計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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ライティング・スピード(らいてぃんぐすぴーど)

アナログ・オシロスコープの機能で、波形トレースを描画する速度。デジタル・ロジック信号のような、低い繰返し信号で高速に変化する信号に対しては機能が制限される。(テクトロニクス「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)

ライントリガ(らいんとりが)

(line trigger) オシロスコープのトリガ の1種。トリガソースの設定で、入力チャンネル以外にAC電源(line)が選択できる。観測信号に何らかゆっくりしたノイズ(変動)があった場合、ライントリガで同期する(安定しなかった波形の表示が止まる)なら、その原因は商用電源である。工場などで大型機器が稼働している近くでは、電源ラインの品質が良くない場合がある(オシロは実験室のベンチ上以外で使うことも多い)。 MSOが普及し始めた2000年代後半以降は、トリガタイプ(トリガの種類)が増え、ミドルクラスでは10種類以上が標準装備されている。タッチパネルの普及によって、表示画面上でゾーン(ウィンドウ)を指定するビジュアルなトリガ機能も備わってきている。それらに比べるとライントリガは地味だが、大切な機能の1つである。

ラントパルス(らんとぱるす)

(runt pulse) デジタル回路は1(H:High、ハイ)と0(L:Low、ロー)の2値でテータを表現する。HとLの具体的な値(電圧のことが多い)は規格やシステムによって異なるが、LからHに状態が変化するときに、Lのしきい値(スレッショルド)から増加したが、Hと認識されるレベルに到達せずに、元のLレベルに落ちてしまう不良パルスを(正の)ラントパルスと呼ぶ。runtは小人やチビなどの意味(不良パルスなので、小人の侮蔑的な表現)。HからLに推移するときにも発生する(負のラントバルス、と呼ぶ)。 ラントパルスは、電子回路のフリップフロップが準安定時や、スイッチングのタイミングで発生する非同期パルスである。LやHという状態を示すという、本来の役目を果たさないため、誤動作の原因となるので、グリッチ同様にデバッグの対象となる。電気技術者が普段使いで使用するミドルクラスのオシロスコープ(MHz帯域)のほとんどのモデルにはラントパルスを検出(捕捉)するためのラントトリガという機能が標準装備されている。ラントトリガを最小パルス幅200ps(ピコセック)で設定できるモデルもある。つまり、デジタル回路で動作している電子機器は、発生頻度は大変少ないが、不定期にラントパルスが発生し、予期せぬ誤動作が起こるもので、ラントパルスの撲滅(回路の改良による機器の品質向上)のために、オシロスコープのラントトリガ機能は有効なツールである。 ラントパルスは、「信号が回路内の2つの別々の経路をたどると遅延が起こり、その後再結合するとグリッチとなり、競合状態の結果として発生する」という解説もある。

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