計測関連用語集

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レクロイ(れくろい)

(LeCroy) 1964年にWalter Lecroyが素粒子物理メーカとして設立。1986年に高速ロングメモリのデジタルオシロスコープ初号機を開発。以降、テクトロニクスやhp(ヒューレット・パッカード、現キーサイト・テクノロジー)と並ぶ世界のトップ3オシロベンダーとして、ミドルクラスから広帯域オシロスコープまでをラインアップ。ディスクなどの回転体や、長いメモリで長時間記録をするアプリケーションでは、テクトロニクスやhpではなくレクロイが好まれた。国産の横河電機(現横河計測)はDLシリーズにロングメモリのオプションをつくり、テクトロニクスのTDS3000シリーズと差別化した。 現在のラインアップにはファンクションジェネレータやプロトコルアナライザなどもある。2012年に米国の投資会社であるテレダイン・テクノロジーズ(Teledyne Technologies)に買収され、現在の会社名はテレダイン・レクロイ(Teledyne LeCroy)。つまりレクロイは1964年から2012年に存在した会社である。

レコーダオシロ(れこーだおしろ)

(oscilloscope like a recorder) 横河電機の計測器事業部門(現横河計測)は1990年代に、多チャンネルの波形測定器AR4000シリーズ アナライジングレコーダや、OR/ORPシリーズ(OR100/OR300/OR1400、ORP1200/OPR1300など)オシログラフィックレコーダなどのチャート式メモリレコーダをつくっていたが、2000年代前半に生産中止となった。後継機種として、1997年にDL708デジタルスコープを、2002年に1Gワードのメモリを搭載した「データ・レコーダ付きディジタル・オシロスコープ」DL750 ScopeCorder(スコープコーダ)を発売した。以降、スコープコーダはモデルチェンジを続け、DL850、DL950、DL350などが発売されている。名称から明らかなようにこの機種群(スコープコーダ)はレコーダオシロである(oscilloSCOPEとreCORDERが合体した命名。オシロスコープの「スコープ」とレコーダの「コーダ」を組み合わせた名称)。 レコーダなのか?オシロなのか?とは愚問である。同社はDL750のプレスリリースで「レコーダの様なオシロ」といっている。なので、当サイトではオシロのカテゴリー(機種群)に「レコーダオシロ」という分類をつくり、同社のスコープコーダを掲載している(アナライジングレコーダとオシログラフィックレコーダはレコーダに分類)。 スコープコーダと競合するのはメモリレコーダである。そのため、一般的にはスコープコーダ(現役モデルはDL950、DL350)はオシロではなく日置電機のメモリハイコーダのようなレコーダである。ただし、メーカは発売時に「レコーダ機能があるオシロ」、とオシロであると主張している。形名に同社のオシロと同じ「DL」を付けていることもその主張を裏付けている。 横河電機は1924年に電磁オシログラフを国産化した実績をもち、波形記録装置としての記録計(レコーダ)の老舗である。顧客ニーズに応える計装(プラント向け)レコーダを常にラインアップし続けている。横河電機の計測器部門は「メモリオシログラフ」や「オシログラフィックレコーダ」というオシロのような名前のレコーダを作り、1980年代にDLシリーズでデジタルオシロに参入後は、同じ形名のDLを使ったスコープコーダというメモリレコーダをつくったといえる。 スコープコーダはメモリレコーダなので、レコーダに分類するのが妥当だが、メーカの意向を勘案してオシロの中に「レコーダオシロ」なる項目をつくった。ただし2023年2月の横河計測ホームページの製品ページでは「データロガー/データ収集(DAQ)」にスコープコーダは掲載されているので、当サイトの計測器情報の機種群(カテゴリー)を改修する際はレコーダオシロという項目は削除されると思われたが、2023年10月現在、スコープコーダはデータロガーのページと「オシロ/波形測定器」のページの両方に掲載され、「オシロでもありレコーダでもある。両者のいいとこどりの中間の仕様。」という位置づけになっている。 レコーダオシロという名称は一般に認知されていることばではない。横河電機がレコーダのようなオシロをつくったので、それを分類することばとして横河レンタ・リース(当サイトの運営会社)がつくった造語である。横河計測のスコープコーダはカタログ仕様を見ればメモリレコーダだが、他社のモデル(メモリハイコーダやオムニエースとは設計思想が違う、独特なポジションに筆者には思える。研究機関などの波形測定ニーズに応えたらこのような仕様の製品ができた、ということかもしれない(つまり需要があってレコーダオシロは存続している)。

レコード長(れこーどちょう)

(record length) デジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)でサンプリングした波形を記録する長さをレコード長(メモリ長)という。レコード長はポイント数もしくはワード数で表現される(例:10kポイント、10kW)。安価なデジタルオシロでは数kポイント程度。内蔵メモリは高価なため、レコード長の大きい(メモリが大きい)モデルは高額になる。広帯域オシロスコープ(高速オシロ)はその性格上、大きなメモリが必要なため、増設メモリをオプションにしているが、概して高額である。長いレコード長を必要とするアプリケーションがいくつかある。最近のデジタルオシロは標準でレコード長の長いものが増えた。「レコード長」といわずに「内蔵メモリ」のような表記をしているメーカカタログもある。「ロングメモリ」という表現もされる。 計測器メーカでは、海外のレクロイ(現テレダイン・レクロイ)、日本の横河電機(現横河計測)が「ロングメモリ」モデルを特徴にしてきた。デジタルオシロを名実ともに確立して長期間シェアを保ったテクトロニクスのTDS3000シリーズは、標準ではメモリが少なく、ロングメモリには対応していなかった。以前は各オシロメーカにこのように特色があったが、最近はテクトロニクスもレコード長の大きいモデルが多い。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「レコード長:信号のレコードを構成する波形ポイントの数」と説明されている。

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