計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

5

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

ニッケテクノシステム(にっけてくのしすてむ)

(Nikke Techno System Co.,Ltd.) 正式名:株式会社ニッケテクノシステム。2009年~2012年に存在した会社。まず、計測器の視点で説明する。ケンウッドの計測器事業部が分社化した株式会社ケンウッドティー・エム・アイが日本毛織グループ(ニッケ)の資本参加を受け社名変更した。ニッケテクノシステムのテクシオ事業部と称していたが、2010年頃の短期間しかこの社名は存在せず、株主はニッケから台湾の計測器メーカGood Willに移り、2014年には株式会社インステック ジャパン(Good Willの日本法人、日本での販売会社)を吸収し、現在の株式会社テクシオ・テクノロジーとなっている。ニッケテクノシステムという計測器メーカ名を知っている人は(通信計測器のActerna、アクテルナを知っているのと同じくらい)たいした計測器ツウである。 ニッケが発表した資料を元に説明する。ニッケ(日本毛織)の子会社であるニッケテクノシステムは東京都町田市に本社があり、事業内容は「電源・計測器・2次電池用検査装置等、FAシステム(半導体関連製造装置)、画像検査装置、の3つの製造販売」である。2012年7月10日にニッケは、「ニッケテクノシステムの電源計測器事業を台湾企業が設立する日本法人に譲渡し、FAシステム事業と画像検査装置事業は子会社のニッケ機械に統合する。」と発表した。発表資料には「電源計測器事業は約12億円の売上で、事業は台湾の計測器メーカGW社のもとでTEXIOブランド製品として継続する」旨が記載されている。ニッケテクノシステムは解散して無くなったので、現在ではその詳細がかわらないが、町田市は2000年頃に(ケンウッド・ティー・エム・アイが社名変更した)株式会社テクシオの本社があった(ニッケテクノシステムの本社と同住所かは不明)。 国産計測器の老舗ケンウッド(旧トリオ)が本体から分社し、株主が日本毛織だった時の短期間の会社名。現在は中華資本(台湾の計測器メーカ)の元でケンウッド時代から継続するTEXIO(テクシオ)ブランドを続けている。

入力インピーダンス(にゅうりょくいんぴーだんす)

オシロスコープの入力端子から見たインピーダンスを入力インピーダンスと呼ぶ。下図のように1MΩ入力のオシロスコープには、一般に入力抵抗1MΩと等価的に10~30 pF程度のコンデンサが入力端子とGND(グランド)の間に結合された形となる。オシロスコープで特に注記されているが、入力がある機器(計測器)には入力インピーダンスが存在し、低周波の測定器では「入力抵抗」と表現されていることもある。

入力カップリング(にゅうりょくかっぷりんぐ)

(input coupling) オシロスコープの機能の1つ。入力端子に接続した信号を垂直軸回路と結合させる回路を入力カップリングと呼ぶ。カップリングには下図のように3種類ある。 (1)ACカップリング:コンデンサを通して結合する。直流成分がカットされる。ほぼ同じ機能にオフセットがあり、場合によって使い分けられている。 (2)DCカップリング:直接入力信号を垂直軸回路に結合する。(3)GNDカップリング:垂直軸回路をGND(グランド)に接続する。ゼロボルトの表示ラインを目盛りに合わせるのに使用する。 オシロスコープのトップベンダ、テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年発行)には次の説明がある。「カップリング:2つの回路の接続方法。導線で直接接続されているのがDC(直接カップリング)であり、コンデンサまたは変圧器で接続されているのがAC(間接カップリング)。」 入力カップリングを「入力結合」と表記している場合もあるが、結合の英語はcombiningやjoinである。テクトロニクスの解説のように、英語のcouplingをそのままカタカナで「カップリング」という日本語にするのが妥当(適切)といえる。 入力信号をトリガ回路に接続するトリガカップリングもある。 計測器には「入力カップリング」という名称の製品はほぼないが、「カップリングアダプタ」が品名のモデルはある(以下の計測器情報を参照)。

入力感度(にゅうりょくかんど)

(input sensitivity) オシロスコープ(オシロ)の仕様の1つ。画面の縦軸目盛りを基準に定義されている、電圧感度のこと。オシロは入力に印加された電圧に比例して縦軸方向に輝線の位置が変化して信号(電圧の)変化を観測する。入力電圧に対して輝線が何目盛り振れるかが感度となる。入力感度はV/div(divは1目盛りで、1目盛りあたりの電圧)で設定する、縦軸の感度である。オシロの画面にどの程度の大きさで(縦軸、つまり電圧)を表示するかの設定のことなので、「縦軸の描画範囲」といえる。感度というとまるで精度のように感じるが、電圧の測定精度は分解能(A/D変換器のビット数)で決まっている。精度ではなく、どのくらいの大きさで画面に描画するかの設定を入力感度(電圧感度)と呼んでいる。デジタルの数値表示をするDMMなどのレンジに相当するともいえる。 安価なモデルは入力感度の幅が狭く、ミドルクラス以上になると広くなる。モデルによって入力感度が異なるため小振幅の信号を観測する際は注意が必要である。通常のベンチトップモデルは10div(10目盛り)だが、ポータブルになると8divのモデルも多い。

2現象オシロスコープ(にげんしょうおしろすこーぷ)

(2 phenomenon oscilloscope) 2ch(channel、チャンネル、チャネル)入力のアナログオシロスコープのこと。 アナログオシロスコープはブラウン管の蛍光面に電子ビームをあてて光らせる。電子銃から放出された電子は、垂直と水平に電圧が印加された経路(電磁界)を通り、軌道を曲げる(描画したい波形に応じて印加電圧を制御する)。1つのブラウン管に電子銃は1つのため、入力は1chである。1台のオシロスコープで2つの信号を観測できたら、時間差や電圧の違いを比較でき、大変に便利である。そこで1つのブラウン管で2つの信号を表示できるように、2信号を交互に切替える電子回路を付加した。切替え速度が人間の目の感覚より速いので、残像によって2信号は同時に表示される。切替えるやり方は、1回の掃引の間に何度も繰り返し切替える(CHOPモード)と、掃引ごとに1chと2chを表示する(ALTモード)の2つがある。chop(チョップ)は「切り刻む」こと、ALTはalternately(交互に)の略である。 2つの信号が観測できる(入力が2つある)オシロスコープは、「従来の1信号ではない」ということを「2つの信号(2現象)が観測(表示)できる」ということで、「2現象オシロスコープ」と呼んだ。つまり2chオシロスコープである。確認したい回路の入力をch1、出力をch2に接続すれば、この回路での信号変化(入出力の特性)を簡便に知ることができるので、2chモデルは有効なツールとなった。 2ch入力になったことで、ch1とch2の表示選択や、chごとのレンジ設定、波形表示の基準位置のつまみなど、現在のオシロスコープにつながる機能(操作部)ができた。X-Yモードによるリサジュー表示も2chならではの機能である。 トリガ方式のオシロスコープは1947年の511型(テクトロニクス)、1954年のSS-751(岩崎通信機)がはしりで、1950年代にはエッジトリガ機能を搭載したモデルが普及した。トリガスロープの設定は当時からあったと思われるが、2現象モデルの初号機がいつ登場したかのか記録がない。1972年発売のテクトロニクスの465は周波数帯域100MHz、入力2chで、20年以上販売したロングセラーである(200MHzの475、350MHの485も同時発売)。1992年発行の製品カタログには「LSIスコープ 100MHz 2現象オシロスコープ」とある(※)。465以前に2chモデルがあったかは不明だが、1990年代には「2現象オシロスコープ」と呼称していたことがわかる。 国産の岩崎通信機やケンウッド(現テクシオ・テクノロジー)も2現象オシロスコープを品名にしたモデルを発売している。中古版売サイトに掲載されたケンウッドのCS-1022(20MHz、2ch)は2現象オシロスコープで、前面パネル(つまみや画面の配置)は465とほぼ同じで、当時の2chモデルの操作部を知ることができる。背面写真には「MANUFACTURED BY TRIO-KENWOOD CORPORATION MADE IN JAPAN」とあるが、製造年月はない。トリオは1965年にオシロスコープを発売し、1986年にケンウッドに社名変更したので、1986年頃の2現象オシロスコープと思われる。テクトロニクス2246の製品カタログ(1986年発行)によると、仕様は100MHz、4chである。つまりテクトロニクスは2現象オシロスコープとは別に周波数帯域を伸ばしたモデルを1980年代に着々と発売している。国産メーカがテクトロニクスと同等の高性能モデルをどれだけ作ったかは不明だが、2現象オシロスコープと題した安価なモデルは、多くつくったと思われる(中古販売サイトのモデルからの推測)。 1980年代にデジタルオシロスコープが登場し、1990年代はアナログとデジタルが混在したが、2000年以降はデジタルが主流となっていく。2現象オシロスコープの登場は1960年代と推測されるが、1990年代まで国産メーカの主力アナログオシロスコープ製品(安価モデル)として販売されていた。デジタルオシロスコープは1990年代には4chモデルが主流となっている(安価な2chモデルもある)。 ハンドヘルドのオシロスコープ(数万円以下/台)は2chモデルが多い。2022年に日本法人ができたOWON(オウオン、中華系オシロスコープのメーカ)には「HDS200シリーズ 2チャンネル デジタル・オシロスコープ」がある。現場測定器をラインアップする株式会社マザーツール(長野県上田市の国産メーカ)は、ハンドヘルドの2chモデル「MT-775 フルカラーハンディタイプ2現象オシロ + DMM 4000カウント」を発売している。海外メーカは2現象とはいわずに「2ch」、国産メーカは「2現象」の呼称(品名)がいまでも続いている例といえる(アナログではなくデジタルになっても)。 主要な欧米、国産の計測器メーカはアナログオシロスコープをすべて生産終了している。新興の中国メーカのアナログモデルが輸入されている(以下の、2chアナログモデルの例を参照)。 (※) 465の品名が1972年発売時に何だったかは不明(2現象と呼んでいたかはわからない)。1990年頃はアナログの2chモデルを「2現象オシロ」と呼ぶのが普通だった。1989年発行の2205の製品カタログにも「20MHz 2現象ポータブル・オシロスコープ」とある。国産メーカ同様にテクトロニクスも安価な2chモデルを「2現象」と呼んでいたことがわかる。ただし現在では同社に「2現象」と呼称するモデルはない。

  • 1