクノイズと呼ばれる。半導体などの電子部品には必ず発生する雑音で、熱雑音などとともに重要。雑音にはその他に白色雑音(ホワイトノイズ)などがある。 参考用語:雑音指数測定器、雑音発生器、白色雑音発生器

ブロック(ぶろっく)

1024 ポイントのような選択した長さのデータ長あるいはパターン長。アナログ信号発生器やロジック信号発生器のシーケンス出力を構成する。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

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