計測関連用語集

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tance(たんす)

(-tance) 導体に電気が流れる(電流)とき、電圧と抵抗の関係を示したのがオームの法則だが、ここで定義している抵抗は直流である。現実世界では、交流が電子部品に流れる(交流電圧が印加される)と周波数の値によって様々な電磁気現象が起こり、静電容量や誘導係数などの値が定義されている。これらは英語では-tance(〇〇タンス)と命名され、以下の9つがある。 名称 / 記号 / 単位(読み方) / 説明(日本語での呼称など) 1. レジスタンス(registance) / R / Ω(オーム) / 電気抵抗 2. キャパシタンス(capacitance) / C / F (ファラッド) / 静電容量 3. インダクタンス(inductance) / L / H(ヘンリー) / 誘導係数 4. インピーダンス(impedance) / Z / Ω(オーム) / 複素抵抗 5. コンダクタンス(conductance) / G / S(ジーメンス、大文字のSで、小文字のsはsecond、秒である) / 電気伝導度(No.1の逆数) 6. アドミッタンス(admittance) / Y / S(ジーメンス) / 複素伝導度(No.4の逆数。No.5を複素数に拡張した値) 7. リアクタンス(reactance) / X / Ω(オーム) / インピーダンスの虚数部分の名称(No.2とNo.3の総称) 8. サセプタンス(susceptance) / B / S(ジーメンス) / アドミッタンスの虚数部分の名称 9. イミッタンス(immittance) / / / インピーダンスやアドミッタンスの虚数部分の名称(No.7とNo.8の総称) No.1~3はLCRと呼称される受動素子(抵抗器

tanδ(たんでるた)

誘電体内の電気エネルギー損失の度合いを表す値。一般には電子部品のコンデンサの損失を表している。コンデンサ内部で消費されるエネルギーを示す特性の一つで、ある周波数の正弦波電圧で生じる電力損失を無効電力で割り、計算する。そのため誘電損失とも呼ばれ、コンデンサの性能を表す重要な指標である。 定義(数学的な計算)がタンジェント・デルタのため“タンデルタ”と呼称される。正式には誘電正接/誘電体損(DissipationFactor/LossTangent)。 誘電体損の測定器をtanδやタンデルタの略称で呼んでいることもある。誘電正接試験器やタンジェントデルタ試験器という表現も見かける。ブリッジなどの回路素子測定器や、材料測定器を1980年代まで注力していた安藤電気はtanδの測定器をつくっていた。

Teradyne(てらだいん)

Teradyne,Inc.は1960年に米国、ボストンで設立した半導体テスタやインサーキットテスタのメーカ。それまで手作業だった電子部品の検査を自動化した。1966年にコンピュータを搭載した自動検査装置(ATE)を世界初で製品化した、半導体テスタの草分け。半導体テスタは当時の最先端の電気計測器(試験装置)で、1980年代には国産の計測器メーカ(ミナトエレクトロニクス、タケダ理研工業、安藤電気など)もラインアップした(1990年代には日立電子や横河電機も参入している)。日本の電気計測器メーカは1970年代にテラダインの半導体テスタを研究(模倣)して、自社の半導体テスタ製品をつくったといわれるほどである。社名の由来は、大変大きな力を意味する、テラ(10の12乗)ダイン(=10メガニュートン)といわれる。 日本にはテラダイン株式会社・熊本事業所があり、イメージセンサやマイコン用ATEの開発から販売までを行っている。熊本県は日本のシリコンバレーといわれるくらい半導体の工場が多い(ソニーセミコン、TSMCなど)。 Teledyne Technologies(テレダイン・テクノロジーズ)は、ミドルクラスからハイエンドまで豊富なオシロスコープのラインアップで世界3位のオシロメーカといわれるレクロイ(現Teledyne Lecroy、テレダイン・レクロイ)を傘下にもつ、米国のコングロマリットである。テラダイン(teradyne)は半導体テスタ、テレダイン(teledyne)はオシロスコープ。1字違いで良く似た会社名である。

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