計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

検索用語一覧

8

各用語の詳細ページでは関連用語などを確認することができます。
このアイコンが表示されている用語には、詳細ページに図解や数式での説明があります。

I2S(あいすくうぇあえす)

(Inter-IC Sound) フィリップス社(※)が提唱した、デジタル音声を伝送するためのIC間通信の規格。I2Sバスには、LJ、RJ、TDMと呼ばれるバリエーションがある。主に電子基板上で半導体チップ(IC)間の音声データ伝送に用いられる。家電製品から半導体、医療機器まで手掛けていたオランダのフィリップスが1986年に策定し、業界標準として広く普及した。オーディオ機能を持つ電子機器内部で使われている。同期式シリアル通信であるI2Cと似た方式である。最近のオシロスコープはシリアル通信などの規格の解析にオプションで対応している。I2Sに対応したモデルもある。 (※)(Philips) 1891年にヘラルド・フィリップスがオランダで電球工場として設立。ヨーロッパの代表的な総合家電メーカになった。日本では電気かみそりや電動歯ブラシで知られるが、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)、などの医療機器・ヘルスケア事業に注力している。以前は音響・映像(オーディオ・AV)分野の、レーザーディスク(LD)、コンパクトディスク(CD)、Blu-ray Discなどの開発や規格提唱をしたメーカの1社である。半導体の事業は、2006年にNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)として独立している。日本のソニーやパナソニックが半導体もつくっているのと同じ。

I2C(あいすくうぇあしー)

( Inter-Integrated Circuit) フィリップス社が提唱した周辺デバイスの通信方式。同一基板内で400 kbps程度を想定している。低速シリアル通信と総称されている規格の1つ。 500MHz程度の周波数帯域のミドルクラスのオシロスコープで、I2Cのバスモニタやデータ解析ができるオプションを持つモデルが多くなった。

アイパターン(あいぱたーん)

(eye pattern) デジタル信号のハイ/ロー(1/0)の時間推移を重ね書きで表示した図形。デジタル通信(デジタル伝送)の伝送品質評価に使われる。図形が目(eye)のように見えることに由来する。別名:アイダイアグラム(eye diagram)。アイの開口度合いから視覚的に伝送品質を確認できる。重ね書きされた複数の波形が同じ位置なら信号の時間推移は同じで、(立ち上がりや立ち下がりの時間やタイミングが変動していない)波形はシャープな形になる。この波形は品質の良い信号で、「アイが開いている」、「アイの開口が広い」と表現される。反対に、波形が細くなくて塗りつぶしたようになっていたら、波形の位置(タイミングや電圧)がずれている、品質の悪い信号で、「ジッタが悪い」という評価になる。 アイが開いている(波形の軌跡が塗りつぶす範囲が狭い)ほど、ジッタ(信号の揺らぎ)が少ない、品質が良い状態である。アイパターンを目視すれば、波形の縦の高さや横の幅からタイミングや電圧のマージンを簡便に知ることができる。信号にはオーバーシュートやアンダーシュートが起こるが、アイパターンはアイの形状からジッタなどを知り、必要なら設計を見直すなどのデバッグに使われる。多くの電気・電子回路の設計技術者にとって、アイパターンは基礎用語である。 アイパターン測定器としてはサンプリングオシロスコープ(キーサイト・テクノロジーの86100シリーズなど)が代表モデルだったが、広帯域オシロスコープ(高速オシロスコープ)が2000年代から普及し、マスクパターンがオプションで用意されるようになり、規格ごとのアイパターン評価(適合性試験、コンフォーマンステスト)はオシロスコープで自動測定できるようになった。マスクパターンとは「アイの開口」が通信規格の範囲内にあることを、オシロの測定画面で図形で規定するもの。測定者が波形から伝送品質(ジッタなど)を確認するのではなく、測定器のオプションソフトウェアが規格に合格しているかを評価(判定)する。

アクイジション(あくいじしょん)

(acquisition)acquisitionを和訳すると「取得、獲得」。計測器ではデータロガーやメモリレコーダなどで「データアクイジション(計測器へのデータの取り込み)」やオシロスコープの「アクイジション・モード」というように使われる用語である。 データ集録を示す「DAQ(ダック)」は「Data AcQuisition」の略記である。 テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション:時間的に連続した整数個のサンプルあるいは信号の取込み」と解説されている。

アクイジション時間(あくいじしょんじかん)

アクイジション(Acquisition)はデータ集録機器(データロガーなど)やオシロスコープで使われる用語だが、テクトロニクスの冊子「リアルタイム・スペクトラム解析のすべて(2009年9月発行)」ではスペクトラムアナライザの用語として「アクイジション時間:1つのアクイジションで表される時間の長さ」と解説されている。

アクイジション・モード(あくいじしょんもーど)

オシロスコープの機能の1つ。「サンプル・ポイントからどのように波形ポイントを構成するかを決めるモード。サンプル、ピーク・ディテクト、ハイレゾ、エンベロープ、アベレージ、波形データベースなどがある。(テクトロニクスの「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)より)」。テクトロニクスはオシロ解説(使い方、入門)でアクイジション・モードを使い分けることを説明している。横河計測も正式な機能として「アクイジション・モード」と表記している。キーサイト・テクノロジーは「データのアクイジション(捕獲)には・・・」という解説をしている。

アクティブプローブ(あくてぃぶぷろーぶ)

入力容量が小さいため高い周波数を測定出来る電圧プローブ。(=FETプローブ、能動プローブ)オシロスコープ本体によっては電源が必要となったり、使用出来るオシロスコープ本体が限られたりする。

アナログオシロスコープ(あなろぐおしろすこーぷ)

(analog oscilloscope) オスロスコープ(オシロ)は、電気信号の波形を映し出し、周波数や電圧を観測する測定器。アナログオシロはブラウン管に当てる電子線を水平方向と垂直方向に制御することで波形として表示する。測定データを保存できないため、ポラロイドカメラを表示画面を覆うように取り付けて撮影して保存する(カメラやカメラフードが、波形撮影用として、オシロのオプションで販売されていた)。略称:アナログオシロ。元々オシロはアナログだったが、その後開発されたデジタルオシロスコープと区別してアナログオシロというようになった。現在ではオシロの主流はデジタルオシロで、アナログオシロはほとんど見かけない。オシロは1931年に米国で強制同期式オシロが開発され、日本でも第二次世界大戦前に東京電気(現東芝)や松下無線(現パナソニック)などが製造・販売した(まず、オシロはアナログ式で登場した)。アナログオシロのNo1メーカは海外ではテクトロニクス、国産では岩崎通信機だった。 アナログオシロは2000年初頭まで販売されたが、デジタルオシロの低価格化と画面更新レートの高速化などで優位性が失われた。現在は生産中止で、市場でもほとんど使用されていない。安価であるという利点から、家電製品の生産ラインで導入される例があったが、新興国製の激安デジタルオシロによってそのような例は駆逐されてしまった。 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」(2017年4月発行)には以下の説明がある。アナログ・オシロスコープ:波形を表示する機器で、入力信号は調節、増幅された後に電子ビームの垂直軸へ印加され、その垂直軸がCRT上を左から右へと移動して波形を表示する。化学的蛍光体がCRT上(陰極線管の表示画面の部分)にコーティングされていて、そこにビームが当たると、明るく輝く波形が表示される。

  • 1