計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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グリッチ(ぐりっち)

(glitch) 日本語にすると「機械の欠陥」や「突然の異常」の意味。電子回路の設計にマージンがないときなどに、鋭いパルス状の髭のような波形がときどき発生することがあり、電子機器の誤動作の原因になる。バグ(bug)は決定的な欠陥で必ず不具合を起こすが、グリッチは一過性の短期間の障害で、不定期に発生することが多く対処(発見や対策)が難しい。計測器(特にオシロスコープ)の用語として、この異常波形をグリッチと呼んでいる。「グリッチとは、回路内で発生する間欠的で高速な不良信号」(2017年発行 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」より)。 オシロスコープで電子回路のデバッグをする際には「グリッチ」を見つけ出して改善を行い、機器の動作を安定化させ、機器の品質を向上して、販売可能な製品(商品)として作り上げることが重要である。そのためオシロスコープ各社の製品には、トリガのかけ方などの多くの手法を駆使してグリッチを発見できることが、カタログや技術資料でPRされている。「方形波でパルス幅が規定以下の短いものがグリッチ」と考えて、パルス幅トリガを使ってグリッチを検出をするのが一般的である。高速デジタル回路の解析を主眼にした高速オシロスコープでは、パルス幅トリガを高機能にしてグリッチトリガと命名していることもある。 DSO4000 Xシリーズなど、波形更新レートが速いことを売りにしているキーサイト・テクノロジーは「オシロスコープには波形を捕捉しないデッドタイムがあり、波形の更新速度が上がると、発生頻度のまれなグリッチを捕捉できる」、と解説している(2018年3月発行 WHITE PAPER「そのオシロスコープは、発生頻度 の低いイベントを捕捉できますか? オシロスコープの波形更新速度」)。 グリッチを発見して、原因を究明し、設計変更によって撲滅することはオシロスコープによるデバッグの真骨頂である。オシロスコープの重要な機能の1つであるトリガを使いこなせるようになると、オシロスコープについて習熟したといえるのは、グリッチ発見にトリガが有効なためともいえる。ゲームでは、ゲーム中に起きた不具合を意図的に利用する手法(不正行為)を「グリッチ」と呼んでいるが、計測器の用語としては、設計不良を発見し、電子機器の品質を高めるための指標の1つがグリッチである。 使い方動画(会員専用) [計測入門講座 Isee!]第11回 複雑な信号にトリガをかける ・・・パルス幅トリガでグリッチを発見する例。

クレバースコープ(くればーすこーぷ)

(clever scope) ニュージーランドのメーカが作る、USB接続型のオシロスコープ(オシロ)の名称。FRA機能があるモデルもある。2013年には技術雑誌に「高性能・高解像度・多機能PCオシロ」として紹介されている。最近は大手計測器メーカもラインアップを増やしているUSB計測器である。 PC接続型の計測器では、英国のPico Technology(ピコテクノロジー)が老舗だが、クレバースコープもキーサイト・テクノロジーなどの大手海外メーカがラインアップを揃える以前に発売されている。2024年には大手のエレクトロニクス雑誌に、CS328Aシリーズの広告がある。「FRA分析可能、高解像度・多機能、ミックスド・ドメイン、クレバースコープ」と記載されている。ミックスド・ドメインとはスペクトラムアナライザの機能があるということ(MDO)で、FRAだけでなく多機能であることをPRしている(当然、ロジアナ機能があるMSOでもある)。賢い(clever)オシロスコープ(scope)というネーミング。 オシロスコープの電源解析オプションを充実させているテクトロニクスは、オシロで電源のFRA分析をする手法を提案している(以下の参考記事が詳しい)。その意味では、クレバースコープは、ピコテクノロジーほどの豊富なラインアップはないが、オシロの雄、テクトロニクス同様に特長ある提案をしているといえる。 日本ではTUI Solutions(トゥイ・ソリューションズ)株式会社が輸入販売をしている。

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