計測関連用語集

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リアルタイムオシロスコープ(りあるたいむおしろすこーぷ)

(real time oscilloscope) デジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)はサンプリングによってアナログ信号をデジタルデータに変えてメモリに格納し、画面に波形表示を行う。サンプリングには2種類の方法、リアルタイムサンプリング(実時間サンプリング)と等価時間サンプリングがある。前者の方式のモデルをリアルタイムサンプリングオシロスコープ、または(サンプリングを略して)リアルタイムオシロスコープ(リアルタイムオシロ)と呼ぶ。一般のデジタルオシロはほとんどがリアルタイムオシロなので、リアルタイムも略して「オシロ」や「デジタルオシロ」と呼称されている。後者は「等価時間サンプリング」から「等価時間」を略して「サンプリングオシロスコープ」と呼ばれる。メーカによっては等価時間オシロスコープと表現している場合もあるが、サンプリングオシロという表現が一般的である。 つまり、通常の一般的なオシロは、サンプリングオシロと比較して語られるときには「リアルタイムオシロ」と表現される。デジタルオシロが、アナログストレージオシロと併売されていた2000年頃には、デジタルストレージオシロスコープ(DSO)と呼ばれることも多かった(現在も一般のリアルタイムオシロをデジタルストレージオシロと呼んでいる場合がある)。このようにオシロスコープは時代によって、比較する対象によって様々な呼称をされる。デジタルオシロとリアルタイムオシロとデジタルストレージオシロはほぼ同じ意味だが、計測器全般の広範な知識がない(進化の歴史を知らない)初心者には、このことを理解するのは簡単ではない。 オシロの名称(品名)はほとんど「オシロスコープ」(リアルタイムサンプリングの場合)か、「サンプリングオシロスコープ」(等価時間サンプリングの場合)である。等価時間サンプリング方式のモデルを特別に「サンプリングオシロ」と呼称して、それ以外は簡素に「オシロスコープ」としかいわない。つまり「リアルタイムオシロスコープ」という品名は個別のモデルには使われることはほとんどない(※)。数少ない例を以下の計測器情報に掲載。 オシロの機能ということではMSOやミックスドシグナルオシロスコープという名称は品名(や形名)に使われるが、絶縁型オシロスコープや高分解能オシロスコープ、多チャンネルオシロスコープなどの品名はほとんどが「オシロスコープ」で、品名からその機能を判別することはできない。テレダイン・レクロイ(旧レクロイ)や横河計測などが機能名を品名に付けているケースはあるが、テクトロニクスとキーサイト・テクノロジーは、ほとんど「オシロスコープ」という、そっけない品名が多い。 (※)テクトロニクスは1991年に初めてADコンバータを搭載したデジタルオシロスコープ、TDS300シリーズを発売開始した(以下の「計測器の形名・・・第2回」にモデルの変遷を概説)。1998年発行の「TDS300/Pシリーズ」の製品カタログにはTDS340A、TDS360、TDS380などが載っているが、「デジタル・リアルタイム・オシロスコープ」と呼称している。 オシロ同様に(高周波の)基本測定器であるスペクトラムアナライザ(スペアナ)にも、リアルタイムスペクトラムアナライザがある。一般にスペアナは掃引型である。ところが2000年代にテクトロニクスがスペアナに参入時にRSA(リアルタイムスペクトラムアナライザ)と称してRSA3000,RSA6000などのシリーズを発売した(※※)。簡単に説明すると、周波数軸だけでなく時間軸表示ができるスペアナである。そのため、スペアナのリアルタイムとは掃引型でなく時間軸表示ができる機種群をおおむね指している。オシロのリアルタイムはサンプリング方式で区分していて、(等価時間サンプリング方式の)サンプリングオシロではない機種群をいう。同じ「リアルタイム」でも計測器のカテゴリーが違うと意味が異なる。まったく、計測器は素人にはわからない世界である。 (※※)テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」では「掃引型スペアナやVSA(ベクトル・シグナル・アナライザ)といった従来の機器を使用しても、周波数領域や変調領域における信号を表示させることができるが、この情報だけでは現在のRF信号の動的な特性を評価するには不十分である」として、リアルタイムスペアナの有効性を説いている。

リアルタイムサンプリングオシロスコープ(りあるたいむさんぷりんぐおしろすこーぷ)

現在のオシロスコープ(オシロ)の主力の方式。等価時間サンプリングの手法を使ったサンプリングオシロスコープがあるため、それと区別するためにこの呼び方がある。リアルタイムサンプリングのオシロは繰り返し波形だけでなく単発信号も観測できる。それに対してサンプリングオシロは繰り返し信号しか観測できない。サンプリングオシロの利点はリアルタイムオシロに比べて高い周波数まで測定できること。高速伝送信号のアイパターン評価などに適している。リアルタイムはオシロ以外にも、たとえばスペクトラムアナライザ(スペアナ)でもそう呼ばれる機種群がある。「リアルタイム」というと以前はオシロの1機種群を指していたので、オシロを省略して「リアルタイム」と呼ぶことも多かったがスペアナもあるため、最近はあまり略していない。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では以下の解説がある。「リアルタイム・サンプリング:サンプリング・モードの1つで、トリガされた1回の取込みでできる限り多くのサンプルを収集すること。信号の周波数帯域がオシロスコープの最大サンプル・レートの半分以下の場合に有効。」つまり、オシロの話、と限定した時は「リアルタイムサンプリング」と説明されている。

リサジュー(りさじゅー)

(Lissajous) 2つの信号を直交するX軸・Y軸上で合成した図形のこと。リサジュー図形(曲線)よばれる(Lissajous figure、Lissajous curve) 。オシロスコープの2チャンネルを使って波形表示すると、2つの信号の周波数の比によって回転するように見える図形があらわれる。1970年代のSF映画でコンピュータのモニタに表示して、先進的(幻想的)な映像として使われた例もある。別名:オービット。会話やメール文では「リサージュ」と発音・表記されることも多い。 参考用語:XYモード、アナログオシロスコープ 参考記事: デジタルオシロスコープの基礎と概要 (第1回) FFTアナライザの基礎と概要 (第1回)

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