計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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SWP(えすだぶりゅぴー)

掃引時間(掃引速度)の略記。オシロスコープやスペクトラムアナライザなどの表示にSWPと表記されることがある。「SWeeP time」か「SWeep Speed」の略記と思われる。

STamigo(えすたみーご)

米国の大手計測器メーカTektronixの日本法人であるソニー・テクトロニクスが、1990年代に行ったイベント(販売施策)の名称。「STamigo™ エスタミーゴ」と表示(印刷)されたデジタルオシロスコープTDS300/Pシリーズのカタログ(1998年8月発行)が残っている。鳥のキャラクターデザインを使っている。1990年代初頭まで同社は直販が主で、営業マンを「フィールド・エンジニア」(顧客に製品の説明を行う技術者)と位置づけていたが、間接販売に大きく転換し、1993年頃から始めた「販売チャネルの開拓」がSTamigoと思われる(30年前のため実態は不明)。 呼称はSTamigo(スタミーゴ)ではなく、「S(エス)Tamigo(タミーゴ)」。amigoはスペイン語で「友達」だがTamigoの意味は不明。「ST(ソニー・テクトロニクス)amigo(友達)」の略記かもしれない(あくまで推測)。 ハンドヘルドのデジタルマルチメータ、WaveMeter STA55(STA55G型、STA55H型)の製品カタログ(1994年発行)のトップページには、メーカ名の「ソニー・テクトロニクス」とSTamigoの表記があり、最後のページの一番下に小さな字で、次の但し書きがある。「STamigo(エスタミーゴ)は、記載されているソニー・テクトロニクス(株)製品の販売店の総称です。」 中古販売サイトに出品されたWaveMeter STA55Gの写真には、型名(※)の近くにSTamigoと印刷されている。製品には当時のソニー・テクトロニクスの企業ロゴである「SONY tektronix」の表示があり、表示部の下には「計測器ランド」とある。計測器ランドは秋葉原にある大手計測器販売会社の「東洋計測器」の店頭販売(ショップ)の名称である。 (※) ソニー・テクトロニクスは製品のモデル番号を形名ではなく型名と表記している。「MSO4104型」というような表現がホームページや資料にされていることがある。つまり、モデル番号を「○○型」(○○は形名)と表現する。この表記方法がソニー由来かは不明。たとえば横河電機はモデル番号を形名というので、横河関連会社は自然とそれに倣っている。たとえば横河電機が計測器を分社化した横河計測は、モデル番号を形名と表記している。形名と型名は、どちらが正しいということはない(以下の参考記事「計測器の形名」が詳しい)。 1990年代にテクトロニクスが発売したハンディDMMのSTA55シリーズを中心に、販売会社の名前を印刷したモデルをつくり、販売店が売るという、ソニー・テクトロニクスの「新規販売店募集キャンペーン」がSTamigoだったと推測される。STA55シリーズは販売店専用のモデルだったかは不明(型名がSTamigoと類似している)。2019年10月に当サイトに「STA55GとSTA55Hのカタログを探している」という問い合わせがあった。つまり、STA55シリーズはそれなりに販売実績があったと思われる。STamigoの対象モデルや、計測器ランド以外の販売実績などは不明。 上記の中古販売サイトとは別のECサイトには「製造元:SONY Tektronix、商品名:STA55G STamigo WaveMeter」と表記された商品がある。製品に印刷された表記を忠実に(余すところなく)転記して、メーカ名と形名を表記している。この商品には販売店の会社名が印刷されていない(つまり販売店経由でなく販売された物もあることを意味する)。計測器を収納するソフトケースには「STamigo」と書かれて、まるでSTA55Gの通称のようである。 また「TDS380P STamigo TWO CHANNEL DIGITAL REAL-TIME OSCILLOSCOPE 400MHz 2ch 2GS/s」と表記された商品もある。これも現品の表記を忠実に再現して、「メーカ名・形名・品名・仕様」の順番に並べたことが写真からわかる。つまり、TDS380PにはSTamigoの表記があるが、販売店名が印刷されていないモデルが流通している。TDS340APやTDS360PもSTamigoと表記された商品が中古計測器販売サイトにあるので、TDS300/PシリーズのSTamigoはそれなりに売れたモデルと思われる。中古サイトの製品写真を見る限りは、TDS300/Pシリーズには販売店名の表示はない。 「希少 STamigo STA36 DMM」という商品の情報がネットにある(オークション開始日2021年12月、落札価格2100円)。製品の写真から推測すると、STA55の下位モデルと思われる。製品にはSTamigoとSTA36はあるが、販売店の表記はない。 オークションサイトに「工具セット(ツールセット 電工)ソニーテクトロニクス レア 珍品」なる商品の公開履歴がある。アタッシュケース状の黒いソフトケースを開くと工具セットになっていて、ドライバーなどに「STamigo by SONY/TEKTRONIX」と印刷されている。STamigoの粗品(キャンペーンの賞品?)であろうか。 断片的ではあるがSTamigo商品(施策? イベント? キャンペーン?)の実態が、当時の製品カタログやネット商品の製品写真(2024年1月現在)から推測される。

XYモード(えっくすわいもーど)

ほとんどのアナログオシロスコープに備わっていた機能の1つ。デジタルオシロスコープでもマニュアルに「時間軸 Y-T モードをX-Y モードに変えると,リサジュー図形が表示される」などの記述がうかがえる。オシロスコープは通常は時間変化を観測するが、2つの信号の位相差を測定したい(波形表示させたい)ときに使われる。通常、水平軸にはオシロスコープ内部の信号を時間軸信号として使っているが、XYモードでは位相差を観測したい2つ目の信号を水平軸に入力できる。時間観測以外のオシロスコープの測定手法の1つである。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には「XYモード:1つの入力信号を垂直軸システムに、もう1つの入力信号を水平軸システムに入力し、2つの電圧をX軸、Y軸の両方に表示させる測定方法」とある。 参考用語:リサジュー、オービット 参考記事:デジタルオシロスコープの基礎と概要 (第1回)・・冒頭の歴史の箇所で、アナログオシロスコープがCRT(ブラウン管)に垂直偏向電圧と水平偏向電圧をかけることで描画する構造であることが示されている。

エッジ(えっじ)

(edge) エッジには多くの意味がある。端(はじ)。きわ。ふち。へり。図形の辺(線分)。先端的。表記は「エッヂ」もあるが、筆者は「エッジ」が多いと感じる。 1. 計測器では、デジタル信号が立ち上がる(または立ち下がる)、波形のスロープのこと。オシロスコープの基本機能であるトリガで、一番使用頻度が高いのはエッジトリガである。フルーク(フルーク・キャリブレーション)はマルチプロダクト校正器の「オシロスコープ校正用の出力信号」のことをエッジと呼称している。デジタル信号の電圧がlow(0、ゼロ)からhigh(1)レベルへ遷移することを立ち上がりエッジというが、オシロスコープの周波数帯域の確認(校正)のためには、校正用の信号の立ち上がり時間が短い(立ち上がりが速い)ことが重要であるため、同社は校正用の信号をエッジと呼んでいると思われる(以下の参考記事が詳しい)。 論理回路の設計用言語(プログラム)では、立ち上がりエッジをposedge(ポスエッジ)、立ち下がりエッジをnegedge(ネグエッジ)と呼んでいる。pos negは「正負」を意味する接頭辞として使われている。Rhの血液型が「陽性」、「+」だとpositiveを略記してPOS、「陰性」、「-」はnegativeでNEGとなる。 デジタル無線通信の計測器で使われる規格(方式)名称にEDGE(読み方:エッジ)がある。カタカナのエッジではなくEDGEだと、2G(携帯電話の第2世代移動通信システム)で使われるデータ通信規を指す(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)。GSMは世界で最も利用されているデジタル携帯電話の通信方式。欧米や、日本/韓国以外のアジアで100以上の国と地域で利用されているため、事実上の世界標準といえる。EDGEは「GSMの後継方式で、GSM384、UWC-136とも呼称される」ので、3Gである。日本ではNTTが2001年に世界初の3G(W-CDMA)を運用開始したが、EDGEはそれと同じ位置づけの欧米(や中国など)の規格である。欧米と日本では3Gまでの携帯電話の規格が異なり、3Gへの移行も同じではないので、素人が正確に理解することは難しい。 2. ITや通信業界では、クラウドとの対比でエッジが使われる。クラウドはネットワークの基幹部分(コアネットワーク)に相当し、ネットワークにつながる多くの端末に近い箇所をエッジ(ネットワークの端、ふち、という意味)と呼ぶ。IoT(モノのインターネット)は多くの端末(エッジデバイス)がネットワークにつながることである。計測器メーカもエッジデバイスをつくっている(以下の渡辺電機工業の記事が詳しい)。最近ではエッジAIやエッジコンピューティングということばもある。Microsoft Edge(マイクロソフト エッジ)といえば、インターネットで検索するときに使うウェブブラウザ(PCや携帯電話をWebサーバに接続するためのソフトウェア)で、Google Chrome(クローム)やInternet Explorer(IE)と共に有名である(「エッジ」をブラウザで検索すると上位にMicrosoft Edgeが表示される)。 DCSなどの工業計器のトップベンダである横河電機には多くの製品群があり、レコーダ(メモリレコーダなどの計測器のレコーダではなく、計装用の温度などのセンサの役目をするデータ集録機器)やプログラマブルコントローラ(PLC)、小規模計装機器(温調計、信号変換器、電力モニタなど)などの製品群をエッジソリューション統括部にまとめて、「エッジプロダクトニュース」と題したDMを2021年5月から配信している。初回配信では、“エッジ製品に特化したお役立ち情報を届けるため、従来の「ITプロダクトニュース」を「エッジプロダクトニュース」にリニューアルした”、と冒頭に述べている。前述の渡辺電機工業は横河電機と同じ計装の機器をつくっているが、信号変換器は(エッジデバイスではなく)センサーデバイスと表現している(以下の記事参照)。エッジが示す製品の範疇(エッジデバイス、エッジプロダクトなど)はメーカによって異なるので、あくまでエッジとは概念であり、具体的な製品は各メーカの解釈に任されている。とにかく、ネットワークの進歩に伴って、ITだけでなく計装の世界でもエッジが流行りである。 一般には、エッジは「先端的、尖っている」という意味で使われている。「エッジが効いている」とは「切り口が鋭い」、「際立っている」、「気が利いている」という、秀でていることの褒めことばである。ファッション業界で使われ、一般に広がったといわれる。TechEyesOnlineも、ここでしか知ることができないオンリーワンのコンテンツを満載した、「エッジの効いた、尖がった(とんがった)専門サイト」を目指している。

エッジトリガ(えっじとりが)

(edge trigger) オシロスコープ(オシロ)のトリガの種類(トリガタイプ)で最も基本的な(1番目の)トリガ。対象とする測定信号(トリガソース)の波形の傾き(信号が増減するスロープ)に着目して、電圧が何V(ボルト)になったら(トリガレベル)、トリガをかけるのか(画面に波形を表示するのか)、を条件にする。信号の値(電圧値)が増加しているときと、減少しているときの2通りの状態(波形が傾いているスロープ)で設定ができる。このスロープは信号がH(ハイ)やL(ロー)の一定な電圧値で安定している状態ではなく、HとLが遷移する信号波形(パルス)の端(はじ)の短時間の箇所なので、エッジ(edge)と呼ばれる。「エッジの電圧値(トリガレベル)を指定してトリガ点(トリガのタイミング)とする」ため、エッジトリガと呼ばれる。 1950年頃にオシロにトリガ機能が開発され、連続した信号以外の単発現象などを安定して表示して、波形観測ができるようになった。そのときからエッジトリガは使われている。つまりトリガといえばエッジトリガである(当時はエッジトリガ以外のトリガタイプがなかったのでこのことばは後に生まれたと推測される)。当時はアナログオシロスコープしかなかったので、電圧の値というアナログ的な特長を捉えて、水平掃引を同期して波形表示を開始した。現在のデジタルオシロスコープはトリガに無関係にメモリにデジタルデータを蓄積しているので、トリガはメモリのデータを画面に表示するきっかけで、トリガ以前の波形(プリトリガ)の表示も容易である。またロジックデータを比較してトリガをかけるなど多彩な種類のトリガを装備している。 電子機器の試作品が完成したときに、設計した仕様通りに電子回路が動作しているか確認する(デバッグ)さい、エッジトリガを使って検証することは、オシロの基本的な使い方の初歩である。

FETプローブ(えふいーてぃーぷろーぶ)

(FET probe) 主にオシロスコープ (オシロ)と併用されるアクセサリ。入力容量が小さいため高い周波数を測定できる電圧プローブ。別名:アクティブプローブ、能動プローブ。通常はオシロスコープにはチャンネル数分のパッシブプローブ(受動プローブ)が標準添付されていることが多い。FETプローブのようなアクティブプローブはオシロの性能を確認して使わないと性能が発揮できないので注意が必要(オシロとプローブの性能があっていないといけない)。オシロ本体によっては電源が必要となったり、使用できるオシロスコープ本体が限られたりする。FETは電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)で、FETを使用したプローブである。

MSO(えむえすおー)

( Mixed Signal Oscilloscope) 現在の汎用オシロスコープ(オシロ)の代表的な機種群。従来オシロはアナログ信号を観測するものだが、I2Cなどの低速デジタル信号も観測できるデジタル入力付きが、ミドルレンジクラス以上では主流になった。MSOとはアナログとデジタルの両方の信号を観測できるという意味。古くはキーサイト・テクノロジーが自社オシロの特徴の1つとしてデジタル入力がオプションなどでできることを「ミックスド・シグナル」という表現をしていたが、このコンセプトをMSOというオシロの1つのカテゴリーとして確立したのはテクトロニクス。現在はオシロのモデル番号(形名・型式)やモデル名(品名・名称)に普通に使われている。たとえばテクトロニクスの「MSO3034 ミックスド・シグナル・オシロスコープ」など。横河計測の最新オシロDLM3000シリーズの品名は「ミックスドシグナルオシロスコープ」である(2020年7月現在。従来の形名「DL」を「DLM」にして、MSOであることをアピールする形名にした。)。

MDO(えむでぃーおー)

(Mixed Domain Oscilloscope) スペクトラムアナライザのオプションを持つオシロスコープ(オシロ)のこと。MSO(ミックスド・シグナル・オシロ)に倣って周波数軸(ドメイン)もあるというネーミング。テクトロニクスがオシロの形名にはじめて使用し、MDO4000Cシリーズ、3シリーズMDOなど、ミドルクラスのモデル名にはMSOかMDOを形名に使っている(2023年7月現在)。中華系オシロスコープメーカのGood Will Instrument(グッドウィル)もオシロの形名に使っているが(MDO-2000Eシリーズ)、それ以外のメーカでは見かけない(2023/7月現在)。Mixed Domainというフレーズには筆者は多少、違和感を覚えるが、テクトロニクス、Good Will以外のメーカもそうなのかもしれない。 最近のオシロは高機能化している。信号発生器などオシロ以外の測定器のオプションを揃えるモデルもある。MDOは多機能化を象徴する形名といえる。2023年1月に当サイトが実施したアンケート調査で、「オシロで使っている他の計測器の機能は?」という質問に、スペアナという回答は14%だった。つまりMDO機能の使用率は低いといえる。 みんなの投票 第2弾 オシロスコープの使用状況&主要メーカ比較記事[投票結果] (Question 7 で「オシロ以外の機能」を質問) ADコンバータを従来の8ビットから12ビットにした高分解能オシロスコープが2010年代には増えたが、これは高機能化というより、従来から測定できていた電圧の値が、実は安価なDMMよりも精度が悪かったのを改善した、ということである。なので、DMMの機能を取り込んだ高機能化という解釈もあるようだが、筆者はそうは思わない。 1945年に創業し、翌年にはトリガ式オシロスコープを商品化したテクトロニクスは、長らく世界No.1のオシロメーカで、現在もトップである。同社はTDS、DPO、MSO、MDOなど、新しい機能のオシロのモデル名・品名を作ってきた。MSOという形名を使ったのはテクトロニクスが最初だが、ミッスド・シグナルというワードはキーサイト・テクノロジーが1990年頃から使っていたワードである。

エリアシング(えりあしんぐ)

(aliasing) アナログ値(連続した信号)である物理現象を測定した後で、コンピュータ処理に適したデジタル値(離散データ)にする手法にサンプリング(標本化)があり、計測器を含む多くのデジタル電子機器で使われている。サンプリング周波数(fs)(※)は測定する信号の周波数(fm)の2倍以上である必要がある(サンプリング定理)。つまりfs>fm x 2(fsはfmの2倍以上)。fs/2(サンプリング周波数の1/2の周波数)よりも高い周波数成分は周波数fs/2を中心にして、低周波側に折り返したように見える。この現象をエリアシングという。エリアシングは「折り返し雑音(folding noise)」や「エリアシングノイズ」とも呼ばれる(表記は「エイリアシング」もある)。つまりサンプリング周波数が低いと、ノイズによって正確な結果が得られない(サンプリングで得られたデータは正しくない)。 サンプリングとは連続して変化している値を一定間隔(時間)で間引いて、デジタルデータをつくること。間引く間隔が長い(ゆっくりした間隔でサンプリングする=サンプリング周波数が低い)と、急な変化には対応できないので、できたデジタルデータは不正確で、元のアナログデータ(測定信号)を正確に反映できない。元の信号が急な変化をしているのは高い周波数成分を含んでいるからで、その周波数の2倍の周波数でサンプリングする、という目安がサンプリング定理である。 エリアシングはFFTアナライザなどのFFT解析で使われる用語だが、オシロスコープ(もちろんデジタルオシロスコープ)の使い方として、測定したい信号の周波数成分からエリアシングを考慮してサンプリングレートを設定することがあげられる。エリアシングを防止するには、fs/2の周波数以上をカットするLPF(Low Pass Filter、低域通過フィルタ)を使用する。 そのため、このLPFをアンチエリアシング・フィルタという(LPFについては用語「フィルタ」に図解がある)。fs/2は「ナイキスト周波数」と呼ばれる。 実際の測定信号にはどれだけ高い周波数成分が含まれているかわからない。そこでLPFによって高い周波数をカットすれば、最大周波数からサンプリング周波数を決められるのでエリアシングを防止できる、ということである。 (※)周波数は英語のfrequencyから「f」で略記される。何の周波数かを区別するためfの後に略記を続ける。サンプリング周波数は、英語samplingのsをとって「fs」と表記している(あくまで一例であり、必ずfsでないといけないというわけではない)。数学(物理)では、このような表記を良く使う。fsでなくてf(s)でも良さそうだが、f(s)と書かれたら「sという物理量によって変化するfという物理量」という意味で、関数を表記する書き方、と数学上の決まり事になっている。f(s)のsは関数fの引数(いんすう)と呼ばれる。

LVDS(えるぶいでぃーえす)

(Low Voltage Differential Signaling) 翻訳すると「低電圧差動伝送」。漢字の日本語よりLVDSという表現のほうがよく使われる。短距離のデジタル伝送技術。省エネ型のシリアル通信。低消費電力で比較的高速なインタフェースである。 1994年にANSI/TIA/EIA-644として標準規格となり、コンピュータ関連から採用が始まった。 LVDSは現在流行りのシリアル通信の基礎的な技術で、他の高速規格にも参考にされている。そのためシリアル通信の歴史を切り開いたといわれる。

エンベロープ(えんべろーぷ)

(Envelope) 電気の用語としては「包絡線」のこと。信号の最大値と最小値(つまりピーク、頂点同士)を結んだ曲線。エンベロープ は信号処理などに活用される。テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)では「多数の表示波形から得られた、信号の最大値と最小値が描く波形」と解説されている。 参考用語:包絡線検波器・・「包絡線」の図解がある。

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