計測関連用語集

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静電容量(せいでんようりょう)

(electrostatic capacity、capacitance) 【電子工学で使われる電気に関する量】 コンデンサなどに蓄えられた電荷の量。別名、「電気容量」とも呼ばれ、コンデンサ(キャパシタ)の値(大きさ)を示す。誤解される心配がないときは「容量」と呼称されることも多い。記号はC、単位は[F](ファラッド)。表記はC(F)のようになる。 静電容量(別名、キャパシタンス)の測定器は回路素子測定器で、キャパシタンスメータやCメータと呼称されている。LCRメータでも静電容量の測定はできる。 絶縁された導体間(短い距離で離されて、向き合って配置された2つの導体間)にはプラスとマイナスの電荷が蓄えられる。この構造(原理)を使ったセンサや測定器があり、静電容量式○○と呼称されている(たとえば静電容量式レベル計、レベルセンサなど)。

精密級ダブルブリッジ(せいみつきゅうだぶるぶりっじ)

横河計測の形名2752ダブルブリッジの品名。ダブルブリッジは低抵抗を高精度で測定するもの。同社のユーザーズガイドには2709検流計、2012直流電流計、2791すべり抵抗器、電池と併用することで未知の抵抗の値を測定する接続図が掲載されている。参考用語:ダブルブリッジ

絶縁抵抗(ぜつえんていこう)

電気機器や電路の絶縁状態を表すもので保安管理上重要な測定項目の一つ。電気機器や電路の絶縁状態を調べるには、活線の場合、漏洩電流計による方法もあるが、一般には電気機器や電路の使用を停止し、絶縁抵抗計で測定する。(共立電気計器株式会社の用語集より)

絶縁抵抗計(ぜつえんていこうけい)

(insulation resistance meter) 絶縁抵抗(高い値の抵抗)を測定するものだが、大きく2種類ある。まずメガーについて説明する。電力回路の絶縁抵抗試験に使われる保守点検用の測定器。俗称で「メガー」と呼ばれる。屋外で使う現場測定器なので、ハンドヘルド(ハンディ)の形状しかない。アナログ式とデジタル式がある。抵抗測定器の代表はデジタルマルチメータ(DMM)だが、絶縁抵抗計は内部に高電圧の発生回路を内蔵している点が大きな違い。DMMがDUTに与えるのは2~9V程度だが、絶縁抵抗計は25~1000Vを印加できる。火災や漏電事故を防止するために、だいたい1MΩ(メグオーム)以上の高抵抗を測定して、電気機器の絶縁状態をチェックする。多くの計測器がアナログ(指針式)からデジタル(数値表示)に変わっていく中で、メガーはいまだにアナログ式が圧倒的に多い。正確な抵抗値を測定するのではなく、針の振れ具合を目視して絶縁の良否判定をするほうが効率的に検査ができるためである。ただし、デジタル式ではLED表示を指針のかわりにしたり、ブザー音の強弱で抵抗値を知らせることができるなど、少しづつデジタルが広まっている。若い作業員はデジタルに違和感がない傾向がある。市場で使われているのはまだアナログが多いが、今後デジタルに入れ替わっていく傾向である。抵抗を測定しているので当サイトではカテゴリー「回路素子」に分類しているが、絶縁の試験(点検)に使われる、可搬型の現場測定器であるため、LCRメータなどとはアプリケーションがまったく異なる。メーカでは共立電気計器が世界中に輸出をしている。日本では日置電機や三和計器という現場測定器を多くラインアップしているメーカのシェアが高い。 もうひとつ、ハンドヘルドではなくベンチトップのIRメータやエレクトロメータも絶縁抵抗を測定する。IRはInsulation Resistance(絶縁抵抗)の略記で、IR メータは「絶縁抵抗 計測器」(絶縁抵抗計)である。エレクトロメータは電荷や電流などの小さな電気量を測定するものだが、微少電流の測定は高抵抗(絶縁抵抗)の測定と原理が同じである。エレクトロメータは絶縁抵抗測定ができるが、最近はIRメータという名称がでてきていて、従来の微少電流より絶縁抵抗にスポットがあたり始めている。絶縁抵抗計といえばメガーを指していることが多かったが、今後はIRメータを指している場合も増えると推定される。日置電機の絶縁抵抗計の形名はIR3455など、頭のアルファベットはIRである。

絶縁抵抗試験(ぜつえんていこうしけん)

電気製品や部品の電気的絶縁部分が取り扱う電圧に対して、十分な電気抵抗があるかを評価する試験。(菊水電子工業の製品総合カタログ・用語集より)

絶縁劣化診断(ぜつえんれっかしんだん)

高圧ケーブルの絶縁の劣化具合を、高圧絶縁抵抗計を使い診断する方法の概要を述べる。1.高圧ケーブル単体の場合は、E端子接地方式で測定する。2. 高圧ケーブルに他の高圧機器を含む電路を一括して測定する場合はG端子接地方式を適用する。3. 高圧絶縁抵抗計の電圧としては、5000V又は10000Vが一般的である。(共立電気計器株式会社の用語集より)

接地抵抗(せっちていこう)

(earth resistance) 電気機器の本体と地面の間の抵抗値(電位差)。接地とは本体の電位を地面(アース)と等しくすることで、目的は感電防止。本体と地面の電位が同じなら、漏電している箇所を人間が触れても(電位差がないため)人間には電流が流れない。 接地抵抗が大きいと(接地しても電位差があるので)感電防止にならない。 電気設備技術基準では、接地工事の種類別に接地抵抗値の規定があり、この値を測定し、維持しないといけない。たとえば電気工事の種類「A種」は高圧や特高(※)の電気機器が対象で、接地抵抗は10Ω以下である。設置工事の種類(A種~D種)の概要を以下に示す。 接地工事の種類:接地抵抗値 / 接地線の太さ / 電圧の種別による機器 A種(第1種):10Ω以下 / 直径2.6mm以上 / 高圧用又は特別高圧用の機械器具の鉄台及び金属製外箱。 B種(第2種):計算値(150/接地電流)Ω以下 / 直径4mm以上 / 高圧又は特別高圧の電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点。 C種(特別第3種):10Ω以下 / 直径1.6mm以上 / 低圧用機械器具の鉄台及び金属製外箱。 D種(第3種):100Ω以下 / 直径1.6mm以上 / 低圧用機械器具の鉄台及び金属製外箱。 接地抵抗は電気設備の保守点検で測定される項目で、その測定器が接地抵抗計(アーステスタという名称のモデルもある)。ハンドヘルドのモデルが多い、三和電気計器や共立電気計器、マルチ計測器などがラインアップしている。共立電気計器には簡易接地抵抗計というユニークな製品がある。接地抵抗は絶縁抵抗と同様に電気機器の保守で測定される。 現場測定器の代表はクランプ、絶縁抵抗計、接地抵抗計で、共立電気計器はこの3種類に特化した老舗だが、最近は電力測定のアナライザ(PQAやI0r)もつくっている。同じく現場測定器を多くラインナップする日置電機は、DMMからつくり始め、クランプ電流計、絶縁抵抗計、接地抵抗計にラインアップを広げた(共立電気計器とは逆)。クランプというと日置電機が有名だが、日本初のクランプメータをつくったのは共立電気計器である。 (※)電力会社から供給される電力は、電圧によって低圧、高圧、特別高圧(特高)の3区分がある。低圧は「50kW未満(家庭や商店)」、高圧は「50~2000kWの施設」、特別高圧は「受電電圧が2万V以上、契約電力が2000kW以上の大規模施設」が該当する。低圧は100V、高圧は主に200V、特高は特別な受電設備によって、送電線の6600Vなどの電圧を100/200Vに降圧する必要がある。

接地抵抗計(せっちていこうけい)

(earth resistance meter) 接地抵抗の測定器。電気機器と地面(グランド、アース)との電位差を測定する。電気工事や定期点検などで使用されるため、ハンドヘルド(可搬型)でアナログ式(針が振れる)のモデルが多かったが、最近はデジタル表示のモデルも増えた。メーカによっては「アーステスタ」(earth tester)という名称(品名)も多い。 屋外で使用するハンドヘルドモデルに注力している、三和電気計器や共立電気計器、マルチ計測器などがラインアップしている。保守・点検業者が使うアナログ型(表示が指示計器)の保護リレー試験器(外観はアタッシュケース)を豊富にラインアップする、株式会社双興電機製作所や株式会社 ムサシインテックも接地抵抗計をつくっている。現場測定器がラインアップにある横河電機(現横河計測)や日置電機もつくっている。つまり、接地抵抗計の国内メーカは多い。

接点抵抗計(せってんていこうけい)

ミリオーム(mΩ)程度の低い抵抗を測定する機器。(=ミリオームメータ)

Zハイテスタ(ぜっとはいてすた)

日置電機のLCRメータの品名(現在は生産終了でこの品名の製品はない)。 回路部品のインピーダンス(Z)を測定する機器。(=LCRメータ)

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