計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

14

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

バースト信号(ばーすとしんごう)

(burst signal) ある間隔を置いて送出される信号のこと。信号が存在する領域と存在しない領域が時間領域で繰り返される信号を指す。時間領域のごく一部にのみに正弦波、方形波、三角波などの信号が存在し、それ以外の領域には信号が存在しない場合もバースト信号と呼ばれる。 テレビ放送で、映像信号からカラー信号を正しく復調し再現するための基準となる信号として使われている。カラーバースト信号(色同期信号)の周波数は、アナログ放送では3.58MHzである。 burstには「張り裂ける、切れる、沸き起こる、爆発する」などの意味がある。時間領域の一部にのみ信号のエネルギーが集中している → 爆発している、という表現である。バースト信号とは反対に連続している信号をCW(連続波)と呼ぶ。時間領域の波形観測が主眼であるオシロスコープの説明書には「バースト信号の測定は・・」や「パルスバースト(時間が空いて出現したパルス列)」というような表現(解説)がでてくる。 IEC61000-4-4のイミュニティ試験で使われるバーストノイズシミュレータ(障害試験器)は、バーストノイズを発生する。一番上の値が最も時間が短いインパルス状の波形を、短い時間(たとえば1msの間)に100回だしたら、何も波形がない時間を挟んで、繰り返し(たとえば300ms周期で)バースト波形の列を発生させる、これをバーストノイズと呼ぶ。信号がある時とない時があるのでバーストである。バースト信号をノイズとしてEMC(電磁感受性/電磁妨害耐量)の試験をしている例である。メーカは国産のノイズ研究所が有名。

バースト発振(ばーすとはっしん)

連続しているのではなく、ある間隔をおいて送出される信号をバースト信号という。ファンクションジェネレータ(FG)にはバースト信号の発振機能がある。バースト発振にはオートバースト、トリガバースト、ゲート、トリガゲートなどの種類がある。 バーストの計測器というと、各種の高周波ノイズを発生するEMI試験器の代表であるバーストノイズシミュレータがある。計測器の品名にバーストが出てくるモデルが多くある。

波高率(はこうりつ)

最大値の実効値に対する比。 測定器の入力のレンジの何倍の入力まで線形に動作するかを表す。波高率=最大値/実効値。正弦波の場合、波高率=√2 / 1=1.41。別名:クレストファクター。(共立電気計器株式会社の用語集より)

パターン・エディタ(ぱたーんえでぃた)

信号発生器の統合編集ツールで、パターンの時間と振幅の両方を編集、変更することができる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

パターンジェネレータ(ぱたーんじぇねれーた)

(pattern generator) パルス波形とパルスパターン波形を作成して出力できる信号発生器。一般にパルスジェネレータは単純なパルス列(方形波)を1~2ch出力するが、より複雑なロジック・パターン(パルスパターン)を出力する特殊なパルス発生器をパターンジェネレータと呼ぶ。代表例はBERT(ビットエラーレート試験)に使う信号発生器であるPPG(パルスパターンジェネレータ)がある。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「パターンジェネレータ:ロジック信号発生器の一種で、多数のチャンネルのデジタル・パターンを生成する」とある。ロジックアナライザ(ロジアナ)の機能(オプション)にはパターンジェネレータ(任意のロジック・パターンを多chで出力する)があり、ロジック回路の論理機能試験に使われる。 このようにロジアナ(テクトロニクスやキーサイト・テクノロジー)や、伝送路の品質評価に使うPPGなどの通信の測定器(アンリツやキーサイト・テクノロジーなど)にパターンジェネレータは使われている。パターンジェネレータをデータジェネレータと呼ぶメーカもある。また前述のテクトロニクスの用語解説でわかるように、同社はロジック信号発生器という呼称を好んで使っているが、キーサイト・テクノロジーやアンリツはパターンジェネレータやパルスパターン発生器のような表現が多い(「ロジック信号発生器」なる表現はしていない)。 また上記のテクトロニクスの説明では「パターンジェネレータは多ch」といっているが、通常、パターンジェネレータは1ch(または2ch)で、多チャンネルの場合はparBERT(パラバート、キーサイト・テクノロジーの多chのBERT、パラレルバート)などの製品になる。テクトロニクスの解説はロジアナについての解説で、一般的なパターンジェネレータは、アンリツやキーサイト・テクノロジーなど、BERTをラインアップするメーカのモデルを指していることが多い。メーカによって解説が異なる好例といえる。 TV信号には国別に違う方式があり(NTSCやPAL、ISDB-Tなどの規格)、それらのパターンの発生器をパターンジェネレータと呼称している。このようにロジアナや通信計測器、テレビ・映像測定器で使われる用語だが、それ以外の測定器にも使われているケースもある。

発信器(はっしんき)

(transmitter)変調をしない正弦波やパルス波形を一定の周波数で連続して発生する安価な信号源。最近はファンクションジェネレータ(FG)が安格になったため、発信器は少なくなった。「発信器(発信機)は英語でtransmitter」、読み方は同音だが「発振器はoscillator」。発信は「信号を発する」、発振は「振動を発する」という意味。RC発振器は発信器ではない。現在の計測器では信号発生器のような発生器(generator)が多い。参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・・さまざまな信号発生器・発振器を列記して概説している。

発振器(はっしんき)

(oscillator) 日本語でオシレータと呼称されることも多い。発生器(generator、ジェネレータ)よりも古く、計測器では、オーディオで使われるRC発振器がある。1920年代の最新の記録計に電磁オシログラフがある。オシログラフとは「oscillation(発振)やoscilator(発振器)のgraph(図、形状)」という意味で、発振の波形記録が当時のレコーダの役目だったことがわかる。「oscillation(発振)を見る(観測する)機器」がoscilloscope(オシロスコープ)である。このようにオシレータ、発振器は計測器の基礎となる機器(用語)であるが、現在の現役モデルは圧倒的に発生器(ジェネレータ)の方が多い。 発振は「振動を発する」という意味で、同じ発音の発信器は「信号を発する」ものである。以前は計測器として安価な発信器(transmitter)があったが、現在は発生器(generator)が安価になったので、それに取って代わり、発信器はほとんどなくなった。

発生器(はっせいき)

(generator) 電気的な物理量を出力する機器のこと。計測器としての代表的な発生器としては信号発生器(signal generator)がある。具体的にはパルス発生器(パルス信号発生器)や任意波形発生器、RF信号発生器 、映像信号発生器、ファンクションジェネレータ、白色雑音発生器、デジタル信号発生器、掃引信号発生器、FG、SGなどたくさんの機種群がある。必ずしも「信号発生器」という名称ではない。 信号以外には、圧力発生器や直流電圧電流発生器、SMUなどがある。 電源(計測用電源としての安定化電源)や光源も発生器だが、「源(source)」という漢字を使い発生器とは呼ばれない。信号発生器と電源では信号かそうでないか(電源は電力を発生する源)で区別されるが、圧力は圧力発生器ではなく「圧力源」でもおかしくないが、源でなく発生器と呼ばれている。光通信測定器の光源は「光信号発生器」であるが、あまり「光信号」という表現はせず、光源と呼称されている。使い分けの正確な定義は難しい。電流電圧発生器と安定化電源(CV/CC電源)との違いは、SMUなどの電流電圧発生器は安定化電源より出力精度が高いことで、交流電圧電流発生器は標準器も多い。SMUとCV/CC電源の違いは以下の記事を参照のこと。 参考用語:発信器・・発振器とは違う。

パラレル・デジタル出力(ぱられるでじたるしゅつりょく)

デジタル出力の一種で、信号発生器のメイン・アナログ出力と同じメモリからデジタル・データを出力する。メモリには、アナログ出力上に存在する波形サンプル値と等しいデジタル値をストアできる。(テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説より)

パルスジェネレータ(ぱるすじぇねれーた)

(pulse generator) 半導体素子やその回路の試験用にパルス波形を発生する測定器。別名:パルス発生器、パルス信号発生器。略称:パルジェネ。略記:PG。周波数、デューティ、出力電圧などのパルス・パラメータを任意に設定できる方形波発生器。高速シリアル伝送の評価用に疑似ランダムパターンを発生できるモデルもある(キーサイト・テクノロジーの81134Aなど)。出力は普通1~2chで、単純なパルス列を発生する機能しかない。複雑なパルス・パターン(ロジック・パターン)を多chで出力するものに、パターンジェネレータがある。パルス・パターンを多chで出力できるので、ロジックアナライザのオプションだったり、PD(パターン検出器)とペアでBERT(ビット誤り率試験)だったりと、特定のアプリケーションに対応している。 参考用語:方形波、擬似ランダム・ビット・ストリーム 参考記事:ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第1回)・・パルスジェネレータ(パルス信号発生器)を含む、信号発生器のおおまかな種類の説明が冒頭にある。 計測器情報:品名に「パルスジェネレータ」が付く製品の例

パルス・タイミング・ジェネレータ(ぱるすたいみんぐじぇねれーた)

テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説によれば「パルス・ジェネレータに類似しているが、遅延やチャンネル間のスキューなどのパルス・タイミング制御が追加されている。出力信号電圧および立上り時間のパラメータ制御も用意されている。」とある。つまり、パルスジェネレータにタイミング機能があるものと読み取れるが、同社HPで「パルス・タイミング・ジェネレータ」を検索してもヒットしない。同社にはこの品名の現役モデルはない(2022年3月)。

パルスパターン(ぱるすぱたーん)

(pulse pattern) デジタル信号はhigh/low(1/0)の組み合わせの特殊な方形波で、意味のあるデータを2進数にして伝送する。1と0がランダムに続く信号をパルス列やパルスパターンと呼ぶ。デジタル伝送の送信機器~伝送路~受信機器までのシステム全体の品質評価をする指標にBER(ビット誤り率)がある。この測定は任意のパルス列(パルスパターン)を出力できる特殊なパルス発生器であるPPG(パルスパターンジェネレータ)と、ED(エラーでテクタ)の組み合わせで行う(現在はPPGとEDが1筐体に収まった製品が多い)。

パルス・パターン・ジェネレータ(ぱるすぱたーんじぇねれーた)

(Pulse Pattern Generator)通常はPPGと略記される、パルスパターン発生器。エラー検出器(ED:Error Detector)との組み合わせでビット誤り率試験(BERT:Bit Error Rate Test、バート)を行う。光通信などのデジタル通信の伝送品質の評価に使われるため、パルス列のパターンを作成し、高速に正確に出力できるパルスジェネレータ(PG)の1種。テクトロニクスの冊子「信号発生器のすべて」の用語解説では「ロジック信号発生器の一種で、少数の出力チャンネルから方形波またはパルスの列を、通常は非常に高周波で生成できる。パルス・ジェネレータとも呼ばれる。」とある。PPGはPGの1種だが、両者の区別は、BERTの時はPPGと呼ぶなど特別なアプリケーション時にPPGという表現が使われている。

パルス発生器(ぱるすはっせいき)

(pulse generator) 精度の良い方形波 (矩形波)を出力する信号発生器。英語をそのままカタカナにしたパルスジェネレータと呼ばれることも多い。略記:PG。 標準信号発生器(SG)などは主に正弦波 (サイン波)を出力する。パルスジェネレータは矩形波を出力する。その他の三角波やのこぎり波などの波形はファンクションジェネレータ(FG)が出力する。より複雑な波形パターンは任意波形発生器(AWG)による(ただし、最近はFGとAWGの境が曖昧になっている)。 ロジックアナライザで使うロジックパターンや、デジタル通信で使うパルス・パターンはパターンジェネレータが出力する。たとえばビット誤り率の測定用のパルス発生器はPPG(パルスパターンジェネレータ)と呼称されている。 参照用語:発生器、データ・パターン・ジェネレータ

  • 1